第一條 船員保險法による船員保險事業を経営するため、特別会計を設置し、その歳入を以てその歳出に充てる。
第二條 この会計は、厚生大臣が、法令の定めるところに従い、これを管理する。
第三條 この会計は、これを普通保險勘定及び失業保險勘定に区分する。
第四條 普通保險勘定においては、船員保險事業のうち失業保險事業以外の保險事業経営上の保險料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる收入、借入金及び付属雜收入を以てその歳入とし、同事業経営上の保險給付費、借入金の償還金及び利子、業務取扱費、療養所費、福祉施設費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第五條 失業保險勘定においては、船員保險事業のうち失業保險事業経営上の保險料、一般会計からの受入金、積立金から生ずる收入、借入金及び付属雜收入を以てその歳入とし、同事業経営上の保險金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、業務取扱費、営繕費その他の諸費を以てその歳出とする。
第六條 普通保險勘定又は失業保險勘定において、保險給付費又は保險金を支弁するため必要があるときは、当該勘定の負担において、借入金をなすことができる。
第七條 厚生大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第八條 この会計の歳入歳出予算は、これを普通保險及び失業保險の二勘定に分け、各勘定のうちにおいて、歳入の性質及び歳出の目的に従つて、これを款及び項に区分する。
第九條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、これを國会に提出しなければならない。
前項の予算には、左の書類を添付しなければならない。
二 前前年度の損益計算書及び貸借対照表並びに前前年度末における積立金明細表
三 前年度及び当該年度の予定損益計算書及び予定貸借対照表
第十條 各勘定において、支拂上現金に余裕があるときは、これを大藏省預金部に預け入れることができる。
第十一條 失業保險勘定において、支拂上現金に不足があるときは、当該勘定の負担において、一時借入金をなすことができる。
前項の規定による一時借入金は、当該年度内に、これを償還しなければならない。
第十二條 第六條に規定する借入金及び前條に規定する一時借入金の借入及び償還に関する事務は、大藏大臣が、これを行う。
第十三條 厚生大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作成し、これを大藏大臣に送付しなければならない。
第十四條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、國会に提出しなければならない。
前項の歳入歳出決算には、歳入歳出決定計算書、当該年度の損益計算書、貸借対照表、当該年度末における積立金明細表及び債務に関する計算書を添付しなければならない。
第十五條 普通保險勘定又は失業保險勘定において、決算上剩余金を生じたときは、当該勘定の積立金として、これを積み立てなければならない。
普通保險勘定又は失業保險勘定において、決算上不足を生じたときは、当該勘定の積立金から、これを補足する。
第十六條 普通保險勘定及び失業保險勘定の各積立金は、國債を以て保有し、又は大藏省預金部に預け入れて、これを運用することができる。
第十七條 この会計において、支拂義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、これを翌年度に繰り越して使用することができる。
前項の規定による繰越は、財政法第四十三條の規定にかかわらず、大藏大臣の承認を経ることを要しない。
厚生大臣は、第一項の規定による繰越をなしたときは、大藏大臣及び会計檢査院に通知しなければならない。
第十八條 この法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。