(中央労働委員会)
第十九条の二 中央労働委員会は、労働大臣の所轄とする。
(中央労働委員会の委員の任命等)
第十九条の三 中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十三人をもつて組織する。
2 使用者委員は使用者団体の推薦(使用者委員のうち四人については、国営企業(国営企業労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第一号に規定する国営企業をいう。第十九条の十第一項において同じ。)の推薦)に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦(労働者委員のうち四人については、同法第二条第二号に規定する職員(以下この章において「国営企業職員」という。)が結成し、又は加入する労働組合の推薦)に基づいて、公益委員は労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
3 公益委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、労働大臣が使用者委員及び労働者委員の同意を得て作成した委員候補者名簿に記載されている者のうちから、公益委員を任命することができる。
4 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を求めなければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその公益委員を罷免しなければならない。
5 公益委員の任命については、そのうち六人以上が同一政党に属することとなつてはならない。
6 中央労働委員会の委員(次条から第十九条の九までにおいて単に「委員」という。)は、非常勤とする。ただし、公益委員のうち二人以内は、常勤とすることができる。
(委員の欠格条項)
第十九条の四 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
二 禁 錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでの者
2 次の各号のいずれかに該当する者は、公益委員となることができない。
二 国営企業職員又は国営企業職員が結成し、若しくは加入する労働組合の組合員若しくは役員
(委員の任期等)
第十九条の五 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き在任するものとする。
(公益委員の服務)
第十九条の六 常勤の公益委員は、在任中、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない。
一 政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二 内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
2 非常勤の公益委員は、在任中、前項第一号に該当する行為をしてはならない。
(委員の失職及び罷免)
第十九条の七 委員は、第十九条の四第一項各号のいずれかに該当するに至つた場合には、その職を失う。公益委員が同条第二項各号のいずれかに該当するに至つた場合も、同様とする。
2 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
3 前項の規定により、内閣総理大臣が中央労働委員会に対して、使用者委員又は労働者委員の罷免の同意を求めた場合には、当該委員は、その議事に参与することができない。
4 内閣総理大臣は、公益委員のうち五人が既に属している政党に新たに属するに至つた公益委員を直ちに罷免するものとする。
5 内閣総理大臣は、公益委員のうち六人以上が同一の政党に属することとなつた場合(前項の規定に該当する場合を除く。)には、同一の政党に属する者が五人になるように、両議院の同意を得て、公益委員を罷免するものとする。ただし、政党所属関係に異動のなかつた委員を罷免することはできないものとする。
(委員の給与等)
第十九条の八 委員は、別に法律の定めるところにより俸給、手当その他の給与を受け、及び政令の定めるところによりその職務を行うために要する費用の弁償を受けるものとする。
(中央労働委員会の会長)
3 会長は、中央労働委員会の会務を総理し、中央労働委員会を代表する。
4 中央労働委員会は、あらかじめ公益委員のうちから委員の選挙により、会長に故障がある場合において会長を代理する委員を定めておかなければならない。
(地方調整委員)
第十九条の十 中央労働委員会に、国営企業とその国営企業職員との間に発生した紛争その他の事件で地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるものに係るあつせん若しくは調停又は第二十七条第十三項に規定する調査若しくは審問に参与させるため、使用者、労働者及び公益をそれぞれ代表する地方調整委員を置く。
2 地方調整委員は、中央労働委員会の同意を得て、政令で定める区域ごとに労働大臣が任命する。
3 第十九条の五第一項本文及び第二項、第十九条の七第二項並びに第十九条の八の規定は、地方調整委員について準用する。この場合において、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「労働大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「中央労働委員会」と読み替えるものとする。
(中央労働委員会の事務局)
第十九条の十一 中央労働委員会にその事務を整理させるために事務局を置き、事務局に会長の同意を得て労働大臣が任命する事務局長及び必要な職員を置く。
2 事務局に、地方における事務を分掌させるため、地方事務所を置く。
3 地方事務所の位置、名称及び管轄区域は、政令で定める。
(地方労働委員会)
第十九条の十二 地方労働委員会は、都道府県が設けるものとする。
2 地方労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各十三人(東京都が設けるものに限る。)、各十一人(大阪府が設けるものに限る。)又は各九人、各七人若しくは各五人のうち政令で定める数のものをもつて組織する。
3 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、都道府県知事が任命する。
4 第十九条の二、第十九条の三第五項及び第六項本文、第十九条の四第一項、第十九条の五、第十九条の七第一項前段、第二項及び第三項、第十九条の八、第十九条の九並びに前条第一項の規定は、地方労働委員会について準用する。この場合において、第十九条の二中「労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と、第十九条の三第五項中「そのうち六人以上」とあるのは「公益委員の数が十三人の地方労働委員会にあつてはそのうち六人以上、公益委員の数が十一人の地方労働委員会にあつてはそのうち五人以上、公益委員の数が九人の地方労働委員会にあつてはそのうち四人以上、公益委員の数が七人の地方労働委員会にあつてはそのうち三人以上、公益委員の数が五人の地方労働委員会にあつてはそのうち二人以上」と、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「地方労働委員会」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「地方労働委員会の委員」と、前条第一項中「労働大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「事務局長及び必要な職員」とあるのは「事務局長、事務局次長二人以内及び必要な職員」と読み替えるものとする。
5 公益委員は、自己の行為によつて前項の規定により読み替えられた第十九条の三第五項の規定に抵触するに至つたときは、当然退職するものとする。
(船員労働委員会)
第十九条の十三 船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員(国営企業職員を除く。以下この項において同じ。)に関しては、この法律に規定する中央労働委員会、地方労働委員会並びに労働大臣及び都道府県知事の行う権限は、それぞれ船員中央労働委員会、船員地方労働委員会及び運輸大臣が行うものとする。この場合において、第十八条第四項の規定は、船員については、適用しない。
2 船員中央労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各七人をもつて組織し、船員地方労働委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員各五人をもつて組織する。
3 使用者委員は使用者団体の推薦に基づいて、労働者委員は労働組合の推薦に基づいて、公益委員は使用者委員及び労働者委員の同意を得て、運輸大臣が任命する。
4 中央労働委員会及び地方労働委員会に関する規定(第十九条の三第一項から第四項まで及び第六項ただし書、第十九条の四第二項、第十九条の六、第十九条の七第一項後段、第四項及び第五項、第十九条の十、第十九条の十一第二項及び第三項、前条第二項、第三項及び第四項後段(第十九条の十一第一項中「事務局長及び必要な職員」とあるのは「事務局長、事務局次長二人以内及び必要な職員」と読み替える部分に限る。)、第二十四条第二項並びに第二十七条第十三項の規定を除く。)は、船員中央労働委員会及び船員地方労働委員会について準用する。この場合において、第十九条の二中「労働大臣」とあるのは「運輸大臣」と、第十九条の三第五項中「六人以上」とあるのは「三人以上」と、第十九条の七第二項中「内閣総理大臣」とあるのは「運輸大臣」と、「使用者委員及び労働者委員にあつては中央労働委員会の同意を得て、公益委員にあつては両議院」とあるのは「船員中央労働委員会」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「運輸大臣」と、「使用者委員又は労働者委員」とあるのは「船員中央労働委員会の委員」と、第十九条の十一第一項中「労働大臣」とあるのは「運輸大臣」と、前条第一項中「道都府県が」とあるのは「各地方運輸局の管轄区域(政令で定める地方運輸局にあつては、政令で定める区域を除く。)及び当該政令で定める区域を管轄区域として並びに当分の間沖縄県の区域を管轄区域として」と、同条第四項中「都道府県知事」とあるのは「運輸大臣」と、第二十五条第二項中「国営企業職員の労働関係に係る事件のあつせん、調停、仲裁及び処分(国営企業職員が結成し、又は加入する労働組合に関する第五条第一項及び第十一条第一項の規定による処分については、政令で定めるものに限る。)について、専属的に管轄するほか、二以上の都道府県」とあるのは「二以上の船員地方労働委員会の管轄区域」と読み替えるものとする。
5 前条第五項の規定は、船員中央労働委員会の公益委員について準用する。