商品取引所法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第97号
公布年月日: 昭和42年7月29日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

商品取引所における売買取引に多数の大衆が参加するようになり、委託者と商品仲買人との間の紛議が頻発し、仲買人の倒産による委託者の損害が増大している。その背景には、資力や資質に乏しい仲買人による過当な勧誘活動や委託証拠金の不当流用がある。現行法では委託者保護が不十分なため、商品取引所審議会での検討を経て法改正を行う。主な改正点は、取引の受託業務の許可制への移行、委託者の債権保護強化のための受託業務保証金制度の導入、商品取引員の禁止行為の明確化である。これにより、大衆参加に伴う弊害防止と委託者保護の強化を図る。

参照した発言:
第55回国会 参議院 商工委員会 第6号

審議経過

第55回国会

参議院
(昭和42年5月23日)
(昭和42年5月25日)
(昭和42年6月8日)
(昭和42年6月13日)
(昭和42年6月15日)
(昭和42年6月20日)
(昭和42年6月21日)
衆議院
(昭和42年6月23日)
(昭和42年7月12日)
(昭和42年7月14日)
(昭和42年7月18日)
(昭和42年7月19日)
(昭和42年7月20日)
(昭和42年7月21日)
参議院
(昭和42年7月21日)
商品取引所法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十二年七月二十九日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第九十七号
商品取引所法の一部を改正する法律
商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「商品仲買人」を「商品取引員」に、「第九十七条」を「第九十七条の六」に改める。
第二条第六項を削る。
第九条第二項中「媒介」の下に「、取次ぎ若しくは代理」を加え、「(以下「売買等」という。)」を削り、同条第四項を削る。
第十条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第五号中「払込」を「払込み」に改め、同項第七号中「仲買保証金及び売買証拠金」を「売買証拠金及び受託業務保証金」に改め、同項第九号中「制裁」を「監査及び制裁」に改め、同項第十号中「選挙」を「選任」に改める。
第十一条第二項中「左の」を「次の」に改め、同項第二号中「商号」の下に「(名称を含む。以下同じ。)」を加え、同項第三号中「払込」を「払込み」に改め、同項第四号中「終らなかつた」を「終わらなかつた」に、「申込」を「申込み」に改める。
第十三条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第六号中「(名称を含む。以下同じ。)」を削る。
第十五条第一項中「第十三条の規定による」を「第八条の二の」に、「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「且つ」を「かつ」に改め、「又は商品仲買人」を削り、同項第二号中「且つ」を「かつ」に改め、同条第二項中「第十三条の規定による」を「第八条の二の」に改める。
第二十条第三項中「第十五条第二項」を「同条第二項」に改め、「若しくは商品仲買人」を削る。
第二十条の二の見出し中「業務規程」の下に「又は受託契約準則」を加え、同条第一項中「、第七十八条第一項の規定により業務規程をもつて定めるべき事項のうち、その変更が売買取引の公正の確保又は委託者の保護に支障を及ぼすおそれがある事項であつて、政令で定めるものについて」を削り、「業務規程」の下に「又は受託契約準則」を加え、同条第三項中「第二号並びに」を削る。
第二十一条第一項中「除くの外、左の」を「除くほか、次の」に改め、同項第二号中「若しくは業務規程」を「、業務規程若しくは受託契約準則」に改める。
第二十三条第一項中「以下第二項」を「次項」に、「売買等を」を「売買、売買の媒介、取次ぎ若しくは代理(商品市場における売買取引の取次ぎを含む。)、生産又は加工(以下「売買等」という。)を」に改める。
第二十四条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第二号中「若しくは証券取引法第五章、第百八十七条第一項若しくは第百九十一条の規定に係る罰則」を削り、「終つた」を「終わつた」に改め、同項第三号中「若しくは第二項第二号」を削り、「商品仲買人の登録」を「第四十一条第一項の許可」に改め、同項第四号中「商品仲買人」を「会員で第四十一条第一項の許可を受けたもの」に改め、「若しくは第二項第二号」を削り、「登録」を「第四十一条第一項の許可」に改め、同項第六号中「又は証券取引法第百八十七条第一項」を削り、同項第八号中「該当するもの」を「該当する者」に改める。
第二十五条の見出しを「(会員の純資産額)」に改め、同条第二項中「場合において、売買取引の公正を確保するため特に必要がある」を削り、「することができる」を「しなければならない」に改め、同条第七項中「第一項」の下に「から第五項まで」を加える。
第二十五条の二中「会員の数」の下に「又は委託を受けて商品市場において当該商品を売買取引する会員の数」を加える。
第三十条第四項中「相続人又は受遺者」及び「相続人若しくは受遺者」を「相続人等」に改める。
第三十七条中「承継人」を「承継者」に改める。
第三十八条第五項中「商品仲買人に」を「会員で第四十一条第一項の許可を受けたものに」に、「当該商品仲買人」を「当該会員」に改める。
第四十条中「基く」を「基づく」に、「、これらの法令に基いて」を「若しくはこの法律に基づいて」に、「違反した場合、又は政令で取引の信義則に背反するものと指定する行為をした場合において、取引所の健全な運営を確保し、又は会員及び商品市場における売買取引の委託者の利益を確保するため必要があると認める」を「違反し、又は取引の信義則に背反する行為をした」に改める。
「第五章 商品仲買人」を「第五章 商品取引員」に改める。
第四十一条から第五十二条までを次のように改める。
(売買取引の受託の許可)
第四十一条 会員は、商品市場における売買取引の委託を受けるには、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、商品市場における上場商品ごとに行なう。
3 商品市場における上場商品について第一項の許可を受けた会員(以下「商品取引員」という。)でなければ、当該商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。
(許可の条件)
第四十二条 前条第一項の許可には、条件を附することができる。
2 前項の条件は、委託者を保護するため必要な最少限度のものでなければならない。
(許可の申請)
第四十三条 第四十一条第一項の許可を受けようとする会員は、次に掲げる事項を記載した申請書を取引所を経由して主務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は商号及び法人にあつてはその役員の氏名
二 商品市場における売買取引の委託を受ける商品
三 本店及び受託業務(第四十一条第一項の許可の区分ごとに当該許可に係る商品市場における売買取引の受託に関する業務をいう。以下同じ。)を行なう従たる営業所の名称及び位置
2 取引所は、前項の申請書を受理したときは、遅滞なく、申請者が受託業務を行なうことについての意見を附して、その申請書を主務大臣に送付しなければならない。
3 第一項の申請書には、主務省令で定める書類を添附しなければならない。
(許可の基準)
第四十四条 主務大臣は、第四十一条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 申請者が当該商品市場において売買取引することができる会員であること。
二 申請者がその受託業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、その受託業務の収支の見込みが良好であること。
三 申請者がその受託業務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
四 その受託業務が、申請に係る営業所が開設される地域における当該商品の取引の状況、当該商品の受託業務に係る営業所の数その他当該地域における経済の状況に照らし、必要かつ適当であること。
五 第二十五条の二の規定により委託を受けて商品市場において当該商品を売買取引する会員の数の最高限度が定められている場合にあつては、その許可をすることによつて商品取引員の数がその最高限度をこえることとならないこと。
2 申請者の純資産額が、当該商品市場における上場商品について第四十九条第一項の規定により定められた基準額(その者が他の商品市場における上場商品について第四十一条第一項の許可を受けている場合にあつては、当該商品市場における上場商品及び当該他の商品市場における上場商品について第四十九条第一項の規定により定められた基準額を合算した額)を下る場合には、前項第二号の規定の適用にあたつては、その者は、その受託業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有しないものとする。
3 第二十五条第七項の規定は、前項の純資産額について準用する。
(処分の手続)
第四十五条 主務大臣は、第四十一条第一項の規定による処分をしようとするときは、取引所の意見を尊重しなければならない。
2 第十五条第二項から第七項までの規定は、第四十一条第一項の規定による処分について準用する。
3 主務大臣は、第四十一条第一項の規定による処分をしたときは、書面をもつて、その処分の内容及びその処分が取引所の意見と異なるときはその理由を取引所に通知しなければならない。
(変更の許可)
第四十六条 商品取引員は、受託業務を行なう従たる営業所を開設し、又は本店若しくは受託業務を行なう従たる営業所の位置を変更しようとするときは、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 商品取引員は、前項の許可を受けようとするときは、申請書に主務省令で定める書類を添附し、取引所を経由して、主務大臣に提出しなければならない。
3 第十五条第二項から第七項まで、第四十四条第一項第二号及び第四号並びに前条第三項の規定は、第一項の規定による処分について準用する。
(届出事項)
第四十七条 商品取引員は、次の各号の一に該当するときは、遅滞なく、その旨の届出書を取引所を経由して、主務大臣に提出しなければならない。
一 第四十三条第一項第一号又は第三号に掲げる事項を変更したとき(前条第一項の許可を受けてこれらの事項を変更したときを除く。)。
二 受託業務を行なう従たる営業所を廃止したとき。
三 受託業務を開始し、休止し、又は再開したとき。
四 受託業務を廃止したとき。
2 前項の届出書であつて第四十三条第一項第一号に係るものには、その変更を証する書面及びその変更の届出が新たに就任した役員に係るときは主務省令で定める書類を添附しなければならない。
(商品取引員たる地位の承継)
第四十八条 商品取引員につき合併があつたときは、合併後存続する法人又は合併により設立された法人は、商品取引員たる地位を承継する。
2 前項の規定により商品取引員たる地位を承継した者は、遅滞なく、その旨の届出書にその事実を証する書面を添附し、取引所を経由して、主務大臣に提出しなければならない。
(商品取引員の純資産額)
第四十九条 商品取引員の純資産額の基準額は、商品の取引単位、取引高その他の取引事情及び委託者の保護を考慮して、商品市場における上場商品ごとに、政令で定める。
2 主務大臣は、商品取引員の純資産額が、当該商品取引員が委託を受けて売買取引する商品市場における上場商品について前項の規定により定められた基準額(その者が二以上の商品市場における上場商品について第四十一条第一項の許可を受けている場合にあつては、これらの商品市場における上場商品について前項の規定により定められた基準額を合算した額)を下ることとなつたときは、遅滞なく、当該商品取引員に対し当該商品市場における売買取引の受託の停止を命じなければならない。
3 前項の場合において、当該商品取引員が受託の停止を命ぜられた日から六月以内にその者の純資産額が同項に規定する基準額以上となつたときは、主務大臣は、同項の規定による受託の停止を解除しなければならない。
4 第二項の場合において、商品取引員の純資産額が前項に規定する期間内に第二項に規定する基準額以上とならなかつたときは、主務大臣は、第四十一条第一項の許可を取り消さなければならない。
5 第十五条第二項から第七項までの規定は、第二項又は前項の規定による処分について、第二十五条第七項の規定は、前各項の純資産額について、第四十五条第三項の規定は、前三項の規定による処分について準用する。
(改善命令)
第五十条 主務大臣は、商品取引員の財産の状況又は受託業務の運営が次の各号の一に該当する場合において、委託者を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該商品取引員に対し、財産の状況又は受託業務の運営を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一 負債の合計金額の純資産額に対する比率が主務省令で定める率をこえた場合
二 流動資産の合計金額の流動負債の合計金額に対する比率が主務省令で定める率を下つた場合
三 前二号に掲げる場合のほか、委託者を保護するため財産の状況又は受託業務の運営につき是正を加えることが必要な場合として主務省令で定める場合
2 前項第一号の負債の合計金額並びに同項第二号の流動資産の合計金額及び流動負債の合計金額は、主務省令で定めるところにより計算しなければならない。
3 第十五条第二項から第七項まで及び第四十五条第三項の規定は、第一項の規定による命令について、第二十五条第七項の規定は、第一項第一号の純資産額について準用する。
(許可の失効)
第五十一条 商品取引員が取引所を脱退したとき、又は受託業務を廃止したときは、第四十一条第一項の許可は、その効力を失う。
(許可の取消し)
第五十二条 主務大臣は、第四十九条第四項の規定により第四十一条第一項の許可を取り消す場合を除くほか、商品取引員が不正の手段により同項の許可を受けたときは、その許可を取り消さなければならない。
2 主務大臣は、第百二十三条の規定により第四十一条第一項の許可を取り消す場合を除くほか、商品取引員が正当な理由がないのに、受託業務を開始することができることとなつた日から三月以内にその業務を開始しないとき、又は引き続き三月以上その業務を休止したときは、同項の許可を取り消すことができる。
3 第十五条第二項から第七項まで及び第四十五条第三項の規定は、前二項の規定による許可の取消しについて準用する。
第五十三条を削る。
第五十三条の二第一項中「商品仲買人」を「商品取引員」に、「左の」を「次の」に改め、同項第二号中「第四十二条第五項」を「第四十九条第四項又は前条第二項」に、「登録」を「第四十一条第一項の許可」に改め、同項第三号を次のように改め、同項第四号を削る。
三 受託業務を廃止したとき。
第五十三条の二第二項中「承継人」を「承継者」に改め、同条を第五十三条とする。
第五十三条の三第一項中「商品仲買人たる会員が商品市場においてした売買取引に係る」を「持分及びその持分についての」に、「その商品仲買人」を「被承継人」に、「承継をした者(当該商品市場における売買取引の委託を受けることができる商品仲買人たる者を除く。)は」を「承継をした者は、当該商品市場における上場商品について第四十一条第一項の許可を受けている場合を除き」に、「、商品仲買人」を「、商品取引員」に改め、同条を第五十三条の二とし、同条の次に次の一条を加える。
(商品取引責任準備金)
第五十三条の三 商品取引員は、商品市場における売買取引高に応じ、商品取引責任準備金を積み立てなければならない。
2 前項の商品取引責任準備金は、先物取引又はその受託に関して生じた事故であつて政令で定めるものによる損失の補てんにあてる場合のほか、使用してはならない。ただし、主務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
3 第一項の規定による商品取引責任準備金の積立てに関し必要な事項は、主務省令で定める。
第五十四条中「商品仲買人」を「商品取引員」に改め、「、第三十九条の規定により区分経理する場合において」を削り、「ついても」を「ついて」に改める。
第五十八条の見出し中「選挙」を「選任」に改め、同条中「定款で」を「次項の規定により選任される理事を除き、定款で」に、「但し」を「ただし」に改め、同条に次の一項を加える。
2 理事長は、定款に特別の定めがある場合には、理事の過半数の同意を得て、定款で定める数の理事を選任する。
第六十四条第二項中「左の」を「次の」に改め、第五号を次のように改める。
五 商品取引員であるときは、許可年月日及び商品市場における売買取引の委託を受ける商品
第七十二条第一項中「左の」を「次の」に、「よるの外」を「よるほか」に、「仲買保証金又は特別担保金」を「特別担保金又は受託業務保証金」に改める。
第七十八条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第四号中「締結の方法」を「契約の締結及びその制限に関する事項」に改め、同項第五号中「受渡」を「受渡し」に改め、同項第六号中「外」を「ほか」に改め、同条第二項を削る。
第八十四条の見出し中「因る」を「よる」に改め、同条第一項中「基く」を「基づく」に、「因る」を「よる」に改め、「仲買保証金並びに」を削り、同条第二項中「及び第四十七条第三項」及び「及び仲買保証金」を削る。
第八十四条の二第二項中「基く」を「基づく」に、「因る」を「よる」に改め、「、仲買保証金」を削る。
第八十七条第二項中「第五十三条の二」を「第五十三条」に、「商品仲買人」を「商品取引員」に改める。
第九十一条の見出しを「(受託場所の制限)」に改め、同条第一項中「商品仲買人は、第四十五条第一項(第四十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定による登録がしてあるその」を「商品取引員は、第四十一条第一項又は第四十六条第一項の許可に係る」に改め、「又は事務所」及び「、又は自己(法人である場合には、その役員)及び自己の使用人であつてその所属する取引所の定款で定める資格を有し、且つ、その定款で定める登録を受けたもの以外の者に委託を勧誘させ」を削り、同条第二項中「商品仲買人」を「商品取引員」に改め、「又は事務所」を削り、同条の次に次の一条を加える。
(委託の勧誘の制限)
第九十一条の二 商品取引員は、その使用人(商品取引員が法人である場合には、その役員及び使用人)であつて、その者について当該商品取引員が取引所の行なう外務員の登録を受けているもの以外の者に、前条第一項の営業所以外の場所で、商品市場における売買取引の委託を勧誘させてはならない。
2 取引所は、その定款において、前項の登録に係る者(以下「登録外務員」という。)の資格その他の外務員の登録に関する事項を定め、上場商品ごとに、その登録を行なわなければならない。
3 取引所は、登録外務員が、この法律に違反したとき、又は商品市場における売買取引の委託の勧誘に関して著しく不適当な行為として定款で定めるものをしたときは、当該登録外務員を使用する商品取引員が当該登録外務員について受けている第一項の登録を取り消し、又は当該商品取引員が当該登録外務員に商品市場における売買取引の委託を勧誘させることを制限しなければならない。
第九十二条中「商品仲買人」を「商品取引員」に改める。
第九十三条及び第九十四条を次のように改める。
(のみ行為の禁止)
第九十三条 商品取引員は、商品市場における売買取引の委託を受けたときは、その委託に係る商品について、商品市場において売付け又は買付けをしないで、自己がその相手方となつて売買を成立させてはならない。
(不当な勧誘等の禁止)
第九十四条 商品取引員は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 商品市場における売買取引につき、顧客に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるベき断定的判断を提供してその委託を勧誘すること。
二 商品市場における売買取引につき、顧客に対し、損失の全部若しくは一部を負担することを約し、又は利益を保証して、その委託を勧誘すること。
三 商品市場における売買取引につき、価格、数量その他主務省令で定める事項についての顧客の指示を受けないでその委託を受けること。
四 前三号に掲げるもののほか、商品市場における売買取引又はその受託に関する行為であつて、委託者の保護に欠け、又は売買取引の公正を害するものとして主務省令で定めるもの
2 登録外務員は、前項第一号又は第二号に掲げる行為をしてはならない。
第九十五条中「商品仲買人」を「商品取引員」に改める。
第九十六条第一項中「商品仲買人」を「商品取引員」に改め、「その所属する」を削り、同条第三項を削る。
第九十七条第一項中「商品仲買人」を「商品取引員」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 取引所が上場商品について受託契約準則で定める委託証拠金の料率は、当該商品の取引事情及び売買取引の公正の確保を考慮して主務大臣が定める料率を下つてはならない。
第九十七条に次の一項を加える。
3 第七十九条第二項及び第三項の規定は、委託証拠金について準用する。
第九十七条の次に次の五条を加える。
(受託業務保証金の預託)
第九十七条の二 商品取引員は、その受託業務につき委託者のために、受託業務保証金を取引所に対し預託しなければならない。
2 前項の受託業務保証金の額は、本店につき六十万円以上九百万円以下で商品ごとに政令で定める金額、受託業務を行なう従たる営業所につき当該営業所ごとに二十万円以上三百万円以下で商品ごとに政令で定める金額の割合による金額の合計額とする。
3 商品取引員は、前項に規定する額の受託業務保証金を預託した後でなければ、受託業務を開始してはならない。
4 商品取引員は、受託業務の開始後新たに受託業務を行なう従たる営業所を開設したときは、当該営業所につき第二項に規定する割合による金額の受託業務保証金を取引所に対し預託しなければならない。
5 第三項の規定は、前項の場合について準用する。
6 商品取引員は、受託に係る商品市場における売買取引であつて毎月の各営業日において決済を結了していないものの数量及び当該商品市場における当該各営業日の最終価格並びに前条第二項の規定により主務大臣が定める料率を基準として、その月の末日において、主務省令で定める方法により算出した額(以下「預託基準額」という。)が同日における受託業務保証金の預託額をこえるときは、そのこえる額を受託業務保証金として取引所に対し預託しなければならない。
7 第三十八条第三項及び第四項の規定は、受託業務保証金について準用する。
(受託業務保証金の払渡し)
第九十七条の三 商品取引員に対し商品市場における売買取引を委託した者は、その委託により生じた債権の弁済を受けるため、当該商品取引員が預託した受託業務保証金について、取引所に対し、その払渡しを請求することができる。
2 取引所は、商品取引員が前条第七項において準用する第三十八条第三項の規定により有価証券を預託している場合において、前項の規定による請求があつたときは、主務省令で定めるところにより、当該有価証券を換価し、その請求をした者に対し、その換価代金を支払うことができる。
(受託業務保証金の不足額の預託)
第九十七条の四 商品取引員は、前条第一項の規定による請求権を有する者がその権利を実行したため、受託業務保証金の預託額が第九十七条の二第二項に規定する額又は前月の末日における預託基準額のいずれか多い額に不足することとなつたときは、その不足額を取引所に対し預託しなければならない。
(受託業務保証金の取戻し)
第九十七条の五 商品取引員は、受託業務保証金の預託額が第九十七条の二第二項に規定する額(受託業務を行なう従たる営業所を廃止した場合には、その廃止の日以後その廃止について主務省令で定める公告をした日後三月を経過する日までは、当該営業所を廃止しなかつたものとした場合における同項に規定する額)又は前月の末日における預託基準額のいずれか多い額をこえることとなつたときは、そのこえる額を取り戻すことができる。
2 第四十九条第四項、第五十二条第一項若しくは第二項若しくは第百二十三条の規定により第四十一条第一項の許可を取り消されたとき、又は第五十一条の規定により第四十一条第一項の許可が効力を失つたときは、商品取引員であつた者又はその承継人は、当該商品取引員であつた者が預託した受託業務保証金を取り戻すことができる。
3 前項の規定による受託業務保証金の取戻しは、当該受託業務保証金につき第九十七条の三第一項に規定する請求権を有する者に対し、三月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかつた場合でなければ、することができない。ただし、受託業務保証金を取り戻すことができる理由が発生した時から十年を経過したときは、この限りでない。
4 受託業務保証金は、第一項又は第二項の規定により取り戻すことができる場合を除き、これを取り戻すことができない。
(主務省令への委任)
第九十七条の六 第九十七条の二から前条までに定めるもののほか、受託業務保証金の預託、払渡し及び取戻しに関し必要な事項は、主務省令で定める。
第百十九条に次の一項を加える。
2 主務大臣は、委託者を保護するため特に必要があると認めるときは、商品取引員と取引をする者に対し、当該商品取引員の業務又は財産に関し、参考となるべき報告を求め、又は資料の提出を求めることができる。
第百二十条第一項中「基く政令、この法律に基く省令」を「基づく命令」に、「基いて」を「基づいて」に、「、業務規程若しくは受託契約準則」を「若しくは業務規程」に、「虞」を「おそれ」に、「又はその帳簿書類」を「帳簿、書類」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前二項の規定により会員の事務所又は営業所に」を「前二項の規定により」に改め、「当該会員」の下に「又は商品取引員」を加え、「前項の事務所又は」を「その」に、「立ち合せて」を「立ち会わせて」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 主務大臣は、委託者を保護するため特に必要があると認めるときは、部下の職員をして、商品取引員の営業所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。
第百二十一条第一項中「左の」を「次の」に、「且つ」を「かつ」に改め、同項第一号中「基く政令、この法律に基く省令」を「基づく命令」に、「基いて」を「基づいて」に、「又は当該定款」を「若しくは当該定款」に改め、同条第二項中「基く政令、この法律に基く省令」を「基づく命令」に、「基いて」を「基づいて」に改め、同条に次の一項を加える。
3 第一項第二号の規定による処分については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
第百二十二条中「基く政令、この法律に基く省令」を「基づく命令」に、「基いて」を「基づいて」に改める。
第百二十三条の見出し中「商品仲買人」を「商品取引員」に改め、同条中「商品仲買人」を「商品取引員」に、「基く政令、この法律に基く省令又はこの法律に基いてする主務大臣の処分」を「基づく命令若しくはこの法律に基づいてする主務大臣の処分又は第四十一条第一項の許可に附された条件」に、「その登録」を「同項の許可」に改める。
第百二十四条を次のように改める。
(定款等の変更命令)
第百二十四条 主務大臣は、取引所に対し、当該取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則について、商品市場における売買取引の公正を確保し、又は委託者を保護するため必要かつ適当であると認める変更を命ずることができる。
第百四十五条の次に次の一条を加える。
(委託の媒介等の禁止)
第百四十五条の二 何人も、業として、商品市場における売買取引の委託の媒介、取次ぎ又は代理をしてはならない。
第百四十六条中「第四十二条第七項、第四十八条第二項、第四十九条第四項」を「第四十五条第二項、第四十六条第三項、第四十九条第五項、第五十条第三項」に改め、「、第五十三条第三項」を削る。
第百四十七条を次のように改める。
(発起人及び会員の数の計算)
第百四十七条 第九条第一項若しくは第三項、第九十八条第一項第五号又は第九十九条に規定する発起人又は会員の数の計算については、二種以上の上場商品の売買等を業として営んでいる者は、当該商品の一種ごとに一人とみなす。
第百四十八条の見出し中「、主務省」を削り、「同条第一項中「又は主務省」を削り、「のみを上場する取引所」の下に「又は当該商品に係る商品取引員」を加え、「農林大臣又は農林省」を「農林大臣」に改め、「又は通商産業省」及び「又は農林省及び通商産業省」を削り、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とし、同条第四項中「通商産業大臣」を「主務大臣」に、「基く」を「基づく」に、「通商産業局長に行わせる」を「地方支分部局の長に行なわせる」に改め、同項を同条第三項とする。
第百五十五条中「左の」を「次の」に改め、同条第二号から第四号までを次のように改める。
二 第四十一条第三項の規定に違反した者
三 第四十六条第一項の許可を受けないで委託業務を行なう従たる営業所を開設し、又は本店若しくは受託業務を行なう従たる営業所の位置を変更した者
四 第四十九条第二項又は第百二十三条の規定による命令に違反した者
第百五十五条第六号中「第九十四条」を「第九十三条」に改め、同条に次の一号を加える。
七 第百四十五条の二の規定に違反した者
第百五十六条中「左の」を「次の」に改め、同条第二号中「第百二十一条」の下に「第一項若しくは第二項」を加える。
第百五十九条中「左の」を「次の」に改め、同条第一号中「第十三条」の下に「、第四十三条第一項若しくは第三項又は第四十六条第二項」を加え、同条第二号中「第四十六条第二項、第五十条第二項、」を削る。
第百六十一条中「左の」を「次の」に改め、同条第一号中「第五十一条又は第九十一条第一項」を「第九十一条第一項、第九十一条の二第一項又は第九十七条の二第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)」に改め、同条第二号中「第四十九条第一項」を「第四十七条第一項若しくは第四十八条第二項」に、「同条第二項」を「第四十七条第二項若しくは第四十八条第二項」に改め、同条第四号中「又は第二項」を「から第三項まで」に改める。
第百六十二条中「左の」を「次の」に改め、第二号を削り、第三号を第二号とする。
第百六十四条を次のように改める。
第百六十四条 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の過料に処する。
一 第五十条第一項の規定による命令に違反した者
二 第五十三条の三第一項又は第二項の規定に違反して商品取引責任準備金を積み立てず、又はこれを使用した者
三 第九十一条第二項の規定に違反した者
第百六十六条中「左の」を「次の」に、「第四十二条第七項、第四十八条第二項、第四十九条第四項」を「第四十五条第二項、第四十六条第三項、第四十九条第五項、第五十条第三項」に改め、「、第五十三条第三項」を削る。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行の際現に改正前の商品取引所法(以下「旧法」という。)の規定による商品仲買人の登録を受けている者(以下「商品仲買人」という。)については、当該登録に係る商品(改正後の商品取引所法(以下「新法」という。)第四十一条第一項の許可に係るものを除く。以下同じ。)に限り、この法律の施行の日から三年間は、旧法(第四十二条、第四十二条の二、第四十四条、第四十六条第二項(仲買保証金に係る部分に限る。)、第四十七条、第四十九条(営業所若しくは事務所の設置又は商品の追加に係る部分に限る。)、第五十条、第九十一条第一項(委託の勧誘の制限に係る部分に限る。)、第九十三条、第九十四条及び第九十七条並びにこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定は、なおその効力を有する。
3 商品仲買人については、当該登録に係る商品に限り、前項に規定する期間内は、新法第四十九条、第五十条、第五十三条の三、第九十一条の二、第九十三条、第九十四条第一項、第九十七条から第九十七条の六まで、第百十九条第二項及び第百二十条第二項から第四項まで並びにこれらの規定に係る罰則並びに第九項の規定による改正後の租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第二十条の三及び第五十七条の規定は、その者をその商品ごとに新法の規定による商品取引員とみなして、適用する。この場合において、第九十七条の二第三項中「受託業務を開始してはならない」とあるのは、「商品市場における売買取引の委託を受けてはならない。ただし、その受託に係る商品市場における売買取引の決済を結了する目的の範囲内でする場合は、この限りでない」とする。
4 商品仲買人の使用人であつてこの法律の施行の際現に旧法第九十一条第一項の規定による登録を受けているものは、この法律の施行の日から六月間は、新法第九十一条の二第一項の規定による外務員の登録を受けているものとみなす。
5 この法律の施行前に商品仲買人に対し商品市場における売買取引を委託した者は、新法第九十七条の三第一項の規定の適用については、商品取引員に対し商品市場における売買取引を委託したものとみなす。
6 旧法第五十二条第一項又は第百二十三条の規定により商品仲買人の登録を取り消された者は、その取消しの日において、新法第五十二条第一項又は第百二十三条の規定により許可を取り消されたものとみなす。
7 この法律の施行前(商品仲買人については、第二項の規定により旧法がなお効力を有する期間の経過前)にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
8 第二項から前項までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
9 租税特別措置法の一部を次のように改正する。
第二十条の三第一項中「第二条第六項」を「第四十一条第三項」に、「商品仲買人」を「商品取引員」に、「同条」を「同法第二条」に改め、同条第四項第一号中「商品仲買人」を「商品取引員」に改める。
第五十七条第二項中「第二条第六項」を「第四十一条第三項」に、「商品仲買人」を「商品取引員」に、「同条」を「同法第二条」に改め、同条第五項第一号中「商品仲買人」を「商品取引員」に改める。
10 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
附則第八条に次の一項を加える。
4 商品取引所法の一部を改正する法律(昭和四十二年法律第九十七号)附則第二項(商品仲買人の経過措置)に規定する商品仲買人で同項に規定する期間内に商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第四十一条第一項(売買取引の受託の許可)の許可の申請をした者が、当該申請に係る新法別表第一の第三十一号に掲げる商品市場における売買取引の受託の許可を受ける場合における当該許可に係る登録免許税の課税標準及び税率は、新法第九条の規定にかかわらず、当該許可件数一件につき一万円とする。
別表第一の第三十一号中「商品仲買人の登録」を「商品市場における売買取引の受託の許可」に、「(昭和二十五年法律第二百三十九号)第四十五条第一項(登録)」を「第四十一条第一項(売買取引の受託の許可)」に、「登録件数」を「許可件数」に改める。
11 農林省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十七号の二中「行う」を「行なう」に、「商品仲買人の登録を行い」を「商品取引員につき許可を与え」に改める。
第三十六条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 農林省の所掌事務に係る物資の売買取引を行なうために必要な商品市場を開設することを目的とする商品取引所の指導監督に関すること。
12 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第二十七号中「行う」を「行なう」に、「商品仲買人を登録し」を「商品取引員につき許可を与え」に改める。
法務大臣 田中伊三次
大蔵大臣 水田三喜男
農林大臣 倉石忠雄
通商産業大臣 菅野和太郎
内閣総理大臣 佐藤栄作