(港湾運営会社の指定)
第四十三条の十一 国土交通大臣は、次に掲げる要件を備えていると認められる株式会社を、その申請により、国際戦略港湾ごとに一を限つて、当該国際戦略港湾における埠頭群(同一の港湾における二以上の埠頭(これを構成する係留施設及び当該係留施設に附帯する荷さばき地その他の国土交通省令で定める係留施設以外の港湾施設が国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項又は地方自治法第二百三十八条第四項に規定する行政財産からなるもののうち、その用途及び配置に応じて国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)の総体をいう。以下同じ。)を運営する者として指定することができる。
一 埠頭群の運営の事業の内容が当該国際戦略港湾の港湾計画に適合するものであること。
二 前号に掲げるもののほか、埠頭群の運営の事業に関する適正かつ確実な計画を有するものであること。
三 埠頭群を運営することについて十分な経理的基礎を有するものであること。
四 当該国際戦略港湾において埠頭群に含まれない埠頭を運営する場合にあつては、当該埠頭と埠頭群とを一体的に運営することが当該国際戦略港湾における埠頭群の運営の効率化に資するものであること。
2 その埠頭群を一体的に運営することが国際競争力の強化に資するものとして国土交通大臣が指定する二以上の国際戦略港湾に係る前項の規定による指定は、当該二以上の国際戦略港湾の埠頭群について、一体として一を限つてするものとする。この場合において、同項中「当該国際戦略港湾」とあるのは、「当該申請に係る二以上の国際戦略港湾」とする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による指定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
4 国土交通大臣は、第二項の規定による指定について指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該指定を取り消すものとする。
5 第三項の規定は、前項の規定による指定の取消しについて準用する。
6 国際拠点港湾の港湾管理者は、次に掲げる要件を備えていると認められる株式会社を、その申請により、一を限つて、当該国際拠点港湾における埠頭群を運営する者として指定することができる。
一 埠頭群の運営の事業の内容が当該国際拠点港湾の港湾計画に適合するものであること。
二 前号に掲げるもののほか、埠頭群の運営の事業に関する適正かつ確実な計画を有するものであること。
三 埠頭群を運営することについて十分な経理的基礎を有するものであること。
四 当該国際拠点港湾において埠頭群に含まれない埠頭を運営する場合にあつては、当該埠頭と埠頭群とを一体的に運営することが当該国際拠点港湾における埠頭群の運営の効率化に資するものであること。
7 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、第一項又は前項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、第一項又は前項の規定による指定をしないものとする。
一 取締役及び監査役(委員会設置会社にあつては、取締役及び執行役。次号において「役員」という。)のうちに、成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者があること。
二 役員のうちに、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者があること。
8 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、第一項又は第六項の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該申請の内容を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
9 前項の規定により縦覧に供された申請の内容について利害関係を有する者は、縦覧期間満了の日までの間に、当該縦覧をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者に意見書を提出することができる。
10 国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該指定に係る国際戦略港湾の港湾管理者の同意を得なければならない。
11 国際拠点港湾の港湾管理者は、第六項の申請に係る埠頭群が次に掲げる港湾施設を含むものである場合において、同項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣の同意を得なければならない。
一 国有財産法第三条第二項に規定する行政財産である港湾施設
二 その工事の費用を国が負担し、又は補助した地方自治法第二百三十八条第四項に規定する行政財産である港湾施設
12 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、第一項又は第六項の規定による指定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該指定を受けた者(以下「港湾運営会社」という。)の商号及び本店の所在地を公示しなければならない。
13 港湾運営会社は、その商号又は本店の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その指定をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者に届け出なければならない。
14 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、前項の規定による届出があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
第四十三条の十二 前条第一項又は第六項の規定による指定を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者に提出しなければならない。
二 次に掲げる事項を記載した埠頭群の運営の事業に関する計画(以下「運営計画」という。)
イ 埠頭群(当該港湾において埠頭群に含まれない埠頭を運営する場合にあつては、当該埠頭を含む。ロ及びハにおいて同じ。)において施設又は役務を提供する時間
ロ 埠頭群の運営に必要な荷さばき施設その他の国土交通省令で定める港湾施設であつて、自らその建設又は改良を行うものの位置、種類、構造その他の国土交通省令で定める事項
ハ 埠頭群の運営の体制に関する事項として国土交通省令で定めるもの
ニ イからハまでに掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
2 前項の申請書には、事業収支見積書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。
(運営計画の変更)
第四十三条の十三 港湾運営会社は、運営計画を変更しようとするときは、その指定をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 第四十三条の十一第一項(第三号を除く。)の規定は前項の国土交通大臣の認可について、同条第六項(第三号を除く。)の規定は前項の国際拠点港湾の港湾管理者の認可について、それぞれ準用する。
3 第四十三条の十一第十項の規定は、国土交通大臣が第一項の認可をしようとする場合について準用する。
4 国際拠点港湾の港湾管理者は、その指定について第四十三条の十一第十一項の規定により国土交通大臣の同意を得た港湾運営会社について第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣の同意を得なければならない。
5 港湾運営会社は、第一項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨をその指定をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者に届け出なければならない。
(臨港地区内における行為の届出の特例)
第四十三条の十四 港湾運営会社が第四十三条の十一第一項若しくは第六項の規定による指定又は前条第一項の認可を受けたときは、当該指定又は認可に係る運営計画に記載された第四十三条の十二第一項第二号ロの国土交通省令で定める港湾施設の建設又は改良のうち、当該建設又は改良を行うに当たり、第三十八条の二第一項又は第四項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により届出をしたものとみなす。
(合併及び分割)
第四十三条の十五 港湾運営会社の合併及び分割の決議は、その指定をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 第四十三条の十一第十項の規定は国土交通大臣が前項の認可をしようとする場合について、第四十三条の十三第四項の規定は国際拠点港湾の港湾管理者が前項の認可をしようとする場合について、それぞれ準用する。
(区分経理)
第四十三条の十六 港湾運営会社は、国土交通省令で定めるところにより、埠頭群の運営の事業に係る経理とその他の事業に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(監督命令)
第四十三条の十七 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、埠頭群の運営の事業の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その指定を受けた港湾運営会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
2 国土交通大臣は、前項の命令をするに当たり、必要があると認めるときは、当該港湾運営会社の指定に係る国際戦略港湾の港湾管理者に対し、意見を求めることができる。
(事業の休止及び廃止)
第四十三条の十八 港湾運営会社は、埠頭群の運営の事業の全部を休止し、又は廃止しようとするときは、その指定をした国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者の許可を受けなければならない。
2 第四十三条の十一第十項の規定は、国土交通大臣が前項の許可をしようとする場合について準用する。
3 国際拠点港湾の港湾管理者は、その指定について第四十三条の十一第十一項の規定により国土交通大臣の同意を得た港湾運営会社について第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣にその旨を通知しなければならない。
4 国土交通大臣は、前項の規定による通知があつたときは、その通知をした国際拠点港湾の港湾管理者に対し、第一項の許可に関し必要と認める意見を述べることができる。
(指定の取消し)
第四十三条の十九 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、その指定を受けた港湾運営会社が次の各号のいずれかに該当するときは、第四十三条の十一第一項又は第六項の規定による指定を取り消すことができる。
一 埠頭群の運営の事業を適正に行うことができないと認められるとき。
二 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したとき。
三 第四十三条の十七第一項の規定による命令に違反したとき。
2 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、その指定を受けた港湾運営会社が前条第一項の規定による埠頭群の運営の事業の全部の廃止の許可を受けたときは、第四十三条の十一第一項又は第六項の規定による指定を取り消すものとする。
3 国土交通大臣又は国際拠点港湾の港湾管理者は、前二項の規定により第四十三条の十一第一項又は第六項の規定による指定を取り消したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
4 第四十三条の十一第十項の規定は国土交通大臣が第一項の規定による指定の取消しをしようとする場合について、前条第三項及び第四項の規定は国際拠点港湾の港湾管理者が第一項の規定による指定の取消しをしようとする場合について、それぞれ準用する。
(指定を取り消した場合における措置)
第四十三条の二十 国際戦略港湾の港湾運営会社は、前条第一項又は第二項の規定により第四十三条の十一第一項の規定による指定を取り消されたときは、その指定に係る埠頭群の運営の事業の全部を、当該国際戦略港湾の港湾管理者又は当該埠頭群の運営の事業の全部を承継するものとして国土交通大臣が指定する港湾運営会社に引き継がなければならない。
2 国際拠点港湾の港湾運営会社は、前条第一項又は第二項の規定により第四十三条の十一第六項の規定による指定を取り消されたときは、その指定に係る埠頭群の運営の事業の全部を、当該国際拠点港湾の港湾管理者又は当該埠頭群の運営の事業の全部を承継するものとして当該国際拠点港湾の港湾管理者が指定する港湾運営会社に引き継がなければならない。
3 前二項に規定するもののほか、前条第一項又は第二項の規定により第四十三条の十一第一項又は第六項の規定による指定を取り消された場合における埠頭群の運営の事業の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。