駐車場法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月十六日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百六号
駐車場法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
駐車場整備地区(第三条)
第三章
路上駐車場(第四条―第九条)
第四章
路外駐車場(第十条―第十九条)
第五章
大規模の建築物における駐車施設の附置(第二十条)
第六章
罰則(第二十一条―第二十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めることにより、道路交通の円滑化を図り、もつて公衆の利便に資するとともに、都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 路上駐車場 駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限つて設置される自動車の駐車のための施設であつて一般公共の用に供されるものをいう。
二 路外駐車場 道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であつて一般公共の用に供されるものをいう。
三 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路をいう。
四 自動車 道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)第二条第五項の自動車のうち、自動二輪車及び軽自動車以外のものをいう。
五 駐車 道路交通取締法第二十一条第一項の規定に基く政令で定める駐車をいう。
第二章 駐車場整備地区
(駐車場整備地区)
第三条 建設大臣は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第四十八条第一項の商業地域内において自動車交通が著しくふくそうする地区について、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保するため必要があると認めるときは、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その長。以下同じ。)の申出に基き、都市計画法(大正八年法律第三十六号)の定める手続によつて、都市計画の施設として駐車場整備地区を指定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による申出をしようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
3 建設大臣は、第一項の規定による指定をしようとする場合においては、あらかじめ、国家公安委員会の意見をきかなければならない。
第三章 路上駐車場
(路上駐車場設置計画)
第四条 前条第一項の規定により駐車場整備地区が指定された場合においては、都道府県知事は、その駐車場整備地区につき、政令で定める基準に従い、その地区内にある路外駐車場によつては満たされない自動車の駐車需要に応ずるために必要な路上駐車場の配置及び規模に関する計画(駐車料金の徴収に関する計画を含む。以下「路上駐車場設置計画」という。)を定め、建設大臣の承認を受けなければならない。この場合において、建設大臣は、承認をしようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の意見をきかなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により路上駐車場設置計画を定めようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会及び関係のある道路管理者(道路法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)の意見をきかなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定により路上駐車場設置計画について建設大臣の承認があつた場合においては、その旨を都道府県公安委員会及び関係のある道路管理者に通知しなければならない。
4 前三項の規定は、路上駐車場設置計画を変更しようとする場合及びその変更について建設大臣の承認があつた場合について準用する。
(路上駐車場の設置及び廃止)
第五条 前条第一項の規定により路上駐車場設置計画について建設大臣の承認があつた場合においては、道路管理者である地方公共団体(一級国道又は二級国道にあつては、道路管理者である都道府県知事の統轄する都道府県(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その市)。以下同じ。)は、その路上駐車場設置計画に基いて路上駐車場を設置するものとする。
2 道路管理者である地方公共団体の長は、前項の規定により当該地方公共団体が路上駐車場を設置しようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
3 道路管理者である地方公共団体は、駐車場整備地区内の路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場を廃止するものとする。この場合においては、当該地方公共団体の長は、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
(路上駐車場の駐車料金及び割増金)
第六条 道路管理者である地方公共団体は、条例で定めるところにより、前条第一項の規定により設置した路上駐車場に自動車を駐車させる者から、駐車料金を徴収することができる。ただし、次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
一 道路交通取締法第十条第三項に規定する緊急自動車その他政令で定める自動車が駐車する場合
二 深夜その他の自動車交通の少い時間であつて政令で定める時間内において駐車する場合
2 前項の駐車料金の額は、駐車一時間につき五十円をこえない範囲内で政令で定める額をこえてはならない。
3 道路管理者である地方公共団体は、条例で定めるところにより、不法に第一項の駐車料金を免かれた者から、その免かれた額のほか、その免かれた額の二倍に相当する額を割増金として徴収することができる。
4 道路法第七十三条の規定は、第一項の規定による駐車料金及び前項の規定による割増金について準用する。
(駐車料金等の使途)
第七条 道路管理者である地方公共団体は、政令で定めるところにより、前条第一項の規定により徴収した駐車料金及び同条第三項の規定により徴収した割増金を、路上駐車場の管理に要する費用に充てるほか、駐車場整備地区内の地方公共団体の設置する路外駐車場の整備に要する費用に充てるように努めなければならない。
(路上駐車場の表示)
第八条 道路管理者は、路上駐車場の位置を表示するため、道路法第四十五条の規定による道路標識及び区画線を設けなければならない。
2 前項に規定するもののほか、道路管理者である地方公共団体は、建設省令で定めるところにより、駐車料金その他路上駐車場の利用について必要な事項を表示するため、標識を設けなければならない。
(政令への委任)
第九条 この章に定めるもののほか、路上駐車場の設置その他路上駐車場に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 路外駐車場
(駐車場整備地区内の路外駐車場の整備)
第十条 建設大臣は、第三条の規定により駐車場整備地区を指定した場合においては、その地区内の長時間の自動車の駐車需要に応ずるために必要な路外駐車場の配置及び規模を都市計画として決定しなければならない。
2 地方公共団体は、前項の都市計画に基いて、路外駐車場の整備に努めなければならない。
(構造及び設備の基準)
第十一条 路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの構造及び設備は、建築基準法その他の法令の規定の適用がある場合においてはそれらの法令の規定によるほか、政令で定める技術的基準によらなければならない。
(設置の届出)
第十二条 都市計画法第二条の都市計画区域内において、前条の路外駐車場でその利用について駐車料金を徴収するものを設置する者(以下「駐車場管理者」という。)は、あらかじめ、運輸省令・建設省令で定めるところにより、路外駐車場の位置、規模、構造、設備その他必要な事項を都道府県知事に届け出なければならない。届け出てある事項を変更しようとするときも、また同様とする。
(管理規程)
第十三条 駐車場管理者は、路外駐車場の供用を開始しようとするときは、あらかじめ、その業務の運営の基本となるべき管理規程を定め、都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の管理規程には、運輸省令・建設省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
一 路外駐車場の名称
二 駐車場管理者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称及び主たる事務所の所在地並びに代表者の氏名及び住所)
三 路外駐車場の供用時間に関する事項
四 駐車料金に関する事項
五 前号に掲げるもののほか、路外駐車場の供用契約に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、運輸省令・建設省令で定める事項
3 前項第四号の駐車料金の額の基準は、政令で定める。
4 駐車場管理者は、管理規程に定めた事項を変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。
(休止等の届出)
第十四条 駐車場管理者は、路外駐車場の全部又は一部の供用を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。現に休止している路外駐車場の全部又は一部の供用を再開しようとするときも、また同様とする。
(駐車場管理者の責務)
第十五条 駐車場管理者は、管理規程に定めた路外駐車場の供用時間内においては、正当な理由のない限り、その路外駐車場の供用を拒んではならない。
2 駐車場管理者は、管理規程に従つて路外駐車場に関する業務を運営するとともに、建築基準法第八条の規定によるほか、その路外駐車場の構造及び設備を第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合するように維持しなければならない。
第十六条 駐車場管理者は、その路外駐車場に駐車する自動車の保管に関し、善良な管理者の注意を怠らなかつたことを証明する場合を除いては、その自動車の滅失又は損傷について損害賠償の責任を免かれることができない。
(道路の地下等の占用)
第十七条 都市計画として決定された路外駐車場の用に供するため、道路の地下又は都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項の都市公園の地下の占用の許可の申請があつた場合においては、当該占用がそれぞれ道路法第三十三条又は都市公園法第七条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合する限り、道路管理者又は都市公園法第五条第一項の公園管理者は、それぞれこれらの法律による占用の許可を与えるものとする。
(立入検査等)
第十八条 都道府県知事は、この法律を施行するため必要な限度において、駐車場管理者から報告若しくは資料の提出を求め、又は部下の職員をして路外駐車場若しくはその業務に関係のある場所に立ち入り、路外駐車場の施設若しくは業務に関し検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(是正命令)
第十九条 都道府県知事は、路外駐車場の構造及び設備が第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合せず、又は路外駐車場の業務の運営がこの法律若しくはこれに基く命令の規定に違反していると認めるときは、駐車場管理者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。この場合において、都道府県知事は、路外註車場の構造及び設備が当該路外駐車場の利用上著しく危険であると認めるときは、当該是正のための措置がとられるまでの間、当該路外駐車場の供用を停止すべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、駐車場管理者に対し、弁明のため自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
第五章 大規模の建築物における駐車施設の附置
(大規模の建築物における駐車施設の附置)
第二十条 地方公共団体は、駐車場整備地区内及びその周辺の条例で定める区域内において、延べ面積が三千平方メートル以上の建築物の新築をし、又は延べ面積が三千平方メートル以上の増築をしようとする者に対し、条例で、その建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設を設けなければならない旨を定めることができる。
2 建築基準法第三条第三項の規定は、前項の規定に基く条例の施行又は適用の際現に新築又は増築の工事中の建築物が当該条例の規定に適合しない場合について準用する。
第六章 罰則
(罰則)
第二十一条 第十九条第一項の規定による都道府県知事の命令に従わなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十二条 第十二条、第十三条第一項若しくは第四項又は第十四条の規定に違反した者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 第十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(路外駐車場に関する経過措置)
2 この法律の施行の際都市計画区域内において現にその利用について駐車料金を徴収する路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものを設置している者は、この法律の施行の日から起算して三月以内に、第十二条及び第十三条の規定による届出をしなければならないものとし、それまでの間は、これらの規定による届出をして業務を営んでいるものとみなす。
3 建築基準法第三条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行の際現に存する路外駐車場(自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものに限る。以下この項において同じ。)又はこの法律の施行の際現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の路外駐車場の構造及び設備が第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合しない場合について準用する。
(道路交通取締法の一部改正)
4 道路交通取締法の一部を次のように改正する。
第二十一条第二項に次のただし書を加える。
但し、駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第二条第一号の路上駐車場について制限を行う必要があるときは、緊急を要する場合の外、あらかじめ、当該路上駐車場を設置した道路管理者である地方公共団体の意見をきかなければならない。
(建設省設置法の一部改正)
5 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第五号の五の次に次の一号を加える。
五の六 駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)の施行に関する事務を管理すること。
(土地収用法の一部改正)
6 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第一号中「一般公共の用に供する駐車場」を「駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)による路外駐車場」に改める。
(道路法の一部改正)
7 道路法の一部を次のように改正する。
第四十五条の見出し中「道路標識」を「道路標識等」に改め、同条第一項中「道路標識」の下に「又は区画線」を加え、同条第二項中「道路標識」の下に「及び区画線」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
運輸大臣 宮澤胤勇
建設大臣 南條徳男
駐車場法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月十六日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百六号
駐車場法
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
駐車場整備地区(第三条)
第三章
路上駐車場(第四条―第九条)
第四章
路外駐車場(第十条―第十九条)
第五章
大規模の建築物における駐車施設の附置(第二十条)
第六章
罰則(第二十一条―第二十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めることにより、道路交通の円滑化を図り、もつて公衆の利便に資するとともに、都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 路上駐車場 駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限つて設置される自動車の駐車のための施設であつて一般公共の用に供されるものをいう。
二 路外駐車場 道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であつて一般公共の用に供されるものをいう。
三 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路をいう。
四 自動車 道路交通取締法(昭和二十二年法律第百三十号)第二条第五項の自動車のうち、自動二輪車及び軽自動車以外のものをいう。
五 駐車 道路交通取締法第二十一条第一項の規定に基く政令で定める駐車をいう。
第二章 駐車場整備地区
(駐車場整備地区)
第三条 建設大臣は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第四十八条第一項の商業地域内において自動車交通が著しくふくそうする地区について、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保するため必要があると認めるときは、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その長。以下同じ。)の申出に基き、都市計画法(大正八年法律第三十六号)の定める手続によつて、都市計画の施設として駐車場整備地区を指定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による申出をしようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
3 建設大臣は、第一項の規定による指定をしようとする場合においては、あらかじめ、国家公安委員会の意見をきかなければならない。
第三章 路上駐車場
(路上駐車場設置計画)
第四条 前条第一項の規定により駐車場整備地区が指定された場合においては、都道府県知事は、その駐車場整備地区につき、政令で定める基準に従い、その地区内にある路外駐車場によつては満たされない自動車の駐車需要に応ずるために必要な路上駐車場の配置及び規模に関する計画(駐車料金の徴収に関する計画を含む。以下「路上駐車場設置計画」という。)を定め、建設大臣の承認を受けなければならない。この場合において、建設大臣は、承認をしようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の意見をきかなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により路上駐車場設置計画を定めようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会及び関係のある道路管理者(道路法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)の意見をきかなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定により路上駐車場設置計画について建設大臣の承認があつた場合においては、その旨を都道府県公安委員会及び関係のある道路管理者に通知しなければならない。
4 前三項の規定は、路上駐車場設置計画を変更しようとする場合及びその変更について建設大臣の承認があつた場合について準用する。
(路上駐車場の設置及び廃止)
第五条 前条第一項の規定により路上駐車場設置計画について建設大臣の承認があつた場合においては、道路管理者である地方公共団体(一級国道又は二級国道にあつては、道路管理者である都道府県知事の統轄する都道府県(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その市)。以下同じ。)は、その路上駐車場設置計画に基いて路上駐車場を設置するものとする。
2 道路管理者である地方公共団体の長は、前項の規定により当該地方公共団体が路上駐車場を設置しようとする場合においては、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
3 道路管理者である地方公共団体は、駐車場整備地区内の路外駐車場が整備されるに応じて、逐次路上駐車場を廃止するものとする。この場合においては、当該地方公共団体の長は、あらかじめ、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
(路上駐車場の駐車料金及び割増金)
第六条 道路管理者である地方公共団体は、条例で定めるところにより、前条第一項の規定により設置した路上駐車場に自動車を駐車させる者から、駐車料金を徴収することができる。ただし、次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
一 道路交通取締法第十条第三項に規定する緊急自動車その他政令で定める自動車が駐車する場合
二 深夜その他の自動車交通の少い時間であつて政令で定める時間内において駐車する場合
2 前項の駐車料金の額は、駐車一時間につき五十円をこえない範囲内で政令で定める額をこえてはならない。
3 道路管理者である地方公共団体は、条例で定めるところにより、不法に第一項の駐車料金を免かれた者から、その免かれた額のほか、その免かれた額の二倍に相当する額を割増金として徴収することができる。
4 道路法第七十三条の規定は、第一項の規定による駐車料金及び前項の規定による割増金について準用する。
(駐車料金等の使途)
第七条 道路管理者である地方公共団体は、政令で定めるところにより、前条第一項の規定により徴収した駐車料金及び同条第三項の規定により徴収した割増金を、路上駐車場の管理に要する費用に充てるほか、駐車場整備地区内の地方公共団体の設置する路外駐車場の整備に要する費用に充てるように努めなければならない。
(路上駐車場の表示)
第八条 道路管理者は、路上駐車場の位置を表示するため、道路法第四十五条の規定による道路標識及び区画線を設けなければならない。
2 前項に規定するもののほか、道路管理者である地方公共団体は、建設省令で定めるところにより、駐車料金その他路上駐車場の利用について必要な事項を表示するため、標識を設けなければならない。
(政令への委任)
第九条 この章に定めるもののほか、路上駐車場の設置その他路上駐車場に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 路外駐車場
(駐車場整備地区内の路外駐車場の整備)
第十条 建設大臣は、第三条の規定により駐車場整備地区を指定した場合においては、その地区内の長時間の自動車の駐車需要に応ずるために必要な路外駐車場の配置及び規模を都市計画として決定しなければならない。
2 地方公共団体は、前項の都市計画に基いて、路外駐車場の整備に努めなければならない。
(構造及び設備の基準)
第十一条 路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの構造及び設備は、建築基準法その他の法令の規定の適用がある場合においてはそれらの法令の規定によるほか、政令で定める技術的基準によらなければならない。
(設置の届出)
第十二条 都市計画法第二条の都市計画区域内において、前条の路外駐車場でその利用について駐車料金を徴収するものを設置する者(以下「駐車場管理者」という。)は、あらかじめ、運輸省令・建設省令で定めるところにより、路外駐車場の位置、規模、構造、設備その他必要な事項を都道府県知事に届け出なければならない。届け出てある事項を変更しようとするときも、また同様とする。
(管理規程)
第十三条 駐車場管理者は、路外駐車場の供用を開始しようとするときは、あらかじめ、その業務の運営の基本となるべき管理規程を定め、都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の管理規程には、運輸省令・建設省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を定めなければならない。
一 路外駐車場の名称
二 駐車場管理者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称及び主たる事務所の所在地並びに代表者の氏名及び住所)
三 路外駐車場の供用時間に関する事項
四 駐車料金に関する事項
五 前号に掲げるもののほか、路外駐車場の供用契約に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、運輸省令・建設省令で定める事項
3 前項第四号の駐車料金の額の基準は、政令で定める。
4 駐車場管理者は、管理規程に定めた事項を変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。
(休止等の届出)
第十四条 駐車場管理者は、路外駐車場の全部又は一部の供用を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。現に休止している路外駐車場の全部又は一部の供用を再開しようとするときも、また同様とする。
(駐車場管理者の責務)
第十五条 駐車場管理者は、管理規程に定めた路外駐車場の供用時間内においては、正当な理由のない限り、その路外駐車場の供用を拒んではならない。
2 駐車場管理者は、管理規程に従つて路外駐車場に関する業務を運営するとともに、建築基準法第八条の規定によるほか、その路外駐車場の構造及び設備を第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合するように維持しなければならない。
第十六条 駐車場管理者は、その路外駐車場に駐車する自動車の保管に関し、善良な管理者の注意を怠らなかつたことを証明する場合を除いては、その自動車の滅失又は損傷について損害賠償の責任を免かれることができない。
(道路の地下等の占用)
第十七条 都市計画として決定された路外駐車場の用に供するため、道路の地下又は都市公園法(昭和三十一年法律第七十九号)第二条第一項の都市公園の地下の占用の許可の申請があつた場合においては、当該占用がそれぞれ道路法第三十三条又は都市公園法第七条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合する限り、道路管理者又は都市公園法第五条第一項の公園管理者は、それぞれこれらの法律による占用の許可を与えるものとする。
(立入検査等)
第十八条 都道府県知事は、この法律を施行するため必要な限度において、駐車場管理者から報告若しくは資料の提出を求め、又は部下の職員をして路外駐車場若しくはその業務に関係のある場所に立ち入り、路外駐車場の施設若しくは業務に関し検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(是正命令)
第十九条 都道府県知事は、路外駐車場の構造及び設備が第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合せず、又は路外駐車場の業務の運営がこの法律若しくはこれに基く命令の規定に違反していると認めるときは、駐車場管理者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。この場合において、都道府県知事は、路外註車場の構造及び設備が当該路外駐車場の利用上著しく危険であると認めるときは、当該是正のための措置がとられるまでの間、当該路外駐車場の供用を停止すべきことを命ずることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、駐車場管理者に対し、弁明のため自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
第五章 大規模の建築物における駐車施設の附置
(大規模の建築物における駐車施設の附置)
第二十条 地方公共団体は、駐車場整備地区内及びその周辺の条例で定める区域内において、延べ面積が三千平方メートル以上の建築物の新築をし、又は延べ面積が三千平方メートル以上の増築をしようとする者に対し、条例で、その建築物又はその建築物の敷地内に自動車の駐車のための施設を設けなければならない旨を定めることができる。
2 建築基準法第三条第三項の規定は、前項の規定に基く条例の施行又は適用の際現に新築又は増築の工事中の建築物が当該条例の規定に適合しない場合について準用する。
第六章 罰則
(罰則)
第二十一条 第十九条第一項の規定による都道府県知事の命令に従わなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十二条 第十二条、第十三条第一項若しくは第四項又は第十四条の規定に違反した者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十三条 第十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、前三条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(路外駐車場に関する経過措置)
2 この法律の施行の際都市計画区域内において現にその利用について駐車料金を徴収する路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものを設置している者は、この法律の施行の日から起算して三月以内に、第十二条及び第十三条の規定による届出をしなければならないものとし、それまでの間は、これらの規定による届出をして業務を営んでいるものとみなす。
3 建築基準法第三条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行の際現に存する路外駐車場(自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものに限る。以下この項において同じ。)又はこの法律の施行の際現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の路外駐車場の構造及び設備が第十一条の規定に基く政令で定める技術的基準に適合しない場合について準用する。
(道路交通取締法の一部改正)
4 道路交通取締法の一部を次のように改正する。
第二十一条第二項に次のただし書を加える。
但し、駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第二条第一号の路上駐車場について制限を行う必要があるときは、緊急を要する場合の外、あらかじめ、当該路上駐車場を設置した道路管理者である地方公共団体の意見をきかなければならない。
(建設省設置法の一部改正)
5 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第五号の五の次に次の一号を加える。
五の六 駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)の施行に関する事務を管理すること。
(土地収用法の一部改正)
6 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第一号中「一般公共の用に供する駐車場」を「駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)による路外駐車場」に改める。
(道路法の一部改正)
7 道路法の一部を次のように改正する。
第四十五条の見出し中「道路標識」を「道路標識等」に改め、同条第一項中「道路標識」の下に「又は区画線」を加え、同条第二項中「道路標識」の下に「及び区画線」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
運輸大臣 宮沢胤勇
建設大臣 南条徳男