(商品仲買人の要件)
第四十一條 商品市場において売買取引をすることができる商品仲買人は、当該商品市場において売買取引をすることができる会員であつて、取引所別に主務省に備える商品仲買人登録簿に登録を受けたものに限る。
(資産上の要件)
第四十二條 取引所は、その定款をもつて、上場商品ごとに、商品市場において当該商品を売買取引する商品仲買人の純資産額の最低額を定めなければならない。但し、当該最低額は、商品の取引單位、取引高その他の取引事情及び委託者の保護を考慮して商品ごとに政令で定める額を下つてはならない。
2 商品仲買人が二種以上の商品を商品市場において売買取引する場合においては、それぞれの商品についての前項の純資産額の最低額のうち最も多い額のものをその商品仲買人の純資産額の最低額とする。
3 商品仲買人の純資産額が前二項の規定による最低額を下ることとなつたときは、主務大臣は、理由を示し、遅滯なく、当該商品仲買人に商品市場における売買取引の受託の停止を命じ、且つ、その旨をその者の所属する取引所に通知しなければならない。
4 前項の場合において、当該商品仲買人が受託の停止を命ぜられた日から六月以内にその者の純資産額が第一項又は第二項の規定による最低額以上に回復したときは、主務大臣は、前項の規定による受託の停止を解除しなければならない。
5 二種以上の商品について委託を受けて商品市場において売買取引する商品仲買人で第三項の規定により売買取引の受託を停止されたものの純資産額が第二項の規定による最低額には満たないが、停止前にその売買取引していた商品のいずれかについての第一項の規定による最低額以上である場合において、当該商品仲買人が前項に規定する期間内に当該最低額に係る商品のみを委託を受けて商品市場において売買取引することについての届出書を主務大臣に提出したときは、主務大臣は、第三項の規定による売買取引の受託の停止を当該商品について解除しなければならない。
6 第三項の場合において、商品仲買人の純資産額が第四項に規定する期間内に第一項の規定による最低額以上に回復しないとき、又は第四項に規定する期間内に第二項の規定による最低額以上に回復せず、且つ、商品仲買人が前項の規定による届出をしないときは、主務大臣は、当該商品仲買人の登録を取り消さなければならない。
7 第五項の場合において、第三項の規定による売買取引の受託の停止を解除されない商品については、主務大臣は、第四項に規定する期間経過後なるべくすみやかに当該商品仲買人に関する登録事項中当該商品に係る部分をまつ消しなければならない。
8 主務大臣は、第四項若しくは第五項の規定により受託の停止を解除したとき、第六項の規定により登録を取り消したとき、又は前項の規定により登録事項をまつ消したときは、理由を示し、遅滯なく、その旨を本人及びその者の所属する取引所に通知しなければならない。
9 第十五條第二項から第六項までの規定は、第三項から第七項までの規定により主務大臣が受託の停止を命じ、若しくは解除し、又は登録事項をまつ消する場合について、第二十五條第八項の規定は、第一項の純資産額の計算について準用する。この場合において、第十五條第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人にその旨を通知し、当該商品仲買人(法人である場合には、その役員)」と読み替えるものとする。
(商品仲買人の特権)
第四十三條 商品仲買人以外の者は、商品市場における売買取引の委託を受けることができない。
(登録の申請)
第四十四條 商品仲買人になろうとする者は、左に掲げる事項を記載した登録申請書をその者が商品仲買人として売買取引しようとする商品市場を開設する取引所ごとに作製し、その者の所属する当該取引所を経由して、これを主務大臣に提出しなければならない。
二 本店又は主たる事務所及び商品市場における売買取引の受託を取り扱う支店その他の従たる営業所又は事務所の名称及び所在の場所
三 その者が商品仲買人として商品市場において売買取引する商品及び当該商品市場を開設する取引所の名称
四 法人であるときは、その資本金額(出資総額若しくは株金総額又は出資総額及び株金総額の合計額をいう。)及び役員の氏名
2 前項の場合において、当該取引所は、登録申請者が前項第三号の商品を商品市場において売買取引することができる会員であるときは、これを受理し、遅滯なく、主務大臣に送付しなければならない。
3 第一項の登録申請書には、左に掲げる書類を添附しなければならない。
一 法人であるときは、定款、当該法人の登記簿の謄本、役員の履歴書及び戸籍抄本又は戸籍証明書並びに当該法人が第二十四條第一項第一号から第三号まで、第六号及び第八号に掲げる者に該当しないことを誓約する書面、直前事業年度の貸借対照表及び損益計算書並びに第四十二條第一項に規定する純資産額に関する調書
二 個人であるときは、その者(その者に法定代理人があるときは、その者及びその法定代理人。以下本号において同じ。)の履歴書及び戸籍抄本又は戸籍証明書、その者が第二十四條第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面並びに第四十二條第一項に規定する純資産額に関する調書
4 前項各号の純資産額に関する調書は、登録申請日前三十日以内の日の現在において作製したものでなければならない。
(登録及びその通知)
第四十五條 前條第一項の規定による登録の申請があつた場合においては、第四十八條の規定により登録を拒否する場合を除くの外、主務大臣は、登録申請書を受理した日から六十日を経過した日までに、商品仲買人登録簿に前條第一項各号に掲げる事項及び登録年月日を登録しなければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滯なく、その旨を登録申請者及びその者の所属する取引所に通知しなければならない。
(登録手数料及び仲買保証金)
第四十六條 前條第二項の通知を受けた登録申請者は、通知を受けた日から三十日以内に、政令で定めるところにより、登録手数料として三千円を納付しなければならない。
2 登録申請者は、前項の登録手数料を納付し、且つ、第四十七條第一項の仲買保証金を預託した後でなければ、商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。
(仲買保証金)
第四十七條 商品仲買人は、第四十五條第二項の通知を受けたときは、取引所の定款で定めるところにより、取引所に対し、第四十五條第一項の規定による登録がしてある商品ごとに、並びに本店又は主たる事務所及び同項の規定による登録がしてある支店その他従たる営業所又は事務所ごとに、第二項の規定により取引所の定款で定める仲買保証金を預託しなければならない。
2 前項及び第五十條第一項に規定する仲買保証金の額は、商品ごとに、当該商品仲買人の本店又は主たる事務所については三十万円、前項に規定する支店その他の従たる営業所又は事務所については一箇所につき五万円を下らない範囲内で取引所が定款で定める。
3 商品仲買人に対して商品市場における売買取引を委託した者は、その委託により生じた債権に関し、当該商品仲買人の当該商品市場において売買取引する商品についての仲買保証金について、他の債権者に先だつて弁済を受ける権利を有する。
4 第三十八條第三項、第四項及び第六項の規定は、仲買保証金について準用する。
(登録の拒否)
第四十八條 主務大臣は、商品仲買人の登録を申請した者が左の各号の一に該当すると認めるときは、その登録を拒否しなければならない。
二 純資産額が第四十二條第一項の規定により取引所の定める額に満たないとき。
三 他の会員が現に使用する商号又は他の会員の営業若しくは事業と誤認される虞のある商号を当該会員の許諾を得ないで使用しようとするとき。
四 登録申請者が提出した登録申請書又は第四十四條第三項各号に掲げる書類の記載事項のうちに、重要な事項について虚僞の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき。
2 第十五條第二項から第六項まで及び第四十五條第二項の規定は、前項の規定による登録の拒否について準用する。この場合において、第十五條第二項中「登録申請者又は」とあるのは「登録申請者(法人である場合には、その役員)又は」と読み替えるものとする。
(登録の変更)
第四十九條 商品仲買人は、第四十四條第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる事項について変更があつたときは、遅滯なく、その旨の変更届出書をその者の所属する取引所を経由して、主務大臣に提出しなければならない。
2 前項の変更届出書には、その変更を証する書面並びに変更の届出が新たに就任した役員に係るものであるときは、当該役員の履歴書、戸籍抄本又は戸籍証明書及びその者が第二十四條第一項第一号から第六号までに掲げる者に該当しないことを誓約する書面を添附しなければならない。但し、その変更が第四十四條第一項第二号に係るものであるときは、この限りでない。
3 商品仲買人は、第四十四條第一項第三号に掲げる事項について変更しようとするときは、その者の所属する取引所を経由して、主務大臣に登録変更申請書を提出しなければならない。
4 第十五條第二項から第六項まで、第四十四條第二項、第四十五條、第四十六條第二項及び前條第一項並びに同條第二項中第四十五條第二項の準用に関する部分の規定は、第一項の規定による変更の届出及び前項の規定による変更の申請について準用する。この場合において、第十五條第二項、第四十四條第二項、第四十五條第二項及び前條第一項第四号中「登録申請者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者」と、第十五條第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者にその旨を通知し、変更届出者又は登録変更申請者(これらの者が法人である場合には、その役員)」と、第四十五條第一項及び前條第一項第四号中「登録申請書」とあるのは「変更届出書又は登録変更申請書」と、第四十五條第二項中「前項の規定による登録」とあるのは「第四十九條第四項において準用する前項又は第四十八條第一項の規定による登録の変更又は登録の変更の拒否」と、前條第一項中「商品仲買人の登録を申請した者」とあるのは「変更届出者又は登録変更申請者」と読み替えるものとする。
(新営業所についての仲買保証金)
第五十條 商品仲買人は、新たに商品市場における売買取引の受託を取り扱う支店その他の従たる営業所又は事務所を設置する場合において、主務大臣からこれに関する登録変更をした旨の通知を受けたときは、取引所の定款で定めるところにより、当該営業所又は事務所についての仲買保証金を取引所に対し、預託しなければならない。
2 商品仲買人は、前項の仲買保証金を預託した後でなければ、当該支店その他の従たる営業所又は事務所において商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。
(届出事項)
第五十一條 商品仲買人は、第四十二條第五項及び第四十九條第一項の規定により届け出る場合の外、左の各号の一に該当するときは、遅滯なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
一 第二十四條第一項第一号、第二号、第六号から第八号まで若しくは第四十八條第一項第二号の一に掲げる者に該当することになつたとき、又は登録当時第二十四條第一項各号若しくは第四十八條第一項第二号の一に掲げる者に該当していたことが判明したとき。
二 死亡又は解散以外の事由に因り取引所を脱退したとき。
三 商品市場における売買取引の受託業務を廃止したとき。
四 商品市場における売買取引の受託業務を開始し、休止し、又は再開したとき。
2 商品仲買人が左の各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、遅滯なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
一 法人が合併に因り解散した場合においては、その業務を執行する役員であつた者
二 法人が破産に因り解散し、又は個人が破産した場合においては、その破産管財人
三 法人が合併又は破産以外の事由に因り解散した場合においては、その清算人
(登録の取消)
第五十二條 主務大臣は、第四十二條第六項の規定により商品仲買人の登録を取り消す場合を除くの外、商品仲買人が左の各号の一に該当するときは、その登録を取り消さなければならない。
一 第二十四條第一項第一号、第二号若しくは第六号から第八号までの一に掲げる者に該当することとなつたとき、又は登録当時第二十四條第一項各号の一に掲げる者に該当していたことが判明したとき。
二 不正の手段により第四十五條第一項の規定による登録を受けていたとき。
2 主務大臣は、第百二十三條の規定により商品仲買人の登録を取り消す場合を除くの外、商品仲買人が左の各号の一に該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一 第四十六條第一項に規定する期間内に同項の規定による納付をしないとき。
二 商品仲買人が正当な理由がないのに受託業務を開始することができることとなつた日から三月以内にその業務を開始しないとき、又は引き続き三月以上その業務を休止したとき。
3 第十五條第二項から第六項まで及び第四十五條第二項の規定は、前二項の規定による登録の取消について準用する。この場合において、第十五條第二項中「登録申請者にその旨を通知し、登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人にその旨を通知し、当該商品仲買人(法人である場合には、その役員)」と、第四十五條第二項中「登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人」と読み替えるものとする。
(登録のまつ消)
第五十三條 主務大臣は、左の各号に掲げる場合においては、商品仲買人登録簿につき、当該商品仲買人に関する登録をまつ消しなければならない。
一 第四十二條第六項、前條第一項若しくは第二項又は第百二十三條の規定により商品仲買人の登録を取り消したとき。
二 第五十一條第一項第二号若しくは第三号又は同條第二項の規定による届出があつたとき。
三 主務大臣が第五十一條第一項第二号若しくは第三号又は同條第二項各号に掲げる場合に該当するものと認めて商品仲買人又は同條第二項各号に掲げる者に通知して、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のため証拠を提出する機会を與えるためその職員をして聽聞させた後、その事実を確認したとき。
2 前項の規定による登録のまつ消は、同項の規定にかかわらず、左の各号の一に該当する場合において、主務大臣が当該各号に規定する日から三十日に満たない期間を定めて当該商品仲買人に通知したときは、その期間を経過するまでは、しないことができる。
一 前項第二号に掲げる場合においては、主務大臣が当該届出を受理した日
二 前項第三号に掲げる場合においては、主務大臣が当該事実を確認した日
3 第十五條第三項から第六項までの規定は、第一項第三号の規定により聽聞をする場合について、第四十五條第二項の規定は、第一項第二号及び第三号に規定する事由に因り登録をまつ消した場合について準用する。この場合において、第四十五條第二項中「登録申請者」とあるのは「当該商品仲買人」と読み替えるものとする。
(帳簿の区分経理)
第五十四條 商品仲買人は、第三十九條の規定により区分経理する場合において、商品市場における売買取引についても、主務省令で定めるところにより、自己の計算による売買取引と委託者の計算による売買取引とを帳簿上区分して経理しなければならない。