米穀需給調節特別会計法
法令番号: 法律第三十七號
公布年月日: 大正10年4月4日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル米穀需給調節特別會計法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年四月二日
內閣總理大臣 原敬
大藏大臣 子爵 高橋是淸
農商務大臣 男爵 山本達雄
法律第三十七號
米穀需給調節特別會計法
第一條 米穀需給ノ調節ノ爲ニスル米穀ノ買入、賣渡、交換、加工又ハ貯藏ニ關スル一切ノ歲入歲出ハ之ヲ一般會計ト區分シ特別ノ會計ヲ立テシム
第二條 本會計ニ屬スル經費ヲ支辨スル爲必要アルトキハ政府ハ本會計ノ負擔ニ於テ借入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル借入金ノ額ハ第三條ノ規定ニ依リ發行スル證券ノ額ト通シテ最高二億圓トス
第三條 米穀ノ買入代價ハ外國ヨリ直接ニ買入ルル場合ヲ除クノ外一年內ニ償還スヘキ證券ヲ以テ其ノ額面金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ證券ハ無記名證券トス
第一項ノ規定ニ依リ交付スル爲政府ハ證券ヲ發行スルコトヲ得
第四條 日本銀行ハ前條ノ證券ノ所持人ノ請求ニ依リ政府ノ定ムル步合ヲ以テ其ノ證券ノ割引ヲ爲スヘシ
第五條 本會計ノ負擔ニ屬スル證券及借入金ノ償還金及利子竝證券ノ發行及償還ニ關スル諸費ノ支出ニ必要ナル金額ハ每年度國債整理基金特別會計ニ之ヲ繰入ルヘシ
第六條 本會計ハ借入金、米穀賣渡代金及附屬雜收入ヲ以テ歲入トシ米穀ノ買入代金、米穀ノ買入賣渡交換加工貯藏及運搬ニ關スル諸費、證券及借入金ノ償還金及利子其ノ他諸費ヲ以テ歲出トス
第七條 本會計ニ於テ支拂上餘裕アルトキハ大藏省預金部ニ之ヲ預入ルヘシ
第八條 本會計ノ決算上剩餘アルトキハ翌年度ノ歲入ニ之ヲ繰入ルヘシ
本會計ノ每年度歲出豫算ニ於ケル支出殘額ハ遞次之ヲ翌年度ニ繰越使用スルコトヲ得
第九條 政府ハ每年度本會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ帝國議會ニ之ヲ提出スヘシ
第十條 本會計ノ收入支出ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ大正十年度ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル米穀需給調節特別会計法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年四月二日
内閣総理大臣 原敬
大蔵大臣 子爵 高橋是清
農商務大臣 男爵 山本達雄
法律第三十七号
米穀需給調節特別会計法
第一条 米穀需給ノ調節ノ為ニスル米穀ノ買入、売渡、交換、加工又ハ貯蔵ニ関スル一切ノ歳入歳出ハ之ヲ一般会計ト区分シ特別ノ会計ヲ立テシム
第二条 本会計ニ属スル経費ヲ支弁スル為必要アルトキハ政府ハ本会計ノ負担ニ於テ借入ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル借入金ノ額ハ第三条ノ規定ニ依リ発行スル証券ノ額ト通シテ最高二億円トス
第三条 米穀ノ買入代価ハ外国ヨリ直接ニ買入ルル場合ヲ除クノ外一年内ニ償還スヘキ証券ヲ以テ其ノ額面金額ニ依リ之ヲ交付ス
前項ノ証券ハ無記名証券トス
第一項ノ規定ニ依リ交付スル為政府ハ証券ヲ発行スルコトヲ得
第四条 日本銀行ハ前条ノ証券ノ所持人ノ請求ニ依リ政府ノ定ムル歩合ヲ以テ其ノ証券ノ割引ヲ為スヘシ
第五条 本会計ノ負担ニ属スル証券及借入金ノ償還金及利子並証券ノ発行及償還ニ関スル諸費ノ支出ニ必要ナル金額ハ毎年度国債整理基金特別会計ニ之ヲ繰入ルヘシ
第六条 本会計ハ借入金、米穀売渡代金及附属雑収入ヲ以テ歳入トシ米穀ノ買入代金、米穀ノ買入売渡交換加工貯蔵及運搬ニ関スル諸費、証券及借入金ノ償還金及利子其ノ他諸費ヲ以テ歳出トス
第七条 本会計ニ於テ支払上余裕アルトキハ大蔵省預金部ニ之ヲ預入ルヘシ
第八条 本会計ノ決算上剰余アルトキハ翌年度ノ歳入ニ之ヲ繰入ルヘシ
本会計ノ毎年度歳出予算ニ於ケル支出残額ハ逓次之ヲ翌年度ニ繰越使用スルコトヲ得
第九条 政府ハ毎年度本会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ帝国議会ニ之ヲ提出スヘシ
第十条 本会計ノ収入支出ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ大正十年度ヨリ之ヲ施行ス