郵政省設置法
法令番号: 法律第二百四十四号
公布年月日: 昭和23年12月15日
法令の形式: 法律
郵政省設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年十二月十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十四号
郵政省設置法
目次
第一章
総則(第一條―第四條)
第二章
内部部局及び地方機関(第五條―第十六條)
第一節
内部部局(第五條―第十四條)
第二節
地方機関(第十五條・第十六條)
第三章
附属機関(第十七條―第二十二條)
第四章
職員及び職(第二十三條―第三十條)
第五章
雜則(第三十一條・第三十二條)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一條 この法律は、郵政省の所掌事務の範囲及び権限を定めるとともに、第三條に掲げる事業を合理的、能率的に経営するに足る組織の基準を定めることを目的とする。
(設置)
第二條 國家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三條第二項の規定に基いて、郵政省を設置する。
2 郵政省の長は、郵政大臣とする。
(郵政省の任務)
第三條 郵政省は、左に掲げる國の公共事業を一体的に遂行する責任を負う唯一の政府機関とする。
一 郵便
二 郵便貯金、郵便爲替及び郵便振替貯金
三 簡易生命保險及び郵便年金
2 郵政省は、前項の事業の外、前項の事業に附帶する業務、電氣通信省から委託された業務及び印紙の賣りさばきに関する業務並びに年金及び恩給の支給その他國庫金の受入拂渡に関する事務をつかさどる。
3 郵政省は、前二項の事業及び業務を行うにあたり、公共の利益に即して最高度の能率を発揮するように努めなければならない。
(郵政省の権限)
第四條 郵政省は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。
一 法令の定めるところに從い、予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な契約をすること。
二 法令の定めるところに從い、所掌事務の遂行に必要な業務施設、研究施設等を設置し、及び管理すること。
三 法令の定めるところに從い、所掌事務の遂行に必要な業務用品、研究用品等を調達すること。
四 法令の定めるところに從い、不用財産を処分すること。
五 國家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところに從い、職員の任免、賞罰その他職員の身分に関する措置をすること。
六 國家公務員法その他の法令に触れない範囲で、職員の給與、勤務時間その他勤務の條件を定めること。
七 政府職員に対する厚生及び保健に関する法令の定めるところに從い、職員の厚生及び保健のため必要な施設を設置し、及び管理すること。
八 法令の定めるところに從い、職員を訓練すること。
九 法令の定めるところに從い、職員に貸與する宿舍を設置し、及び管理すること。
十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに從い、必要な措置をすること。
十一 法令の定めるところに從い、所掌事務に関し、損害を賠償し、及び損害の賠償を受けること。
十二 郵政省の公印を制定すること。
十三 所掌事務に関する統計及び調査資料を頒布し、又は刊行すること。
十四 所掌事務の周知宣傳を行うこと。
十五 所掌事務遂行に支障のない範囲で、業務施設、業務用品又は郵便切手帳その他郵便の利用上必要な物を利用して、廣告業務を行うこと。
十六 郵便局の窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
十七 郵便の利用上必要な包裝用品、封筒等を調製し、及び賣りさばくこと。
十八 法令により委任された範囲において、外國郵便、外國郵便爲替及び外國郵便振替に関する取極を商議し、締結すること並びにその料金を減額し、又は増額すること。
十九 法令の定めるところに從い、簡易生命保險及び郵便年金の積立金及び余裕金を運用すること。
二十 簡易生命保險の被保險者に対して必要な保健施設を、國会がこの目的のため議決した予算の範囲内で設置し、及び管理すること。
二十一 法令の定めるところに從い、收入金を徴收し、所掌事務の遂行に必要な支拂をし、並びに受入及び支拂に関する報告及び会計の方法を定めること。
二十二 前各号に掲げるものの外、法令に基き郵政省に属させられた権限
第二章 内部部局及び地方機関
第一節 内部部局
(内部部局)
第五條 郵政省に大臣官房及び左の各局並びに國家行政組織法第二十一條の規定に基き、左の区分により部を置く。
監察局
第一部
第二部
第三部
郵務局
管理部
業務部
輸送施設部
貯金局
管理部
業務部
会計部
簡易保險局
管理部
業務部
財務部
数理部
人事局
経理局
資材局
建築局
2 前項の部の所掌事務は、政令で定める。
3 第一項の部には、國家行政組織法第七條第一項の課を置くことができる。
(大臣官房の事務)
第六條 大臣官房においては、郵政省の所掌事務に関し左に掲げる事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 公印を制定し、及び管理すること。
三 公文書を授受し、発送し、編集し、及び保存すること。
四 各部局の事務につき、総合調整をすること。
五 法令案の審査その他法務に関すること。
六 部局の設置及び廃止に関すること。
七 國会との連絡に関すること。
八 渉外事務に関すること。
九 報道に関すること。
十 前各号の事務に附帶すること。
十一 他の各部局の所掌に属しない事務に関すること。
(監察局の事務)
第七條 監察局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵政省の所掌事務に関する犯罪、非違及び事故(軽微なものを除く。)を調査し、及び処理すること。
二 前号の犯罪、非違及び事故により発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受けること。
三 郵政省の所掌事務の考査をし、及び調査をすること。
四 郵政省の所掌事務に関する世論を收集し、及び調査し、又は公衆の不服の申出について調査し、及び回答すること。
五 行政管理廳の行う郵政省に対する行政監察に関する連絡事務を処理すること。
六 第一号、第三号及び第四号に掲げる事務に関する法令を立案し、及び実施すること。
七 監察局の所掌事務の事務取扱方法を制定し、及び実施すること。
八 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
九 所部の職員を訓練すること。
十 監察局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
十一 監察局の所掌事務に関する周知を行い、及び統計を作成すること。
十二 前各号に掲げるものの外、監察に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十三 前各号の事務に附帶すること。
(郵務局の事務)
第八條 郵務局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵便の運営計画を作成し、及び実施すること。
二 郵便に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 郵便に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
四 郵便に関する國際会議及び万國郵便連合に関すること。
五 郵便局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における郵便に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 郵便物の運送契約をすること。
八 郵便切手その他郵便料金をあらわす証票を発行し、及び賣りさばき、並びに封筒、封かん紙その他郵便の利用上必要な物及び印紙を賣りさばくこと。
九 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
十 所部の職員を訓練すること。
十一 郵便に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十二 郵便に関する周知を行い、並びに業務施設、業務用品又は郵便切手帳その他郵便の利用上必要な物を利用して廣告業務を行うこと。
十三 電氣通信省設置法(昭和二十三年法律第二百四十五号)第六條の規定により郵政省に委託された業務を処理すること。
十四 前各号に掲げるものの外、郵便に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十五 前各号の事務に附帶すること。
(貯金局の事務)
第九條 貯金局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵便貯金、郵便爲替及び郵便振替貯金並びに年金及び恩給の支給その他國庫金の受入拂渡に関する事務(以下爲替貯金と総称する。)の運営計画を作成し、及び実施すること。
二 爲替貯金に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 爲替貯金に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
四 郵便爲替及び郵便振替貯金に関する國際会議及び万國郵便連合に関すること。
五 地方貯金局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における爲替貯金に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 爲替貯金に関する受拂金の総括計算をすること。
八 郵便貯金及び郵便振替貯金の原簿に関すること。
九 郵便貯金切手を発行し、及び賣りさばくこと。
十 郵便局において受拂する現金の取扱方法を定めること。
十一 郵便貯金の獎励をすること。
十二 爲替貯金の取扱上発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受け(監察局所掌のものを除く。)、並びに欠損金の補てんに関する処理をすること。
十三 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
十四 所部の職員を訓練すること。
十五 爲替貯金に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十六 爲替貯金に関する周知を行い、並びに業務施設及び業務用品を利用して廣告業務を行うこと。
十七 前各号に掲げるものの外、爲替貯金に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十八 前各号の事務に附帶すること。
(簡易保險局の事務)
第十條 簡易保險局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 簡易生命保險及び郵便年金(以下保險年金という。)の運営計画を作成し、及びこれを実施すること。
二 保險年金に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 簡易生命保險及郵便年金特別会計(以下保險年金特別会計という。)の会計及び財務に関する法令及び手続を立案し、及び実施すること。
四 保險年金に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
五 地方簡易保險局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における保險年金に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
八 所部の職員を訓練すること。
九 保險年金に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十 保險年金特別会計の決算をすること。
十一 保險年金特別会計の收入及び支出の調定及び出納をすること。
十二 保險年金特別会計の收入及び支出並びに資産及び負債の事業別分計をすること。
十三 保險年金特別会計制度に関する研究をすること。
十四 保險年金特別会計の原簿計算をすること。
十五 保險年金に関する受拂金の総括計算をすること。
十六 保險年金の原簿に関すること。
十七 保險年金の獎励をすること。
十八 保險年金の積立金及び余裕金を運用すること。
十九 保險年金の料率の基礎計算、責任準備金の算定その他数理に関する事務を処理すること。
二十 被保險者に対する保健施設を設置し、及び管理すること。
二十一 保險年金の取扱上発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受け(監察局所掌のものを除く。)並びに欠損金の補てんに関する処理をすること。
二十二 保險年金の周知を行い、並びに業務施設及び業務用品を利用して廣告業務を行うこと。
二十三 簡易生命保險郵便年金事業審議会及び簡易生命保險郵便年金審査会に関する事務を処理すること。
二十四 前各号に掲げるものの外、保險年金に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
二十五 前各号の事務に附帶すること。
(人事局の事務)
第十一條 人事局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 職員に関する左の事務を処理すること。
(一) 職階及び任免に関すること。
(二) 給與、勤務時間その他勤務の條件に関すること。
(三) 服務規律、分限及び懲戒に関すること。
(四) 勤務成績の評定及び記録に関すること。
(五) 人事記録の作成及び保管に関すること。
(六) 公務傷病に対する補償及び恩給に関すること。
(七) 職員の結成する組合その他の團体との交渉並びにこれらの團体に関すること。
(八) 職員の苦情の処理に関すること。
二 職業の需要及び採用に関する計画案の取りまとめをすること。
三 職員の定員に関すること。
四 職員の厚生及び保健に関する事務を処理し、並びに必要な施設を設置し、及び管理すること。
五 職員に貸與する宿舍を設置し、及び管理すること。
六 職員の訓練に関し、取りまとめをすること。
七 郵政省共済組合に関する法令の執行に関する事務を処理すること。
八 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
九 所部の職員を訓練すること。
十 人事局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
十一 前各号に掲げるものの外、人事に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で特に他の局の所掌とされない事項を処理すること。
十二 前各号の事務に附帶すること。
(経理局の事務)
第十二條 経理局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の準備した予算案の取りまとめをすること。
二 各部局の事業又は業務計画案に基く予算の実行計画を作成し、及び実施すること。
三 郵政事業特別会計の会計及び財務に関する法令及び手続を立案し、及び実施すること。
四 郵政事業特別会計の一切の決算をすること。
五 郵政事業特別会計の收入及び支出の調定及び出納をすること。
六 郵政事業特別会計の收入及び支出並びに資産及び負債の事業別分計をすること。
七 郵政事業特別会計制度に関する研究をすること。
八 郵政事業特別会計の原簿計算をすること。
九 資金を統制し、管理し、及び調達すること。
十 契約手続を定めること。
十一 各部局の契約等の計画の取りまとめをすること。
十二 支拂計画を設定し、及びこれを各部局に通知すること。
十三 契約の締結、收入及び支出の決定並びに資金、物品その他財産の管理及び保管の責任を有する職員に対して、会計監査をすること並びに郵政省の総原簿又は補助簿への仕訳記入の確認をすること。
十四 小切手及び國庫金振替の認証をすること。
十五 会計及び財務に関する統計を作成し、並びに郵政省の所掌事務の統計に関する基本計画を作成すること。
十六 郵政省の所掌事務の統計を保存すること。
十七 郵便、郵便爲替及び郵便振替貯金の原價計算をし、及び料金の合理化の研究をすること。
十八 固定資産の記録を保存すること。
十九 廣告業務に関する手続の基本を定めること。
二十 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
二十一 所部の職員を訓練すること。
二十二 経理局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
二十三 前各号に掲げるものの外、会計、財務及び統計に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の部局の所掌とされない事項を処理すること。
二十四 前各号の事務に附帶すること。
(資材局の事務)
第十三條 資材局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の要求する資材及び物品の需要計画の取りまとめ及び割当に関すること。
二 資材局の所掌事務の事務取扱方法を制定し、及び実施すること。
三 資材及び物品を購入し、借り入れ、修理し、加工し、出納し、保管し、及び配給すること。
四 倉庫及び工場を設置し、及び管理すること。
五 不用となつた資材及び物品を処分すること。
六 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
七 所部の職員を訓練すること。
八 資材局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
九 前各号に掲げるものの外、資材及び物品に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の部局の所掌とされない事項を処理すること。
十 前各号の事務に附帶すること。
(建築局の事務)
第十四條 建築局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の要求する土地、建物、工作物及び船舶並びにその附帶設備(以下不動産という。)の工事を設計し、及び施行すること。
二 各部局の要求により、不動産を取得し、及び処分すること。
三 國有財産及び借入不動産の保存に関すること。
四 不動産に関する工事の契約をすること。
五 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
六 所部の職員を訓練すること。
七 建築局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
八 前各号に掲げるものの外、建築に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の各局の所掌とされない事項を処理すること。
九 前各号の事務に附帶すること。
第二節 地方機関
(地方機関)
第十五條 郵政省に、國家行政組織法第二十一條の規定に基き、左の地方機関を置く。
地方郵政監察局
地方郵政局
地方貯金局
地方簡易保險局
郵便局
2 地方郵政監察局は第七條に掲げる事務の一部を分掌し、地方郵政局は第八條から第十條までに掲げる事務の一部を分掌し、地方貯金局は第九條に掲げる事務の一部を分掌し、地方簡易保險局は第十條に掲げる事務の一部を分掌する。
3 郵便局は、地方郵政局の事務のうち、現業事務を行う。
4 第一項の地方機関は、前二項に掲げる事務の外、その事務に関連する範囲において、第六條及び第十一條から第十四條までに掲げる事務の一部を分掌する。
第十六條 地方郵政監察局及び地方郵政局は、それぞれ東京都、長野市、名古屋市、金沢市、大阪市、廣島市、松山市、熊本市、仙台市及び札幌市に置く。
2 地方郵政監察局に、左の部を置く。
第一部
第二部
第三部
3 地方郵政局に、左の部を置く。
郵務部
貯金部
保險部
人事部
経理部
資材部
建築部
4 地方郵政監察局及び地方郵政局の名称、管轄区域及び所掌事務の範囲は、政令で定め、内部組織の細目は、郵政大臣が定める。
5 郵政大臣は、地方機関の事務の一部を分掌させるため必要がある場合は、出張所を設けることができる。
6 地方郵政監察局及び地方郵政局以外の各地方機関並びに前項の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、郵政大臣が定める。
第三章 附属機関
(附属機関)
第十七條 第二十二條に規定するものの外、郵政省に置かれる附属機関は、左の通りとする。
博物館
病院、診療所及び療養所
職員訓練所
(博物館)
第十八條 博物館は、郵政に関する文化の啓発及び普及を図るための機関とする。
(病院等)
第十九條 病院、診療所及び療養所は、郵政省の職員及びその家族の健康を保持するための機関とする。
(職員訓練所)
第二十條 職員訓練所は、郵政省の職員の訓練を行うための機関とする。
(名称等)
第二十一條 第十七條に掲げる附属機関の名称、位置及び内部組織は、郵政省令で定める。
(その他の附属機関)
第二十二條 左の表の上欄に掲げる機関は、郵政省の附属機関として置かれるものとし、その設置の目的は、それぞれ下欄に記載する通りとする。
種類
目的
郵政審議会
第三條に掲げる事業の健全且つ能率的な運営を図るため、その事業に関する事項(簡易生命保險郵便年金事業審議会に附議される事項を除く。)を調査審議すること。
簡易生命保險郵便年金事業審議会
簡易生命保險約款案及び郵便年金約款案並びに積立金の運用その他保險年金の経営に関する事項を調査審議すること。
簡易生命保險郵便年金審査会
保險契約者、保險金受取人、年金契約者、年金受取人、年金継続受取人又は返還金受取人が簡易生命保險又は郵便年金の契約上の権利義務に関する事項について國との間に紛爭を生じた場合、その紛爭処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。
郵政省共済組合審査会
郵政省共済組合の給付に関する決定又は掛金の徴收に関して組合と組合員との間に紛爭を生じた場合、その紛爭処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。
郵政省共済組合運営審議会
郵政省共済組合の運営に関する事項を調査審議すること。
2 前項に掲げる附属機関の組織、所掌事務及び委員その他の職員については、他の法律(これに基く命令を含む。)に別段の定がある場合を除く外、政令で定める。
第四章 職員及び職
(職員)
第二十三條 郵政省に置かれる職員については、國家公務員法の定めるところによる。
(理事)
第二十四條 郵政省に理事四人を置く。
2 監察局、郵務局、貯金局及び簡易保險局の長は、理事をもつて充てる。
(部局の長)
第二十五條 官房及び第五條に掲げる部には、官房長及び部長を置く。
2 第十五條に掲げる地方機関及びその内部部局には、それぞれ長一人を置く。
3 第十七條に掲げる附属機関には、それぞれ長一人を置く。
4 前三項に掲げる部局の長は、上官の命を受け、それぞれ部局の事務を掌理し、その職員の服務について、これを指揮統督する。
5 経理局及び人事局には、次長を置く。
6 次長は、局長を助け、局務を整理し、局長不在の場合その職務を代行する。
(郵政監察官)
第二十六條 郵政業務の監察を行わせるため、郵政省に郵政監察官七百人以内を置く。
2 郵政監察官は、郵政業務の運行に関するすべての事項の調査にあたり、その実情及び改善すべき事項についての意見を郵政大臣に提出し、並びに犯罪の嫌疑があるときは、捜査し、その内容を郵政大臣に報告し、及び必要がある場合には、犯罪の訴追に協力することについて、郵政大臣から特命を受けたものとする。
3 郵政監察官は、郵政省の職員の中から、郵政大臣が命じ、その指定する地において勤務しなければならない。
第二十七條 郵政監察官は、郵政業務に対する犯罪につき、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察員の職務を行う。
2 郵政監察官は、被疑者の逮捕を必要とする場合は、警察官又は警察吏員である司法警察職員に、これを逮捕させなければならない。
3 警察官又は警察吏員である司法警察職員は、前項により逮捕した被疑者を、郵政監察官に引致しなければならない。
4 郵政監察官は、前項の被疑者を受け取つた場合又は自ら現行犯人を逮捕した場合において、留置の必要があると思料するときは、これを最寄りの警察署に留置することができる。
第二十八條 郵政監察官は、職務を行うにあたつては、その身分を証明する証票を携帶し、関係人の請求があるときは、これを示さなければならない。
(定員)
第二十九條 郵政省に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
(職員の出張)
第三十條 郵政省の職員の出張については、監察又は会計監査のための場合を除く外、特に郵政大臣の事前の承認がなければならない。
第五章 雜則
(権限の委任)
第三十一條 郵政大臣は、この法律に定める権限で細目の事項に関するものを、職務規程を定めて、局、地方機関及び附属機関に委任することができる。
(組織の細目)
第三十二條 郵政省の組織の細目については、この法律に規定するものの外、政令で、又は政令の委任により郵政大臣が定める。
附 則
この法律は、昭和二十四年四月一日から施行する。
逓信大臣 降旗徳弥
内閣総理大臣 吉田茂
郵政省設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年十二月十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十四号
郵政省設置法
目次
第一章
総則(第一条―第四条)
第二章
内部部局及び地方機関(第五条―第十六条)
第一節
内部部局(第五条―第十四条)
第二節
地方機関(第十五条・第十六条)
第三章
附属機関(第十七条―第二十二条)
第四章
職員及び職(第二十三条―第三十条)
第五章
雑則(第三十一条・第三十二条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、郵政省の所掌事務の範囲及び権限を定めるとともに、第三条に掲げる事業を合理的、能率的に経営するに足る組織の基準を定めることを目的とする。
(設置)
第二条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基いて、郵政省を設置する。
2 郵政省の長は、郵政大臣とする。
(郵政省の任務)
第三条 郵政省は、左に掲げる国の公共事業を一体的に遂行する責任を負う唯一の政府機関とする。
一 郵便
二 郵便貯金、郵便為替及び郵便振替貯金
三 簡易生命保険及び郵便年金
2 郵政省は、前項の事業の外、前項の事業に附帯する業務、電気通信省から委託された業務及び印紙の売りさばきに関する業務並びに年金及び恩給の支給その他国庫金の受入払渡に関する事務をつかさどる。
3 郵政省は、前二項の事業及び業務を行うにあたり、公共の利益に即して最高度の能率を発揮するように努めなければならない。
(郵政省の権限)
第四条 郵政省は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。
一 法令の定めるところに従い、予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な契約をすること。
二 法令の定めるところに従い、所掌事務の遂行に必要な業務施設、研究施設等を設置し、及び管理すること。
三 法令の定めるところに従い、所掌事務の遂行に必要な業務用品、研究用品等を調達すること。
四 法令の定めるところに従い、不用財産を処分すること。
五 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところに従い、職員の任免、賞罰その他職員の身分に関する措置をすること。
六 国家公務員法その他の法令に触れない範囲で、職員の給与、勤務時間その他勤務の条件を定めること。
七 政府職員に対する厚生及び保健に関する法令の定めるところに従い、職員の厚生及び保健のため必要な施設を設置し、及び管理すること。
八 法令の定めるところに従い、職員を訓練すること。
九 法令の定めるところに従い、職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。
十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い、必要な措置をすること。
十一 法令の定めるところに従い、所掌事務に関し、損害を賠償し、及び損害の賠償を受けること。
十二 郵政省の公印を制定すること。
十三 所掌事務に関する統計及び調査資料を頒布し、又は刊行すること。
十四 所掌事務の周知宣伝を行うこと。
十五 所掌事務遂行に支障のない範囲で、業務施設、業務用品又は郵便切手帳その他郵便の利用上必要な物を利用して、広告業務を行うこと。
十六 郵便局の窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
十七 郵便の利用上必要な包装用品、封筒等を調製し、及び売りさばくこと。
十八 法令により委任された範囲において、外国郵便、外国郵便為替及び外国郵便振替に関する取極を商議し、締結すること並びにその料金を減額し、又は増額すること。
十九 法令の定めるところに従い、簡易生命保険及び郵便年金の積立金及び余裕金を運用すること。
二十 簡易生命保険の被保険者に対して必要な保健施設を、国会がこの目的のため議決した予算の範囲内で設置し、及び管理すること。
二十一 法令の定めるところに従い、収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をし、並びに受入及び支払に関する報告及び会計の方法を定めること。
二十二 前各号に掲げるものの外、法令に基き郵政省に属させられた権限
第二章 内部部局及び地方機関
第一節 内部部局
(内部部局)
第五条 郵政省に大臣官房及び左の各局並びに国家行政組織法第二十一条の規定に基き、左の区分により部を置く。
監察局
第一部
第二部
第三部
郵務局
管理部
業務部
輸送施設部
貯金局
管理部
業務部
会計部
簡易保険局
管理部
業務部
財務部
数理部
人事局
経理局
資材局
建築局
2 前項の部の所掌事務は、政令で定める。
3 第一項の部には、国家行政組織法第七条第一項の課を置くことができる。
(大臣官房の事務)
第六条 大臣官房においては、郵政省の所掌事務に関し左に掲げる事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 公印を制定し、及び管理すること。
三 公文書を授受し、発送し、編集し、及び保存すること。
四 各部局の事務につき、総合調整をすること。
五 法令案の審査その他法務に関すること。
六 部局の設置及び廃止に関すること。
七 国会との連絡に関すること。
八 渉外事務に関すること。
九 報道に関すること。
十 前各号の事務に附帯すること。
十一 他の各部局の所掌に属しない事務に関すること。
(監察局の事務)
第七条 監察局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵政省の所掌事務に関する犯罪、非違及び事故(軽微なものを除く。)を調査し、及び処理すること。
二 前号の犯罪、非違及び事故により発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受けること。
三 郵政省の所掌事務の考査をし、及び調査をすること。
四 郵政省の所掌事務に関する世論を収集し、及び調査し、又は公衆の不服の申出について調査し、及び回答すること。
五 行政管理庁の行う郵政省に対する行政監察に関する連絡事務を処理すること。
六 第一号、第三号及び第四号に掲げる事務に関する法令を立案し、及び実施すること。
七 監察局の所掌事務の事務取扱方法を制定し、及び実施すること。
八 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
九 所部の職員を訓練すること。
十 監察局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
十一 監察局の所掌事務に関する周知を行い、及び統計を作成すること。
十二 前各号に掲げるものの外、監察に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十三 前各号の事務に附帯すること。
(郵務局の事務)
第八条 郵務局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵便の運営計画を作成し、及び実施すること。
二 郵便に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 郵便に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
四 郵便に関する国際会議及び万国郵便連合に関すること。
五 郵便局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における郵便に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 郵便物の運送契約をすること。
八 郵便切手その他郵便料金をあらわす証票を発行し、及び売りさばき、並びに封筒、封かん紙その他郵便の利用上必要な物及び印紙を売りさばくこと。
九 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
十 所部の職員を訓練すること。
十一 郵便に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十二 郵便に関する周知を行い、並びに業務施設、業務用品又は郵便切手帳その他郵便の利用上必要な物を利用して広告業務を行うこと。
十三 電気通信省設置法(昭和二十三年法律第二百四十五号)第六条の規定により郵政省に委託された業務を処理すること。
十四 前各号に掲げるものの外、郵便に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十五 前各号の事務に附帯すること。
(貯金局の事務)
第九条 貯金局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 郵便貯金、郵便為替及び郵便振替貯金並びに年金及び恩給の支給その他国庫金の受入払渡に関する事務(以下為替貯金と総称する。)の運営計画を作成し、及び実施すること。
二 為替貯金に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 為替貯金に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
四 郵便為替及び郵便振替貯金に関する国際会議及び万国郵便連合に関すること。
五 地方貯金局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における為替貯金に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 為替貯金に関する受払金の総括計算をすること。
八 郵便貯金及び郵便振替貯金の原簿に関すること。
九 郵便貯金切手を発行し、及び売りさばくこと。
十 郵便局において受払する現金の取扱方法を定めること。
十一 郵便貯金の奨励をすること。
十二 為替貯金の取扱上発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受け(監察局所掌のものを除く。)、並びに欠損金の補てんに関する処理をすること。
十三 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
十四 所部の職員を訓練すること。
十五 為替貯金に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十六 為替貯金に関する周知を行い、並びに業務施設及び業務用品を利用して広告業務を行うこと。
十七 前各号に掲げるものの外、為替貯金に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
十八 前各号の事務に附帯すること。
(簡易保険局の事務)
第十条 簡易保険局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 簡易生命保険及び郵便年金(以下保険年金という。)の運営計画を作成し、及びこれを実施すること。
二 保険年金に関する法令を立案し、及び実施すること。
三 簡易生命保険及郵便年金特別会計(以下保険年金特別会計という。)の会計及び財務に関する法令及び手続を立案し、及び実施すること。
四 保険年金に関する業務取扱方法を制定し、及び実施すること。
五 地方簡易保険局を設置し、又は廃止すること。
六 郵便局における保険年金に関する窓口取扱時間及び取扱事務の範囲を定めること。
七 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
八 所部の職員を訓練すること。
九 保険年金に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く事業計画を実施すること。
十 保険年金特別会計の決算をすること。
十一 保険年金特別会計の収入及び支出の調定及び出納をすること。
十二 保険年金特別会計の収入及び支出並びに資産及び負債の事業別分計をすること。
十三 保険年金特別会計制度に関する研究をすること。
十四 保険年金特別会計の原簿計算をすること。
十五 保険年金に関する受払金の総括計算をすること。
十六 保険年金の原簿に関すること。
十七 保険年金の奨励をすること。
十八 保険年金の積立金及び余裕金を運用すること。
十九 保険年金の料率の基礎計算、責任準備金の算定その他数理に関する事務を処理すること。
二十 被保険者に対する保健施設を設置し、及び管理すること。
二十一 保険年金の取扱上発生した損害を賠償し、及び損害の賠償を受け(監察局所掌のものを除く。)並びに欠損金の補てんに関する処理をすること。
二十二 保険年金の周知を行い、並びに業務施設及び業務用品を利用して広告業務を行うこと。
二十三 簡易生命保険郵便年金事業審議会及び簡易生命保険郵便年金審査会に関する事務を処理すること。
二十四 前各号に掲げるものの外、保険年金に関し、郵政省の権限として法令の定める事項を処理すること。
二十五 前各号の事務に附帯すること。
(人事局の事務)
第十一条 人事局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 職員に関する左の事務を処理すること。
(一) 職階及び任免に関すること。
(二) 給与、勤務時間その他勤務の条件に関すること。
(三) 服務規律、分限及び懲戒に関すること。
(四) 勤務成績の評定及び記録に関すること。
(五) 人事記録の作成及び保管に関すること。
(六) 公務傷病に対する補償及び恩給に関すること。
(七) 職員の結成する組合その他の団体との交渉並びにこれらの団体に関すること。
(八) 職員の苦情の処理に関すること。
二 職業の需要及び採用に関する計画案の取りまとめをすること。
三 職員の定員に関すること。
四 職員の厚生及び保健に関する事務を処理し、並びに必要な施設を設置し、及び管理すること。
五 職員に貸与する宿舎を設置し、及び管理すること。
六 職員の訓練に関し、取りまとめをすること。
七 郵政省共済組合に関する法令の執行に関する事務を処理すること。
八 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
九 所部の職員を訓練すること。
十 人事局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
十一 前各号に掲げるものの外、人事に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で特に他の局の所掌とされない事項を処理すること。
十二 前各号の事務に附帯すること。
(経理局の事務)
第十二条 経理局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の準備した予算案の取りまとめをすること。
二 各部局の事業又は業務計画案に基く予算の実行計画を作成し、及び実施すること。
三 郵政事業特別会計の会計及び財務に関する法令及び手続を立案し、及び実施すること。
四 郵政事業特別会計の一切の決算をすること。
五 郵政事業特別会計の収入及び支出の調定及び出納をすること。
六 郵政事業特別会計の収入及び支出並びに資産及び負債の事業別分計をすること。
七 郵政事業特別会計制度に関する研究をすること。
八 郵政事業特別会計の原簿計算をすること。
九 資金を統制し、管理し、及び調達すること。
十 契約手続を定めること。
十一 各部局の契約等の計画の取りまとめをすること。
十二 支払計画を設定し、及びこれを各部局に通知すること。
十三 契約の締結、収入及び支出の決定並びに資金、物品その他財産の管理及び保管の責任を有する職員に対して、会計監査をすること並びに郵政省の総原簿又は補助簿への仕訳記入の確認をすること。
十四 小切手及び国庫金振替の認証をすること。
十五 会計及び財務に関する統計を作成し、並びに郵政省の所掌事務の統計に関する基本計画を作成すること。
十六 郵政省の所掌事務の統計を保存すること。
十七 郵便、郵便為替及び郵便振替貯金の原価計算をし、及び料金の合理化の研究をすること。
十八 固定資産の記録を保存すること。
十九 広告業務に関する手続の基本を定めること。
二十 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
二十一 所部の職員を訓練すること。
二十二 経理局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
二十三 前各号に掲げるものの外、会計、財務及び統計に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の部局の所掌とされない事項を処理すること。
二十四 前各号の事務に附帯すること。
(資材局の事務)
第十三条 資材局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の要求する資材及び物品の需要計画の取りまとめ及び割当に関すること。
二 資材局の所掌事務の事務取扱方法を制定し、及び実施すること。
三 資材及び物品を購入し、借り入れ、修理し、加工し、出納し、保管し、及び配給すること。
四 倉庫及び工場を設置し、及び管理すること。
五 不用となつた資材及び物品を処分すること。
六 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
七 所部の職員を訓練すること。
八 資材局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
九 前各号に掲げるものの外、資材及び物品に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の部局の所掌とされない事項を処理すること。
十 前各号の事務に附帯すること。
(建築局の事務)
第十四条 建築局においては、左に掲げる事務をつかさどる。
一 各部局の要求する土地、建物、工作物及び船舶並びにその附帯設備(以下不動産という。)の工事を設計し、及び施行すること。
二 各部局の要求により、不動産を取得し、及び処分すること。
三 国有財産及び借入不動産の保存に関すること。
四 不動産に関する工事の契約をすること。
五 所部の職員の需要及び採用に関する計画案を作成すること。
六 所部の職員を訓練すること。
七 建築局の所掌事務に関する予算案を準備し、及び成立予算に基く業務計画を実施すること。
八 前各号に掲げるものの外、建築に関し、郵政省の権限として法令の定める事項で、特に他の各局の所掌とされない事項を処理すること。
九 前各号の事務に附帯すること。
第二節 地方機関
(地方機関)
第十五条 郵政省に、国家行政組織法第二十一条の規定に基き、左の地方機関を置く。
地方郵政監察局
地方郵政局
地方貯金局
地方簡易保険局
郵便局
2 地方郵政監察局は第七条に掲げる事務の一部を分掌し、地方郵政局は第八条から第十条までに掲げる事務の一部を分掌し、地方貯金局は第九条に掲げる事務の一部を分掌し、地方簡易保険局は第十条に掲げる事務の一部を分掌する。
3 郵便局は、地方郵政局の事務のうち、現業事務を行う。
4 第一項の地方機関は、前二項に掲げる事務の外、その事務に関連する範囲において、第六条及び第十一条から第十四条までに掲げる事務の一部を分掌する。
第十六条 地方郵政監察局及び地方郵政局は、それぞれ東京都、長野市、名古屋市、金沢市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、仙台市及び札幌市に置く。
2 地方郵政監察局に、左の部を置く。
第一部
第二部
第三部
3 地方郵政局に、左の部を置く。
郵務部
貯金部
保険部
人事部
経理部
資材部
建築部
4 地方郵政監察局及び地方郵政局の名称、管轄区域及び所掌事務の範囲は、政令で定め、内部組織の細目は、郵政大臣が定める。
5 郵政大臣は、地方機関の事務の一部を分掌させるため必要がある場合は、出張所を設けることができる。
6 地方郵政監察局及び地方郵政局以外の各地方機関並びに前項の出張所の名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び内部組織は、郵政大臣が定める。
第三章 附属機関
(附属機関)
第十七条 第二十二条に規定するものの外、郵政省に置かれる附属機関は、左の通りとする。
博物館
病院、診療所及び療養所
職員訓練所
(博物館)
第十八条 博物館は、郵政に関する文化の啓発及び普及を図るための機関とする。
(病院等)
第十九条 病院、診療所及び療養所は、郵政省の職員及びその家族の健康を保持するための機関とする。
(職員訓練所)
第二十条 職員訓練所は、郵政省の職員の訓練を行うための機関とする。
(名称等)
第二十一条 第十七条に掲げる附属機関の名称、位置及び内部組織は、郵政省令で定める。
(その他の附属機関)
第二十二条 左の表の上欄に掲げる機関は、郵政省の附属機関として置かれるものとし、その設置の目的は、それぞれ下欄に記載する通りとする。
種類
目的
郵政審議会
第三条に掲げる事業の健全且つ能率的な運営を図るため、その事業に関する事項(簡易生命保険郵便年金事業審議会に附議される事項を除く。)を調査審議すること。
簡易生命保険郵便年金事業審議会
簡易生命保険約款案及び郵便年金約款案並びに積立金の運用その他保険年金の経営に関する事項を調査審議すること。
簡易生命保険郵便年金審査会
保険契約者、保険金受取人、年金契約者、年金受取人、年金継続受取人又は返還金受取人が簡易生命保険又は郵便年金の契約上の権利義務に関する事項について国との間に紛争を生じた場合、その紛争処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。
郵政省共済組合審査会
郵政省共済組合の給付に関する決定又は掛金の徴収に関して組合と組合員との間に紛争を生じた場合、その紛争処理機関として公平な審査をし、及び裁決をすること。
郵政省共済組合運営審議会
郵政省共済組合の運営に関する事項を調査審議すること。
2 前項に掲げる附属機関の組織、所掌事務及び委員その他の職員については、他の法律(これに基く命令を含む。)に別段の定がある場合を除く外、政令で定める。
第四章 職員及び職
(職員)
第二十三条 郵政省に置かれる職員については、国家公務員法の定めるところによる。
(理事)
第二十四条 郵政省に理事四人を置く。
2 監察局、郵務局、貯金局及び簡易保険局の長は、理事をもつて充てる。
(部局の長)
第二十五条 官房及び第五条に掲げる部には、官房長及び部長を置く。
2 第十五条に掲げる地方機関及びその内部部局には、それぞれ長一人を置く。
3 第十七条に掲げる附属機関には、それぞれ長一人を置く。
4 前三項に掲げる部局の長は、上官の命を受け、それぞれ部局の事務を掌理し、その職員の服務について、これを指揮統督する。
5 経理局及び人事局には、次長を置く。
6 次長は、局長を助け、局務を整理し、局長不在の場合その職務を代行する。
(郵政監察官)
第二十六条 郵政業務の監察を行わせるため、郵政省に郵政監察官七百人以内を置く。
2 郵政監察官は、郵政業務の運行に関するすべての事項の調査にあたり、その実情及び改善すべき事項についての意見を郵政大臣に提出し、並びに犯罪の嫌疑があるときは、捜査し、その内容を郵政大臣に報告し、及び必要がある場合には、犯罪の訴追に協力することについて、郵政大臣から特命を受けたものとする。
3 郵政監察官は、郵政省の職員の中から、郵政大臣が命じ、その指定する地において勤務しなければならない。
第二十七条 郵政監察官は、郵政業務に対する犯罪につき、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察員の職務を行う。
2 郵政監察官は、被疑者の逮捕を必要とする場合は、警察官又は警察吏員である司法警察職員に、これを逮捕させなければならない。
3 警察官又は警察吏員である司法警察職員は、前項により逮捕した被疑者を、郵政監察官に引致しなければならない。
4 郵政監察官は、前項の被疑者を受け取つた場合又は自ら現行犯人を逮捕した場合において、留置の必要があると思料するときは、これを最寄りの警察署に留置することができる。
第二十八条 郵政監察官は、職務を行うにあたつては、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があるときは、これを示さなければならない。
(定員)
第二十九条 郵政省に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
(職員の出張)
第三十条 郵政省の職員の出張については、監察又は会計監査のための場合を除く外、特に郵政大臣の事前の承認がなければならない。
第五章 雑則
(権限の委任)
第三十一条 郵政大臣は、この法律に定める権限で細目の事項に関するものを、職務規程を定めて、局、地方機関及び附属機関に委任することができる。
(組織の細目)
第三十二条 郵政省の組織の細目については、この法律に規定するものの外、政令で、又は政令の委任により郵政大臣が定める。
附 則
この法律は、昭和二十四年四月一日から施行する。
逓信大臣 降旗徳弥
内閣総理大臣 吉田茂