電源開発促進法
法令番号: 法律第二百八十三号
公布年月日: 昭和27年7月31日
法令の形式: 法律
電源開発促進法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百八十三号
電源開発促進法
目次
第一章
総則(第一條―第七條)
第二章
電源開発調整審議会(第八條―第十二條)
第三章
電源開発株式会社(第十三條―第四十一條)
附則
第一章 総則
(目的)
第一條 この法律は、すみやかに電源の開発及び送電変電施設の整備を行うことにより、電気の供給を増加し、もつてわが国産業の振興及び発展に寄與することを目的とする。
(定義)
第二條 この法律において「電源開発」とは、水力又は火力による発電のため必要なダム、水路、貯水池、建物、機械、器具その他の工作物の設置若しくは改良又はこれらのため必要な工作物の設置若しくは改良をいう。
(電源開発基本計画の樹立等)
第三條 経済安定本部総裁は、国土の総合的な開発、利用及び保全、電力の需給その他電源開発の円滑な実施を図るため必要な事項を考慮し、電源開発基本計画(以下「基本計画」という。)を立案し、電源開発調整審議会の議を経て、これを決定しなければならない。
2 経済安定本部総裁は、前項の規定により基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを国の関係行政機関の長に送付するとともに、政令の定めるところにより、公表しなければならない。
3 前項の規定により公表された事項に関し利害関係を有する者は、同項の公表の日から三十日以内に、政令の定めるところにより、国の行政機関の長にその意見を申し出ることができる。
4 前項の規定により意見の申出があつたときは、国の行政機関の長は、これをしんしやくして必要な措置を講じなければならない。
(電源開発に関する総合調整)
第四條 国の行政機関の長は、河川法(明治二十九年法律第七十一号)その他の法令の規定による他の行政機関の処分が電源開発の円滑な実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は電源開発の実施が国土の総合的な開発、利用及び保全に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該事項を所管する国の行政機関の長に対し協議することができる。
2 国の行政機関の長は、前項の規定により協議をした場合において必要があるときは、経済安定本部総裁に対し、その旨を申し出て、総合調整を行うべきことを求めることができる。
3 経済安定本部総裁は、前項の規定により総合調整を行うべきことを求められたときは、電源開発調整審議会の議を経て、総合調整を行うものとする。
(資金の確保及び配分)
第五條 政府は、電源開発及び送電変電施設の整備(以下「電源開発等」という。)に必要な資金を確保し、且つ、電源開発等を行う者に対し、その資金の公正な配分が行われるように努めなければならない。
(公共事業の施行及び費用の負担)
第六條 国又は地方公共団体は、公共の利益のため河川、湖沼又は道路に関して国又は地方公共団体が施行する工事(以下「公共事業」という。)が電源開発等と密接な関連を有する場合においては、電源開発等を行う者に対し、当該公共事業の施行を委託することができる。
2 前項の規定により委託する場合における公共事業の施行のため必要な費用の負担の方法及び割合は、政令で定める。
(損失補償)
第七條 電源開発等により生ずる農地、林野、家屋等の水没、かんがい水、飲料水又は工業用水の不足、木材の流送の支障、さく河魚類の減少その他の事由により損失を受ける者があるときは、当該電源開発等を行う者は、その者に対し、公正な補償をすることに努めなければならない。
第二章 電源開発調整審議会
(設置)
第八條 経済安定本部に、電源開発調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第九條 審議会は、左に掲げる事項をつかさどる。但し、第三号から第五号までの事項については、第四條第三項の規定によりその審議に付せられた場合に限る。
一 基本計画に関し調査審議すること。
二 電源開発に要する資金の調達及び配分に関し調査審議すること。
三 電源開発を行う者の決定に関し調査審議すること。
四 電源開発の規模、方式等に関し調査審議すること。
五 電源開発のための水及び土地に関する権利の調整並びに電源開発等により生ずる損失の補償に関し調査審議すること。
六 第六條第二項の規定による費用の負担の方法及び割合の基準を作成すること。
七 第二十三條第二項に規定する貸付又は譲渡に関する相手方及び価額等についての認可の基準の作成並びに同條第四項の規定により意見を求められた事項に関し調査審議すること。
八 前各号に掲げるものの外、電源開発の促進及び総合調整に関し必要な事項を調査審議すること。
(組織)
第十條 審議会は、会長及び委員十五人をもつて組織する。
2 会長は、経済安定本部総裁をもつて充てる。
3 委員は、左に掲げる者をもつて充てる。
一 大蔵大臣
二 農林大臣
三 通商産業大臣
四 建設大臣
五 経済安定本部総務長官
六 公益事業委員会委員長
七 地方自治庁長官
八 学識経験がある者のうちから、経済安定本部総裁が任命する者八人
4 前項第八号に掲げる委員(以下「任命委員」という。)の任期は、三年とする。但し、補欠の任命委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 任命委員は、再任されることができる。
6 経済安定本部総裁は、任命委員が心身の故障その他の事由に因り職務を行うに適しないと認めたときは、任期中でも解任することができる。
7 会長及び委員は、非常勤とする。
(関係都道府県知事の意見の聴取)
第十一條 審議会は、その所掌事務を処理するため必要があるときは、関係都道府県知事の出席を求め、その意見をきかなければならない。
(政令への委任)
第十二條 この法律に定めるものの外、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 電源開発株式会社
(会社の目的)
第十三條 電源開発株式会社(以下「会社」という。)は、基本計画において会社が行うべきものと定められた地点における電源開発をすみやかに行い、電気の供給を増加することを目的とする株式会社とする。
2 基本計画において会社が行うべき電源開発の地点を定める場合には、その地点は、左の各号の一に該当するもののうち、会社以外の者が具体的な計画を附して電源開発を行うべきことを主務官庁に申し出たものであつて審議会においてその計画の内容が適当であり、且つ、その計画の実施が可能であると確認されたものに係る地点を除いた地点に限る。
一 只見川その他の河川等に係る大規模な又は実施の困難な電源開発
二 国土の総合的な開発、利用及び保全に関し特に考慮を要する北上川その他の河川等に係る電源開発
三 電力の地域的な需給を調整する等のため特に必要な、火力又は球磨川その他の河川等に係る電源開発
(事務所)
第十四條 会社は、本店を東京都に置く。
2 会社は、必要な地に支店又は出張所を置くことができる。
(株式)
第十五條 会社の発行する株式の総数は、一億株とする。
2 会社の株式は、額面株式とし、一株の金額を千円とする。
3 政府は、常時、会社の発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式を保有していなければならない。
4 会社はその設立に際し、五百万株を発行するものとする。
5 会社は、新株を発行しようとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
(利息配当の特例)
第十六條 会社は、開業前に利息の配当をすべきことを定めた場合においても、政府の保有する株式については、利息の配当をすることができない。
(商号の使用制限)
第十七條 会社以外の者は、その商号中に電源開発株式会社という文字を使用してはならない。
(役員)
第十八條 会社に、役員として、総裁一人、副総裁一人、理事五人以内及び監事二人を置く。
第十九條 総裁は、会社を代表する。
2 副総裁は、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、総裁及び副総裁に事故があるときは総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときは総裁の職務を行う。
4 監事は、会社の会計を監査する。
第二十條 総裁、副総裁、理事及び監事は、株主総会の意見を聞き、内閣が任命する。
第二十一條 総裁、副総裁及び理事の任期は、二年、監事の任期は、一年とする。
2 総裁、副総裁、理事及び監事は、再任されることができる。
第二十二條 総裁、副総裁及び理事は、他の職務又は商業に従事することができない。但し、主務官庁の承認を受けたときは、この限りでない。
(事業の範囲)
第二十三條 会社は、その目的を達成するため、左の事業を営むものとする。
一 電源開発及びこれに附帯する送電変電施設の整備
二 発電施設及び送電変電施設の貸付又は譲渡
三 電気事業者に対する電気の供給
四 前各号に掲げるものの外、その他会社の目的を達成するために必要な事業
2 会社が前項第二号の規定により発電施設及び送電変電施設を貸し付け、若しくは譲渡し又は同項第四号に掲げる事業を営もうとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
3 会社が第一項第三号の規定により電気事業者に対し電気の供給をしようとするときは、その供給量、供給についての料金及び供給の相手方について主務官庁の認可を受けなければならない。この場合においては、公益事業令(昭和二十五年政令第三百四十三号)第四十條の規定は、適用しない。
4 主務官庁は、第二項の発電施設及び送電変電施設の貸付又は譲渡並びに前項の料金についての認可に当つては、経済安定本部総裁に依頼して審議会の意見を求め、その意見を尊重して、これをしなければならない。
(社債発行限度の特例)
第二十四條 会社は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十七條の規定による制限をこえて社債を募集することができる。但し、資本及び準備金の総額又は最終の貸借対照表により会社に現存する純財産額のいずれか少い額の十倍をこえてはならない。
(一般担保)
第二十五條 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(工場抵当法の適用)
第二十六條 会社の所有する発電施設又は送電変電施設は、工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)第一條の工場とみなし、同法の規定を適用する。この場合において、同法第十三條、第二十四條、第二十五條、第二十七條第一号及び第三号、第二十九條並びに第三十三條第一項(同法第四十三條においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は、第二十三條第一項第二号の規定による発電施設又は送電変電施設を目的とする賃借権については、適用しない。
(外貨債務の保証)
第二十七條 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三條の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の外貨で支払わなければならない債務について、保証契約をすることができる。
(土地の立入等)
第二十八條 会社は、発電施設又は送電変電施設の設置又は改良に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、その職員に、他人の土地に立ち入り、又は支障となる竹木を伐採させることができる。
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつたときは、土地の所有者及び占有者又は竹木の所有者にその旨を通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 会社は、第一項の規定によりその職員に他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採させるときは、あらかじめ土地の占有者又は竹木の所有者に通知しなければならない。
4 第一項の規定により他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採する会社の職員は、都道府県知事の許可を受けたことを証明する書面を携帯し、土地の占有者又は竹木の所有者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
5 会社は、第一項の規定によりその職員に他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採させたときは、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
(監督)
第二十九條 会社は、主務官庁が、この法律の定めるところに従い監督する。
2 主務官庁は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第三十條 会社は、弁済期限が一年をこえる資金を借り入れようとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
第三十一條 会社は、主務官庁の認可を受けなければ発電施設及び送電変電施設を所有権及び賃借権以外の権利の目的とすることができない。
第三十二條 会社の定款の変更、利益金の処分、社債の募集、合併及び解散の決議は、主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第三十三條 会社は、毎営業年度の事業計画を定め、主務官庁の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(役員の解任)
第三十四條 内閣は、会社の役員の行為が法令若しくは法令に基く処分又は定款に違反すると認めるときは、これを解任することができる。
(報告及び検査)
第三十五條 主務官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社からその業務の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。
3 第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(罰則)
第三十六條 前條第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした会社の役員又は職員は、五万円以下の罰金に処する。
第三十七條 第三十五條第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。
第三十八條 会社の役員又は職員が会社の業務に関し前二條の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、会社に対して各本條の刑を科する。
第三十九條 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした会社の役員又は職員は、三十万円以下の過料に処する。
一 第十五條第五項、第三十條又は第三十三條の規定に違反したとき。
二 第二十四條但書の規定に違反して、社債を募集したとき。
第四十條 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした会社の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 第二十三條第二項若しくは第三項又は第三十一條の規定に違反したとき。
二 第二十九條第二項の規定による命令に違反したとき。
第四十一條 第十七條の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 主務官庁は、設立委員を命じて、会社の設立に関する事務を処理させる。
3 設立委員は、定款を作成して主務官庁の認可を受けなければならない。
4 設立委員は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、会社の設立に際し発行する株式の総数のうち、政府が引き受けない株式につき、株主を募集しなければならない。
5 株式申込証には、定款の認可の年月日を記載しなければならない。
6 設立委員は、株主の募集を終つたときは、株式申込証を政府に提出し、その検査を受けなければならない。
7 設立委員は、前項の検査を受けた後、遅滞なく、各株につきその発行価額の全額の払込をさせなければならない。
8 前項の払込があつたときは、設立委員は、遅滞なく、創立総会を招集しなければならない。
9 創立総会が終結したときは、設立委員は、その事務を会社の総裁に引き渡さなければならない。
10 商法第百六十七條、第百八十一條及び第百八十五條の規定は、会社の設立については、適用しない。
11 この法律の施行の際、現にその商号中に電源開発株式会社という文字を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその商号を変更しなければならない。
12 第十七條の規定は、前項の期間内は、同項に規定する者には、適用しない。
13 日本開発銀行は、当分の間、日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号)第十八條の規定にかかわらず、会社の株式を引き受けることができる。
14 第十五條第三項及び第十六條の規定の適用に関しては、日本開発銀行が前項の規定により引き受けて保有する株式は、政府において保有するものとみなす。
15 会社の最初の役員の任命に対する第二十條の規定の適用に関しては、第八項の規定による創立総会を株主総会とみなす。
16 第四項の規定の適用に関しては、日本開発銀行が第十三項の規定によつてする引受は、政府においてする引受とみなす。
17 経済安定本部設置法(昭和二十四年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
第十五條第一項の表中国土調査審議会の項の次に次のように加える。
電源開発調整審議会
電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の規定によりその所掌事務に属せしめられた事項を行うこと。
18 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表乙号第十号を次のように改める。
十 電源開発株式会社
19 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。
第十條の次に次の一條を加える。
第十條の二 電源開発株式会社が、左の各号に掲げる事項について、登記を受ける場合における登録税は、これを免除する。但し、第一号及び第二号の登記については、資本の金額又は増加資本の金額のうち、政府出資に係るものに限る。
一 会社の設立
二 会社の資本増加
三 電源開発及びこれに附帯する送電変電施設の整備の用に供する土地又は建物に関する権利の取得又は所有権の保存
電源開発株式会社が発行する社債であつて、商法第三百三條又はその準用規定による払込があつた日(売出の方法により発行した場合においては、売出満了の日)から最終の償還期限に至る期間が一年をこえるものの払込の登記についての登録税の額は、登録税法第六條第十一号の規定にかかわらず、千分の一・五とする。
20 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第三百四十九條の次に次の一條を加える。
(発電施設に対する固定資産税の税率の特例)
第三百四十九條の二 発電、送電又は変電のための家屋(もつぱら発電、送電又は変電の用に供する機械器具を収容するものに限る。)及び償却資産であつて、昭和二十七年四月一日以後に固定資産課税台帳に登録されたものに対して課する固定資産税の税率は、登録された日の属する年の翌年の四月一日から三年間は、前條の規定にかかわらず、百分の〇・八をこえることができない。
第三百五十條第一項中「前條」を「第三百四十九條」に改める。
21 公益事業令の一部を次のように改正する。
附則第二十一項の次に次の一項を加える。
(自家用発電事業者の土地の立入等)
22 第三項の場合において、同項の規定によりなお効力を有する旧電気事業法第三十條第二項に規定する電気を供給又は使用する事業を営む者については、第七十五條から第七十八條までの規定を準用する。この場合において、第七十五條第五項中「委員会」とあるのは、「通商産業大臣」と読みかえるものとする。
22 資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第七條第一項第九号の次に次の二号を加える。
十 電源開発株式会社の発行する社債
十一 電源開発株式会社に対する貸付
23 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三條第十七号の次に次の二号を加える。
十七の二 電源開発株式会社が設置し、又は改良する発電施設又は送電変電施設
十七の三 公益事業令附則第三項の場合において、同項の規定によりなお効力を有する旧電気事業法第三十條第二項に規定する電気を供給又は使用する事業を営む者が設置し、又は改良する発電施設又は送電変電施設
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
建設大臣 野田卯一
経済安定本部総裁 吉田茂
電源開発促進法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百八十三号
電源開発促進法
目次
第一章
総則(第一条―第七条)
第二章
電源開発調整審議会(第八条―第十二条)
第三章
電源開発株式会社(第十三条―第四十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、すみやかに電源の開発及び送電変電施設の整備を行うことにより、電気の供給を増加し、もつてわが国産業の振興及び発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「電源開発」とは、水力又は火力による発電のため必要なダム、水路、貯水池、建物、機械、器具その他の工作物の設置若しくは改良又はこれらのため必要な工作物の設置若しくは改良をいう。
(電源開発基本計画の樹立等)
第三条 経済安定本部総裁は、国土の総合的な開発、利用及び保全、電力の需給その他電源開発の円滑な実施を図るため必要な事項を考慮し、電源開発基本計画(以下「基本計画」という。)を立案し、電源開発調整審議会の議を経て、これを決定しなければならない。
2 経済安定本部総裁は、前項の規定により基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを国の関係行政機関の長に送付するとともに、政令の定めるところにより、公表しなければならない。
3 前項の規定により公表された事項に関し利害関係を有する者は、同項の公表の日から三十日以内に、政令の定めるところにより、国の行政機関の長にその意見を申し出ることができる。
4 前項の規定により意見の申出があつたときは、国の行政機関の長は、これをしんしやくして必要な措置を講じなければならない。
(電源開発に関する総合調整)
第四条 国の行政機関の長は、河川法(明治二十九年法律第七十一号)その他の法令の規定による他の行政機関の処分が電源開発の円滑な実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は電源開発の実施が国土の総合的な開発、利用及び保全に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該事項を所管する国の行政機関の長に対し協議することができる。
2 国の行政機関の長は、前項の規定により協議をした場合において必要があるときは、経済安定本部総裁に対し、その旨を申し出て、総合調整を行うべきことを求めることができる。
3 経済安定本部総裁は、前項の規定により総合調整を行うべきことを求められたときは、電源開発調整審議会の議を経て、総合調整を行うものとする。
(資金の確保及び配分)
第五条 政府は、電源開発及び送電変電施設の整備(以下「電源開発等」という。)に必要な資金を確保し、且つ、電源開発等を行う者に対し、その資金の公正な配分が行われるように努めなければならない。
(公共事業の施行及び費用の負担)
第六条 国又は地方公共団体は、公共の利益のため河川、湖沼又は道路に関して国又は地方公共団体が施行する工事(以下「公共事業」という。)が電源開発等と密接な関連を有する場合においては、電源開発等を行う者に対し、当該公共事業の施行を委託することができる。
2 前項の規定により委託する場合における公共事業の施行のため必要な費用の負担の方法及び割合は、政令で定める。
(損失補償)
第七条 電源開発等により生ずる農地、林野、家屋等の水没、かんがい水、飲料水又は工業用水の不足、木材の流送の支障、さく河魚類の減少その他の事由により損失を受ける者があるときは、当該電源開発等を行う者は、その者に対し、公正な補償をすることに努めなければならない。
第二章 電源開発調整審議会
(設置)
第八条 経済安定本部に、電源開発調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第九条 審議会は、左に掲げる事項をつかさどる。但し、第三号から第五号までの事項については、第四条第三項の規定によりその審議に付せられた場合に限る。
一 基本計画に関し調査審議すること。
二 電源開発に要する資金の調達及び配分に関し調査審議すること。
三 電源開発を行う者の決定に関し調査審議すること。
四 電源開発の規模、方式等に関し調査審議すること。
五 電源開発のための水及び土地に関する権利の調整並びに電源開発等により生ずる損失の補償に関し調査審議すること。
六 第六条第二項の規定による費用の負担の方法及び割合の基準を作成すること。
七 第二十三条第二項に規定する貸付又は譲渡に関する相手方及び価額等についての認可の基準の作成並びに同条第四項の規定により意見を求められた事項に関し調査審議すること。
八 前各号に掲げるものの外、電源開発の促進及び総合調整に関し必要な事項を調査審議すること。
(組織)
第十条 審議会は、会長及び委員十五人をもつて組織する。
2 会長は、経済安定本部総裁をもつて充てる。
3 委員は、左に掲げる者をもつて充てる。
一 大蔵大臣
二 農林大臣
三 通商産業大臣
四 建設大臣
五 経済安定本部総務長官
六 公益事業委員会委員長
七 地方自治庁長官
八 学識経験がある者のうちから、経済安定本部総裁が任命する者八人
4 前項第八号に掲げる委員(以下「任命委員」という。)の任期は、三年とする。但し、補欠の任命委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 任命委員は、再任されることができる。
6 経済安定本部総裁は、任命委員が心身の故障その他の事由に因り職務を行うに適しないと認めたときは、任期中でも解任することができる。
7 会長及び委員は、非常勤とする。
(関係都道府県知事の意見の聴取)
第十一条 審議会は、その所掌事務を処理するため必要があるときは、関係都道府県知事の出席を求め、その意見をきかなければならない。
(政令への委任)
第十二条 この法律に定めるものの外、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第三章 電源開発株式会社
(会社の目的)
第十三条 電源開発株式会社(以下「会社」という。)は、基本計画において会社が行うべきものと定められた地点における電源開発をすみやかに行い、電気の供給を増加することを目的とする株式会社とする。
2 基本計画において会社が行うべき電源開発の地点を定める場合には、その地点は、左の各号の一に該当するもののうち、会社以外の者が具体的な計画を附して電源開発を行うべきことを主務官庁に申し出たものであつて審議会においてその計画の内容が適当であり、且つ、その計画の実施が可能であると確認されたものに係る地点を除いた地点に限る。
一 只見川その他の河川等に係る大規模な又は実施の困難な電源開発
二 国土の総合的な開発、利用及び保全に関し特に考慮を要する北上川その他の河川等に係る電源開発
三 電力の地域的な需給を調整する等のため特に必要な、火力又は球磨川その他の河川等に係る電源開発
(事務所)
第十四条 会社は、本店を東京都に置く。
2 会社は、必要な地に支店又は出張所を置くことができる。
(株式)
第十五条 会社の発行する株式の総数は、一億株とする。
2 会社の株式は、額面株式とし、一株の金額を千円とする。
3 政府は、常時、会社の発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式を保有していなければならない。
4 会社はその設立に際し、五百万株を発行するものとする。
5 会社は、新株を発行しようとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
(利息配当の特例)
第十六条 会社は、開業前に利息の配当をすべきことを定めた場合においても、政府の保有する株式については、利息の配当をすることができない。
(商号の使用制限)
第十七条 会社以外の者は、その商号中に電源開発株式会社という文字を使用してはならない。
(役員)
第十八条 会社に、役員として、総裁一人、副総裁一人、理事五人以内及び監事二人を置く。
第十九条 総裁は、会社を代表する。
2 副総裁は、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う。
3 理事は、総裁及び副総裁に事故があるときは総裁の職務を代理し、総裁及び副総裁が欠員のときは総裁の職務を行う。
4 監事は、会社の会計を監査する。
第二十条 総裁、副総裁、理事及び監事は、株主総会の意見を聞き、内閣が任命する。
第二十一条 総裁、副総裁及び理事の任期は、二年、監事の任期は、一年とする。
2 総裁、副総裁、理事及び監事は、再任されることができる。
第二十二条 総裁、副総裁及び理事は、他の職務又は商業に従事することができない。但し、主務官庁の承認を受けたときは、この限りでない。
(事業の範囲)
第二十三条 会社は、その目的を達成するため、左の事業を営むものとする。
一 電源開発及びこれに附帯する送電変電施設の整備
二 発電施設及び送電変電施設の貸付又は譲渡
三 電気事業者に対する電気の供給
四 前各号に掲げるものの外、その他会社の目的を達成するために必要な事業
2 会社が前項第二号の規定により発電施設及び送電変電施設を貸し付け、若しくは譲渡し又は同項第四号に掲げる事業を営もうとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
3 会社が第一項第三号の規定により電気事業者に対し電気の供給をしようとするときは、その供給量、供給についての料金及び供給の相手方について主務官庁の認可を受けなければならない。この場合においては、公益事業令(昭和二十五年政令第三百四十三号)第四十条の規定は、適用しない。
4 主務官庁は、第二項の発電施設及び送電変電施設の貸付又は譲渡並びに前項の料金についての認可に当つては、経済安定本部総裁に依頼して審議会の意見を求め、その意見を尊重して、これをしなければならない。
(社債発行限度の特例)
第二十四条 会社は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十七条の規定による制限をこえて社債を募集することができる。但し、資本及び準備金の総額又は最終の貸借対照表により会社に現存する純財産額のいずれか少い額の十倍をこえてはならない。
(一般担保)
第二十五条 会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(工場抵当法の適用)
第二十六条 会社の所有する発電施設又は送電変電施設は、工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)第一条の工場とみなし、同法の規定を適用する。この場合において、同法第十三条、第二十四条、第二十五条、第二十七条第一号及び第三号、第二十九条並びに第三十三条第一項(同法第四十三条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定は、第二十三条第一項第二号の規定による発電施設又は送電変電施設を目的とする賃借権については、適用しない。
(外貨債務の保証)
第二十七条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の外貨で支払わなければならない債務について、保証契約をすることができる。
(土地の立入等)
第二十八条 会社は、発電施設又は送電変電施設の設置又は改良に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、その職員に、他人の土地に立ち入り、又は支障となる竹木を伐採させることができる。
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があつたときは、土地の所有者及び占有者又は竹木の所有者にその旨を通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
3 会社は、第一項の規定によりその職員に他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採させるときは、あらかじめ土地の占有者又は竹木の所有者に通知しなければならない。
4 第一項の規定により他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採する会社の職員は、都道府県知事の許可を受けたことを証明する書面を携帯し、土地の占有者又は竹木の所有者の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
5 会社は、第一項の規定によりその職員に他人の土地に立ち入り、又は竹木を伐採させたときは、これによつて生じた損失を補償しなければならない。
(監督)
第二十九条 会社は、主務官庁が、この法律の定めるところに従い監督する。
2 主務官庁は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
第三十条 会社は、弁済期限が一年をこえる資金を借り入れようとするときは、主務官庁の認可を受けなければならない。
第三十一条 会社は、主務官庁の認可を受けなければ発電施設及び送電変電施設を所有権及び賃借権以外の権利の目的とすることができない。
第三十二条 会社の定款の変更、利益金の処分、社債の募集、合併及び解散の決議は、主務官庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第三十三条 会社は、毎営業年度の事業計画を定め、主務官庁の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(役員の解任)
第三十四条 内閣は、会社の役員の行為が法令若しくは法令に基く処分又は定款に違反すると認めるときは、これを解任することができる。
(報告及び検査)
第三十五条 主務官庁は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社からその業務の状況に関する報告を徴し、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない。
3 第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(罰則)
第三十六条 前条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした会社の役員又は職員は、五万円以下の罰金に処する。
第三十七条 第三十五条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、五万円以下の罰金に処する。
第三十八条 会社の役員又は職員が会社の業務に関し前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、会社に対して各本条の刑を科する。
第三十九条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした会社の役員又は職員は、三十万円以下の過料に処する。
一 第十五条第五項、第三十条又は第三十三条の規定に違反したとき。
二 第二十四条但書の規定に違反して、社債を募集したとき。
第四十条 左の各号に掲げる違反があつた場合においては、その行為をした会社の役員又は職員は、三万円以下の過料に処する。
一 第二十三条第二項若しくは第三項又は第三十一条の規定に違反したとき。
二 第二十九条第二項の規定による命令に違反したとき。
第四十一条 第十七条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 主務官庁は、設立委員を命じて、会社の設立に関する事務を処理させる。
3 設立委員は、定款を作成して主務官庁の認可を受けなければならない。
4 設立委員は、前項の認可を受けたときは、遅滞なく、会社の設立に際し発行する株式の総数のうち、政府が引き受けない株式につき、株主を募集しなければならない。
5 株式申込証には、定款の認可の年月日を記載しなければならない。
6 設立委員は、株主の募集を終つたときは、株式申込証を政府に提出し、その検査を受けなければならない。
7 設立委員は、前項の検査を受けた後、遅滞なく、各株につきその発行価額の全額の払込をさせなければならない。
8 前項の払込があつたときは、設立委員は、遅滞なく、創立総会を招集しなければならない。
9 創立総会が終結したときは、設立委員は、その事務を会社の総裁に引き渡さなければならない。
10 商法第百六十七条、第百八十一条及び第百八十五条の規定は、会社の設立については、適用しない。
11 この法律の施行の際、現にその商号中に電源開発株式会社という文字を使用している者は、この法律の施行後六月以内にその商号を変更しなければならない。
12 第十七条の規定は、前項の期間内は、同項に規定する者には、適用しない。
13 日本開発銀行は、当分の間、日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号)第十八条の規定にかかわらず、会社の株式を引き受けることができる。
14 第十五条第三項及び第十六条の規定の適用に関しては、日本開発銀行が前項の規定により引き受けて保有する株式は、政府において保有するものとみなす。
15 会社の最初の役員の任命に対する第二十条の規定の適用に関しては、第八項の規定による創立総会を株主総会とみなす。
16 第四項の規定の適用に関しては、日本開発銀行が第十三項の規定によつてする引受は、政府においてする引受とみなす。
17 経済安定本部設置法(昭和二十四年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中国土調査審議会の項の次に次のように加える。
電源開発調整審議会
電源開発促進法(昭和二十七年法律第二百八十三号)の規定によりその所掌事務に属せしめられた事項を行うこと。
18 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表乙号第十号を次のように改める。
十 電源開発株式会社
19 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。
第十条の次に次の一条を加える。
第十条の二 電源開発株式会社が、左の各号に掲げる事項について、登記を受ける場合における登録税は、これを免除する。但し、第一号及び第二号の登記については、資本の金額又は増加資本の金額のうち、政府出資に係るものに限る。
一 会社の設立
二 会社の資本増加
三 電源開発及びこれに附帯する送電変電施設の整備の用に供する土地又は建物に関する権利の取得又は所有権の保存
電源開発株式会社が発行する社債であつて、商法第三百三条又はその準用規定による払込があつた日(売出の方法により発行した場合においては、売出満了の日)から最終の償還期限に至る期間が一年をこえるものの払込の登記についての登録税の額は、登録税法第六条第十一号の規定にかかわらず、千分の一・五とする。
20 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第三百四十九条の次に次の一条を加える。
(発電施設に対する固定資産税の税率の特例)
第三百四十九条の二 発電、送電又は変電のための家屋(もつぱら発電、送電又は変電の用に供する機械器具を収容するものに限る。)及び償却資産であつて、昭和二十七年四月一日以後に固定資産課税台帳に登録されたものに対して課する固定資産税の税率は、登録された日の属する年の翌年の四月一日から三年間は、前条の規定にかかわらず、百分の〇・八をこえることができない。
第三百五十条第一項中「前条」を「第三百四十九条」に改める。
21 公益事業令の一部を次のように改正する。
附則第二十一項の次に次の一項を加える。
(自家用発電事業者の土地の立入等)
22 第三項の場合において、同項の規定によりなお効力を有する旧電気事業法第三十条第二項に規定する電気を供給又は使用する事業を営む者については、第七十五条から第七十八条までの規定を準用する。この場合において、第七十五条第五項中「委員会」とあるのは、「通商産業大臣」と読みかえるものとする。
22 資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項第九号の次に次の二号を加える。
十 電源開発株式会社の発行する社債
十一 電源開発株式会社に対する貸付
23 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第十七号の次に次の二号を加える。
十七の二 電源開発株式会社が設置し、又は改良する発電施設又は送電変電施設
十七の三 公益事業令附則第三項の場合において、同項の規定によりなお効力を有する旧電気事業法第三十条第二項に規定する電気を供給又は使用する事業を営む者が設置し、又は改良する発電施設又は送電変電施設
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
建設大臣 野田卯一
経済安定本部総裁 吉田茂