中小企業庁設置法
法令番号: 法律第83号
公布年月日: 昭和23年7月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

中小企業問題は現下の最も深刻な問題の一つであり、その健全な育成は緊急を要する。第一に、中小企業問題は深刻な社会問題である。百人未満の工場が全体の99%を占め、その存立は産業構成上重要である。第二に、経済民主化の観点から、自由公正な競争原則のもと、中小企業を独立した競争単位として育成する必要がある。第三に、戦後の日本経済において、加工貿易の大部分を担う中小企業の水準向上は不可欠である。これらの課題に対応するため、中小企業の利益を代弁し、技術・経営指導を行う専門機関として中小企業庁を設置する。商工省の外局として独立性を保ちつつ、地方機関との連携により実効性のある施策を推進する。

参照した発言:
第2回国会 衆議院 商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第1号

審議経過

第2回国会

参議院
(昭和23年3月24日)
衆議院
参議院
衆議院
(昭和23年3月31日)
(昭和23年4月6日)
(昭和23年4月6日)
参議院
(昭和23年4月14日)
衆議院
(昭和23年5月6日)
参議院
(昭和23年5月28日)
(昭和23年6月1日)
(昭和23年6月2日)
(昭和23年6月4日)
(昭和23年6月4日)
(昭和23年6月10日)
衆議院
(昭和23年6月29日)
中小企業廳設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二日
内閣総理大臣 芦田均
法律第八十三号
中小企業廳設置法
(法律の目的)
第一條 この法律は、健全な独立の中小企業が、國民経済を健全にし、及び発達させ、経済力の集中を防止し、且つ、企業を営もうとする者に対し、公平な事業活動の機会を確保するものであるのに鑑み、中小企業を育成し、及び発展させ、且つ、その経営を向上させるに足る諸條件を確立することを目的とする。
(中小企業廳及び中小企業廳長官)
第二條 前條の目的のために、商工省の外局として、中小企業廳長官を長とする中小企業廳を設置する。
中小企業廳長官は、第三條に規定する事務を掌理する。
(中小企業廳の権限)
第三條 中小企業廳は、中小企業廳長官及びその職員をもつて左に掲げる事務を掌る。
一 中小企業に関する資材、動力、資金、生産方法、技術、経理、労働関係、輸送及び販賣等に関する事項その他中小企業の育成及び発展並びに経営の向上に必要な事項についての情報を収集し、分析し、及び供給すること。
二 中小企業の経営状況の調査及び診断並びにこれに基く必要な指示をすること。但し、その調査及び診断は、当該中小企業者の申請に基くことを必要とし、且つ、その指示は、当該中小企業者を拘束しないものとする。
三 中小企業の経営の向上に資することができる設備及び技術に関し、試驗研究機関の協力を求め、並びに中小企業者がその設備及び技術を利用することを奨励すること。
四 中小企業における新規で有益な製品又は製法等を奨励すること。
五 中小企業における製品又はその製法等を展示する会を開くこと。
中小企業廳は、中小企業に関係ある経済問題に関し調査研究し、又は國会に提出される議案につき、中小企業に関係ある事項に関し、意見を提出することができる。
中小企業廳は、中小企業に関係ある事項については、中央及び地方の行政廳の協力を求め総合的に処理することができる。
中小企業者は、行政廳の行爲により不当にその事業を阻害されたとき、又は他人の行爲により不当な取引制限を受け、若しくは他人の行爲が不公正な競爭方法であると認めるときは、中小企業廳にその事実を申し出ることができる。
前項後段の場合においては、中小企業廳は、当該事件を公正取引委員会に移さなければならない。
(組織)
第四條 中小企業廳に長官官房及び左の二局を置く。
振興局
指導局
長官官房においては、人事、会計その他庶務に関する事務を掌る。
振興局においては、前條第一項第一号及び第五号並びに第二項乃至第五項に規定する事務を掌る。
指導局においては、前條第一項第二号乃至第四号に規定する事務を掌る。
(職員)
第五條 中小企業廳の事務を行うため、中小企業廳に所要の職員を置く。
前項の職員の一部は、中小企業に関し学識経驗ある者の中から、これを命ずる。
この法律に定めるものの外、中小企業廳の職員に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第六條 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から、これを施行する。
第七條 商工省官制の一部を次のように改正する。
第九條ノ二中「所管行政ニ屬スル中小企業ノ振興ニ関スル事務及」を削る。
大藏大臣 北村徳太郎
厚生大臣 竹田儀一
農林大臣 永江一夫
商工大臣 水谷長三郎
運輸大臣 岡田勢一
内閣総理大臣 芦田均
中小企業庁設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二日
内閣総理大臣 芦田均
法律第八十三号
中小企業庁設置法
(法律の目的)
第一条 この法律は、健全な独立の中小企業が、国民経済を健全にし、及び発達させ、経済力の集中を防止し、且つ、企業を営もうとする者に対し、公平な事業活動の機会を確保するものであるのに鑑み、中小企業を育成し、及び発展させ、且つ、その経営を向上させるに足る諸条件を確立することを目的とする。
(中小企業庁及び中小企業庁長官)
第二条 前条の目的のために、商工省の外局として、中小企業庁長官を長とする中小企業庁を設置する。
中小企業庁長官は、第三条に規定する事務を掌理する。
(中小企業庁の権限)
第三条 中小企業庁は、中小企業庁長官及びその職員をもつて左に掲げる事務を掌る。
一 中小企業に関する資材、動力、資金、生産方法、技術、経理、労働関係、輸送及び販売等に関する事項その他中小企業の育成及び発展並びに経営の向上に必要な事項についての情報を収集し、分析し、及び供給すること。
二 中小企業の経営状況の調査及び診断並びにこれに基く必要な指示をすること。但し、その調査及び診断は、当該中小企業者の申請に基くことを必要とし、且つ、その指示は、当該中小企業者を拘束しないものとする。
三 中小企業の経営の向上に資することができる設備及び技術に関し、試験研究機関の協力を求め、並びに中小企業者がその設備及び技術を利用することを奨励すること。
四 中小企業における新規で有益な製品又は製法等を奨励すること。
五 中小企業における製品又はその製法等を展示する会を開くこと。
中小企業庁は、中小企業に関係ある経済問題に関し調査研究し、又は国会に提出される議案につき、中小企業に関係ある事項に関し、意見を提出することができる。
中小企業庁は、中小企業に関係ある事項については、中央及び地方の行政庁の協力を求め総合的に処理することができる。
中小企業者は、行政庁の行為により不当にその事業を阻害されたとき、又は他人の行為により不当な取引制限を受け、若しくは他人の行為が不公正な競争方法であると認めるときは、中小企業庁にその事実を申し出ることができる。
前項後段の場合においては、中小企業庁は、当該事件を公正取引委員会に移さなければならない。
(組織)
第四条 中小企業庁に長官官房及び左の二局を置く。
振興局
指導局
長官官房においては、人事、会計その他庶務に関する事務を掌る。
振興局においては、前条第一項第一号及び第五号並びに第二項乃至第五項に規定する事務を掌る。
指導局においては、前条第一項第二号乃至第四号に規定する事務を掌る。
(職員)
第五条 中小企業庁の事務を行うため、中小企業庁に所要の職員を置く。
前項の職員の一部は、中小企業に関し学識経験ある者の中から、これを命ずる。
この法律に定めるものの外、中小企業庁の職員に関して必要な事項は、政令でこれを定める。
附 則
第六条 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から、これを施行する。
第七条 商工省官制の一部を次のように改正する。
第九条ノ二中「所管行政ニ属スル中小企業ノ振興ニ関スル事務及」を削る。
大蔵大臣 北村徳太郎
厚生大臣 竹田儀一
農林大臣 永江一夫
商工大臣 水谷長三郎
運輸大臣 岡田勢一
内閣総理大臣 芦田均