(目的)
第一条 この法律は、有線テレビジョン放送の放送番組に関する業務の効率的な実施に資する有線テレビジョン放送番組充実事業を推進するための措置を講ずることにより、有線テレビジョン放送の発達及び普及を促進し、もって電気通信による情報の流通の円滑化に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「有線テレビジョン放送」とは、有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項に規定する有線テレビジョン放送をいう。
2 この法律において「有線テレビジョン放送番組充実事業」とは、次に掲げる業務のすべてを行う事業であって、有線テレビジョン放送の放送番組(以下この項(第三号を除く。)において単に「放送番組」という。)の制作に必要な設備その他のこれらの業務を行うための設備を備える施設を整備してこれを行うものをいう。
一 放送番組を制作する者と共同して放送番組の制作を行い、若しくは放送番組を制作する者からの委託を受けて放送番組の制作の一部を行い、又は放送番組の制作に必要な設備を放送番組を共同して制作する者の利用に供する業務
二 委託を受けて、有線テレビジョン放送事業者(有線テレビジョン放送法第二条第四項に規定する有線テレビジョン放送事業者をいう。次号において同じ。)に通信衛星を利用して放送番組を提供する業務
三 放送番組に関する情報を収集し、分類し、整理し、保管し、及び有線テレビジョン放送事業者に提供する業務
四 放送番組を収集し、保管し、及び公衆に視聴させる業務
(基本指針)
第三条 郵政大臣は、有線テレビジョン放送の発達及び普及を促進するため、有線テレビジョン放送番組充実事業の実施に関する基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。
2 基本指針には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 有線テレビジョン放送の発達及び普及の促進に関する基本的な方向
二 有線テレビジョン放送番組充実事業を実施する者の要件に関する事項
三 有線テレビジョン放送番組充実事業の内容(整備に係る施設を含む。)に関する事項
四 有線テレビジョン放送番組充実事業が行われる地域に関する事項
五 有線テレビジョン放送番組充実事業の実施方法に関する事項
六 その他有線テレビジョン放送番組充実事業の実施に際し配慮すべき重要事項
3 郵政大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(実施計画の認定)
第四条 有線テレビジョン放送番組充実事業を実施しようとする者(当該事業を実施する法人を設立しようとする者を含む。)は、当該事業の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し、これを郵政大臣に提出して、その実施計画が適当である旨の認定を受けることができる。
2 実施計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 有線テレビジョン放送番組充実事業を実施する者に関する事項
二 有線テレビジョン放送番組充実事業の内容(整備しようとする施設を含む。)
三 有線テレビジョン放送番組充実事業を実施する場所
六 有線テレビジョン放送番組充実事業の実施に必要な資金の額及びその調達方法
3 郵政大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その実施計画が基本指針に照らし適切なものであり、かつ、当該実施計画が確実に実施される見込みがあると認めるときは、同項の認定をするものとする。
(実施計画の変更等)
第五条 前条第一項の認定を受けた者(その者の設立に係る同項の法人を含む。)は、当該認定に係る実施計画を変更しようとするときは、郵政大臣の認定を受けなければならない。
3 郵政大臣は、前条第一項の認定を受けた実施計画(第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)に係る有線テレビジョン放送番組充実事業を実施する者(以下「認定事業者」という。)が当該認定計画に従って有線テレビジョン放送番組充実事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
(通信・放送機構の業務の特例)
第六条 通信・放送機構(以下「機構」という。)は、通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号。以下「機構法」という。)第二十八条第一項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 認定計画に係る有線テレビジョン放送番組充実事業の実施に必要な資金の出資を行うこと。
(業務の委託等)
第七条 機構は、郵政大臣及び大蔵大臣の認可を受けて、前条第一号に掲げる業務(出資の決定を除く。)の一部を金融機関に委託することができる。
2 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
3 第一項の規定により業務の委託を受けた金融機関の役員又は職員で、当該委託業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
4 機構法第四十条の規定は、第一項の規定により業務の委託を受けた金融機関について準用する。この場合において、同条第一項中「郵政大臣(研究開発出資業務については、郵政大臣又は大蔵大臣)」とあるのは「郵政大臣又は大蔵大臣」と、「その業務」とあるのは「その委託を受けた業務」と、「事務所その他の事業所」とあるのは「事務所」と、「業務の状況」とあるのは「その委託を受けた業務に関し業務の状況」と読み替えるものとする。
(機構法の適用)
第八条 第六条の規定により機構の業務が行われる場合には、機構法第五条第二項中「研究開発出資業務」とあるのは「研究開発出資業務又は有線テレビジョン放送の発達及び普及のための有線テレビジョン放送番組充実事業の推進に関する臨時措置法(以下「有線テレビジョン放送番組充実法」という。)第六条に規定する業務(以下「両出資業務」という。)」と、同条第三項中「又は」とあるのは「、有線テレビジョン放送番組充実法第六条に規定する業務に必要な資金又は」と、機構法第十七条第二項、第十九条第四項、第二十九条、第三十九条及び第四十条第一項中「研究開発出資業務」とあるのは「両出資業務」と、機構法第三十一条中「研究開発出資業務」とあるのは「研究開発出資業務及び有線テレビジョン放送番組充実法第六条に規定する業務(以下「研究開発出資業務等」という。)」と、機構法第三十二条、第三十三条の二、第三十五条、第三十八条及び第四十三条第一項第二号中「研究開発出資業務」とあるのは「研究開発出資業務等」と、機構法第三十八条中「この法律」とあるのは「この法律及び有線テレビジョン放送番組充実法」と、機構法第三十九条、第四十条第一項及び第四十五条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は有線テレビジョン放送番組充実法」と、機構法第四十三条第一項第一号中「、第二十八条第二項、第二十九条第一項、第三十一条若しくは第三十五条の規定による認可(研究開発出資業務」とあるのは「若しくは第二十九条第一項の規定による認可(両出資業務に係るものを除く。)、第二十八条第二項の規定による認可(研究開発出資業務に係るものを除く。)、第三十一条若しくは第三十五条の規定による認可(研究開発出資業務等」と、同条第二項第一号中「又は第二十九条第一項の規定による認可」とあるのは「の規定による認可又は第二十九条第一項の規定による認可(有線テレビジョン放送番組充実法第六条に規定する業務に係るものを除く。)」と、同項第二号中「部分」とあるのは「部分(有線テレビジョン放送番組充実法第六条に規定する業務に係る部分を除く。)」と、機構法第四十五条第三号中「第二十八条第一項」とあるのは「第二十八条第一項及び有線テレビジョン放送番組充実法第六条」とする。
(資金の確保等)
第九条 政府は、認定計画に係る有線テレビジョン放送番組充実事業の実施に必要な資金の確保又は融通のあっせんに努めるものとする。
(報告の徴収)
第十条 郵政大臣は、認定事業者に対し、認定計画に係る有線テレビジョン放送番組充実事業の実施状況について報告を求めることができる。
(罰則)
第十一条 第七条第四項において準用する機構法第四十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした金融機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十二条 第十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。