(新規検査)
第五十八條 自動車は、その使用者が、その使用の本拠の位置を管轄する陸運局長の行う検査を受け、自動車検査証の交付を受けたものでなければ、これを運行の用に供してはならない。但し、第三十四條に規定する臨時運行の許可を受けた自動車については、この限りでない。
(新規検査の申請)
第五十九條 前條の検査を受けようとする者は、陸運局長に対し、左の各号に掲げる事項を記載した申請書を提出し、且つ、当該自動車を呈示しなければならない。
一 第七條第一項第一号及び第三号から第六号までに掲げる事項
(自動車検査証の交付)
第六十條 陸運局長は、第五十八條の検査の結果、当該自動車が保安基準に適合し、且つ、申請者が当該自動車を使用する権利を有すると認めるときは、左の各号に掲げる事項を記載した自動車検査証を申請者に交付しなければならない。
一 自動車検査証番号及び登録自動車にあつては自動車登録番号
七 普通自動車、小型自動車、軽自動車又は特殊自動車の別
十一 動力伝達装置、操縦装置、制動装置、燃料装置及び連結装置の型式
十七 けん引自動車又は被けん引自動車にあつては、被けん引自動車又はけん引自動車の自動車登録番号(自動車登録番号がない場合には自動車検査証番号)
十八 第四十三條の規定により制限を附加した自動車にあつては、その旨
(自動車検査証の有効期間)
第六十一條 自動車検査証の有効期間は、一年とする。
2 陸運局長は、前條、次條第一項又は第六十三條第三項の場合において、当該自動車が一年を経過しない前に保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、前項の有効期間を一年未満に定めることができる。
3 第六十七條、第六十八條又は第七十條の規定により自動車検査証の書換又は再交付をする場合にあつては、新たに交付する自動車検査証の有効期間は、従前の自動車検査証の有効期間の残存期間とする。
(継続検査)
第六十二條 陸運局長は、自動車検査証の有効期間満了後引き続き当該自動車を使用しようとする者が、その有効期間満了前において、陸運局長の行う検査を受けた場合において、当該自動車が保安基準に適合し、且つ、申請者が当該自動車を使用する権利を有すると認めるときは、当該自動車検査証の有効期間を更新し、その旨を自動車検査証に記入しなければならない。
2 前項の規定により自動車検査証の有効期間の更新を受けた自動車は、第五十八條の規定にかかわらず、これを運行の用に供してもよい。
(臨時検査)
第六十三條 自動車の使用者は、陸運局長が定めて公示し、又は通知する期間内に、第三項の検査を受けるために、当該自動車及び自動車検査証を陸運局長に呈示しなければならない。
2 前項の陸運局長の公示又は通知は、自動車の構造、装置若しくは性能の不良に基く事故又は自動車の不正な使用が著しく多い場合において、運輸大臣が必要と認めてその旨を告示したときに限り、行うことができる。
3 陸運局長は、第一項の呈示があつた場合においては、検査を行い、当該自動車が保安基準に適合し、且つ、呈示をした者が当該自動車を使用する権利を有すると認めるときは、当該自動車検査証の有効期間を更新し、その旨を自動車検査証に記入しなければならない。
4 前條第二項の規定は、前項の規定により自動車検査証の有効期間の更新を受けた自動車について準用する。
(分解整備検査)
第六十四條 自動車(軽自動車を除く。)の分解整備をしたときは、自動車の使用者は、当該自動車及び自動車検査証を呈示して陸運局長の検査を受けなければならない。但し、第七十八條の自動車分解整備事業者において分解整備の工事をし、且つ、第九十條の検査をしたときは、この限りでない。
2 前條第三項及び第四項の規定は、前項本文の呈示があつた場合及び自動車検査証の有効期間の更新を受けた自動車について準用する。
(実地審査の委嘱)
第六十五條 第十八條第一項及び第二項の規定は、第五十八條、第六十二條から前條まで又は第六十七條第二項の規定による検査を受けようとする場合に準用する。
2 前項において準用する第十八條第一項の乙陸運局長は、呈示を受けた自動車が保安基準に適合するかどうかを審査し、その旨を前項において準用する第十八條第一項の甲陸運局長に通報しなければならない。
3 甲陸運局長は、第一項において準用する第十八條の許可に係る自動車の自動車検査証についての有効期間の指定又は更新及びその記入を乙陸運局長に委任することができる。
(自動車検査証備付の義務)
第六十六條 自動車は、自動車検査証を備え付けなければ、運行の用に供してはならない。但し、第三十四條に規定する臨時運行の許可を受けた自動車については、この限りでない。
(記載事項の変更等)
第六十七條 自動車の使用者は、自動車検査証の記載事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、当該事項の変更について、陸運局長が行う自動車検査証の記入を受けなければならない。但し、次條に規定する書換を受けなければならない場合は、この限りでない。
2 陸運局長は、前項の変更が左の各号の一に該当することにより保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該自動車が保安基準に適合するかどうかについて、検査を受けるべきことを命じなければならない。
三 動力伝達装置、操縦装置、制動装置、燃料装置又は連結装置の型式を変更したとき。
3 第六十三條第一項、第三項及び第四項の規定は、前項の場合及び自動車検査証の有効期間の更新を受けた自動車について準用する。
(自動車検査証の書換)
第六十八條 自動車の使用者は、当該自動車の使用の本拠の位置を当該自動車検査証を交付した陸運局長の管轄区域内から他の陸運局長(本條中「乙陸運局長」という。)の管轄区域内に変更したときは、その日から十五日以内に、乙陸運局長が行う自動車検査証の書換を受けなければならない。
(検査証の返納)
第六十九條 陸運局長は、第六十三條第三項、第六十四條又は第六十七條第二項の検査をした場合において、当該自動車が保安基準に適合しないものであると認めるときは、自動車の使用者に対し、理由を附した文書をもつて、当該自動車検査証の返納を命ずることができる。
2 左の各号の一に該当する者は、遅滯なく、当該自動車検査証を陸運局長に返納しなければならない。
一 第五十四條第二項の規定により自動車の使用の停止を命ぜられた者
3 陸運局長は、前二項の規定により自動車検査証の返納があつたときは、当該自動車登録原簿に使用停止の旨を表示しなければならない。
4 陸運局長は、第一項の規定による返納の命令に係る自動車が保安基準に適合するに至つたとき、又は第五十四條第三項の規定により使用の停止の取消をしたときは、返納を受けた自動車検査証を返付しなければならない。
5 陸運局長は、前項の規定により自動車検査証の返付をしたとき、又は当該自動車の使用者が有効な自動車検査証を有するに至つたときは、第三項の表示をまつ消しなければならない。
(再交付)
第七十條 自動車の使用者は、自動車検査証が滅失し、き損し、又はその識別が困難となつたときは、その再交付を受けることができる。
(予備検査)
第七十一條 陸運局長は、その所有者が検査を受け、第四項の自動車予備検査証の交付を受けた自動車について、使用者が使用の本拠の位置を定めて申請したときは、その者に対し、第六十條各号に掲げる事項を記載した自動車検査証を交付しなければならない。
2 前項の自動車検査証の交付は、第五十八條の規定により検査をしてなした自動車検査証の交付とみなす。
3 第五十九條第一項の規定は、第一項の検査を受けようとする者に準用する。この場合において、第五十九條第一項第一号中「第三号から第六号まで」とあるのは「第三号から第五号まで」と読み替える。
4 陸運局長は、第一項の検査の結果、当該自動車が保安基準に適合すると認めるときは、第六十條第一号から第三号まで、第六号から第十六号まで、第十九号及び第二十号に掲げる事項、当該自動車の所有者の氏名又は名称及び住所並びに当該自動車の所在する位置を記載した自動車予備検査証を申請者に交付しなければならない。
5 第六十一條の規定は、自動車予備検査証について準用する。この場合において、同條第二項中「前條、次條第一項又は第六十三條第三項」とあるのは「第六十三條第三項又は第七十一條第四項」と読み替える。
6 第六十三條及び第六十四條の規定は、自動車予備検査証の交付に係る自動車について準用する。この場合において、「使用者」とあるのは「所有者」と、「自動車検査証」とあるのは「自動車予備検査証」と読み替える。
7 第六十七條の規定は、自動車予備検査証の記載事項について変更があつた場合に準用する。この場合において、「使用者」とあるのは「所有者」と読み替える。
8 第六十八條の規定は、自動車予備検査証の交付に係る自動車について準用する。この場合において、「使用者」とあるのは「所有者」と、「使用の本拠の位置」とあるのは「所在する位置」と読み替える。
9 第六十九條第一項及び第二項第二号の規定は、自動車予備検査証の交付に係る自動車について準用する。この場合において、「使用者」とあるのは「所有者」と、「自動車検査証」とあるのは「自動車予備検査証」と読み替える。
10 前條の規定は、自動車予備検査証について準用する。この場合において、「使用者」とあるのは「所有者」と読み替える。
(自動車検査記録簿)
第七十二條 陸運局長は、自動車検査証記録簿を備え、本章に規定する自動車の検査並びに自動車検査証及び自動車予備検査証の交付、記入、書換、返納及び再交付に関する事項を記載しなければならない。
(原動機付自転車及び旅客軽車両の検査)
第七十三條 原動機付自転車又は旅客軽車両は、保安基準に適合し、且つ、申請者が当該道路運送車両を使用する権利を有するかどうかについて、その使用者が、その使用の本拠の位置を管轄する都知事(特別区の区域に限る。)又は市町村長の検査を受け、原動機付自転車番号又は旅客軽車両番号の指定を受け、原動機付自転車検査証又は旅客軽車両検査証の交付を受けなければ、これを運行の用に供してはならない。
2 原動機付自転車又は旅客軽車両は、原動機付自転車番号又は旅客軽車両番号を記載した原動機付自転車番号標又は旅客軽車両番号標をその後面の見易い位置に表示しなければ、これを運行の用に供してはならない。
3 第六十一條第一項の規定は、原動機付自転車検査証及び旅客軽車両検査証について準用する。
(自動車検査官)
第七十四條 運輸大臣は、運輸省の職員のうちから自動車検査官を任命し、本章に規定する自動車の検査及び第五十四條の規定による処分に関する事務につき、陸運局長を補助させるものとする。
2 第二十四條第二項の規定は、自動車検査官に準用する。
(自動車の指定)
第七十五條 運輸大臣は、自動車の安全性の増進を図るため、申請により、自動車をその型式について指定する。
2 前項の指定は、申請に係る自動車が保安基準に適合し、且つ、均一性を有するものであるかどうかを判定することによつて行う。
3 第一項の申請をした者は、その型式について指定を受けた自動車を譲渡する場合において、当該自動車が保安基準に適合しているかどうかを検査し、適合すると認めるときは、完成検査終了証を発行し、これを譲受人に交付しなければならない。
4 運輸大臣は、その型式について指定を受けた自動車が保安基準に適合しなくなり、又は均一性を有するものでなくなつたときは、その指定を取り消すことができる。この場合において、運輸大臣は、取消の日までに製作された自動車について取消の効力の及ぶ範囲を限定することができる。
(省令への委任)
第七十六條 自動車検査証及び自動車予備検査証の様式及び再交付の手続、第七十三條第一項の検査の手続、原動機付自転車検査証及び旅客軽車両検査証の記載事項及び返納に関する事項、前條第三項の検査の基準、同項の完成検査終了証の様式その他本章に規定する道路運送車両の検査の実施細目は、運輸省令で定める。