自動車検査独立行政法人法
法令番号: 法律第二百十八号
公布年月日: 平成11年12月22日
法令の形式: 法律
自動車検査独立行政法人法をここに公布する。
御名御璽
平成十一年十二月二十二日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第二百十八号
自動車検査独立行政法人法
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
役員(第七条―第十条)
第三章
業務等(第十一条―第十六条)
第四章
雑則(第十七条)
第五章
罰則(第十八条・第十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、自動車検査独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、自動車検査独立行政法人とする。
(検査法人の目的)
第三条 自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)は、自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車をいう。以下同じ。)の検査に関する事務のうち、自動車が同法第四十六条に規定する保安基準(以下「保安基準」という。)に適合するかどうかの審査を行うことにより、自動車の安全性の確保及び自動車による公害の防止を図ることを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 検査法人は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 検査法人は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条 検査法人の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、検査法人に追加して出資することができる。
3 検査法人は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 検査法人に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 検査法人に、役員として、理事四人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して検査法人の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 役員の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 自動車若しくは自動車の部品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 検査法人の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条又は自動車検査独立行政法人法第十条第一項」とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十一条 検査法人は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 自動車が保安基準に適合するかどうかの審査(道路運送車両法第七十五条の四第一項に基づくものを除く。)を行うこと。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(事務規程)
第十二条 検査法人は、前条第一号に掲げる業務(以下「審査事務」という。)の開始前に、審査事務の実施に関する規程(以下「事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定による届出に係る事務規程が審査事務の適正かつ確実な実施を図るため適当でないと認めるときは、その事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(設備の維持)
第十三条 検査法人は、審査事務を行う事務所ごとに、国土交通省令で定める基準に適合する設備を備え、かつ、これを当該基準に適合するように維持しなければならない。
(審査事務を実施する者)
第十四条 検査法人は、審査事務を行うときは、国土交通省令で定める資格を有する者に実施させなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 検査法人は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 検査法人は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(報告及び検査)
第十六条 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、検査法人に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、検査法人の事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十七条 検査法人に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。
第五章 罰則
第十八条 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした検査法人の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした検査法人の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十二条第一項の規定に基づく届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第十五条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第八条及び第九条の規定は、同日から起算して一年九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 検査法人の成立の際現に国土交通省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、国土交通大臣の指名する者を除き、別に辞令を発せられない限り、検査法人の成立の日において、検査法人の相当の職員となるものとする。
2 前項の規定は、内閣府の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者について準用する。この場合において、同項中「国土交通大臣」とあるのは、「内閣総理大臣」と読み替えるものとする。
第三条 検査法人の成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、検査法人の成立の日において引き続き検査法人の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、検査法人の成立の日の前日において内閣総理大臣若しくは国土交通大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、検査法人の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、検査法人の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、検査法人の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(検査法人の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第四条 検査法人の成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、検査法人の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、検査法人の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、検査法人の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第五条 検査法人の成立の際、第十一条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び業務のうち政令で定めるものは、検査法人の成立の時において検査法人が承継する。
2 前項の規定により検査法人が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から検査法人に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、検査法人の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(国有財産の無償使用)
第六条 国土交通大臣は、検査法人の成立の際現に道路運送車両法第五章に規定する自動車の検査に関する事務のうち、自動車が保安基準に適合するかどうかの審査に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、検査法人の用に供するため、検査法人に無償で使用させることができる。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、検査法人の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(道路運送車両法の一部改正)
第八条 道路運送車両法の一部を次のように改正する。
第七十四条の三を第七十四条の四とする。
第七十四条の二に次の二項を加え、同条を第七十四条の三とする。
6 国土交通大臣は、第三項の規定により軽自動車の検査事務を行うこととするときは、軽自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を検査法人に行わせることができる。
7 検査法人は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
第七十四条の次に次の一条を加える。
(自動車検査独立行政法人の審査)
第七十四条の二 国土交通大臣は、この章に規定する自動車及び検査対象外軽自動車の検査に関する事務のうち、自動車及び検査対象外軽自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)に行わせるものとする。ただし、次条の規定により軽自動車検査協会に軽自動車の検査事務を行わせる場合における審査については、この限りでない。
2 検査法人は前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
第百一条を次のように改める。
第百一条 当該行政庁は、前条第二項の規定により当該職員が自動車を検査する場合には、当該自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を検査法人に行わせることができる。
2 検査法人は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより当該行政庁に通知しなければならない。
(自動車検査登録特別会計法の一部改正)
第九条 自動車検査登録特別会計法(昭和三十九年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「独立行政法人交通安全環境研究所法(平成十一年法律第二百七号)第十五条第三項」の下に「及び自動車検査独立行政法人法(平成十一年法律第二百十八号)第十五条第三項」を加え、「納付金及び」を「納付金並びに」に改め、「独立行政法人交通安全環境研究所」の下に「及び自動車検査独立行政法人」を加える。
内閣総理大臣 小渕恵三
大蔵大臣 宮澤喜一
運輸大臣 二階俊博
自動車検査独立行政法人法をここに公布する。
御名御璽
平成十一年十二月二十二日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第二百十八号
自動車検査独立行政法人法
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
役員(第七条―第十条)
第三章
業務等(第十一条―第十六条)
第四章
雑則(第十七条)
第五章
罰則(第十八条・第十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、自動車検査独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、自動車検査独立行政法人とする。
(検査法人の目的)
第三条 自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)は、自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車をいう。以下同じ。)の検査に関する事務のうち、自動車が同法第四十六条に規定する保安基準(以下「保安基準」という。)に適合するかどうかの審査を行うことにより、自動車の安全性の確保及び自動車による公害の防止を図ることを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 検査法人は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 検査法人は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条 検査法人の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、検査法人に追加して出資することができる。
3 検査法人は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 検査法人に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 検査法人に、役員として、理事四人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して検査法人の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 役員の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 自動車若しくは自動車の部品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 検査法人の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条又は自動車検査独立行政法人法第十条第一項」とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十一条 検査法人は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 自動車が保安基準に適合するかどうかの審査(道路運送車両法第七十五条の四第一項に基づくものを除く。)を行うこと。
二 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(事務規程)
第十二条 検査法人は、前条第一号に掲げる業務(以下「審査事務」という。)の開始前に、審査事務の実施に関する規程(以下「事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定による届出に係る事務規程が審査事務の適正かつ確実な実施を図るため適当でないと認めるときは、その事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(設備の維持)
第十三条 検査法人は、審査事務を行う事務所ごとに、国土交通省令で定める基準に適合する設備を備え、かつ、これを当該基準に適合するように維持しなければならない。
(審査事務を実施する者)
第十四条 検査法人は、審査事務を行うときは、国土交通省令で定める資格を有する者に実施させなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 検査法人は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 検査法人は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(報告及び検査)
第十六条 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、検査法人に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、検査法人の事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十七条 検査法人に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。
第五章 罰則
第十八条 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした検査法人の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした検査法人の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十二条第一項の規定に基づく届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第十五条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第八条及び第九条の規定は、同日から起算して一年九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 検査法人の成立の際現に国土交通省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、国土交通大臣の指名する者を除き、別に辞令を発せられない限り、検査法人の成立の日において、検査法人の相当の職員となるものとする。
2 前項の規定は、内閣府の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者について準用する。この場合において、同項中「国土交通大臣」とあるのは、「内閣総理大臣」と読み替えるものとする。
第三条 検査法人の成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、検査法人の成立の日において引き続き検査法人の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、検査法人の成立の日の前日において内閣総理大臣若しくは国土交通大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、検査法人の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、検査法人の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、検査法人の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(検査法人の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第四条 検査法人の成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、検査法人の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、検査法人の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、検査法人の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第五条 検査法人の成立の際、第十一条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び業務のうち政令で定めるものは、検査法人の成立の時において検査法人が承継する。
2 前項の規定により検査法人が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から検査法人に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、検査法人の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(国有財産の無償使用)
第六条 国土交通大臣は、検査法人の成立の際現に道路運送車両法第五章に規定する自動車の検査に関する事務のうち、自動車が保安基準に適合するかどうかの審査に使用されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、検査法人の用に供するため、検査法人に無償で使用させることができる。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、検査法人の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(道路運送車両法の一部改正)
第八条 道路運送車両法の一部を次のように改正する。
第七十四条の三を第七十四条の四とする。
第七十四条の二に次の二項を加え、同条を第七十四条の三とする。
6 国土交通大臣は、第三項の規定により軽自動車の検査事務を行うこととするときは、軽自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を検査法人に行わせることができる。
7 検査法人は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
第七十四条の次に次の一条を加える。
(自動車検査独立行政法人の審査)
第七十四条の二 国土交通大臣は、この章に規定する自動車及び検査対象外軽自動車の検査に関する事務のうち、自動車及び検査対象外軽自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)に行わせるものとする。ただし、次条の規定により軽自動車検査協会に軽自動車の検査事務を行わせる場合における審査については、この限りでない。
2 検査法人は前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
第百一条を次のように改める。
第百一条 当該行政庁は、前条第二項の規定により当該職員が自動車を検査する場合には、当該自動車が保安基準に適合するかどうかの審査を検査法人に行わせることができる。
2 検査法人は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより当該行政庁に通知しなければならない。
(自動車検査登録特別会計法の一部改正)
第九条 自動車検査登録特別会計法(昭和三十九年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「独立行政法人交通安全環境研究所法(平成十一年法律第二百七号)第十五条第三項」の下に「及び自動車検査独立行政法人法(平成十一年法律第二百十八号)第十五条第三項」を加え、「納付金及び」を「納付金並びに」に改め、「独立行政法人交通安全環境研究所」の下に「及び自動車検査独立行政法人」を加える。
内閣総理大臣 小渕恵三
大蔵大臣 宮沢喜一
運輸大臣 二階俊博