(目的)
第一条 この法律は、通信・放送機構(以下「機構」という。)に、特定公共電気通信システムの開発に必要な通信・放送技術に関する研究開発及び特定の公共分野における技術に関する研究開発の総合的な実施並びにその成果の普及の業務を行わせるための措置を講ずることにより、特定公共電気通信システムの開発の促進を図り、もって高度情報通信社会の構築に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定公共電気通信システム」とは、国又は地方公共団体の業務その他公共性を有する業務の用に供する電気通信システム(電気通信設備の集合体であって電気通信の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。)のうち、次に掲げる機能のうちいずれか一の機能を有するものであって、これらの業務の利便性を効果的に高めるものをいう。
一 学校教育及び社会教育において視聴覚教育を行うための機能
三 陸上運送、海上運送又は航空運送に係る法令のうち運輸省の所掌に係るものの規定に基づいてなされる申請、届出その他の手続に係る事務(第四条第一号ニにおいて「運送関係行政事務」という。)を円滑に処理するための機能
四 陸上運送、海上運送及び航空運送の基盤となる施設において、携帯して使用するための無線設備を用いて、高齢者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの、身体障害者その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者(第四条第一号ホにおいて「高齢者、身体障害者等」という。)に、運送サービスを円滑に利用するために必要となる情報であって郵政省令、運輸省令で定めるものを提供するための機能
六 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の規定に基づいてなされる無線局に係る免許の申請、届出その他の手続に係る事務(第四条第一号トにおいて「無線局免許関係行政事務」という。)を円滑に処理するための機能
(基本方針)
第三条 主務大臣は、特定公共電気通信システムの開発に必要な技術に関する内外における研究開発の動向を勘案して、機構に行わせる次条第一号及び第二号に掲げる業務について、その実施のための基本方針を定め、これを機構に指示するとともに、公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(機構の業務の特例)
第四条 機構は、通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号。以下「機構法」という。)第二十八条第一項に規定する業務のほか、前条の規定に基づいて主務大臣が定める基本方針に従って、次の業務を行う。
一 特定公共電気通信システムの開発に必要なイに掲げる技術に関する研究開発とロからトまでに掲げるそれぞれの技術に関する研究開発とを一体的に実施すること。
イ 通信・放送技術(機構法第二条第五号に規定する通信・放送技術をいう。)
ロ 学校教育及び社会教育における学習活動の方法に関する技術
ハ 農業に関する技術のうち農業土木その他の農業工学に係るもの
ホ 旅客の運送の事業において高齢者、身体障害者等に対して提供する情報の管理の技術
ヘ 郵便事業の技術のうち特殊取扱とする郵便物の処理に関するもの
ト 無線局免許関係行政事務に関する情報の管理の技術
(主務大臣)
第五条 この法律における主務大臣は、前条に規定する業務の次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。
一 前条第一号イに掲げる技術及び同号ロに掲げる技術に係る業務 郵政大臣及び文部大臣
二 前条第一号イに掲げる技術及び同号ハに掲げる技術に係る業務 郵政大臣及び農林水産大臣
三 前条第一号イに掲げる技術及び同号ニ又はホに掲げる技術に係る業務 郵政大臣及び運輸大臣
四 前条第一号イに掲げる技術及び同号ヘ又はトに掲げる技術に係る業務 郵政大臣
(機構法の適用)
第六条 第四条の規定により機構の業務が行われる場合には、機構法第五条第二項中「大蔵大臣」とあるのは「大蔵大臣、特定公共電気通信システム開発関連技術に関する研究開発の推進に関する法律(以下「公共電気通信システム法」という。)第四条に規定する業務(以下「特別研究開発業務」という。)に必要な資金に充てるため必要があるときは主務大臣(当該業務の同法第五条各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める大臣をいう。以下同じ。)」と、同条第四項中「「研究開発推進業務」という。)」とあるのは「「研究開発推進業務」という。)又は特別研究開発業務」と、機構法第十七条第二項中「、郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣及び大蔵大臣、特別研究開発業務に係る変更については主務大臣」と、機構法第十九条第四項中「、郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣及び大蔵大臣、特別研究開発業務に関する意見については主務大臣」と、機構法第二十九条第一項及び第三十五条中「、郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣及び大蔵大臣、特別研究開発業務に係るものについては主務大臣」と、機構法第二十九条第二項中「、郵政省令、大蔵省令」とあるのは「郵政省令、大蔵省令、特別研究開発業務に係るものについては主務省令(主務大臣の発する命令をいう。以下同じ。)」と、機構法第三十一条及び第三十二条中「、郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣及び大蔵大臣、特別研究開発業務に係る部分については主務大臣」と、機構法第三十三条の二中「研究開発推進業務」とあるのは「研究開発推進業務及び特別研究開発業務」と、「経理及び」とあるのは「経理並びに」と、機構法第三十八条中「この法律」とあるのは「この法律及び公共電気通信システム法」と、「、郵政省令、大蔵省令」とあるのは「郵政省令、大蔵省令、特別研究開発業務に係るものについては主務省令」と、機構法第三十九条中「、郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣及び大蔵大臣、特別研究開発業務については主務大臣」と、同条並びに機構法第四十条第一項及び第四十五条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は公共電気通信システム法」と、機構法第四十条第一項中「、郵政大臣又は大蔵大臣」とあるのは「郵政大臣又は大蔵大臣、特別研究開発業務については、公共電気通信システム法第五条第一号に掲げる業務にあっては郵政大臣又は文部大臣、同条第二号に掲げる業務にあっては郵政大臣又は農林水産大臣、同条第三号に掲げる業務にあっては郵政大臣又は運輸大臣」と、機構法第四十三条第一項中「郵政大臣」とあるのは「郵政大臣(特別研究開発業務について、第五条第二項、第二十九条第一項、第三十一条若しくは第三十五条の規定による認可をしようとするとき、第三十二条第一項の規定による承認をしようとするとき、第三十八条の主務省令を定めようとするとき又は公共電気通信システム法第三条の基本方針を定めようとするときは主務大臣)」と、同項第三号中「又は第三十八条の郵政省令」とあるのは「の郵政省令、第三十八条の郵政省令若しくは主務省令又は公共電気通信システム法第三条の基本方針」と、同条第二項中「次の場合」とあるのは「次の場合(特別研究開発業務に係る第二十九条第一項又は第三十一条の規定による認可をしようとするときを除く。)」と、機構法第四十五条第一号及び第四号中「又は郵政大臣及び大蔵大臣」とあるのは「、郵政大臣及び大蔵大臣又は主務大臣」と、同条第三号中「第二十八条第一項」とあるのは「第二十八条第一項及び公共電気通信システム法第四条」とする。
(試験研究機関の協力等)
第七条 機構は、第四条第一号に掲げる業務に関し、郵政省、文部省、農林水産省又は運輸省の試験研究機関に対して、必要な助言及び協力を求めることができる。