国民年金特別会計法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七号
公布年月日: 昭和61年3月28日
法令の形式: 法律
国民年金特別会計法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十一年三月二十八日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第七号
国民年金特別会計法等の一部を改正する法律
(国民年金特別会計法の一部改正)
第一条 国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)の一部を次のように改正する。
第三条中「会計は」の下に「、基礎年金勘定」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(基礎年金勘定の歳入及び歳出)
第三条の二 基礎年金勘定においては、国民年金勘定及び厚生保険特別会計年金勘定からの受入金、法附則第二条の二において読み替えて適用する法第五条第六項に規定する年金保険者たる共済組合(以下「年金保険者たる共済組合」という。)からの拠出金、借入金並びに附属雑収入をもつてその歳入とし、基礎年金給付費、国民年金勘定及び厚生保険特別会計年金勘定への繰入金、年金保険者たる共済組合への交付金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子その他の諸費をもつてその歳出とする。
2 前項に規定する国民年金勘定からの受入金は、次に掲げる額の合算額を、基礎年金勘定における経費の財源として、国民年金勘定から繰り入れるものとする。
一 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「昭和六十年法律第三十四号」という。)附則第三十四条第二項において読み替えて適用する法第八十五条第一項第一号に規定する保険料・拠出金算定対象額から当該額に厚生年金保険の管掌者たる政府又は各年金保険者たる共済組合に係る法第九十四条の三第一項に規定する政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額を合算した額を控除した額
二 昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項において読み替えて適用する法第八十五条第一項第二号に掲げる額
三 昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第三項において読み替えて適用する法第八十五条第一項第三号に掲げる額
四 昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項各号(第一号、第六号及び第九号を除く。)に掲げる額(同項第四号に規定する者に係る寡婦年金の給付に要する費用の額に同号イに掲げる数を同号ロに掲げる数で除して得た数を乗じて得た額の合算額及び同項第五号に規定する老齢年金の給付に要する費用に係る同号ハに規定する額の三分の一に相当する額を除く。)
第四条第一項中「、業務勘定」を「、基礎年金勘定及び業務勘定」に、「法第八十五条第一項」を「昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する法第八十五条第一項並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項(第九号を除く。)」に、「収入及び」を「収入並びに」に、「福祉年金給付費」を「基礎年金給付費及び福祉年金給付費」に改め、「還付金」の下に「、基礎年金勘定への繰入金」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項に規定する基礎年金勘定からの受入金は、昭和六十年法律第三十四号附則第三十五条第四項の規定により基礎年金の給付に要する費用とみなされる費用に相当する額を、国民年金勘定における経費の財源として、基礎年金勘定から繰り入れるものとする。
第五条中「法第八十五条第二項」を「昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項第九号」に改める。
第六条中「第八十五条第三項」を「第八十五条第二項」に改め、「第四条第二項の規定による」を削る。
第七条第二項中「国民年金勘定」を「基礎年金勘定、国民年金勘定」に、「添附しなければ」を「添付しなければ」に改め、同項第一号中「前前年度」を「前々年度」に改める。
第八条中「国民年金勘定」を「基礎年金勘定、国民年金勘定」に改める。
第九条の次に次の四条を加える。
(借入金)
第九条の二 基礎年金勘定において、同勘定に属する経費を支弁するため必要があるときは、同勘定の負担において、借入金をすることができる。
2 前項の規定により借入金をすることができる金額は、その借入れをする年度における国民年金勘定及び厚生保険特別会計年金勘定からの受入金並びに年金保険者たる共済組合からの拠出金をもつて当該年度の基礎年金給付費、国民年金勘定及び厚生保険特別会計年金勘定への繰入金並びに年金保険者たる共済組合への交付金を支弁するのに不足する金額を限度とする。
(一時借入金等)
第九条の三 基礎年金勘定において、支払上現金に不足があるときは、同勘定の負担において、一時借入金をし、又は国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。
2 前項の規定による一時借入金及び繰替金は、当該年度の歳入をもつて償還しなければならない。
(借入金及び一時借入金の借入れ及び償還の事務)
第九条の四 第九条の二の規定による借入金及び前条の規定による一時借入金の借入れ及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(国債整理基金特別会計への繰入れ)
第九条の五 第九条の二第一項の規定による借入金の償還金及び利子並びに第九条の三第一項の規定による一時借入金の利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
第十条第二項中「添附しなければ」を「添付しなければ」に改め、同項第一号中「国民年金勘定」を「基礎年金勘定、国民年金勘定」に改める。
第十二条第一項中「第十六条第一項第一号」を「第十六条第二項において準用する同条第一項第一号」に改める。
第十三条第一項中「福祉年金勘定」を「基礎年金勘定又は福祉年金勘定」に、「同勘定」を「当該勘定」に改める。
第十六条の見出し中「一般会計からの」を削り、同条第一項各号列記以外の部分中「国民年金勘定又は福祉年金勘定」を「基礎年金勘定」に、「一般会計」を「国民年金勘定、厚生保険特別会計年金勘定又は各年金保険者たる共済組合(以下この項において「国民年金勘定等」という。)」に改め、「金額が」の下に「、それぞれ」を加え、「法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金の額」を「第三条の二第二項、法第九十四条の二第一項又は同条第二項の規定により国民年金勘定等から受け入れるべき金額」に改め、同項第一号中「法第八十五条第一項又は第二項の規定による国庫負担金として」を「第三条の二第二項、法第九十四条の二第一項又は同条第二項の規定により」に、「これらの勘定」を「基礎年金勘定」に、「一般会計」を「国民年金勘定等」に、「翌翌年度」を「翌々年度」に改め、同項第二号中「翌翌年度」を「翌々年度」に、「一般会計」を「国民年金勘定等」に、「これらの勘定」を「基礎年金勘定」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 前項の規定は、次に掲げる場合について準用する。
一 毎会計年度一般会計から国民年金勘定又は福祉年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度における昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する法第八十五条第一項並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項(第九号を除く。)又は昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項第九号の規定による国庫負担金の額に対して超過し、又は不足する場合
二 第四条第二項の規定により毎会計年度基礎年金勘定から国民年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度において昭和六十年法律第三十四号附則第三十五条第四項の規定により基礎年金の給付に要する費用とみなされる費用に相当する金額に対して超過し、又は不足する場合
三 第四条第三項の規定により毎会計年度業務勘定から国民年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度において国民年金印紙により納付された保険料に相当する金額に対して超過し、又は不足する場合
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第二条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第一条中「厚生年金保険事業」の下に「(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)ノ規定ニ依ル拠出金ノ負担ヲ含ム以下之ニ同ジ)」を加える。
第五条中「及船員保険特別会計ヨリノ」を「、船員保険特別会計及国民年金特別会計基礎年金勘定ヨリノ」に改め、「保険給付費」の下に「、国民年金特別会計基礎年金勘定へノ繰入金」を加え、「及船員保険特別会計へノ繰入金」を「並ニ厚生年金基金及厚生年金基金連合会へノ負担金」に改める。
第五条ノ二中「及船員保険特別会計」を削り、「児童手当法第二十条第一項第三号乃至第六号」を「児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第二十条第一項第二号乃至第五号」に改める。
(船員保険特別会計法の一部改正)
第三条 船員保険特別会計法(昭和二十二年法律第二百三十六号)の一部を次のように改正する。
第一条第二項を削る。
第三条中「並びに厚生保険特別会計年金勘定及び児童手当勘定」及び「、国家公務員等共済組合法又は地方公務員等共済組合法による共済組合(以下「共済組合」という。)からの受入金」を削り、「、船舶所有者からの児童手当に係る拠出金並びに」を「及び」に、「、厚生保険特別会計年金勘定及び児童手当勘定」を「、厚生保険特別会計年金勘定」に改め、「、共済組合への移換金」及び「出資金及び」を削る。
(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律の一部改正)
第四条 国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「国民年金法」を「国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「昭和六十年法律第三十四号」という。)附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する国民年金法」に、「及び第二項」を「並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項」に改め、同条第二項第一号中「国民年金法第八十五条第二項」を「昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項第九号」に改める。
第三条第一項中「同法第八十五条第一項及び第二項」を「昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項」に改める。
第五条第一項中「第十六条第一項」を「第十六条第二項第一号」に、「同項」を「同号」に改め、同項の表を次のように改める。
年度
読み替えられる字句
読み替える字句
昭和六十一年度から昭和七十一年度までの各年度
昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する法第八十五条第一項並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項(第九号を除く。)又は昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項第九号の規定による国庫負担金の額
国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)第二条(同法第三条第三項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により一般会計から受け入れるべき金額
昭和七十二年度
一般会計から国民年金勘定又は福祉年金勘定に繰り入れた金額
一般会計から国民年金勘定又は福祉年金勘定に繰り入れた金額(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号。以下この号において「繰入特例法」という。)第四条第一項の規定により繰り入れた金額を除く。)
昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第二項及び第三項において読み替えて適用する法第八十五条第一項並びに昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項(第九号を除く。)又は昭和六十年法律第三十四号附則第三十四条第一項第九号の規定による国庫負担金の額
繰入特例法第二条(繰入特例法第三条第三項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定により一般会計から受け入れるべき金額
昭和七十三年度以降において前条第一項の規定による繰入れがされた年度
一般会計から国民年金勘定又は福祉年金勘定に繰り入れた金額
一般会計から国民年金勘定又は福祉年金勘定に繰り入れた金額(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(昭和五十八年法律第四十六号)第四条第一項の規定により繰り入れた金額を除く。)
第五条第二項中「第十六条第一項の」を「第十六条第二項第一号の」に、「第十六条第一項第一号」を「第十六条第二項」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十一年四月一日から施行する。
(国民年金特別会計法の一部改正に伴う経過措置)
第二条 国民年金特別会計の国民年金勘定の昭和六十年度の出納の完結の際同勘定に所属する積立金のうち国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「昭和六十年法律第三十四号」という。)附則第三十八条の二第一項に規定する政令で定めるところにより算定した部分に相当する金額は、同会計の基礎年金勘定の積立金として積み立てられたものとする。
2 第一条の規定による改正後の国民年金特別会計法(以下「新国民年金特別会計法」という。)第十二条第二項及び第三項並びに第十四条の規定は、前項の規定による積立金について準用する。
3 新国民年金特別会計法第三条の二第一項の規定にかかわらず、前項の規定により準用する新国民年金特別会計法第十二条第三項の規定による国民年金特別会計の基礎年金勘定の積立金からの繰入金及び前項の規定により準用する新国民年金特別会計法第十四条の規定により預託した場合に生ずる利子収入は、同勘定の歳入とする。
4 新国民年金特別会計法第七条第二項又は第九条第二項の規定により国民年金特別会計の歳入歳出予定計算書又は予算に添付すべき前々年度の貸借対照表及び損益計算書並びに前年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書であつて、基礎年金勘定に係るものは、昭和六十一年度(前々年度の貸借対照表及び損益計算書については、昭和六十二年度を含む。)の予算に限り、これらの規定にかかわらず、その添付を要しないものとする。
(船員保険の厚生年金保険への統合に伴う経過措置)
第三条 船員保険特別会計に所属する積立金の額のうち昭和六十年法律第三十四号附則第八十八条に規定する政令で定めるところにより算出した額に相当する金額は、政令で定めるところにより、厚生保険特別会計法第八条第一項の規定により厚生保険特別会計の年金勘定の積立金として積み立てられたものとみなす。
(船員保険特別会計における児童手当に係る拠出金に関する経理の廃止に伴う経過措置)
第四条 昭和六十年度以前の年度分の昭和六十年法律第三十四号附則第百三十条の規定による改正前の児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第二十条第一項第二号に規定する船舶所有者からの拠出金に関する経理については、なお従前の例による。
(国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第五条 国民年金特別会計の国民年金勘定又は福祉年金勘定において、昭和六十年度以前の各年度に一般会計から受け入れた金額が当額各年度における第四条の規定による改正前の国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律(以下「旧繰入特例法」という。)第三条第三項において読み替えて適用する旧繰入特例法第二条の規定により一般会計から受け入れるべき金額に対して超過し、又は不足する場合には、旧繰入特例法第五条第一項において読み替えて適用する第一条の規定による改正前の国民年金特別会計法第十六条第一項の規定にかかわらず、昭和六十一年度以降において、新国民年金特別会計法第十六条第二項第一号において準用する同条第一項の規定の例により、これらの勘定が第四条の規定による改正後の国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化を図るための一般会計からする繰入れの特例に関する法律第三条第三項において読み替えて適用する同法第二条の規定により一般会計から受け入れる金額から減額し、若しくはこれらの勘定から一般会計に返還し、又は一般会計からこれらの勘定へ補てんするものとする。
大蔵大臣 竹下登
厚生大臣 今井勇
内閣総理大臣 中曽根康弘