船員保険特別会計法
法令番号: 法律第二百三十六号
公布年月日: 昭和22年12月24日
法令の形式: 法律
船員保險特別会計法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年十二月二十四日
内閣総理大臣 片山哲
法律第二百三十六号
船員保險特別会計法
第一條 船員保險法による船員保險事業を経営するため、特別会計を設置し、その歳入を以てその歳出に充てる。
第二條 この会計は、厚生大臣が、法令の定めるところに従い、これを管理する。
第三條 この会計は、これを普通保險勘定及び失業保險勘定に区分する。
第四條 普通保險勘定においては、船員保險事業のうち失業保險事業以外の保險事業経営上の保險料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる收入、借入金及び付属雜收入を以てその歳入とし、同事業経営上の保險給付費、借入金の償還金及び利子、業務取扱費、療養所費、福祉施設費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第五條 失業保險勘定においては、船員保險事業のうち失業保險事業経営上の保險料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる收入、借入金及び付属雜收入を以てその歳入とし、同事業経営上の保險金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、業務取扱費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第六條 普通保險勘定又は失業保險勘定において、保險給付費又は保險金を支弁するため必要があるときは、当該勘定の負担において、借入金をなすことができる。
第七條 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第八條 この会計の歳入歳出予算は、これを普通保險及び失業保險の二勘定に分け、各勘定のうちにおいて、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、これを款及び項に区分する。
第九條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添付しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 前前年度の損益計算書及び貸借対照表並びに前前年度末における積立金明細表
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
第十條 各勘定において、支拂上現金に余裕があるときは、これを大藏省預金部に預け入れることができる。
第十一條 失業保險勘定において、支拂上現金に不足があるときは、当該勘定の負担において、一時借入金をなすことができる。
前項の規定による一時借入金は、当該年度内に、これを償還しなければならない。
第十二條 第六條に規定する借入金及び前條に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大藏大臣が、これを行う。
第十三條 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十四條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、國会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、歳入歳出決定計算書、当該年度の損益計算書、貸借対照表、当該年度末における積立金明細表及び債務に関する計算書を添付しなければならない。
第十五條 普通保險勘定又は失業保險勘定において、決算上剩余金を生じたときは、当該勘定の積立金として、これを積み立てなければならない。
普通保險勘定又は失業保險勘定において、決算上不足を生じたときは、当該勘定の積立金から、これを補足する。
第十六條 普通保險勘定及び失業保險勘定の各積立金は、國債を以て保有し、又は大藏省預金部に預け入れて、これを運用することができる。
第十七條 この会計において、支拂義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三條の規定にかかわらず、大藏大臣の承認を経ることを要しない。
厚生大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大藏大臣及び会計檢査院に通知しなければならない。
第十八條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第十九條 この法律は、昭和二十二年十一月一日から、これを適用する。但し、この法律中普通保險勘定に関する部分並びに第二十四條及び第二十五條の規定は、公布の日から、これを施行する。
第二十條 第一條において船員保險法による船員保險事業とあり、又は第五條において船員保險事業とあり、若しくは失業保險事業とあるのは、昭和二十二年十一月一日から昭和二十三年四月三十日までの間において船員として船舶所有者に使用されなくなつた者に対し失業手当金及び失業保險金を支給する事業を含むものとする。
第五條及び第六條において保險金とあるのは、前項の失業手当金及び失業保險金を含むものとする。
第二十一條 第二十四條の規定施行の際厚生保險特別会計船員勘定に属する積立金その他の権利義務は、これをこの会計に帰属せしめ、普通保險勘定の所属とする。
第二十二條 厚生保險特別会計船員勘定の昭和二十二年度の歳入歳出は、これをこの会計の普通保險勘定に移して決算を行うものとする。
前項の規定による決算の作成については、当該歳入及び歳出に係る予算並びに收納済歳入額及び支出済歳出額は、これをこの会計の歳入及び歳出の予算並びに收納済歳入額及び支出済歳出額に含めて作成することができる。
第二十三條 第二十四條の規定施行の際厚生保險特別会計業務勘定に属する船員保險事業に関する権利義務は、これをこの会計に帰属せしめ、普通保險勘定の所属とする。
厚生保險特別会計業務勘定の昭和二十二年度における決算上の剩余金で船員勘定の積立金となるべきものは、同年度の決算終了の際、この会計に帰属せしめ、普通保險勘定の所属とする。
第二十四條 厚生保險特別会計法の一部を次のやうに改正する。
第一條中「、厚生年金保險事業及船員保險事業」を「及厚生年金保險事業」に改める。
第二條中「、船員勘定」を削る。
第五條 削除
第六條中「船員保險事業ノ業務取扱ニ関スル諸費、療養所費、福祉施設費又ハ営繕費ニ充ツル爲ノ船員勘定ヨリノ受入金、」を削り「、厚生年金保險事業及船員保險事業」を「及厚生年金保險事業」に、「、厚生年金保險事業ノ福祉施設費及営繕費並ニ船員保險事業ノ療養所費、福祉施設費及営繕費」を「並ニ厚生年金保險事業ノ福祉施設費及営繕費」に改める。
第八條中「又ハ船員勘定」を削る。
第九條中「、年金勘定及船員勘定」を「及年金勘定」に改める。
第十一條 削除
第十三條中「、年金勘定及船員勘定」を「及年金勘定」に改める。
第十四條 内閣ハ毎年度本会計ノ予算ヲ作成シ一般会計ノ予算ト共ニ之ヲ國会ニ提出スベシ
第二十五條 従前の厚生保險特別会計法の規定は、厚生保險特別会計業務勘定の昭和二十二年度の決算上の剩余金については、前條の規定施行の後でも、なお、その効力を有する。
大藏大臣 栗栖赳夫
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲
船員保険特別会計法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年十二月二十四日
内閣総理大臣 片山哲
法律第二百三十六号
船員保険特別会計法
第一条 船員保険法による船員保険事業を経営するため、特別会計を設置し、その歳入を以てその歳出に充てる。
第二条 この会計は、厚生大臣が、法令の定めるところに従い、これを管理する。
第三条 この会計は、これを普通保険勘定及び失業保険勘定に区分する。
第四条 普通保険勘定においては、船員保険事業のうち失業保険事業以外の保険事業経営上の保険料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び付属雑収入を以てその歳入とし、同事業経営上の保険給付費、借入金の償還金及び利子、業務取扱費、療養所費、福祉施設費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第五条 失業保険勘定においては、船員保険事業のうち失業保険事業経営上の保険料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び付属雑収入を以てその歳入とし、同事業経営上の保険金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、業務取扱費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第六条 普通保険勘定又は失業保険勘定において、保険給付費又は保険金を支弁するため必要があるときは、当該勘定の負担において、借入金をなすことができる。
第七条 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第八条 この会計の歳入歳出予算は、これを普通保険及び失業保険の二勘定に分け、各勘定のうちにおいて、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、これを款及び項に区分する。
第九条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを国会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添付しなければならない。
一 歳入歳出予定計算書
二 前前年度の損益計算書及び貸借対照表並びに前前年度末における積立金明細表
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
第十条 各勘定において、支払上現金に余裕があるときは、これを大蔵省預金部に預け入れることができる。
第十一条 失業保険勘定において、支払上現金に不足があるときは、当該勘定の負担において、一時借入金をなすことができる。
前項の規定による一時借入金は、当該年度内に、これを償還しなければならない。
第十二条 第六条に規定する借入金及び前条に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が、これを行う。
第十三条 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、これを大蔵大臣に送付しなければならない。
第十四条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、歳入歳出決定計算書、当該年度の損益計算書、貸借対照表、当該年度末における積立金明細表及び債務に関する計算書を添付しなければならない。
第十五条 普通保険勘定又は失業保険勘定において、決算上剰余金を生じたときは、当該勘定の積立金として、これを積み立てなければならない。
普通保険勘定又は失業保険勘定において、決算上不足を生じたときは、当該勘定の積立金から、これを補足する。
第十六条 普通保険勘定及び失業保険勘定の各積立金は、国債を以て保有し、又は大蔵省預金部に預け入れて、これを運用することができる。
第十七条 この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三条の規定にかかわらず、大蔵大臣の承認を経ることを要しない。
厚生大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
第十八条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第十九条 この法律は、昭和二十二年十一月一日から、これを適用する。但し、この法律中普通保険勘定に関する部分並びに第二十四条及び第二十五条の規定は、公布の日から、これを施行する。
第二十条 第一条において船員保険法による船員保険事業とあり、又は第五条において船員保険事業とあり、若しくは失業保険事業とあるのは、昭和二十二年十一月一日から昭和二十三年四月三十日までの間において船員として船舶所有者に使用されなくなつた者に対し失業手当金及び失業保険金を支給する事業を含むものとする。
第五条及び第六条において保険金とあるのは、前項の失業手当金及び失業保険金を含むものとする。
第二十一条 第二十四条の規定施行の際厚生保険特別会計船員勘定に属する積立金その他の権利義務は、これをこの会計に帰属せしめ、普通保険勘定の所属とする。
第二十二条 厚生保険特別会計船員勘定の昭和二十二年度の歳入歳出は、これをこの会計の普通保険勘定に移して決算を行うものとする。
前項の規定による決算の作成については、当該歳入及び歳出に係る予算並びに収納済歳入額及び支出済歳出額は、これをこの会計の歳入及び歳出の予算並びに収納済歳入額及び支出済歳出額に含めて作成することができる。
第二十三条 第二十四条の規定施行の際厚生保険特別会計業務勘定に属する船員保険事業に関する権利義務は、これをこの会計に帰属せしめ、普通保険勘定の所属とする。
厚生保険特別会計業務勘定の昭和二十二年度における決算上の剰余金で船員勘定の積立金となるべきものは、同年度の決算終了の際、この会計に帰属せしめ、普通保険勘定の所属とする。
第二十四条 厚生保険特別会計法の一部を次のやうに改正する。
第一条中「、厚生年金保険事業及船員保険事業」を「及厚生年金保険事業」に改める。
第二条中「、船員勘定」を削る。
第五条 削除
第六条中「船員保険事業ノ業務取扱ニ関スル諸費、療養所費、福祉施設費又ハ営繕費ニ充ツル為ノ船員勘定ヨリノ受入金、」を削り「、厚生年金保険事業及船員保険事業」を「及厚生年金保険事業」に、「、厚生年金保険事業ノ福祉施設費及営繕費並ニ船員保険事業ノ療養所費、福祉施設費及営繕費」を「並ニ厚生年金保険事業ノ福祉施設費及営繕費」に改める。
第八条中「又ハ船員勘定」を削る。
第九条中「、年金勘定及船員勘定」を「及年金勘定」に改める。
第十一条 削除
第十三条中「、年金勘定及船員勘定」を「及年金勘定」に改める。
第十四条 内閣ハ毎年度本会計ノ予算ヲ作成シ一般会計ノ予算ト共ニ之ヲ国会ニ提出スベシ
第二十五条 従前の厚生保険特別会計法の規定は、厚生保険特別会計業務勘定の昭和二十二年度の決算上の剰余金については、前条の規定施行の後でも、なお、その効力を有する。
大蔵大臣 栗栖赳夫
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲