郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律
法令番号: 法律第三十八号
公布年月日: 昭和62年5月29日
法令の形式: 法律
郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十二年五月二十九日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三十八号
郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、郵政官署において国債等の募集の取扱い等を行うことによつて、国民の健全な財産形成及び個人による国債等の所有の促進を図り、もつて国民生活の向上と国民経済の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「国債等」とは、国債、地方債並びに政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
(業務の範囲)
第三条 郵政大臣は、この法律の定めるところにより、国債等に係る次の業務を行う。
一 募集の取扱い
二 証券の保護預り
三 元利金の支払に関する事務
四 買取り
五 担保貸付け
2 郵政大臣は、前項各号に掲げる業務のほか、これらに附帯する業務を行うことができる。
(募集の取扱い)
第四条 郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得しようとする者は、郵政省令の定めるところにより、当該国債等の取得の申込みをするものとする。
2 郵政大臣は、郵政省令の定めるところにより、前項の規定による国債等の取得の申込みに係る払込金額を制限することができる。
3 郵政省は、第一項の規定による国債等の取得の申込みを受け付けたときは、当該申込みに係る国債等の名称及び額面金額、払込金額、申込年月日その他郵政省令で定める事項を記載した購入申込受付書を当該申込みをした者に交付する。
(証券の保護預り)
第五条 郵政大臣は、郵便局において募集の取扱いをした国債等(以下「郵便局扱いの国債等」という。)について請求があつたときは、政令で定める方法により、当該国債等の証券の保護預りを行う。
2 郵政省は、前項の規定により証券の保護預りを行うときは、郵政省令の定めるところにより、当該保護預りを請求した者(以下「証券の寄託者」という。)に保護預り証書(保護預り通帳を含む。以下同じ。)を交付する。
3 郵政省は、郵政省令で定める場合は、証券の寄託者からの請求により、保護預り証書を再交付する。
4 証券の寄託者は、第一項の規定により保護預りが行われている証券(以下「保護預り証券」という。)の返還を請求しようとするときは、郵政省令の定めるところにより、保護預り証書を提示しなければならない。
5 保護預り証券は、当該請求の時期が当該証券の利子支払期に近接しているときその他の郵政省令で定める場合には、その返還を請求することができない。
6 保護預り証券の返還請求権は、これを譲渡し、又は質権の目的とすることができない。ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。
(保護預り料金)
第六条 郵政大臣は、前条第一項の規定により国債等の証券の保護預りを行うときは、実費を勘案して郵政省令で定める額の料金を証券の寄託者から徴収することができる。
(印章)
第七条 証券の寄託者は、保護預りに関する手続をするには、郵政省令で定める場合を除いて、印章を押さなければならない。
2 前項の印章は、一の保護預り証書につき一に限る。
3 証券の寄託者は、郵便局に届け出て第一項の印章を変更することができる。
(証明)
第八条 郵政省は、証券の寄託者の真偽を調査するため必要な証明を求めることができる。
(正当の引渡し)
第九条 この法律又はこの法律に基づく郵政省令に規定する手続を経て保護預り証券の引渡しをしたときは、正当の引渡しをしたものとみなす。
(元利金の支払事務)
第十条 郵政省は、郵便局扱いの国債等について、元利金の支払に関する事務を取り扱う。天災その他特に必要があると認められるときは、郵便局扱いの国債等以外の国債等についても、同様とする。
2 前項の規定による元利金の払渡しの方法及びその手続は、郵政省令で定める。
(買取り)
第十一条 郵政大臣は、郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得した者又はその相続人その他の一般承継人から請求があつたときは、当該取得に係る国債等を買い取る。
2 前項の規定により買い取る国債等の価格は、時価を勘案して郵政大臣が定める。
3 第一項の規定により買い取る国債等の代金(以下「買取代金」という。)の支払期日は、郵政省令で定める。
4 郵政省は、第一項の規定により国債等を買い取つたときは、当該買取りに係る国債等の名称、買取年月日、買取代金及びその支払年月日その他郵政省令で定める事項を記載した買取報告書を当該買取りを請求した者に交付する。
5 第五条第五項の規定は、保護預り証券に係る第一項の規定による買取りの請求について準用する。この場合において、第五条第五項中「返還」とあるのは、「買取り」と読み替えるものとする。
(担保貸付け)
第十二条 郵政大臣は、郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得した者(法人その他の団体を除く。)又はその相続人その他の一般承継人から請求があつたときは、当該取得に係る国債等を担保として貸付けを行う。
(貸付金の金額の制限)
第十三条 前条の規定による貸付金の金額は、貸付けを受ける者が担保とする国債等の額面金額に郵政省令で定める割合を乗じて得た額に相当する金額を超えてはならず、その総額は、貸付けを受ける者一人につき、二百万円を超えてはならない。
2 前条の規定による貸付金の総額が前項に規定する制限額を超えたときは、郵政省は、その旨を当該貸付けを受けた者に通知する。
3 前項の規定による通知があつたときは、当該貸付けを受けた者は、当該貸付金の総額が第一項に規定する制限額以内の金額となるように当該貸付金の一部を返還しなければならない。
4 第二項の規定により通知を発した日から一箇月以内に当該貸付けを受けた者が前項の規定による返還をしないときは、郵政省は、貸付金のうちその貸付けにより貸付金の総額が第一項に規定する制限額を超えることとなつたもの及びその利子に係る債務の弁済の期限を繰り上げ、当該貸付金の担保とされた国債等の全部又は一部を買い取る。この場合において、その代金は当該債務の弁済に充当し、剰余金は当該貸付けを受けていた者に交付する。
5 第十一条第二項の規定は、前項前段の規定により買い取る国債等の価格について準用する。
(貸付期間及び利率)
第十四条 第十二条の規定による貸付金の貸付期間は郵政省令で、その利率は政令で定める。
(法定弁済)
第十五条 第十二条の規定による貸付金の貸付期間内に当該貸付けの担保とされた国債等の買取りの請求があつたときは、郵政省は、当該国債等を第十一条第一項の規定により買い取つた場合における当該国債等の買取代金に相当する金額からその時における当該貸付金及びその利子の合計額に相当する金額を控除した金額でこれを買い取る。この場合において、当該貸付金及びその利子に係る債務は、その時に弁済されたものとみなす。
2 第十二条の規定による貸付金の貸付期間が経過した場合において、その時までに貸付金及びその利子に係る債務の弁済がないときは、郵政省は、当該貸付けの担保とされた国債等の全部又は一部を買い取り、その代金を当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済に充当し、当該貸付けを受けていた者に剰余金を交付する。
3 第十一条第二項の規定は、前項の規定により買い取る国債等の価格について準用する。
(利用の制限及び業務の停止)
第十六条 郵政大臣は、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な業務の遂行を確保するため必要があるときは、郵便局を指定し、かつ、期間を定めて、この法律に定める業務について利用を制限し、又はその一部を停止することができる。
(非常取扱い)
第十七条 郵政大臣は、天災その他非常の災害があつた場合において、その災害を受けた者の緊急な需要を満たすため必要があるときは、郵政省令の定めるところにより、郵便局を指定し、かつ、期間を定めて、第三条第一項第四号及び第五号に掲げる業務に関し便宜の取扱いをすることができる。
(残額の取得)
第十八条 郵政大臣は、第四条の規定により国債等の募集の取扱いをした場合において、当該募集の取扱期間における取得の申込みに係る払込金額の合計額が当該募集の取扱いに係る募集総額に達しなかつたときは、その残額を取得するものとする。
(省令への委任)
第十九条 この法律に規定するもののほか、国債等に係る募集の取扱い、証券の保護預り、元利金の支払に関する事務、買取り、担保貸付けその他国債等に係る郵政大臣の業務に関して必要な事項は、郵政省令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十二年十月一日から施行する。
(郵便法の一部改正)
第二条 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項中「若しくは償還」を「又は償還、国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り又は元利金の支払」に改める。
(国営企業労働関係法の一部改正)
第三条 国営企業労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号イ中「並びに年金」を「、年金」に改め、「払渡しに関する業務」の下に「並びに国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する業務」を加える。
(郵政事業特別会計法の一部改正)
第四条 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第二条中「払渡しに関する事務」の下に「、国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する事務」を加える。
(有価証券取引税法の一部改正)
第五条 有価証券取引税法(昭和二十八年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第十一条の二第一項中「証券会社へ有価証券の譲渡」を「証券会社若しくは郵政省(以下この項並びに第十三条及び第二十条において「証券会社等」という。)へ有価証券の譲渡(郵政省にあつては、郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律(昭和六十二年法律第三十八号)第十一条第一項、第十三条第四項並びに第十五条第一項及び第二項の規定による買取りに係る有価証券の譲渡に限る。以下同じ。)」に、「当該証券会社」を「当該証券会社等」に、「行なわれた」を「行われた」に改め、同条第二項中「前項の」を「前項に規定する証券会社が同項の規定による徴収高計算書の提出及び納付すべき有価証券取引税を納付する」に改める。
第十三条第一項中「証券会社が」を「証券会社等が」に、「これを証券会社」を「これを当該証券会社等」に改める。
第十八条に次の一項を加える。
2 前項の規定は、郵政省について第十一条の二第一項の規定による徴収義務の生じた有価証券取引税額がない場合に準用する。
第二十条(見出しを含む。)中「証券会社」を「証券会社等」に改める。
第二十二条の二第一項中「その本店)」の下に「又は郵政省」を加える。
(国税通則法の一部改正)
第六条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第二号中「に規定する証券会社が同法」を「第十一条の二(特別徴収による納付)」に改める。
(郵政省設置法の一部改正)
第七条 郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項に次の一号を加える。
六 国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券(以下「国債等」という。)の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する業務
第四条第三十二号中「、郵便振替及び国民貯蓄債券」を「及び郵便振替並びに国民貯蓄債券の売りさばき、償還及び買上げ並びにその割増金の支払、国債等の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払」に改め、同条三十七号中「及び保険年金」を「、保険年金及び国債等の証券の保護預り」に改める。
大蔵大臣 宮澤喜一
郵政大臣 唐沢俊二郎
労働大臣 平井卓志
内閣総理大臣 中曽根康弘
郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十二年五月二十九日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三十八号
郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、郵政官署において国債等の募集の取扱い等を行うことによつて、国民の健全な財産形成及び個人による国債等の所有の促進を図り、もつて国民生活の向上と国民経済の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「国債等」とは、国債、地方債並びに政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
(業務の範囲)
第三条 郵政大臣は、この法律の定めるところにより、国債等に係る次の業務を行う。
一 募集の取扱い
二 証券の保護預り
三 元利金の支払に関する事務
四 買取り
五 担保貸付け
2 郵政大臣は、前項各号に掲げる業務のほか、これらに附帯する業務を行うことができる。
(募集の取扱い)
第四条 郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得しようとする者は、郵政省令の定めるところにより、当該国債等の取得の申込みをするものとする。
2 郵政大臣は、郵政省令の定めるところにより、前項の規定による国債等の取得の申込みに係る払込金額を制限することができる。
3 郵政省は、第一項の規定による国債等の取得の申込みを受け付けたときは、当該申込みに係る国債等の名称及び額面金額、払込金額、申込年月日その他郵政省令で定める事項を記載した購入申込受付書を当該申込みをした者に交付する。
(証券の保護預り)
第五条 郵政大臣は、郵便局において募集の取扱いをした国債等(以下「郵便局扱いの国債等」という。)について請求があつたときは、政令で定める方法により、当該国債等の証券の保護預りを行う。
2 郵政省は、前項の規定により証券の保護預りを行うときは、郵政省令の定めるところにより、当該保護預りを請求した者(以下「証券の寄託者」という。)に保護預り証書(保護預り通帳を含む。以下同じ。)を交付する。
3 郵政省は、郵政省令で定める場合は、証券の寄託者からの請求により、保護預り証書を再交付する。
4 証券の寄託者は、第一項の規定により保護預りが行われている証券(以下「保護預り証券」という。)の返還を請求しようとするときは、郵政省令の定めるところにより、保護預り証書を提示しなければならない。
5 保護預り証券は、当該請求の時期が当該証券の利子支払期に近接しているときその他の郵政省令で定める場合には、その返還を請求することができない。
6 保護預り証券の返還請求権は、これを譲渡し、又は質権の目的とすることができない。ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。
(保護預り料金)
第六条 郵政大臣は、前条第一項の規定により国債等の証券の保護預りを行うときは、実費を勘案して郵政省令で定める額の料金を証券の寄託者から徴収することができる。
(印章)
第七条 証券の寄託者は、保護預りに関する手続をするには、郵政省令で定める場合を除いて、印章を押さなければならない。
2 前項の印章は、一の保護預り証書につき一に限る。
3 証券の寄託者は、郵便局に届け出て第一項の印章を変更することができる。
(証明)
第八条 郵政省は、証券の寄託者の真偽を調査するため必要な証明を求めることができる。
(正当の引渡し)
第九条 この法律又はこの法律に基づく郵政省令に規定する手続を経て保護預り証券の引渡しをしたときは、正当の引渡しをしたものとみなす。
(元利金の支払事務)
第十条 郵政省は、郵便局扱いの国債等について、元利金の支払に関する事務を取り扱う。天災その他特に必要があると認められるときは、郵便局扱いの国債等以外の国債等についても、同様とする。
2 前項の規定による元利金の払渡しの方法及びその手続は、郵政省令で定める。
(買取り)
第十一条 郵政大臣は、郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得した者又はその相続人その他の一般承継人から請求があつたときは、当該取得に係る国債等を買い取る。
2 前項の規定により買い取る国債等の価格は、時価を勘案して郵政大臣が定める。
3 第一項の規定により買い取る国債等の代金(以下「買取代金」という。)の支払期日は、郵政省令で定める。
4 郵政省は、第一項の規定により国債等を買い取つたときは、当該買取りに係る国債等の名称、買取年月日、買取代金及びその支払年月日その他郵政省令で定める事項を記載した買取報告書を当該買取りを請求した者に交付する。
5 第五条第五項の規定は、保護預り証券に係る第一項の規定による買取りの請求について準用する。この場合において、第五条第五項中「返還」とあるのは、「買取り」と読み替えるものとする。
(担保貸付け)
第十二条 郵政大臣は、郵便局における募集の取扱いにより国債等を取得した者(法人その他の団体を除く。)又はその相続人その他の一般承継人から請求があつたときは、当該取得に係る国債等を担保として貸付けを行う。
(貸付金の金額の制限)
第十三条 前条の規定による貸付金の金額は、貸付けを受ける者が担保とする国債等の額面金額に郵政省令で定める割合を乗じて得た額に相当する金額を超えてはならず、その総額は、貸付けを受ける者一人につき、二百万円を超えてはならない。
2 前条の規定による貸付金の総額が前項に規定する制限額を超えたときは、郵政省は、その旨を当該貸付けを受けた者に通知する。
3 前項の規定による通知があつたときは、当該貸付けを受けた者は、当該貸付金の総額が第一項に規定する制限額以内の金額となるように当該貸付金の一部を返還しなければならない。
4 第二項の規定により通知を発した日から一箇月以内に当該貸付けを受けた者が前項の規定による返還をしないときは、郵政省は、貸付金のうちその貸付けにより貸付金の総額が第一項に規定する制限額を超えることとなつたもの及びその利子に係る債務の弁済の期限を繰り上げ、当該貸付金の担保とされた国債等の全部又は一部を買い取る。この場合において、その代金は当該債務の弁済に充当し、剰余金は当該貸付けを受けていた者に交付する。
5 第十一条第二項の規定は、前項前段の規定により買い取る国債等の価格について準用する。
(貸付期間及び利率)
第十四条 第十二条の規定による貸付金の貸付期間は郵政省令で、その利率は政令で定める。
(法定弁済)
第十五条 第十二条の規定による貸付金の貸付期間内に当該貸付けの担保とされた国債等の買取りの請求があつたときは、郵政省は、当該国債等を第十一条第一項の規定により買い取つた場合における当該国債等の買取代金に相当する金額からその時における当該貸付金及びその利子の合計額に相当する金額を控除した金額でこれを買い取る。この場合において、当該貸付金及びその利子に係る債務は、その時に弁済されたものとみなす。
2 第十二条の規定による貸付金の貸付期間が経過した場合において、その時までに貸付金及びその利子に係る債務の弁済がないときは、郵政省は、当該貸付けの担保とされた国債等の全部又は一部を買い取り、その代金を当該貸付金及びその利子に係る債務の弁済に充当し、当該貸付けを受けていた者に剰余金を交付する。
3 第十一条第二項の規定は、前項の規定により買い取る国債等の価格について準用する。
(利用の制限及び業務の停止)
第十六条 郵政大臣は、天災その他やむを得ない事由がある場合において、重要な業務の遂行を確保するため必要があるときは、郵便局を指定し、かつ、期間を定めて、この法律に定める業務について利用を制限し、又はその一部を停止することができる。
(非常取扱い)
第十七条 郵政大臣は、天災その他非常の災害があつた場合において、その災害を受けた者の緊急な需要を満たすため必要があるときは、郵政省令の定めるところにより、郵便局を指定し、かつ、期間を定めて、第三条第一項第四号及び第五号に掲げる業務に関し便宜の取扱いをすることができる。
(残額の取得)
第十八条 郵政大臣は、第四条の規定により国債等の募集の取扱いをした場合において、当該募集の取扱期間における取得の申込みに係る払込金額の合計額が当該募集の取扱いに係る募集総額に達しなかつたときは、その残額を取得するものとする。
(省令への委任)
第十九条 この法律に規定するもののほか、国債等に係る募集の取扱い、証券の保護預り、元利金の支払に関する事務、買取り、担保貸付けその他国債等に係る郵政大臣の業務に関して必要な事項は、郵政省令で定める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十二年十月一日から施行する。
(郵便法の一部改正)
第二条 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
第二十条第一項中「若しくは償還」を「又は償還、国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り又は元利金の支払」に改める。
(国営企業労働関係法の一部改正)
第三条 国営企業労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一号イ中「並びに年金」を「、年金」に改め、「払渡しに関する業務」の下に「並びに国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する業務」を加える。
(郵政事業特別会計法の一部改正)
第四条 郵政事業特別会計法(昭和二十四年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第二条中「払渡しに関する事務」の下に「、国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する事務」を加える。
(有価証券取引税法の一部改正)
第五条 有価証券取引税法(昭和二十八年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第十一条の二第一項中「証券会社へ有価証券の譲渡」を「証券会社若しくは郵政省(以下この項並びに第十三条及び第二十条において「証券会社等」という。)へ有価証券の譲渡(郵政省にあつては、郵政官署における国債等の募集の取扱い等に関する法律(昭和六十二年法律第三十八号)第十一条第一項、第十三条第四項並びに第十五条第一項及び第二項の規定による買取りに係る有価証券の譲渡に限る。以下同じ。)」に、「当該証券会社」を「当該証券会社等」に、「行なわれた」を「行われた」に改め、同条第二項中「前項の」を「前項に規定する証券会社が同項の規定による徴収高計算書の提出及び納付すべき有価証券取引税を納付する」に改める。
第十三条第一項中「証券会社が」を「証券会社等が」に、「これを証券会社」を「これを当該証券会社等」に改める。
第十八条に次の一項を加える。
2 前項の規定は、郵政省について第十一条の二第一項の規定による徴収義務の生じた有価証券取引税額がない場合に準用する。
第二十条(見出しを含む。)中「証券会社」を「証券会社等」に改める。
第二十二条の二第一項中「その本店)」の下に「又は郵政省」を加える。
(国税通則法の一部改正)
第六条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第二号中「に規定する証券会社が同法」を「第十一条の二(特別徴収による納付)」に改める。
(郵政省設置法の一部改正)
第七条 郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項に次の一号を加える。
六 国債、地方債又は政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券(以下「国債等」という。)の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払に関する業務
第四条第三十二号中「、郵便振替及び国民貯蓄債券」を「及び郵便振替並びに国民貯蓄債券の売りさばき、償還及び買上げ並びにその割増金の支払、国債等の募集の取扱い、証券の保護預り及び元利金の支払」に改め、同条三十七号中「及び保険年金」を「、保険年金及び国債等の証券の保護預り」に改める。
大蔵大臣 宮沢喜一
郵政大臣 唐沢俊二郎
労働大臣 平井卓志
内閣総理大臣 中曽根康弘