独立行政法人福祉医療機構法
法令番号: 法律第百六十六号
公布年月日: 平成14年12月13日
法令の形式: 法律
独立行政法人福祉医療機構法をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十二月十三日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百六十六号
独立行政法人福祉医療機構法
目次
第一章
総則(第一条―第五条)
第二章
役員及び職員(第六条―第十一条)
第三章
業務等(第十二条―第二十三条)
第四章
雑則(第二十四条―第三十条)
第五章
罰則(第三十一条―第三十三条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人福祉医療機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人福祉医療機構とする。
(機構の目的)
第三条 独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)は、社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通並びにこれらの施設に関する経営指導、社会福祉事業に関する必要な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的とする。
2 機構は、前項に規定するもののほか、厚生年金保険制度、船員保険制度及び国民年金制度に基づき支給される年金たる給付の受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うことを目的とする。
(事務所)
第四条 機構は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第五条 機構の資本金は、附則第二条第九項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。この場合において、政府は、当該出資した金額の全部又は一部が第二十三条第一項の基金に充てるべきものであるときは、その金額を示すものとする。
3 機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員及び職員
(役員)
第六条 機構に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 機構に、役員として、理事四人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第八条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
(役員の兼職禁止の特例)
第九条 役員は、通則法第六十一条に定めるもののほか、第十二条第一項第一号に規定する社会福祉事業施設を設置し、若しくは経営すること、同項第二号に規定する施設を開設すること若しくは同項第三号及び第五号から第七号までに規定する事業を行うことを目的とする法人の役員となり、又は自ら、同項第一号に規定する社会福祉事業施設を設置し、若しくは経営し、同項第二号に規定する施設を開設し、若しくは同項第三号及び第五号から第七号までに規定する事業を行ってはならない。ただし、任命権者の承認を受けたときは、この限りでない。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第十条 機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十一条 機構の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十二条 機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 社会福祉事業施設(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第二条に規定する社会福祉事業に係る施設その他これに準ずる施設で政令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を設置し、又は経営する社会福祉法人その他政令で定める者(第四号において「社会福祉事業施設の設置者等」という。)に対し、社会福祉事業施設の設置、整備又は経営に必要な資金を貸し付けること。
二 病院、診療所、薬局その他政令で定める施設(以下この項において「病院等」という。)を開設する個人又は医療法人、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立した法人その他政令で定める法人(第四号において「病院等の開設者」という。)に対し、病院等(病院等の経営に関し必要な附属施設を含むものとし、薬局にあっては、調剤のために必要な施設に限る。)の設置、整備又は経営に必要な資金を貸し付けること。
三 指定訪問看護事業(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第四十一条第一項本文の指定に係る同法第七条第五項に規定する居宅サービス事業(同条第八項に規定する訪問看護を行う事業に限る。)をいう。)を行う医療法人その他政令で定める者に対し、必要な資金を貸し付けること。
四 社会福祉事業施設の設置者等又は病院等の開設者に対し、社会福祉事業施設又は病院等の経営の診断又は指導を行うこと。
五 身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につきその者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護を行う事業その他のその者が居宅において日常生活を営むのに必要な便宜を供与する事業であって政令で定めるものを行う者に対し、必要な資金を貸し付けること。
六 社会福祉事業施設の職員等社会福祉事業に関する事務に従事する者の研修、福利厚生その他社会福祉事業の振興上必要と認められる事業(次号において「社会福祉振興事業」という。)を行う者に対し、必要な資金を貸し付けること。
七 社会福祉振興事業を行う者に対し、助成を行うこと。
八 社会福祉事業に関する調査研究、知識の普及及び研修を行うこと。
九 社会福祉施設職員等退職手当共済法(昭和三十六年法律第百五十五号)の規定による退職手当金の支給に関する業務を行うこと。
十 地方公共団体が心身障害者扶養共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する事業(第四項において「心身障害者扶養保険事業」という。)に関する業務を行うこと。
十一 福祉及び保健医療に関する情報システムの整備及び管理を行うこと。
十二 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)又は国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)に基づく年金たる給付の受給権者(第二十四条第一項において「厚生年金等受給権者」という。)に対し、その受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うこと。
十三 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
2 前項第十号に規定する心身障害者扶養共済制度とは、条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものをいう。
3 機構は、第一項第十号に掲げる業務の開始の際、地方公共団体との保険契約に関する保険約款を定め、厚生労働大臣に提出してその認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
4 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、生命保険会社と心身障害者扶養保険事業に関して心身障害者扶養共済制度の加入者を被保険者とする生命保険契約を締結するものとする。
5 機構は、第一項第十号に掲げる業務及びこれに附帯する業務に関して、心身障害者扶養保険資金(以下この条及び第三十三条第三号において「扶養保険資金」という。)を設け、前項に規定する生命保険契約に基づく保険金をもってこれに充てるものとする。
6 機構は、次の方法による場合を除くほか、扶養保険資金を運用してはならない。
一 国債、地方債、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。第二十三条第二項第一号において同じ。)その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
7 機構は、前項第三号に掲げる方法により、扶養保険資金を運用する場合には、当該金銭信託の契約の内容につき厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第十三条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、前条第一項第七号の規定により機構が交付する助成金について準用する。この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構の理事長」と、同法第二条第一項及び第四項、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構」と、同法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人福祉医療機構の事業年度」と読み替えるものとする。
(業務の委託)
第十四条 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、第十二条第一項第一号から第三号まで、第五号、第六号及び第十二号に掲げる業務の一部を金融機関に委託することができる。
2 金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
3 第一項の規定により業務の委託を受けた金融機関の役員及び職員であって当該委託を受けた業務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(区分経理)
第十五条 機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第十二条第一項第一号から第六号まで及び第十一号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
二 第十二条第一項第七号及び第八号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務
三 第十二条第一項第九号に掲げる業務及びこれに附帯する業務
四 第十二条第一項第十号に掲げる業務及びこれに附帯する業務
五 第十二条第一項第十二号に掲げる業務及びこれに附帯する業務
(積立金の処分)
第十六条 機構は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項及び次項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十二条第一項に規定する業務の財源に充てることができる。
2 機構は、前条第二号に掲げる業務に係る勘定(第四項及び附則第二条第六項において「第二号勘定」という。)において、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間における同項に規定する積立金として整理することができる。
3 厚生労働大臣は、前二項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
4 機構は、前条第一号に掲げる業務に係る勘定、第二号勘定及び同条第五号に掲げる業務に係る勘定(附則第二条第八項において「第五号勘定」という。)において、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項及び第二項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
5 機構は、前条第三号に掲げる業務に係る勘定(附則第二条第八項において「第三号勘定」という。)及び前条第四号に掲げる業務に係る勘定(附則第二条第八項において「第四号勘定」という。)において、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額のうち厚生労働省令で定めるところにより算定した額を国庫に納付しなければならない。
6 前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(長期借入金及び独立行政法人福祉医療機構債券)
第十七条 機構は、第十二条第一項第一号から第三号まで、第五号、第六号及び第十二号に掲げる業務に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は独立行政法人福祉医療機構債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
3 第一項の規定による債券(当該債券に係る債権が第十九条の規定に基づき信託された貸付債権により担保されているものを除く。)の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
4 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
5 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
6 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条、第三百十条及び第三百十一条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
7 前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(債務保証)
第十八条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(債券の担保のための貸付債権の信託)
第十九条 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、債券に係る債務(前条の規定により政府が保証するものを除く。)の担保に供するため、その貸付債権の一部を信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関(次条第一号において「信託会社等」という。)に信託することができる。
(資金の調達のための貸付債権の信託等)
第二十条 機構は、第十二条第一項第一号から第三号まで、第五号、第六号及び第十二号に掲げる業務に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、次に掲げる行為をすることができる。
一 貸付債権の一部を信託会社等に信託し、当該信託の受益権の全部又は一部を譲渡すること。
二 貸付債権の一部を資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第三項に規定する特定目的会社に譲渡すること。
三 前二号に掲げる行為に附帯する行為をすること。
(信託の受託者からの業務の受託等)
第二十一条 機構は、前二条の規定によりその貸付債権を信託し、又は譲渡するときは、当該信託の受託者又は当該貸付債権の譲受人から当該貸付債権に係る元利金の回収その他回収に関する業務の全部を受託しなければならない。
2 機構は、前項の規定により受託した業務の一部を第十四条第一項の規定により厚生労働大臣の認可を受けた金融機関に委託することができる。同条第二項及び第三項の規定は、この場合について準用する。
(償還計画)
第二十二条 機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働省の独立行政法人評価委員会の意見を聴かなければならない。
(基金)
第二十三条 機構は、第十二条第一項第七号及び第八号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に必要な経費の財源をその運用によって得るために基金を設け、第五条第二項後段の規定により政府が示した金額をもってこれに充てるものとする。
2 機構は、次の方法による場合を除くほか、基金を運用してはならない。
一 国債、地方債、政府保証債その他厚生労働大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行その他厚生労働大臣の指定する金融機関への預金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託で元本補てんの契約があるもの
四 財政融資資金への預託
第四章 雑則
(緊急の必要がある場合の厚生労働大臣の要求)
第二十四条 厚生労働大臣は、災害の発生、経済事情の急激な変動その他の事情が生じた場合において、福祉若しくは医療に係るサービスの安定的な提供を図るため、又は厚生年金等受給権者の生活の安定に資するため緊急の必要があると認めるときは、機構に対し、第十二条第一項第一号から第三号まで、第五号、第六号及び第十二号に掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。)に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2 機構は、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
(報告及び検査)
第二十五条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、第十四条第一項の規定により委託を受けた金融機関(第二十一条第二項の規定により委託を受けた金融機関を含む。以下この項及び第三十二条において「受託金融機関」という。)に対し、その委託を受けた業務に関し報告をさせ、又はその職員に、受託金融機関の事務所に立ち入り、その委託を受けた業務に関し業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(財務大臣との協議)
第二十六条 厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一 第十二条第三項若しくは第七項、第十四条第一項、第十七条第一項若しくは第五項、第十九条、第二十条又は第二十二条第一項の認可をしようとするとき。
二 第十二条第六項第一号若しくは第二号又は第二十三条第二項第一号若しくは第二号の規定による指定をしようとするとき。
三 第十六条第一項又は第二項の承認をしようとするとき。
四 第十六条第五項の厚生労働省令を定めようとするとき。
(主務大臣等)
第二十七条 機構に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣、厚生労働省及び厚生労働省令とする。
(国民生活金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律の準用)
第二十八条 国民生活金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律(昭和二十九年法律第九十一号)第三条から第九条までの規定は、第十二条第一項第十二号に掲げる業務を行う場合について準用する。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第二十九条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には適用しない。
(国家公務員共済組合法の適用に関する特例)
第三十条 機構の役員及び職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)の規定の適用については、同法第二条第一項第一号に規定する職員には該当しないものとする。この場合において必要な事項は、政令で定める。
第五章 罰則
第三十一条 第十条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十二条 第二十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした受託金融機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第三十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により厚生労働大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第十二条第一項に規定する業務以外の業務を行ったとき。
三 第十二条第六項の規定に違反して扶養保険資金を運用したとき、又は第二十三条第二項の規定に違反して基金を運用したとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第六条から第九条まで及び第十一条から第二十三条までの規定は、平成十五年十月一日から施行する。
(社会福祉・医療事業団の解散等)
第二条 社会福祉・医療事業団(以下「事業団」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において機構が承継する。
2 機構の成立の際現に事業団が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4 事業団の解散の日の前日を含む事業年度は、その日に終わるものとする。
5 事業団の解散の日の前日を含む事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、その解散の日から起算して二月を経過する日とする。
6 第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、旧第二号の二及び第二号の三勘定(附則第六条の規定による廃止前の社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号。以下「旧事業団法」という。)第二十一条第一項第二号の二及び第二号の三に掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。)に係る勘定(旧事業団法第二十八条第一項に規定する勘定をいう。)をいう。次項において同じ。)において、旧事業団法第二十九条第一項の規定により積立金として積み立てられている金額又は同条第二項の規定により繰越欠損金として整理されている金額があるときは、当該金額に相当する金額から次項において定める金額を除いた金額は、第二号勘定に属する積立金又は繰越欠損金として整理するものとする。
7 前項の場合において、旧第二号の二及び第二号の三勘定において積立金として積み立てられ又は繰越欠損金として整理されている金額から除かれる金額は、第二項の規定により国が承継する資産のうち、旧第二号の二及び第二号の三勘定における積立金として積み立てられている金額に相当するものとして整理されていた資産に相当する金額とする。
8 第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、次の各号に掲げる機構の勘定において、各号においてそれぞれ定める旧事業団法に掲げる経理又は勘定から承継した資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、それぞれの勘定に属する積立金又は繰越欠損金として整理するものとする。
一 第三号勘定 旧第三号経理(旧事業団法第二十一条第一項第三号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に係る経理(旧事業団法第二十八条第二項に規定する経理をいう。次号において同じ。)をいう。)
二 第四号勘定 旧第四号経理(旧事業団法第二十一条第一項第四号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に係る経理をいう。)
三 第五号勘定 旧第一項勘定(年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号)第二十八条第一項に規定する業務に係る勘定(同法第二十八条第二項に規定する勘定をいう。)をいう。)
9 第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、承継した資産の価額(第六項及び前項各号において積立金として整理された金額があるときは当該金額に相当する金額を除き、第六項及び前項各号において繰越欠損金として整理された金額があるときは当該金額に相当する金額を加える。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対して出資されたものとする。この場合において、承継の際、旧事業団法第三十三条の二第一項の基金に充てるべきものとして政府から出資されていた出資金に相当する金額から次項において定める金額を除いた金額は、機構の設立に際し政府から機構に第二十三条第一項の基金に充てるべきものとして出資されたものとする。
10 前項の場合において、旧事業団法第三十三条の二第一項の基金に充てるべきものとして政府から出資されていた出資金に相当する金額から除かれる金額は、第二項の規定により国が承継する資産のうち、旧事業団法第三十三条の二第一項の基金に充てられていた資産に相当する金額とする。
11 第八項及び第九項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
12 前項の評価委員その他評価に関して必要な事項は政令で定める。
13 第一項の規定により事業団が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第三条 前条第一項の規定により機構が承継する介護保険法施行法(平成九年法律第百二十四号)第七十四条の規定によりなお従前の例によるものとされた同条に規定する貸付金については、なお従前の例による。
第四条 附則第二条第一項の規定により機構が承継する旧事業団法第三十条第一項の社会福祉・医療事業団債券に係る債務について政府がした旧事業団法第三十一条の規定による保証契約は、その承継後においても、当該債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。
2 前項の社会福祉・医療事業団債券は、第十七条第三項及び第四項の規定の適用については、同条第一項の規定による債券とみなす。
(不動産の登記に関する特例)
第五条 機構が附則第二条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
(社会福祉・医療事業団法の廃止)
第六条 社会福祉・医療事業団法は、廃止する。
(社会福祉・医療事業団法の廃止に伴う経過措置)
第七条 旧事業団法(第十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第八条 この法律における社会福祉法人の範囲については、旧事業団法附則第十条の規定によりなおその効力を有するものとされた旧社会福祉事業振興会法(昭和二十八年法律第二百四十号)附則第八項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同項中「この法律」とあるのは、「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)」とする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第九条 附則第六条の規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十条 附則第二条から第五条まで及び前三条に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(厚生保険特別会計法の一部改正)
第十一条 厚生保険特別会計法(昭和十九年法律第十号)の一部を次のように改正する。
第五条中「徴収金」の下に「、業務勘定ヨリノ受入金」を加え、「社会福祉・医療事業団」を「独立行政法人福祉医療機構」に改める。
第六条中「社会福祉・医療事業団」を「独立行政法人福祉医療機構」に改め、「児童手当勘定ヨリノ受入金」の下に「、独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)第十六条第四項ノ規定ニヨル納付金」を加え、「並ニ児童手当交付金」を「、年金勘定ヘノ繰入金並ニ児童手当交付金」に改める。
(船員保険特別会計法の一部改正)
第十二条 船員保険特別会計法(昭和二十二年法律第二百三十六号)の一部を次のように改正する。
第三条中「社会福祉・医療事業団への交付金」を「独立行政法人福祉医療機構への補助金」に改める。
(国民生活金融公庫法の一部改正)
第十三条 国民生活金融公庫法(昭和二十四年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
第十八条の二第六項中「年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号。以下「年金福祉事業団業務承継法」という。)第二十八条第五項の規定により読み替えて適用される社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)第二十二条第一項第一号」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)第十四条第一項」に、「社会福祉・医療事業団の」を「独立行政法人福祉医療機構の」に改める。
附則第十九項中「年金福祉事業団業務承継法第十三条に」を「年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律(平成十二年法律第二十号。以下「年金福祉事業団業務承継法」という。)第十三条に」に改める。
(日本赤十字社法の一部改正)
第十四条 日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号)の一部を次のように改正する。
第三十五条第二項中「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)」に改める。
(国民年金特別会計法の一部改正)
第十五条 国民年金特別会計法(昭和三十六年法律第六十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項及び第六条中「社会福祉・医療事業団への交付金」を「独立行政法人福祉医療機構への補助金」に改める。
(社会福祉施設職員等退職手当共済法の一部改正)
第十六条 社会福祉施設職員等退職手当共済法(昭和三十六年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「社会福祉・医療事業団(以下「事業団」を「独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」に、「事業団が」を「機構が」に改め、同条第七項中「事業団」を「機構」に改める。
第三条、第四条第一項、第四条の二、第六条第一項から第三項まで及び第六項、第七条、第十二条、第十三条、第十五条第一項、第十六条並びに第十七条第一項中「事業団」を「機構」に改める。
第十八条を次のように改める。
(国の補助)
第十八条 国は、毎年度、予算の範囲内において、機構に対し、被共済職員のうち社会福祉施設等職員であるものに係る退職手当金の支給に要する費用の額として政令で定めるところにより算定した額(以下「補助金算定対象額」という。)の三分の一以内を補助することができる。
第十九条、第二十一条、第二十四条第一項、第二十五条第一項及び第二項並びに第二十六条中「事業団」を「機構」に改める。
(社会福祉施設職員等退職手当共済法の一部改正に伴う経過措置)
第十七条 前条の規定の施行前に同条の規定による改正前の社会福祉施設職員等退職手当共済法の規定によってした退職手当共済契約の申込みその他の手続は、同条の規定による改正後の社会福祉施設職員等退職手当共済法の規定によってしたものとみなす。
(老人福祉法の一部改正)
第十八条 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の四第一項中「社会福祉・医療事業団は」を「独立行政法人福祉医療機構は」に、「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)第二十一条第一項第二号の二」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)第十二条第一項第七号」に改める。
第二十八条の八中「社会福祉・医療事業団は」を「独立行政法人福祉医療機構は」に、「社会福祉・医療事業団法第三十三条の二第一項」を「独立行政法人福祉医療機構法第二十三条第一項」に改める。
(福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律の一部改正)
第十九条 福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(平成五年法律第三十八号)の一部を次のように改正する。
第九条第一項中「社会福祉・医療事業団は」を「独立行政法人福祉医療機構は」に、「社会福祉・医療事業団法(昭和五十九年法律第七十五号)第二十一条第一項第二号の二」を「独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号)第十二条第一項第七号」に改める。
第十三条中「社会福祉・医療事業団は」を「独立行政法人福祉医療機構は」に、「社会福祉・医療事業団法第三十三条の二第一項」を「独立行政法人福祉医療機構法第二十三条第一項」に改める。
(年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律の一部改正)
第二十条 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 社会福祉・医療事業団の業務の特例等(第二十八条)」を削る。
第三章を削る。
(年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二十一条 前条の規定の施行前に同条の規定による改正前の年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律第二十八条第一項の規定により事業団が締結した貸付契約に係る貸付金については、なお従前の例による。
(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)
第二十二条 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
別表第一社会福祉・医療事業団の項を削る。
(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の一部改正)
第二十三条 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十四年法律第▲▲▲号)の一部を次のように改正する。
別表社会福祉・医療事業団の項を削る。
総務大臣 片山虎之助
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
内閣総理大臣 小泉純一郎