重度精神薄弱児扶養手当法
法令番号: 法律第134号
公布年月日: 昭和39年7月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

従来の精神薄弱児への福祉施策は、児童相談所による相談指導や施設・里親制度による援護など、将来の自立に向けた保護や指導が中心であった。しかし今後は、在宅で介護されている重度精神薄弱児の福祉増進のため、国の責任において特別な手当を支給する必要がある。そこで、日常生活で常時介護を要する20歳未満の重度精神薄弱児を監護・養育する者に対し、児童一人当たり月額千円を支給する制度を設けることとした。ただし、公的年金受給者や一定所得以上の者は対象外とする。費用は全額国庫負担とし、昭和39年9月1日から施行する。これにより精神薄弱児対策の前進を図るものである。

参照した発言:
第46回国会 参議院 社会労働委員会 第17号

審議経過

第46回国会

参議院
(昭和39年3月24日)
(昭和39年3月31日)
衆議院
(昭和39年5月7日)
(昭和39年5月27日)
(昭和39年5月28日)
(昭和39年6月3日)
(昭和39年6月4日)
(昭和39年6月4日)
参議院
(昭和39年6月9日)
(昭和39年6月25日)
衆議院
(昭和39年6月26日)
参議院
(昭和39年6月26日)
(昭和39年6月26日)
重度精神薄弱児扶養手当法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年七月二日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百三十四号
重度精神薄弱児扶養手当法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
重度精神薄弱児扶養手当の支給(第四条―第十六条)
第三章
不服申立て(第十七条―第二十条)
第四章
雑則(第二十一条―第三十一条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、国が、重度精神薄弱児について重度精神薄弱児扶養手当を支給することにより、重度精神薄弱児の福祉の増進を図ることを目的とする。
(重度精神薄弱児扶養手当の趣旨)
第二条 重度精神薄弱児扶養手当は、重度精神薄弱児の生活の向上に寄与することを趣旨として支給されるものであつて、その支給を受けた者は、これをその趣旨に従つて用いなければならない。
(用語の定義)
第三条 この法律において「重度精神薄弱児」とは、二十歳未満であつて、精神の発達が遅滞しているため、日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある者をいう。
2 この法律において「公的年金給付」とは、次の各号に掲げる給付をいう。
一 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)に基づく年金たる給付
二 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)に基づく年金たる給付(同法附則第二十八条に規定する共済組合が支給する年金たる給付を含む。)
三 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)に基づく年金たる給付
四 恩給法(大正十二年法律第四十八号。他の法律において準用する場合を含む。)に基づく年金たる給付
五 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)及び国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法(昭和三十三年法律第百二十九号)に基づく年金たる給付
六 地方公務員の退職年金に関する条例に基づく年金たる給付
七 地方公務員共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)に基づく年金たる給付
八 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)に基づく年金たる給付
九 公共企業体職員等共済組合法(昭和三十一年法律第百三十四号)に基づく年金たる給付
十 農林漁業団体職員共済組合法(昭和三十三年法律第九十九号)に基づく年金たる給付
十一 国会議員互助年金法(昭和三十三年法律第七十号)に基づく年金たる給付
十二 執達吏規則(明治二十三年法律第五十一号)に基づく年金たる給付
十三 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号)に基づいて国家公務員共済組合連合会が支給する年金たる給付
十四 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)に基づく年金たる給付(遺族給与金を含む。)
十五 未帰還者留守家族等援護法(昭和二十八年法律第百六十一号)に基づく留守家族手当及び特別手当(同法附則第四十六項に規定する手当を含む。)
十六 児童扶養手当法(昭和三十六年法律第二百三十八号)に基づく児童扶養手当
3 この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「父」には、母が当該重度精神薄弱児を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含むものとする。
第二章 重度精神薄弱児扶養手当の支給
(支給要件)
第四条 国は、重度精神薄弱児の父若しくは母がその重度精神薄弱児を監護するとき、又は父母がないか若しくは父母が監護しない場合において、当該重度精神薄弱児の父母以外の者がその重度精神薄弱児を養育する(その重度精神薄弱児と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その父若しくは母又はその養育者に対し、重度精神薄弱児扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。
2 前項の場合において、当該重度精神薄弱児を父及び母が監護するときは、当該父又は母のうち、主として当該重度精神薄弱児の生計を維持する者(当該父及び母がいずれも当該重度精神薄弱児の生計を維持しないものであるときは、当該父又は母のうち、主として当該重度精神薄弱児を介護する者)に支給するものとする。
3 第一項の規定にかかわらず、手当は、重度精神薄弱児が次の各号のいずれかに該当するときは、当該重度精神薄弱児については、支給しない。
一 日本国民でないとき。
二 日本国内に住所を有しないとき。
三 父又は母の死亡について支給される公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
四 父若しくは母の死亡について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)若しくは国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定による遺族補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による遺族補償費その他政令で定める法令によるこれらに相当する給付を受けることができる場合、父若しくは母の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる母若しくは父の監護を受けている場合又は父若しくは母の死亡について支給されるこれらの給付を受けることができる者の養育を受けている場合であつて、当該給付の事由が発生した日から六年を経過していないとき。
五 公的年金給付の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となつているとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
六 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号に規定する里親に委託されているとき。
4 第一項の規定にかかわらず、手当は、父母に対する手当にあつては当該父母が、養育者に対する手当にあつては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
一 日本国民でないとき。
二 日本国内に住所を有しないとき。
三 国民年金法に基づく障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金及び老齢福祉年金並びに児童扶養手当法に基づく児童扶養手当以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
(手当額)
第五条 手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、千円に、前条に定める支給要件に該当する父若しくは母又は養育者が監護し又は養育する同条第三項の規定に該当しない重度精神薄弱児の数を乗じて得た額とする。
(認定)
第六条 手当の支給要件に該当する者(以下「受給資格者」という。)は、手当の支給を受けようとするときは、その受給資格及び手当の額について、都道府県知事の認定を受けなければならない。
2 前項の認定を受けた者が、手当の支給要件に該当しなくなつた後再びその要件に該当するに至つた場合において、その該当するに至つた後の期間に係る手当の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
(支給の制限)
第七条 手当は、第四条に定める支給要件に該当する者が前年において二十万円(その者が前年の十二月三十一日において重度精神薄弱児又は児童扶養手当法第三条第一項に規定する児童(重度精神薄弱児を除く。以下「児童」という。)の生計を維持したときは、二十万円にその重度精神薄弱児又は児童一人につき三万円を加算した額とする。)をこえる所得を有したときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
第八条 手当は、第四条に定める支給要件に該当する者の配偶者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額をこえるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 所得税法第十二条の規定を適用した場合に所得税が課せられないこととなる同法第九条第一項第五号に規定する給与所得の最高額
二 扶養親族等が一人である場合 前号の額に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額に相当する額を加算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 前号の額に扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額に相当する額を加算した額
第九条 父又は母に対する手当は、その父又は母の民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその父又は母と生計を同じくするものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ次の各号に規定する額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
一 扶養親族等がない場合 給与所得の収入金額四十万円につき所得税法第九条第一項の規定により計算した額
二 扶養親族等が一人である場合 給与所得の収入金額四十万円に所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額を加算した額につき同法第九条第一項第五号の規定により計算した額
三 扶養親族等が二人以上である場合 給与所得の収入金額四十万円に次に掲げる額を加算した額につき所得税法第九条第一項第五号の規定により計算した額
イ 所得税法第十一条の九第一項に規定する控除額と同法第十一条の十第一項第二号イに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
ロ 扶養親族等のうち一人を除いた扶養親族等一人につき所得税法第十一条の十第一項第一号イに規定する控除額と同号ロに規定する控除額とを合算した額の二分の一に相当する額
第十条 養育者に対する手当は、その養育者の民法第八百七十七条第一項に定める扶養義務者でその養育者の生計を維持するものの前年の所得が、その者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ前条各号の規定により計算した額以上であるときは、その年の五月から翌年の四月までは、支給しない。
第十一条 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、自己又は所得税法に規定する控除対象配偶者若しくは扶養親族の所有に係る住宅、家財又は政令で定めるその他の財産につき被害金額(保険金、損害賠償金等により補充された金額を除く。)がその価格のおおむね二分の一以上である損害を受けた者(以下「被災者」という。)がある場合においては、その損害を受けた月から翌年の四月までの手当については、その損害を受けた年の前年又は前前年における当該被災者の所得に関しては、第七条から前条までの規定を適用しない。
2 前項の規定により同項に規定する期間に係る手当が支給された場合において、次の各号に該当するときは、その支給を受けた者は、それぞれ当該各号に規定する手当で同項に規定する期間に係るものに相当する金額を国に返還しなければならない。
一 当該被災者が損害を受けた年において二十万円(当該被災者がその年の十二月三十一日において重度精神薄弱児又は児童の生計を維持したときは、二十万円にその重度精神薄弱児又は児童一人につき三万円を加算した額とする。)をこえる所得を有したこと。 当該被災者に支給された手当
二 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第八条各号の規定の例により計算した額をこえること。 当該被災者の配偶者に支給された手当
三 当該被災者の当該損害を受けた年の所得が、当該被災者の扶養親族等の有無及び数に応じて、それぞれ第九条各号の規定の例により計算した額をこえること。 当該被災者を扶養義務者とする者に支給された手当
第十二条 第七条から第十条まで及び前条第二項各号に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
2 第八条から第十条までの規定により所得の額と比較すべき額の計算につき所得税法の規定を適用すべき場合においては、当該所得につき適用される同法の当該規定によるものとする。
第十三条 手当は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部を支給しないことができる。
一 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十四条第一項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたとき。
二 受給資格者が、正当な理由がなくて、第二十四条第二項の規定による当該職員の判定を拒んだとき。
三 受給資格者が、当該重度精神薄弱児の監護又は養育を著しく怠つているとき。
第十四条 手当の支給を受けている者が、正当な理由がなくて、第二十三条第一項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、手当の支給を一時差しとめることができる。
(未支払の手当)
第十五条 手当の受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき手当で、まだその者に支払つていなかつたものがあるときは、その者が監護し又は養育していた第四条第三項の規定に該当しない重度精神薄弱児にその未支払の手当を支払うことができる。
(児童扶養手当法の準用)
第十六条 児童扶養手当法第七条及び第八条の規定は、手当の支給について準用する。この場合において、同法第八条第一項及び第三項中「児童」とあるのは、「重度精神薄弱児」と読み替えるものとする。
第三章 不服申立て
(異議申立て)
第十七条 都道府県知事のした手当の支給に関する処分に不服がある者は、都道府県知事に異議申立てをすることができる。
(決定又は裁決をすべき期間)
第十八条 都道府県知事は、前条の異議申立てがあつたときは、六十日以内に、当該異議申立てに対する決定をしなければならない。
2 異議申立人は、前項の期間内に決定がないときは、都道府県知事が異議申立てを棄却したものとみなすことができる。
3 前二項の規定は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が第二十九条の規定による委任に基づいてした処分についての審査請求に対して都道府県知事がすべき裁決について準用する。
(時効の中断)
第十九条 手当の支給に関する処分についての不服申立ては、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
(不服申立てと訴訟との関係)
第二十条 第十七条に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する都道府県知事の決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第四章 雑則
(事務費の交付)
第二十一条 国は、政令の定めるところにより、都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対し、都道府県知事及び市町村長がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定によつて行なう事務の処理に必要な費用を交付する。
(戸籍事項の無料証明)
第二十二条 市町村長(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市においては、区長とする。)は、都道府県知事又は受給資格者に対して、当該市町村の条例の定めるところにより、受給資格者又はその監護し若しくは養育する重度精神薄弱児の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。
(届出)
第二十三条 手当の支給を受けている者は、厚生省令の定めるところにより、都道府県知事に対し、厚生省令で定める事項を届け出、かつ、厚生省令で定める書類その他の物件を提出しなければならない。
2 手当の支給を受けている者が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、厚生省令の定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(調査)
第二十四条 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、受給資格者に対して、受給資格の有無及び手当の額の決定のために必要な事項に関する書類その他の物件を提出すべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの事項に関し受給資格者若しくはその他の関係人に質問させることができる。
2 厚生大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員をして、手当の支給が行なわれる重度精神薄弱児につき、その精神薄弱の状態の判定をさせることができる。
3 前二項の規定によつて質問又は判定を行なう当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(資料の提供等)
第二十五条 都道府県知事は、手当の支給に関する処分に関し必要があると認めるときは、受給資格者、当該重度精神薄弱児又は受給資格者の配偶者若しくは扶養義務者の資産若しくは収入の状況又は受給資格者、当該重度精神薄弱児若しくは当該重度精神薄弱児がその支給の要件となり、若しくはその額の加算の対象となつている公的年金給付を受けることができる者に対する公的年金給付の支給状況につき、郵便局その他の官公署、公的年金給付に係る年金制度の管掌者たる組合若しくは国家公務員共済組合連合会に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは受給資格者の雇用主その他の関係人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。
(手当の支払)
第二十六条 手当の支払に関する事務は、政令の定めるところにより政令で定める機関に取り扱わせる場合を除き、郵政大臣が取り扱うものとする。
2 厚生大臣は、前項の規定により郵政大臣が手当の支払に関する事務を取り扱う場合には、その支払に必要な資金を郵政大臣の指定する出納官吏に交付しなければならない。
(児童扶養手当法の準用)
第二十七条 児童扶養手当法第二十二条から第二十六条まで及び第三十一条の規定は、手当に関する時効、不正利得の徴収、受給権の保護、公課の禁止、期間の計算及び支払の調整について準用する。この場合において、同法第三十一条中「第十三条第二項」とあるのは、「重度精神薄弱児扶養手当法第十一条第二項」と読み替えるものとする。
(実施命令)
第二十八条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、省令で定める。
(事務の委任)
第二十九条 手当の支給に関する事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村長に行なわせることができる。
(罰則)
第三十条 偽りその他不正の手段により手当を受けた者は、三年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治四十年法律第四十五号)に正条があるときは、刑法による。
第三十一条 第二十三条第二項の規定に違反して届出をしなかつた戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、一万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十九年九月一日から施行する。ただし、附則第二項の規定は、公布の日から施行する。
(認定の請求に関する経過措置)
2 昭和三十九年九月一日において手当の支給要件に該当すべき者は、同日前においても、同日にその要件に該当することを条件として、当該手当について第六条第一項の認定の請求の手続をとることができる。
(手当の支給に関する経過措置)
3 前項の手続をとつた者が、この法律の施行の際手当の支給要件に該当しているときは、その者に対する手当の支給は、第十六条において準用する児童扶養手当法第七条第一項の規定にかかわらず、昭和三十九年九月から始める。
4 この法律の施行の際現に手当の支給要件に該当している者又はこの法律の施行後昭和三十九年十月三十一日までの間に手当の支給要件に該当するに至つた者が、同年十一月三十日までの間に第六条第一項の認定の請求をしたときは、その者に対する手当の支給は、第十六条において準用する児童扶養手当法第七条第一項の規定にかかわらず、同年九月又はその者が手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の翌月から始める。
5 昭和三十八年分の所得につき、第八条から第十条までの規定を適用する場合においては、第八条及び第九条(第十条の規定を適用する場合及び第十一条第二項において例による場合を含む。)中「所得税法第十一条の九」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の八」と、「所得税法第十一条の十」とあるのは「所得税法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第二十号)による改正前の所得税法第十一条の九」と、それぞれ読み替えるものとし、昭和三十九年の所得につき、第九条(第十条の規定を適用する場合及び第十一条第二項において例による場合を含む。)の規定を適用する場合においては、第九条第三号ロ中「同号ロに規定する控除額」とあるのは、「三万八千八百円」と読み替えるものとする。
6 第九条第二号(第十条の規定を適用する場合及び第十一条第二項において例による場合を含む。)に規定する額は、同号の規定にかかわらず、当分の間、三十九万六千円とする。
(地方財政法の一部改正)
7 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第十条の四第七号中「及び児童扶養手当」を「、児童扶養手当及び重度精神薄弱児扶養手当」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
8 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十三条第五号の二の次に次の一号を加える。
五の三 重度精神薄弱児扶養手当法(昭和三十九年法律第百三十四号)を施行すること。
内閣総理大臣 池田勇人
法務大臣 賀屋興宣
大蔵大臣 田中角栄
厚生大臣 小林武治
郵政大臣 古池信三
自治大臣 赤沢正道