(支給要件)
第四条 国は、重度精神薄弱児の父若しくは母がその重度精神薄弱児を監護するとき、又は父母がないか若しくは父母が監護しない場合において、当該重度精神薄弱児の父母以外の者がその重度精神薄弱児を養育する(その重度精神薄弱児と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その父若しくは母又はその養育者に対し、重度精神薄弱児扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。
2 前項の場合において、当該重度精神薄弱児を父及び母が監護するときは、当該父又は母のうち、主として当該重度精神薄弱児の生計を維持する者(当該父及び母がいずれも当該重度精神薄弱児の生計を維持しないものであるときは、当該父又は母のうち、主として当該重度精神薄弱児を介護する者)に支給するものとする。
3 第一項の規定にかかわらず、手当は、重度精神薄弱児が次の各号のいずれかに該当するときは、当該重度精神薄弱児については、支給しない。
三 父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
四 父若しくは母の死亡について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)若しくは国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定による遺族補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による遺族補償費その他政令で定める法令によるこれらに相当する給付を受けることができる場合、父若しくは母の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる母若しくは父の監護を受けている場合又は父若しくは母の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる者の養育を受けている場合であつて、当該給付の事由が発生した日から六年を経過していないとき。
五 公的年金給付の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となつているとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
六 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号に規定する里親に委託されているとき。
4 第一項の規定にかかわらず、手当は、父母に対する手当にあつては当該父母が、養育者に対する手当にあつては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
三 国民年金法に基づく障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金並びに児童扶養手当法に基づく児童扶養手当以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
(手当額)
第五条 手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、千円に、前条に定める支給要件に該当する父若しくは母又は養育者が監護し又は養育する同条第三項の規定に該当しない重度精神薄弱児の数を乗じて得た額とする。
(認定)
第六条 手当の支給要件に該当する者(以下「受給資格者」という。)は、手当の支給を受けようとするときは、その受給資格及び手当の額について、都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 前項の認定を受けた者が、手当の支給要件に該当しなくなつた後再びその要件に該当するに至つた場合において、その該当するに至つた後の期間に係る手当の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
(支給の制限)
第七条 手当は、第四条に定める支給要件に該当する者が前年において二十万円(その者が前年の十二月三十一日において重度精神薄弱児又は児童扶養手当法第三条第一項に規定する児童(重度精神薄弱児を除く。以下「児童」という。)の生計を維持したときは、二十万円にその重度精神薄弱児又は児童一人につき三万円を加算した額とする。)をこえる所得を有したときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
第八条 手当は、第四条に定める支給要件に該当する者の配偶者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額をこえるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 所得税法第十二条の規定を適用した場合に所得税が課せられないこととなる同法第九条第一項第五号に規定する給与所得の最高額
二 扶養親族等が一人である場合 前号の額に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額に相当する額を加算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 前号の額に扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額に相当する額を加算した額
第九条 父又は母に対する手当は、その父又は母の民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその父又は母と生計を同じくするものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 給与所得の収入金額四十万円につき所得税法第九条第一項の規定により計算した額
二 扶養親族等が一人である場合 給与所得の収入金額四十万円に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額を加算した額につき同法第九条第一項第五号の規定により計算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 給与所得の収入金額四十万円に次に掲げる額を加算した額につき所得税法第九条第一項第五号の規定により計算した額
イ 所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
ロ 扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額と同号ロに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
第十条 養育者に対する手当は、その養育者の民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその養育者の生計を維持するものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前条各号の規定により計算した額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
第十一条 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する控除対象配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね二分の一以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の四月までの手当については、その損害を受けた年の前年又は前前年における当該被災者の所得に関しては、第七条から前条までの規定を適用しない。
2 前項の規定により同項に規定する期間に係る手当が支給された場合において、次の各号に該当するときは、その支給を受けた者は、それぞれ当該各号に規定する手当で同項に規定する期間に係るものに相当する金額を国に返還しなければならない。
一 当該被災者が損害を受けた年において二十万円(当該被災者がその年の十二月三十一日において重度精神薄弱児又は児童の生計を維持したときは、二十万円にその重度精神薄弱児又は児童一人につき三万円を加算した額とする。)をこえる所得を有したこと。 当該被災者に支給された手当
二 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第八条各号の規定の例により計算した額をこえること。 当該被災者の配偶者に支給された手当
三 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第九条各号の規定の例により計算した額をこえること。 当該被災者を扶養義務者とする者に支給された手当
第十二条 第七条から第十条まで及び前条第二項各号に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
2 第八条から第十条までの規定により所得の額と比較すべき額の計算につき所得税法の規定を適用すべき場合においては、当該所得につき適用される同法の当該規定によるものとする。
第十三条 手当は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部を支給しないことができる。
一 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十四条第一項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたとき。
二 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十四条第二項の規定による当該職員の判定を拒んだとき。
三 受給資格者が、当該重度精神薄弱児の監護又は養育を著しく怠つているとき。
第十四条 手当の支給を受けている者が、正当な理由がなくて、第二十三条第一項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、手当の支給を一時差しとめることができる。
(未支払の手当)
第十五条 手当の受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき手当で、まだその者に支払つていなかつたものがあるときは、その者が監護し又は養育していた第四条第三項の規定に該当しない重度精神薄弱児にその未支払の手当を支払うことができる。
(児童扶養手当法の準用)
第十六条 児童扶養手当法第七条及び第八条の規定は、手当の支給について準用する。この場合において、同法第八条第一項及び第三項中「児童」とあるのは、「重度精神薄弱児」と読み替えるものとする。