第一条 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中第十二号を第十四号とし、第九号から第十一号までを二号ずつ繰り下げ、同項第八号中「及び特定電気事業者」を「、特定電気事業者及び特定規模電気事業者」に改め、同号を同項第十号とし、同項第七号中「及び特定電気事業」を「、特定電気事業及び特定規模電気事業」に改め、同号を同項第九号とし、同項第六号の次に次の二号を加える。
七 特定規模電気事業 電気の使用者の一定規模の需要であつて通商産業省令で定める要件に該当するもの(以下「特定規模需要」という。)に応ずる電気の供給(第十七条第一項第一号に規定する供給に該当するもの及び同項の許可を受けて行うものを除く。)を行う事業であつて、一般電気事業者がその供給区域以外の地域における特定規模需要に応じ他の一般電気事業者が維持し、及び運用する電線路を介して行うもの並びに一般電気事業者以外の者が一般電気事業者が維持し、及び運用する電線路を介して行うものをいう。
八 特定規模電気事業者 特定規模電気事業を営むことについて第十六条の二第一項の規定による届出をした者をいう。
第二条第二項中「又は」を「若しくは」に改め、「供給する事業」の下に「又は他の一般電気事業者若しくは特定規模電気事業者にその特定規模電気事業の用に供するための電気に係る第二十四条の三第一項に規定する振替供給若しくは第二十四条の四第一項に規定する接続供給を行う事業」を加える。
「第一節 事業の許可」を「第一節 事業の許可等」に改める。
第三条第一項中「電気事業」の下に「(特定規模電気事業を除く。以下この節(第五条第七号及び第十七条第一項を除く。)において同じ。)」を加える。
第七条第一項中「電気事業者」の下に「(特定規模電気事業者を除く。以下この節において同じ。)」を加える。
第十三条第一項中「次項」を「以下この条」に、「通商産業大臣の許可を受けなければ」を「通商産業大臣に届け出なければ」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 前項の規定による届出をした電気事業者は、その届出が受理された日から二十日を経過した後でなければ、その届出に係る設備を譲り渡し、又は所有権以外の権利の目的としてはならない。
第十三条に次の二項を加える。
3 通商産業大臣は、第一項の規定による届出に係る設備を譲り渡し、又は所有権以外の権利の目的とすること(次項において「設備の譲渡し等」という。)がその届出をした電気事業者の電気事業の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
4 通商産業大臣は、第一項の規定による届出に係る設備の譲渡し等がその届出をした電気事業者の電気事業の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その届出をした電気事業者に対し、その届出を受理した日から二十日以内に限り、その届出に係る設備の譲渡し等を変更し、又は中止すべきことを命ずることができる。
第十六条の次に次の二条を加える。
(特定規模電気事業の届出)
第十六条の二 一般電気事業者以外の者は、特定規模電気事業を営もうとするときは、通商産業省令で定めるところにより、氏名又は名称及び住所その他通商産業省令で定める事項を記載した書類を添えて、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
2 特定規模電気事業者は、前項の事項を変更しようとするときは、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
3 特定規模電気事業者は、その事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(特定規模電気事業の承継)
第十六条の三 特定規模電気事業の全部の譲渡しがあり、又は特定規模電気事業者について相続若しくは合併があつたときは、特定規模電気事業の全部を譲り受けた者又は相続人若しくは合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、特定規模電気事業者の地位を承継する。
2 前項の規定により特定規模電気事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
第十七条第一項第一号中「建物内」の下に「又は通商産業省令で定める構内」を加え、同項第二号中「又は特定電気事業」を「、特定電気事業又は特定規模電気事業」に改める。
第十八条第一項中「における需要」の下に「及び特定規模需要」を加え、同条中第六項を第七項とし、第二項から第五項までを一項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の一項を加える。
2 一般電気事業者は、供給約款又は選択約款により電気の供給を受ける者の利益を阻害するおそれがあるときその他正当な理由がなければ、その供給区域における特定規模需要(その一般電気事業者以外の者から電気の供給を受け、又はその一般電気事業者と交渉により合意した料金その他の供給条件により電気の供給を受けているものを除く。)に応ずる電気の供給を拒んではならない。
第十九条第一項中「電気の料金その他の供給条件について」を「一般の需要(特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条件について、通商産業省令で定めるところにより、」に改め、同条第五項第一号中「使用」の下に「その他の効率的な事業運営」を加え、同項を同条第八項とし、同条第四項を同条第七項とし、同条第三項中「効率的な使用」の下に「その他の効率的な事業運営」を加え、同項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。
3 一般電気事業者は、第一項後段の規定にかかわらず、料金を引き下げる場合その他の電気の使用者の利益を阻害するおそれがないと見込まれる場合として通商産業省令で定める場合には、通商産業省令で定めるところにより、第一項の認可を受けた供給約款(次項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下この条において同じ。)で設定した料金その他の供給条件を変更することができる。
4 一般電気事業者は、前項の規定により料金その他の供給条件を変更したときは、通商産業省令で定めるところにより、変更後の供給約款を通商産業大臣に届け出なければならない。
5 通商産業大臣は、前項の規定による届出に係る供給約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該一般電気事業者に対し、相当の期限を定め、その供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 料金が供給の種類により定率又は定額をもつて明確に定められていること。
二 一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
三 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
第十九条の次に次の一条を加える。
(一般電気事業者の最終保障約款)
第十九条の二 一般電気事業者は、その供給区域における特定規模需要(その一般電気事業者以外の者から電気の供給を受け、又はその一般電気事業者と交渉により合意した料金その他の供給条件により電気の供給を受けているものを除く。)に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給に係る料金その他の供給条件について約款を定め、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 通商産業大臣は、前項の規定による届出に係る約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該一般電気事業者に対し、相当の期限を定め、その約款(以下「最終保障約款」という。)を変更すべきことを命ずることができる。
一 料金が供給の種類により定率又は定額をもつて明確に定められていること。
二 一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
三 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
四 社会的経済的事情に照らして著しく不適切であり、最終保障約款により電気の供給を受ける者の利益を著しく阻害するおそれがあるものでないこと。
第二十条中「前条第一項」を「第十九条第一項」に、「若しくは第二十三条第二項」を「同条第四項の規定により供給約款の変更の届出をし、若しくは第二十三条第三項」に、「又は前条第四項」を「第十九条第七項」に改め、「したとき」の下に「、又は前条第一項の規定により最終保障約款の届出をしたとき」を加え、「又は選択約款」を「、選択約款又は最終保障約款」に改める。
第二十一条中「供給約款(第二十三条第二項」を「供給約款(同条第四項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの)(第二十三条第三項」に、「第十九条第四項」を「第十九条第七項」に改め、「一般の需要」の下に「(特定規模需要を除く。)」を加え、「供給条件(第二十三条第二項」を「供給条件(第二十三条第三項」に改め、同条に次の一項を加える。
2 一般電気事業者は、その供給の相手方と料金その他の供給条件について交渉により合意した場合を除き、第十九条の二第一項の規定による届出をした最終保障約款以外の供給条件により、その供給区域における特定規模需要に応じ電気を供給してはならない。ただし、振替供給を行うときは、この限りでない。
第二十二条第一項中「の認可を受けた」を「に届け出た」に、「次条第二項」を「次条第三項」に改め、同項第一号中「第三項」を「第五項」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から二十日を経過した後でなければ、その届出に係る卸供給を開始してはならない。
第二十二条中第五項を第七項とし、第四項を第六項とし、第三項を第五項とし、第二項の次に次の二項を加える。
3 通商産業大臣は、第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件が第十九条第二項各号のいずれにも適合していると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
4 通商産業大臣は、第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件が第十九条第二項各号のいずれかに適合していないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出を受理した日から二十日以内に限り、その料金その他の供給条件を変更すべきことを命ずることができる。
第二十三条第一項中「、卸電気事業者又は卸供給事業者」を削り、「認可を受けた供給約款」の下に「(同条第四項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの)」を加え、「第二十一条ただし書若しくは前条第一項」を「第二十一条第一項ただし書」に、「次項」を「第三項」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「同項」を「前二項」に改め、「認可の申請」の下に「又は変更の届出」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 通商産業大臣は、前条第一項の規定による届出に係る料金その他の供給条件(次項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの)が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、一般電気事業者、卸電気事業者又は卸供給事業者に対し、相当の期限を定め、その料金その他の供給条件を変更すべきことを命ずることができる。
第二十四条の二第五項中「第二十三条」を「第二十三条第一項及び第三項」に改める。
第二十四条の三第一項中「又は特定電気事業」を「、特定電気事業又は特定規模電気事業」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(接続供給)
第二十四条の四 一般電気事業者は、接続供給(特定規模電気事業を営む他の者から受電した一般電気事業者が、同時に、その受電した場所以外のその供給区域内の場所(事業開始地点を除く。)において、変動範囲(特定規模電気事業を営む他の者がその供給の相手方の需要に応ずるために必要とする特定規模電気事業の用に供するための電気の量の変動について、通商産業省令で定める範囲をいう。以下この項において同じ。)内の当該他の者のその特定規模電気事業の用に供するための電気の量の変動に応じて、当該他の者に対して、電気の供給を行うとともに、事故により当該他の者がその特定規模電気事業の用に供する電気に不足が生じた場合に、変動範囲を超えて、当該他の者に対して、その不足する電気の供給を行うことをいう。以下同じ。)に係る料金その他の供給条件について、通商産業省令で定めるところにより、接続供給約款を定め、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 一般電気事業者は、前項の規定による届出をした接続供給約款以外の供給条件により接続供給を行つてはならない。ただし、接続供給約款により難い特別の事情がある場合において、通商産業大臣が承認したときは、この限りでない。
3 通商産業大臣は、第一項の規定による届出に係る接続供給約款が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、当該一般電気事業者に対し、相当の期限を定め、その接続供給約款を変更すべきことを命ずることができる。
一 供給約款又は選択約款により電気の供給を受ける者の利益を阻害するおそれがないこと。
二 特定規模電気事業を営む者が接続供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと。
三 料金が定率又は定額をもつて明確に定められていること。
四 一般電気事業者及び特定規模電気事業を営む者の責任に関する事項並びに電気計器及び工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
五 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
4 一般電気事業者は、第一項の規定による届出をしたときは、通商産業省令で定めるところにより、その接続供給約款を公表しなければならない。
5 通商産業大臣は、一般電気事業者が正当な理由なく接続供給を拒んだときは、その一般電気事業者に対し、接続供給を行うべきことを命ずることができる。
第二十五条第一項中「一般電気事業として供給するとき」を「特定規模電気事業として供給するとき、一般電気事業、特定電気事業又は特定規模電気事業の用に供するための電気を供給するとき」に、「又は特定電気事業」を「、特定電気事業又は特定規模電気事業」に改め、同条第二項中第一号を削り、第二号を第一号とし、第三号を第二号とする。
第二十六条第一項中「卸電気事業者」の下に「及び特定規模電気事業者」を加える。
第二十七条中「若しくは特定電気事業者」を「、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者」に改める。
第二十九条第一項中「特定電気事業者」の下に「及び特定規模電気事業者」を加える。
第三十一条第一項第一号中「又は特定電気事業者」を「、特定電気事業者又は特定規模電気事業者」に改める。
第三十四条中「電気事業者」の下に「(特定規模電気事業者を除く。次条及び第三十六条第一項において同じ。)」を加える。
第三十五条中「電気事業」の下に「(特定規模電気事業を除く。以下この条及び次条において同じ。)」を加える。
第五十八条第一項中「電気事業者」の下に「(特定規模電気事業者を除く。以下この章において同じ。)」を加え、同項第一号中「電気事業」の下に「(特定規模電気事業を除く。以下この章において同じ。)」を加える。
第六十六条中「規定は、」の下に「特定規模電気事業者及び」を加える。
第百八条中「第二十三条第二項」を「第二十三条第三項」に改める。
第百十七条第二号中「第十八条第一項から第三項まで」を「第十八条第一項、第三項又は第四項」に改め、同条第三号中「第十八条第四項から第六項まで」を「第十八条第五項から第七項まで」に改める。
第百十八条第一号を次のように改める。
一 第十八条第二項の規定に違反して電気の供給を拒んだ者
第百十八条第二号中「第十九条第五項」の下に「若しくは第八項、第十九条の二第二項、第二十二条第四項」を、「第二十四条の三第三項若しくは第五項」の下に「、第二十四条の四第三項若しくは第五項」を加え、同条第三号中「第二十一条」を「第二十一条第一項」に改め、「第二十二条第一項」の下に「若しくは第二項」を、「第二十四条の三第二項」の下に「、第二十四条の四第二項」を加え、同条第四号中「第二十二条第四項」を「第二十二条第六項」に改める。
第百十九条第一号を同条第一号の二とし、同条に第一号として次の一号を加える。
一 第十六条の二第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして特定規模電気事業を営んだ者
第百十九条第二号を同条第二号の二とし、同号の前に次の一号を加える。
二 第二十一条第二項の規定に違反して電気を供給した者
第百二十条第一号中「第十一条第二項」の下に「、第十六条の二第二項若しくは第三項、第十六条の三第二項、第十九条の二第一項」を加え、「第二十二条第五項」を「第二十二条第七項」に改め、「第二十四条の三第一項」の下に「、第二十四条の四第一項」を加え、同条第二号中「して掲示をしなかつた」を「した」に改め、同条第四号中「第二十四条の三第四項」の下に「又は第二十四条の四第四項」を加える。
第百二十二条第一号中「第十三条第一項、」を削り、同条第二号中「第三十五条」を「第十三条第四項、第三十五条」に改める。
第百二十三条第一号中「第九条第二項」の下に「、第十三条第一項」を加え、同号の次に次の一号を加える。
一の二 第十三条第二項の規定に違反して設備を譲り渡し、又は所有権以外の権利の目的とした者