健康保険特別会計法
法令番号: 法律第二十六號
公布年月日: 大正15年3月29日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル健康保險特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年三月二十七日
內閣總理大臣兼內務大臣 若槻禮次郞
大藏大臣 濱口雄幸
法律第二十六號
健康保險特別會計法
第一條 健康保險事業ヲ經營スル爲特別會計ヲ設置シ其ノ歲入ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
第二條 本會計ニ於テハ保險料、一般會計ヨリ繰入ルル金額、積立金ヨリ生スル收入、借入金及附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ保險給付費、保健施設費、借入金ノ償還金及其ノ利子、一時借入金ノ利子、事業取扱費、營繕費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第三條 前條ノ一般會計ヨリ繰入ルル金額ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ保險給付ニ要スル費用ノ十分ノ一トス但シ被保險者一人ニ付一年平均二圓ノ割合ヲ超ユルコトヲ得ス
前項ニ規定スル被保險者ノ員數ノ計算ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 本會計ニ於テ決算上剩餘金ヲ生スルトキハ之ヲ積立ツヘシ
本會計ノ歲計ニ不足アルトキハ積立金ヨリ之ヲ補足スヘシ
第五條 本會計ニ屬スル經費ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔ニ於テ借入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ヲ爲スコトヲ得ル金額ハ保險料ヲ以テ保險給付費及保健施設費ヲ支辨スル能ハサル場合ニ借入ルルモノヲ除クノ外最高五百萬圓トス
第六條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ餘裕アルトキハ大藏省預金部ニ之ヲ預入ルルコトヲ得
第七條 本會計ニ於テ支拂上現金ニ不足アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ一時借入ヲ爲シ又ハ國庫餘裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ當該年度內ニ之ヲ返還スヘシ
第八條 政府ハ每年本會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ之ヲ帝國議會ニ提出スヘシ
第九條 本會計ノ收入支出及積立金ノ運用ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ大正十六年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル健康保険特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年三月二十七日
内閣総理大臣兼内務大臣 若槻礼次郎
大蔵大臣 浜口雄幸
法律第二十六号
健康保険特別会計法
第一条 健康保険事業ヲ経営スル為特別会計ヲ設置シ其ノ歳入ヲ以テ其ノ歳出ニ充ツ
第二条 本会計ニ於テハ保険料、一般会計ヨリ繰入ルル金額、積立金ヨリ生スル収入、借入金及附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ保険給付費、保健施設費、借入金ノ償還金及其ノ利子、一時借入金ノ利子、事業取扱費、営繕費其ノ他ノ諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
第三条 前条ノ一般会計ヨリ繰入ルル金額ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ保険給付ニ要スル費用ノ十分ノ一トス但シ被保険者一人ニ付一年平均二円ノ割合ヲ超ユルコトヲ得ス
前項ニ規定スル被保険者ノ員数ノ計算ニ関シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条 本会計ニ於テ決算上剰余金ヲ生スルトキハ之ヲ積立ツヘシ
本会計ノ歳計ニ不足アルトキハ積立金ヨリ之ヲ補足スヘシ
第五条 本会計ニ属スル経費ヲ支弁スル為必要アルトキハ政府ハ本会計ノ負担ニ於テ借入ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ借入ヲ為スコトヲ得ル金額ハ保険料ヲ以テ保険給付費及保健施設費ヲ支弁スル能ハサル場合ニ借入ルルモノヲ除クノ外最高五百万円トス
第六条 本会計ニ於テ支払上現金ニ余裕アルトキハ大蔵省預金部ニ之ヲ預入ルルコトヲ得
第七条 本会計ニ於テ支払上現金ニ不足アルトキハ本会計ノ負担ニ於テ一時借入ヲ為シ又ハ国庫余裕金ヲ繰替使用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル一時借入金又ハ繰替金ハ当該年度内ニ之ヲ返還スヘシ
第八条 政府ハ毎年本会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ之ヲ帝国議会ニ提出スヘシ
第九条 本会計ノ収入支出及積立金ノ運用ニ関スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ大正十六年一月一日ヨリ之ヲ施行ス