中小企業退職金共済法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十九号
公布年月日: 平成14年5月10日
法令の形式: 法律
中小企業退職金共済法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年五月十日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第三十九号
中小企業退職金共済法の一部を改正する法律
中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。
第十条第二項第一号及び第二号を次のように改める。
一 二十三月以下 被共済者に係る納付された掛金の総額を下回る額として、掛金月額及び掛金納付月数に応じ政令で定める額(退職が死亡による場合にあつては、被共済者に係る納付された掛金の総額に相当する額として、掛金月額及び掛金納付月数に応じ政令で定める額)
二 二十四月以上四十二月以下 被共済者に係る納付された掛金の総額に相当する額として、掛金月額及び掛金納付月数に応じ政令で定める額
第十条第二項第三号イを次のように改める。
イ 被共済者に係る納付された掛金の総額を上回る額として、掛金月額及び掛金納付月数に応じ政令で定める額
第十条第二項第三号ロ中「退職金共済契約が効力を生じた日の属する月から」を削り、「次項」を「第四項」に、「までの各月分の掛金に係る区分掛金納付月数に応じ別表第二の下欄に定める金額を合算して得た」を「に被共済者が退職したものとみなしてイの規定を適用した場合に得られる」に改め、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「前項第三号ロ」を「第二項第三号ロ」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 前項第一号、第二号及び第三号イの政令で定める額は、納付された掛金及びその運用収入の額の総額を基礎として、予定利率並びに被共済者の退職の見込数及び退職金共済契約の解除の見込数を勘案して定めるものとする。
第十条の三第五項中「次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める率」を「分割支給期間に応じ政令で定める率」に改め、同項各号を削る。
第二十一条の三第一項中「別表第三の下欄に」を「政令で」に改める。
第二十一条の四第一項第二号中「四十八・九又は六十四・六」を「政令で定める数」に改め、同条第二項第二号ロ中「別表第四の下欄に」を「政令で」に改め、同号ハ中「年三パーセント」を「政令で定める利率」に改める。
第二十一条の五第二項第二号イ中「年三パーセント」を「政令で定める利率」に改める。
第二十九条中「第六十六条第一項第一号」を「第六十六条第一号」に改める。
第三十三条第一項中「百二十円以上四百五十円以下」を「三百円以上八百円以下」に改める。
第三十五条第一項及び第四十条中「第十条第四項」を「第十条第五項」に改める。
第四十一条及び第四十二条第一項中「第六十六条第一項第一号」を「第六十六条第一号」に改める。
第四十四条第一項中「第十条第四項」を「第十条第五項」に改める。
第四十五条中「運営し、あわせて中小企業者及びその雇用する従業員の福祉の増進を図るために必要な施設を行う」を「運営する」に改める。
第五十七条の次に次の二条を加える。
(理事長、副理事長及び理事の義務)
第五十七条の二 理事長、副理事長及び理事は、業務上の余裕金の運用の業務について、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、機構が定める業務方法書その他の規則を遵守し、機構のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
(理事長、副理事長及び理事の禁止行為)
第五十七条の三 理事長、副理事長及び理事は、自己又は機構以外の第三者の利益を図る目的をもつて、次に掲げる行為を行つてはならない。
一 特別の利益の提供を受け、又は受けるために、業務上の余裕金の運用に関する契約を機構に締結させること。
二 自己若しくは自己と利害関係のある者の有する有価証券その他の資産を機構に取得させ、又は業務上の余裕金の運用に係る資産を自己若しくは自己と利害関係のある者が取得するようにさせること。
第六十六条第一項第二号及び第三号を削り、同項第四号中「前三号」を「前号」に改め、同号を同項第二号とし、同条第二項を削る。
第六十九条第一項第五号を削り、同条第二項中「、第三号及び第五号」を「及び第三号」に改め、同条第四項を削る。
第七十条第一項、第四項、第五項、第七項及び第九項並びに第七十八条中「第六十六条第一項第一号」を「第六十六条第一号」に改める。
第七十九条第一項第一号中「次号」を「第三号」に改め、「又は金銭信託」を削り、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。
二 信託会社(信託業務を営む銀行を含む。)への信託
第七十九条第二項を削り、同条第三項中「金銭信託若しくは」を「信託(投資顧問業者(有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(昭和六十一年法律第七十四号)第二条第三項に規定する者をいう。)との投資一任契約(同条第四項に規定する契約をいう。)であつて政令で定めるものの締結によるものを除く。)又は」に改め、「又は取得した有価証券を証券会社に預託する場合」を削り、同項を同条第二項とし、同条第四項を同条第三項とし、同条第五項を次のように改める。
5 第一項第二号の規定による信託の終了又は一部の解約により機構に帰属することとなる信託財産(金銭及び同項第三号に規定する有価証券を除く。)は、直ちに、同項第二号に掲げる方法により運用しなければならない。
第七十九条中第五項を第四項とし、第六項を第五項とし、同条の次に次の一条を加える。
(余裕金の運用に関する基本方針等)
第七十九条の二 機構は、業務上の余裕金の運用に関して、運用の目的その他厚生労働省令で定める事項を記載した基本方針を作成し、当該基本方針に沿つて運用しなければならない。
2 前項の規定による基本方針は、この法律(これに基づく命令を含む。)その他の法令に反するものであつてはならない。
3 機構は、前条第一項第二号(前条第二項に規定する運用方法を特定する信託を除く。)及び第五号に掲げる方法(政令で定める保険料の払込みを除く。)により運用する場合においては、当該運用に関する契約の相手方に対して、協議に基づき第一項の規定による基本方針の趣旨に沿つて運用すべきことを、厚生労働省令で定めるところにより、示さなければならない。
第八十四条第一項中「若しくは第六十九条第一項の規定により同項第五号の業務の委託を受けた金融機関」、「若しくは受託金融機関」及び「若しくは事業場」を削り、同項ただし書を削る。
第八十六条第一項第一号中「、第七十九条第五項」及び「(第七十九条第五項の規定により厚生労働大臣及び経済産業大臣が認可をする場合を除く。)」を削り、同項第二号を削り、同項第三号を同項第二号とし、同項第四号中「第七十九条第三項」を「第七十九条第二項」に改め、同号を同項第三号とし、同項第五号中「第二号」を「第三号」に改め、同号を同項第四号とし、同条第二項中「第五号」を「第四号」に改め、同項第四号を削り、同項第五号を同項第四号とし、同項第六号中「第二号」を「第三号」に改め、同号を同項第五号とし、同条第三項中「次に掲げる場合には」を「第七十二条の規定による認可(事業計画の認可に限る。)をしようとするときは」に改め、同項ただし書中「、第一号の場合にあつては」を削り、同項各号を削り、同条第四項中「次に掲げる場合には」を「第七十九条第一項第一号又は第三号の規定による指定をしようとするときは」に改め、同項各号を削る。
第九十一条第一項及び第三項中「第十条第四項」を「第十条第五項」に改める。
第九十三条中「一に」を「いずれかに」に、「二十万円」を「三十万円」に改める。
第九十五条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第三号中「第六十六条第一項」を「第六十六条」に改め、同条第四号中「第四項」を「第三項」に改める。
附則第二条から第十五条までを削り、附則第一条の見出し及び条名を削る。
別表第一から別表第五までを削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(退職金等に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に効力を生じた退職金共済契約(以下「施行日前退職金共済契約」という。)の被共済者が施行日前に退職した場合における退職金の額については、なお従前の例による。
第三条 施行日前退職金共済契約の被共済者が施行日以後に退職した場合における退職金の額に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第四条 改正後の中小企業退職金共済法(以下「新法」という。)第十条第二項第三号ロの支給率に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第五条 新法第十条の三第五項の規定は、施行日前に退職した被共済者であって厚生労働省令で定める日までの間に退職金を分割払の方法により支給することを請求したもの(以下この条において「特定退職者」という。)以外のものについて適用し、特定退職者に係る同条第五項の分割支給率については、なお従前の例による。
第六条 施行日前退職金共済契約が施行日前に解除された場合における解約手当金の額については、なお従前の例による。
第七条 施行日前退職金共済契約が施行日以後に解除された場合における解約手当金の額に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第八条 施行日以後に効力を生じた退職金共済契約について施行日前退職金共済契約に係る掛金納付月数(新法第十条第一項に規定する掛金納付月数をいう。)を新法第十四条の規定により通算する被共済者が退職したときにおける退職金の額及び当該被共済者に係る退職金共済契約が解除されたときにおける解約手当金の額に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第九条 新法第二十一条の三第一項の規定は、施行日以後に効力を生じた退職金共済契約の被共済者に係る過去勤務掛金(同項の過去勤務掛金をいう。以下この条において同じ。)について適用し、施行日前退職金共済契約の被共済者に係る過去勤務掛金については、なお従前の例による。
(貸し付けられた資金に係る債権に関する業務)
第十条 機構は、旧法第六十六条第一項第三号の規定により貸し付けられた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、新法第六十六条に規定する業務のほか、当該債権の管理及び回収を行う。
(機構の業務の委託等)
第十一条 機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、金融機関に対し、前条の業務の一部を委託することができる。
2 厚生労働大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
3 第一項の規定による厚生労働大臣の認可があった場合においては、金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、当該認可に係る業務を受託することができる。
4 第一項の規定により業務の委託を受けた金融機関の役員又は職員であって当該委託業務に従事するものは、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十二条 この法律の施行の際現に旧法第六十九条第一項の規定に基づき機構が同項の認可を受けて金融機関に対して行っている同項第五号の業務の一部の委託については、機構が前条第一項の規定に基づき金融機関に対して行っている委託とみなす。
(機構の業務の実施に伴う特例)
第十三条 附則第十条の規定により機構の業務が行われる場合には、新法第八十三条第二項中「この法律」とあるのは「この法律又は中小企業退職金共済法の一部を改正する法律(平成十四年法律第三十九号。以下「一部改正法」という。)」と、新法第八十四条第一項中「この法律」とあるのは「この法律又は一部改正法」と、「機構に」とあるのは「機構若しくは一部改正法附則第十一条第一項若しくは附則第十二条の規定により一部改正法附則第十条の業務の委託を受けた金融機関(以下この項において「受託金融機関」という。)に」と、「機構の」とあるのは「機構若しくは受託金融機関の」と、「検査させること」とあるのは「検査させること(受託金融機関に対しては、同条の業務の範囲内に限る。)」と、新法第九十五条中「第六十九条第一項」とあるのは「第六十九条第一項又は一部改正法附則第十一条第一項若しくは附則第十二条」と、同条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は一部改正法」と、同条第三号中「第六十六条」とあるのは「第六十六条又は一部改正法附則第十条」と、同条第五号中「第八十三条第二項」とあるのは「第八十三条第二項(一部改正法附則第十三条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」と、同条第六号中「第八十四条第一項」とあるのは「第八十四条第一項(一部改正法附則第十三条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」とする。
(罰則に関する経過措置)
第十四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(登録免許税法の一部改正)
第十六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第三の三の項を次のように改める。
三 勤労者退職金共済機構
中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)
事務所用建物の所有権の取得登記又は当該建物の敷地の用に供する土地の権利の取得登記
第三欄の登記に該当するものであることを証する財務省令で定める書類の添付があるものに限る。
(確定給付企業年金法の一部改正)
第十七条 確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の一部を次のように改正する。
附則第二十八条第一項中「次に掲げる額を合算して得た金額」を「政令で定める額」に、「当該附則別表の上欄に定める金額に応じ同表の下欄に定める月数」を「政令で定める月数」に改め、同項各号を削る。
附則別表を削る。
(確定給付企業年金法の一部改正に伴う経過措置)
第十八条 前条の規定による改正後の確定給付企業年金法附則第二十八条第一項の規定は、施行日以後に効力が生じた退職金共済契約について適用し、施行日前退職金共済契約については、なお従前の例による。
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
経済産業大臣 平沼赳夫
内閣総理大臣 小泉純一郎