独立行政法人交通安全環境研究所法
法令番号: 法律第二百七号
公布年月日: 平成11年12月22日
法令の形式: 法律
独立行政法人交通安全環境研究所法をここに公布する。
御名御璽
平成十一年十二月二十二日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第二百七号
独立行政法人交通安全環境研究所法
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
役員(第七条―第十条)
第三章
業務等(第十一条―第十六条)
第四章
雑則(第十七条)
第五章
罰則(第十八条・第十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人交通安全環境研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人交通安全環境研究所とする。
(研究所の目的)
第三条 独立行政法人交通安全環境研究所(以下「研究所」という。)は、運輸技術のうち陸上運送及び航空運送に係るものに関する試験、調査、研究及び開発等を行うことにより、陸上運送及び航空運送に関する安全の確保、環境の保全及び燃料資源の有効な利用の確保を図ることを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 研究所は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 研究所は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条 研究所の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。
3 研究所は、前項又は附則第六条第一項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 研究所に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 役員の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第五十八条第一項に規定する自動車をいう。以下同じ。)若しくは自動車の部品の製造若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 研究所の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条又は独立行政法人交通安全環境研究所法第十条第一項」とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十一条 研究所は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 運輸技術のうち陸上運送及び航空運送に関する安全の確保、環境の保全及び燃料資源の有効な利用の確保に係るものに関する試験、調査、研究及び開発を行うこと。
二 前号に掲げる業務に係る成果を普及すること。
三 第一号に掲げる技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
四 道路運送車両法第七十五条の四第一項の規定に基づき、自動車及び自動車の装置が同法第四十六条に規定する保安基準に適合するかどうかの審査を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(審査事務規程)
第十二条 研究所は、前条第四号に掲げる業務(以下「審査事務」という。)の開始前に、審査事務の実施に関する規程(以下「審査事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定による届出に係る審査事務規程が審査事務の適正かつ確実な実施を図るため適当でないと認めるときは、その審査事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 審査事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(審査事務を実施する者)
第十三条 研究所は、審査事務を行うときは、国土交通省令で定める資格を有する者に実施させなければならない。
(区分経理)
第十四条 研究所は、第十一条第四号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 研究所は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 研究所は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(報告及び検査)
第十六条 国土交通大臣は、第十一条第四号に掲げる業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、研究所に対し、当該業務に関し報告をさせ、又はその職員に、研究所の事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十七条 研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。
第五章 罰則
第十八条 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした研究所の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第十五条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第八条及び第九条の規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 研究所の成立の際現に国土交通省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、研究所の成立の日において、研究所の相当の職員となるものとする。
第三条 研究所の成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、研究所の成立の日において引き続き研究所の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、研究所の成立の日の前日において国土交通大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、研究所の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、研究所の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、研究所の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(研究所の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第四条 研究所の成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、研究所の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第五条 研究所の成立の際、第十一条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、研究所の成立の時において研究所が承継する。
2 前項の規定により研究所が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から研究所に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第六条 前条に規定するもののほか、政府は、研究所の成立の時において現に建設中の建物等(建物及びその建物に附属する工作物をいう。次項において同じ。)で政令で定めるものを研究所に追加して出資するものとする。
2 前項の規定により政府が出資の目的とする建物等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
3 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(道路運送車両法の一部改正)
第八条 道路運送車両法の一部を次のように改正する。
第七十四条の三中「及び第七十四条から第七十五条の二まで」を「、第七十四条から第七十五条の二まで及び第七十五条の四」に改め、第七十五条の三の次に次の一条を加える。
(独立行政法人交通安全環境研究所の審査)
第七十五条の四 国土交通大臣は、第七十五条第一項に規定する自動車の型式についての指定及び第七十五条の二第一項に規定する特定装置の型式についての指定に関する事務のうち、当該自動車の構造、装置及び性能並びに当該特定装置が保安基準に適合するかどうかの審査を独立行政法人交通安全環境研究所(以下「研究所」という。)に行わせるものとする。
2 研究所は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
(自動車検査登録特別会計法の一部改正)
第九条 自動車検査登録特別会計法(昭和三十九年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「一般会計からの繰入金」の下に「、独立行政法人交通安全環境研究所法(平成十一年法律第二百七号)第十五条第三項の規定による納付金」を加え、「一般会計への繰入金及び」を「独立行政法人交通安全環境研究所に対する出資金、交付金及び施設の整備のための補助金、一般会計への繰入金並びに」に改める。
内閣総理大臣 小渕恵三
大蔵大臣 宮澤喜一
運輸大臣 二階俊博
独立行政法人交通安全環境研究所法をここに公布する。
御名御璽
平成十一年十二月二十二日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第二百七号
独立行政法人交通安全環境研究所法
目次
第一章
総則(第一条―第六条)
第二章
役員(第七条―第十条)
第三章
業務等(第十一条―第十六条)
第四章
雑則(第十七条)
第五章
罰則(第十八条・第十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人交通安全環境研究所の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人交通安全環境研究所とする。
(研究所の目的)
第三条 独立行政法人交通安全環境研究所(以下「研究所」という。)は、運輸技術のうち陸上運送及び航空運送に係るものに関する試験、調査、研究及び開発等を行うことにより、陸上運送及び航空運送に関する安全の確保、環境の保全及び燃料資源の有効な利用の確保を図ることを目的とする。
(特定独立行政法人)
第四条 研究所は、通則法第二条第二項に規定する特定独立行政法人とする。
(事務所)
第五条 研究所は、主たる事務所を東京都に置く。
(資本金)
第六条 研究所の資本金は、附則第五条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、研究所に追加して出資することができる。
3 研究所は、前項又は附則第六条第一項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員
(役員)
第七条 研究所に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 研究所に、役員として、理事一人を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第八条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して研究所の業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第九条 役員の任期は、二年とする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一 自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第五十八条第一項に規定する自動車をいう。以下同じ。)若しくは自動車の部品の製造若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2 研究所の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条又は独立行政法人交通安全環境研究所法第十条第一項」とする。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十一条 研究所は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 運輸技術のうち陸上運送及び航空運送に関する安全の確保、環境の保全及び燃料資源の有効な利用の確保に係るものに関する試験、調査、研究及び開発を行うこと。
二 前号に掲げる業務に係る成果を普及すること。
三 第一号に掲げる技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
四 道路運送車両法第七十五条の四第一項の規定に基づき、自動車及び自動車の装置が同法第四十六条に規定する保安基準に適合するかどうかの審査を行うこと。
五 前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(審査事務規程)
第十二条 研究所は、前条第四号に掲げる業務(以下「審査事務」という。)の開始前に、審査事務の実施に関する規程(以下「審査事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定による届出に係る審査事務規程が審査事務の適正かつ確実な実施を図るため適当でないと認めるときは、その審査事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 審査事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(審査事務を実施する者)
第十三条 研究所は、審査事務を行うときは、国土交通省令で定める資格を有する者に実施させなければならない。
(区分経理)
第十四条 研究所は、第十一条第四号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)に係る経理とその他の業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 研究所は、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち国土交通大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 研究所は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
(報告及び検査)
第十六条 国土交通大臣は、第十一条第四号に掲げる業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、研究所に対し、当該業務に関し報告をさせ、又はその職員に、研究所の事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十七条 研究所に係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ国土交通大臣、国土交通省及び国土交通省令とする。
第五章 罰則
第十八条 第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした研究所の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした研究所の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十一条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
三 第十五条第一項の規定により国土交通大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、附則第八条及び第九条の規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(職員の引継ぎ等)
第二条 研究所の成立の際現に国土交通省の部局又は機関で政令で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、研究所の成立の日において、研究所の相当の職員となるものとする。
第三条 研究所の成立の際現に前条に規定する政令で定める部局又は機関の職員である者のうち、研究所の成立の日において引き続き研究所の職員となったもの(次条において「引継職員」という。)であって、研究所の成立の日の前日において国土交通大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、研究所の成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項の給付(以下この条において「特例給付」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付の支給に関しては、研究所の成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、研究所の成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(研究所の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第四条 研究所の成立の際現に存する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が引継職員であるものは、研究所の成立の際国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律(昭和二十三年法律第二百五十七号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、研究所の成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第五条 研究所の成立の際、第十一条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、研究所の成立の時において研究所が承継する。
2 前項の規定により研究所が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から研究所に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、研究所の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第六条 前条に規定するもののほか、政府は、研究所の成立の時において現に建設中の建物等(建物及びその建物に附属する工作物をいう。次項において同じ。)で政令で定めるものを研究所に追加して出資するものとする。
2 前項の規定により政府が出資の目的とする建物等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
3 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、研究所の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(道路運送車両法の一部改正)
第八条 道路運送車両法の一部を次のように改正する。
第七十四条の三中「及び第七十四条から第七十五条の二まで」を「、第七十四条から第七十五条の二まで及び第七十五条の四」に改め、第七十五条の三の次に次の一条を加える。
(独立行政法人交通安全環境研究所の審査)
第七十五条の四 国土交通大臣は、第七十五条第一項に規定する自動車の型式についての指定及び第七十五条の二第一項に規定する特定装置の型式についての指定に関する事務のうち、当該自動車の構造、装置及び性能並びに当該特定装置が保安基準に適合するかどうかの審査を独立行政法人交通安全環境研究所(以下「研究所」という。)に行わせるものとする。
2 研究所は、前項の審査を行つたときは、遅滞なく、当該審査の結果を国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に通知しなければならない。
(自動車検査登録特別会計法の一部改正)
第九条 自動車検査登録特別会計法(昭和三十九年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「一般会計からの繰入金」の下に「、独立行政法人交通安全環境研究所法(平成十一年法律第二百七号)第十五条第三項の規定による納付金」を加え、「一般会計への繰入金及び」を「独立行政法人交通安全環境研究所に対する出資金、交付金及び施設の整備のための補助金、一般会計への繰入金並びに」に改める。
内閣総理大臣 小渕恵三
大蔵大臣 宮沢喜一
運輸大臣 二階俊博