不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第八十一号
公布年月日: 昭和63年6月11日
法令の形式: 法律
不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十三年六月十一日
内閣総理大臣 竹下登
法律第八十一号
不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律
(不動産登記法の一部改正)
第一条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五章 審査請求(第百五十二条―第百五十七条ノ二)」を
第四章ノ二
電子情報処理組織ニ依ル登記ニ関スル特例(第百五十一条ノ二―第百五十一条ノ八)
第五章
審査請求(第百五十二条―第百五十七条ノ二)
に改める。
第二十一条第一項後段を削り、同条第二項中「、地図」を「又ハ地図」に改め、「又ハ前項ノ規定ニ依ル証明書」を削る。
第二十一条ノ二を削る。
第二十四条ノ二第二項中「二十年間」を「三十年間」に改め、同項に次のただし書を加える。
但土地ノ登記用紙ニ付テハ其保存期間ハ五十年間トス
第二十四条ノ二第三項中「、第二十一条及ビ第二十一条ノ二」を「及ビ第二十一条」に改める。
第百四十二条第三項に後段として次のように加える。
同項ノ場合ニ於テ債権ノ弁済期ヨリ二十年ヲ経過シ且申請書ニ其期間ノ経過シタル後債権、利息及ビ債務ノ不履行ニ因リテ生ジタル損害ノ全額ニ相当スル金銭ノ供託ヲ為シタルコトヲ証スル書面ヲ添附シタルトキ亦同ジ
第四章の次に次の一章を加える。
第四章ノ二 電子情報処理組織ニ依ル登記ニ関スル特例
第百五十一条ノ二 法務大臣ノ指定スル登記所(以下指定登記所ト称ス)ニ於テハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ登記事務ノ全部又ハ一部ヲ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フコトヲ得此場合ニ於テハ登記簿ハ磁気ディスク(之ニ準ズル方法ニ依リ一定ノ事項ヲ確実ニ記録シ得ル物ヲ含ム)ヲ以テ之ヲ調製ス
前項ノ指定ハ告示シテ之ヲ為ス
第百五十一条ノ三 何人ト雖モ手数料ヲ納付シテ前条第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項ノ全部又ハ一部ヲ証明シタル書面(以下登記事項証明書ト称ス)ノ交付ヲ請求シ又ハ手数料ノ外郵送料ヲ納付シテ登記事項証明書ノ送付ヲ請求スルコトヲ得
指定登記所中別ニ法務大臣ノ指定スル甲登記所ノ管轄ニ属スル不動産ニ付テノ登記事項証明書ノ交付ノ請求ハ指定登記所中別ニ法務大臣ノ指定スル乙登記所ニ於テモ之ヲ為スコトヲ得前項ノ指定ハ告示シテ之ヲ為ス
第二項ノ登記事項証明書ノ記載事項ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム
何人ト雖モ手数料ヲ納付シテ前条第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項ノ摘要ヲ記載シタル書面ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第一項及ビ前項ノ手数料ノ額ハ物価ノ状況、登記事項証明書ノ交付等ニ要スル実費其他一切ノ事情ヲ考慮シ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項及ビ第五項ノ手数料ノ納付ハ登記印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第百五十一条ノ四 登記事項証明書ハ第九十三条ノ三第四項(第九十三条ノ六第七項、第九十三条ノ八第八項、第九十三条ノ十第二項、第百一条第三項及ビ第百四条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定及ビ民法、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)其他ノ法令ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ登記簿ノ謄本又ハ抄本ト看做ス
第百五十一条ノ五 第百五十一条ノ二第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項過多ニシテ取扱不便ト為ルニ至リタルトキハ現ニ効力ヲ有スル登記其他ノ法務省令ヲ以テ定ムル事項ニ係ル登記ヲ新登記簿ノ登記記録ニ移スコトヲ得
第七十六条第二項及ビ第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス此場合ニ於テハ同条第二項中「登記官捺印スル」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、同条第三項中「前登記用紙」トアルハ「前登記簿ノ登記記録」ト読替フルモノトス
第百五十一条ノ六 登記事項証明書其他電子情報処理組織ニ依リテ作ルベキ書面ニ金銭其他ノ物ノ数量、年月日及ビ番号ヲ記載スルニハアラビア数字ヲ用ヰルコトヲ得
第百五十一条ノ七 登記官ハ申請書ニ共同担保目録ヲ添附シテ登記ノ申請アリタル場合ニ於テ電子情報処理組織ニ依リテ登記ヲ為ストキハ登記スベキ権利ノ目的タル不動産ニ関スル権利ノ表示ヲ為シタル共同担保目録ヲ作成スルコトヲ得第百二十七条第三項又ハ第百二十八条第二項ノ規定ニ依リ共同担保目録ノ送付ヲ受ケタル場合ニ於テ亦同ジ
第百五十一条ノ八 第百五十一条ノ三乃至前条ニ定ムル場合ヲ除クノ外登記事務ヲ第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル前四章及び第百五十七条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「登記用紙」トアリ及ビ「用紙」トアルハ「登記記録」ト、「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「及ビ第二十一条」トアルハ「、第百五十一条ノ三第一項、第六項及び第七項並ニ第百五十一条ノ四」ト、「枚数」トアルハ「事項」ト、「新用紙」トアリ及ビ「新登記用紙」トアルハ「新登記記録」ト、「前登記用紙」トアルハ「前登記記録」トシ、此等ノ規定ノ内登記簿ニ為ス行為ニ関スル規定中「登記官捺印スル」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(商業登記法の一部改正)
第二条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四章 雑則(第百十四条―第百二十条)」を
第三章の二
電子情報処理組織による登記に関する特例(第百十三条の二―第百十三条の七)
第四章
雑則(第百十四条―第百二十条)
に改める。
第十条中「何人でも」の下に「、手数料を納付して」を加える。
第十三条中「前二条」を「前三条」に改める。
第三章の次に次の一章を加える。
第三章の二 電子情報処理組織による登記に関する特例
(電子情報処理組織による事務の取扱い)
第百十三条の二 法務大臣の指定する登記所(以下「指定登記所」という。)においては、法務省令の定めるところによりその事務の全部又は一部を電子情報処理組織によつて取り扱うことができる。この場合においては、登記簿は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもつて調製する。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
(登記事項の摘要を記載した書面の交付)
第百十三条の三 何人でも、手数料を納付して、前条第一項の登記簿に記録されている事項の摘要を記載した書面の交付を請求することができる。
(登記事項証明書の交付等)
第百十三条の四 何人でも、手数料を納付して、第百十三条の二第一項の登記簿に記録されている事項を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求し、又は手数料のほか郵送料を納付して、登記事項証明書の送付を請求することができる。
2 指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所に備えられた登記簿に記録されている事項を証明した登記事項証明書の交付の請求は、指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所においてもすることができる。
3 前項の指定は、告示してしなければならない。
4 第一項及び第二項の登記事項証明書の記載事項は、法務省令で定める。
5 登記事項証明書は、第三十八条第二項、第六十七条第三号(第七十七条において準用する場合を含む。)及び第百四条第三項の規定並びに民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)その他の法令の規定の適用については、登記簿の謄本又は抄本とみなす。
(手数料)
第百十三条の五 前二条の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付等に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令で定める。
2 前二条の手数料の納付は、登記印紙をもつてしなければならない。
(支店所在地における登記)
第百十三条の六 指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所の管轄区域内に本店を有する会社による本店及び支店の所在地において登記すべき事項について支店の所在地においてする登記の申請は、その支店が指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所の管轄区域内にあるときは、本店の所在地を管轄する登記所を経由してすることができる。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
3 第一項の規定による登記の申請と本店の所在地における登記の申請とは、同時にしなければならない。
4 申請書の添付書面に関する規定は、第一項の規定による登記の申請については、適用しない。
5 第一項の規定により登記を申請する者は、手数料を納付しなければならない。
6 前項の手数料の額は、物価の状況、次条第二項及び第三項の規定による通知に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令で定める。
7 前条第二項の規定は、第五項の規定による手数料の納付に準用する。
第百十三条の七 本店の所在地を管轄する登記所においては、前条第一項の登記の申請につき第二十四条各号に掲げる事由があるときは、その申請を却下しなければならない。前条第五項の手数料を納付しないときも、同様とする。
2 本店の所在地を管轄する登記所においては、前条第一項の場合において、本店の所在地において登記すべき事項を登記したときは、遅滞なく、同項の登記の申請があつた旨を支店の所在地を管轄する登記所に通知しなければならない。ただし、前項の規定によりその申請を却下したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合において、前条第一項の登記の申請が設立の登記の申請であるときは、本店の所在地を管轄する登記所においては、会社成立の年月日をも通知しなければならない。
4 前二項の規定による通知があつたときは、第二十一条の規定の適用については、登記官が前条第一項の登記の申請書を受け取つたものとみなす。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中不動産登記法第四章の次に一章を加える改正規定のうち第百五十一条ノ三第二項から第四項まで、第百五十一条ノ五及び第百五十一条ノ七の規定に係る部分、第二条中商業登記法の目次の改正規定並びに同法第三章の次に一章を加える改正規定のうち第百十三条の二、第百十三条の三、第百十三条の四第一項、第四項及び第五項並びに第百十三条の五の規定に係る部分並びに附則第八条から第十条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
二 第二条中商業登記法第十条及び第十三条の各改正規定並びに同法第三章の次に一章を加える改正規定のうち第百十三条の四第二項及び第三項、第百十三条の六並びに第百十三条の七の規定に係る部分 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
(工場抵当法の一部改正)
第二条 工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第四十八条の次に次の一条を加える。
第四十八条ノ二 工場財団ニ関スル登記事務ヲ不動産登記法第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル第十七条ノ二、第十七条ノ四、第十九条、第二十条、第二十三条、第三十四条、第四十二条ノ三、第四十二条ノ六、第四十二条ノ七、第四十四条、第四十四条ノ二及前条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「登記用紙」トアリ及「用紙」トアルハ「登記記録」ト、「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「登記官捺印ス」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(立木に関する法律の一部改正)
第三条 立木に関する法律(明治四十二年法律第二十二号)の一部を次のように改正する。
第二十一条の次に次の一条を加える。
第二十二条 立木ニ関スル登記事務ヲ不動産登記法第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル第十三条、第十四条、第十八条及ビ第十九条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「登記用紙」トアルハ「登記記録」ト、「登記官捺印ス」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(宗教法人法の一部改正)
第四条 宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第六十八条に次の一項を加える。
2 建物又は土地の登記事務を不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)第百五十一条ノ二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における前項の規定の適用については、同項中「登記用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(道路交通事業抵当法の一部改正)
第五条 道路交通事業抵当法(昭和二十七年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第十九条中「第四十八条」を「第四十八条ノ二」に改め、同条に次の一項を加える。
2 事業財団に関する登記事務を不動産登記法第百五十一条ノ二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における第十一条の規定の適用については、同条第二号中「用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(観光施設財団抵当法の一部改正)
第六条 観光施設財団抵当法(昭和四十三年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第十一条中「第四十八条」を「第四十八条ノ二」に改める。
(印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)
第七条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第八号中「(同法第二十四条ノ二第三項」を「若しくは第百五十一条ノ三第一項若しくは第五項(これらの規定を同法第二十四条ノ二第三項」に改める。
(中小企業等協同組合法等の一部改正)
第八条 次に掲げる法律の規定(他の法令において準用する場合を含む。)中「登記の更正及び 抹消」の下に「、電子情報処理組織による登記に関する特例」を加える。
一 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第百三条
二 外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三十三条
三 商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第百十八条
四 宗教法人法第六十五条
五 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十五条
六 漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第八十三条
七 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)第七十八条
八 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第八十九条
(職員団体等に対する法人格の付与に関する法律の一部改正)
第九条 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律(昭和五十三年法律第八十号)の一部を次のように改正する。
第十二条に次の一項を加える。
5 この法律による法人の登記事務を前条の規定により準用する非訟事件手続法第百二十四条の規定により準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第百十三条の二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における前項の規定の適用については、同項中「登記用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)
第十条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部を次のように改正する。
第二条第一項第八号中「第十一条第一項若しくは第十二条第一項」を「第十条、第十一条第一項、第十二条第一項、第百十三条の三、第百十三条の四第一項若しくは第百十三条の六第五項」に改める。
(登記簿の改製等の経過措置)
第十一条 この法律の規定による不動産登記法、商業登記法その他の法律の改正に伴う登記簿の改製その他の必要な経過措置は、法務省令で定める。
内閣総理大臣 竹下登
法務大臣 林田悠紀夫
大蔵大臣 宮澤喜一
文部大臣 中島源太郎
厚生大臣 藤本孝雄
農林水産大臣 佐藤隆
通商産業大臣 田村元
運輸大臣 石原慎太郎
労働大臣臨時代理 国務大臣 中山正暉
建設大臣 越智伊平
不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十三年六月十一日
内閣総理大臣 竹下登
法律第八十一号
不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律
(不動産登記法の一部改正)
第一条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五章 審査請求(第百五十二条―第百五十七条ノ二)」を
第四章ノ二
電子情報処理組織ニ依ル登記ニ関スル特例(第百五十一条ノ二―第百五十一条ノ八)
第五章
審査請求(第百五十二条―第百五十七条ノ二)
に改める。
第二十一条第一項後段を削り、同条第二項中「、地図」を「又ハ地図」に改め、「又ハ前項ノ規定ニ依ル証明書」を削る。
第二十一条ノ二を削る。
第二十四条ノ二第二項中「二十年間」を「三十年間」に改め、同項に次のただし書を加える。
但土地ノ登記用紙ニ付テハ其保存期間ハ五十年間トス
第二十四条ノ二第三項中「、第二十一条及ビ第二十一条ノ二」を「及ビ第二十一条」に改める。
第百四十二条第三項に後段として次のように加える。
同項ノ場合ニ於テ債権ノ弁済期ヨリ二十年ヲ経過シ且申請書ニ其期間ノ経過シタル後債権、利息及ビ債務ノ不履行ニ因リテ生ジタル損害ノ全額ニ相当スル金銭ノ供託ヲ為シタルコトヲ証スル書面ヲ添附シタルトキ亦同ジ
第四章の次に次の一章を加える。
第四章ノ二 電子情報処理組織ニ依ル登記ニ関スル特例
第百五十一条ノ二 法務大臣ノ指定スル登記所(以下指定登記所ト称ス)ニ於テハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ登記事務ノ全部又ハ一部ヲ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フコトヲ得此場合ニ於テハ登記簿ハ磁気ディスク(之ニ準ズル方法ニ依リ一定ノ事項ヲ確実ニ記録シ得ル物ヲ含ム)ヲ以テ之ヲ調製ス
前項ノ指定ハ告示シテ之ヲ為ス
第百五十一条ノ三 何人ト雖モ手数料ヲ納付シテ前条第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項ノ全部又ハ一部ヲ証明シタル書面(以下登記事項証明書ト称ス)ノ交付ヲ請求シ又ハ手数料ノ外郵送料ヲ納付シテ登記事項証明書ノ送付ヲ請求スルコトヲ得
指定登記所中別ニ法務大臣ノ指定スル甲登記所ノ管轄ニ属スル不動産ニ付テノ登記事項証明書ノ交付ノ請求ハ指定登記所中別ニ法務大臣ノ指定スル乙登記所ニ於テモ之ヲ為スコトヲ得前項ノ指定ハ告示シテ之ヲ為ス
第二項ノ登記事項証明書ノ記載事項ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム
何人ト雖モ手数料ヲ納付シテ前条第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項ノ摘要ヲ記載シタル書面ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第一項及ビ前項ノ手数料ノ額ハ物価ノ状況、登記事項証明書ノ交付等ニ要スル実費其他一切ノ事情ヲ考慮シ政令ヲ以テ之ヲ定ム
第一項及ビ第五項ノ手数料ノ納付ハ登記印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第百五十一条ノ四 登記事項証明書ハ第九十三条ノ三第四項(第九十三条ノ六第七項、第九十三条ノ八第八項、第九十三条ノ十第二項、第百一条第三項及ビ第百四条第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定及ビ民法、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)其他ノ法令ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ登記簿ノ謄本又ハ抄本ト看做ス
第百五十一条ノ五 第百五十一条ノ二第一項ノ登記簿ニ記録シタル事項過多ニシテ取扱不便ト為ルニ至リタルトキハ現ニ効力ヲ有スル登記其他ノ法務省令ヲ以テ定ムル事項ニ係ル登記ヲ新登記簿ノ登記記録ニ移スコトヲ得
第七十六条第二項及ビ第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス此場合ニ於テハ同条第二項中「登記官捺印スル」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、同条第三項中「前登記用紙」トアルハ「前登記簿ノ登記記録」ト読替フルモノトス
第百五十一条ノ六 登記事項証明書其他電子情報処理組織ニ依リテ作ルベキ書面ニ金銭其他ノ物ノ数量、年月日及ビ番号ヲ記載スルニハアラビア数字ヲ用ヰルコトヲ得
第百五十一条ノ七 登記官ハ申請書ニ共同担保目録ヲ添附シテ登記ノ申請アリタル場合ニ於テ電子情報処理組織ニ依リテ登記ヲ為ストキハ登記スベキ権利ノ目的タル不動産ニ関スル権利ノ表示ヲ為シタル共同担保目録ヲ作成スルコトヲ得第百二十七条第三項又ハ第百二十八条第二項ノ規定ニ依リ共同担保目録ノ送付ヲ受ケタル場合ニ於テ亦同ジ
第百五十一条ノ八 第百五十一条ノ三乃至前条ニ定ムル場合ヲ除クノ外登記事務ヲ第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル前四章及び第百五十七条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「登記用紙」トアリ及ビ「用紙」トアルハ「登記記録」ト、「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「及ビ第二十一条」トアルハ「、第百五十一条ノ三第一項、第六項及び第七項並ニ第百五十一条ノ四」ト、「枚数」トアルハ「事項」ト、「新用紙」トアリ及ビ「新登記用紙」トアルハ「新登記記録」ト、「前登記用紙」トアルハ「前登記記録」トシ、此等ノ規定ノ内登記簿ニ為ス行為ニ関スル規定中「登記官捺印スル」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(商業登記法の一部改正)
第二条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四章 雑則(第百十四条―第百二十条)」を
第三章の二
電子情報処理組織による登記に関する特例(第百十三条の二―第百十三条の七)
第四章
雑則(第百十四条―第百二十条)
に改める。
第十条中「何人でも」の下に「、手数料を納付して」を加える。
第十三条中「前二条」を「前三条」に改める。
第三章の次に次の一章を加える。
第三章の二 電子情報処理組織による登記に関する特例
(電子情報処理組織による事務の取扱い)
第百十三条の二 法務大臣の指定する登記所(以下「指定登記所」という。)においては、法務省令の定めるところによりその事務の全部又は一部を電子情報処理組織によつて取り扱うことができる。この場合においては、登記簿は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。)をもつて調製する。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
(登記事項の摘要を記載した書面の交付)
第百十三条の三 何人でも、手数料を納付して、前条第一項の登記簿に記録されている事項の摘要を記載した書面の交付を請求することができる。
(登記事項証明書の交付等)
第百十三条の四 何人でも、手数料を納付して、第百十三条の二第一項の登記簿に記録されている事項を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求し、又は手数料のほか郵送料を納付して、登記事項証明書の送付を請求することができる。
2 指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所に備えられた登記簿に記録されている事項を証明した登記事項証明書の交付の請求は、指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所においてもすることができる。
3 前項の指定は、告示してしなければならない。
4 第一項及び第二項の登記事項証明書の記載事項は、法務省令で定める。
5 登記事項証明書は、第三十八条第二項、第六十七条第三号(第七十七条において準用する場合を含む。)及び第百四条第三項の規定並びに民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)その他の法令の規定の適用については、登記簿の謄本又は抄本とみなす。
(手数料)
第百十三条の五 前二条の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付等に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令で定める。
2 前二条の手数料の納付は、登記印紙をもつてしなければならない。
(支店所在地における登記)
第百十三条の六 指定登記所中別に法務大臣の指定する登記所の管轄区域内に本店を有する会社による本店及び支店の所在地において登記すべき事項について支店の所在地においてする登記の申請は、その支店が指定登記所中別に法務大臣の指定する他の登記所の管轄区域内にあるときは、本店の所在地を管轄する登記所を経由してすることができる。
2 前項の指定は、告示してしなければならない。
3 第一項の規定による登記の申請と本店の所在地における登記の申請とは、同時にしなければならない。
4 申請書の添付書面に関する規定は、第一項の規定による登記の申請については、適用しない。
5 第一項の規定により登記を申請する者は、手数料を納付しなければならない。
6 前項の手数料の額は、物価の状況、次条第二項及び第三項の規定による通知に要する実費その他一切の事情を考慮して、政令で定める。
7 前条第二項の規定は、第五項の規定による手数料の納付に準用する。
第百十三条の七 本店の所在地を管轄する登記所においては、前条第一項の登記の申請につき第二十四条各号に掲げる事由があるときは、その申請を却下しなければならない。前条第五項の手数料を納付しないときも、同様とする。
2 本店の所在地を管轄する登記所においては、前条第一項の場合において、本店の所在地において登記すべき事項を登記したときは、遅滞なく、同項の登記の申請があつた旨を支店の所在地を管轄する登記所に通知しなければならない。ただし、前項の規定によりその申請を却下したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合において、前条第一項の登記の申請が設立の登記の申請であるときは、本店の所在地を管轄する登記所においては、会社成立の年月日をも通知しなければならない。
4 前二項の規定による通知があつたときは、第二十一条の規定の適用については、登記官が前条第一項の登記の申請書を受け取つたものとみなす。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中不動産登記法第四章の次に一章を加える改正規定のうち第百五十一条ノ三第二項から第四項まで、第百五十一条ノ五及び第百五十一条ノ七の規定に係る部分、第二条中商業登記法の目次の改正規定並びに同法第三章の次に一章を加える改正規定のうち第百十三条の二、第百十三条の三、第百十三条の四第一項、第四項及び第五項並びに第百十三条の五の規定に係る部分並びに附則第八条から第十条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
二 第二条中商業登記法第十条及び第十三条の各改正規定並びに同法第三章の次に一章を加える改正規定のうち第百十三条の四第二項及び第三項、第百十三条の六並びに第百十三条の七の規定に係る部分 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日
(工場抵当法の一部改正)
第二条 工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。
第四十八条の次に次の一条を加える。
第四十八条ノ二 工場財団ニ関スル登記事務ヲ不動産登記法第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル第十七条ノ二、第十七条ノ四、第十九条、第二十条、第二十三条、第三十四条、第四十二条ノ三、第四十二条ノ六、第四十二条ノ七、第四十四条、第四十四条ノ二及前条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「登記用紙」トアリ及「用紙」トアルハ「登記記録」ト、「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「登記官捺印ス」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(立木に関する法律の一部改正)
第三条 立木に関する法律(明治四十二年法律第二十二号)の一部を次のように改正する。
第二十一条の次に次の一条を加える。
第二十二条 立木ニ関スル登記事務ヲ不動産登記法第百五十一条ノ二第一項ノ電子情報処理組織ニ依リテ取扱フ場合ニ於ケル第十三条、第十四条、第十八条及ビ第十九条ノ規定ノ適用ニ付テハ此等ノ規定中「一用紙」トアルハ「一登記記録」ト、「登記用紙」トアルハ「登記記録」ト、「登記官捺印ス」トアルハ「登記官ヲ明カナラシムル措置ヲ為ス」ト、「朱抹」トアルハ「抹消スル記号ヲ記録」トス
(宗教法人法の一部改正)
第四条 宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第六十八条に次の一項を加える。
2 建物又は土地の登記事務を不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)第百五十一条ノ二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における前項の規定の適用については、同項中「登記用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(道路交通事業抵当法の一部改正)
第五条 道路交通事業抵当法(昭和二十七年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第十九条中「第四十八条」を「第四十八条ノ二」に改め、同条に次の一項を加える。
2 事業財団に関する登記事務を不動産登記法第百五十一条ノ二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における第十一条の規定の適用については、同条第二号中「用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(観光施設財団抵当法の一部改正)
第六条 観光施設財団抵当法(昭和四十三年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。
第十一条中「第四十八条」を「第四十八条ノ二」に改める。
(印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)
第七条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律(昭和二十三年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第八号中「(同法第二十四条ノ二第三項」を「若しくは第百五十一条ノ三第一項若しくは第五項(これらの規定を同法第二十四条ノ二第三項」に改める。
(中小企業等協同組合法等の一部改正)
第八条 次に掲げる法律の規定(他の法令において準用する場合を含む。)中「登記の更正及び 抹消」の下に「、電子情報処理組織による登記に関する特例」を加える。
一 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第百三条
二 外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三十三条
三 商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第百十八条
四 宗教法人法第六十五条
五 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十五条
六 漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第八十三条
七 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)第七十八条
八 労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第八十九条
(職員団体等に対する法人格の付与に関する法律の一部改正)
第九条 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律(昭和五十三年法律第八十号)の一部を次のように改正する。
第十二条に次の一項を加える。
5 この法律による法人の登記事務を前条の規定により準用する非訟事件手続法第百二十四条の規定により準用する商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第百十三条の二第一項の電子情報処理組織によつて取り扱う場合における前項の規定の適用については、同項中「登記用紙」とあるのは「登記記録」とする。
(印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正)
第十条 印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部を次のように改正する。
第二条第一項第八号中「第十一条第一項若しくは第十二条第一項」を「第十条、第十一条第一項、第十二条第一項、第百十三条の三、第百十三条の四第一項若しくは第百十三条の六第五項」に改める。
(登記簿の改製等の経過措置)
第十一条 この法律の規定による不動産登記法、商業登記法その他の法律の改正に伴う登記簿の改製その他の必要な経過措置は、法務省令で定める。
内閣総理大臣 竹下登
法務大臣 林田悠紀夫
大蔵大臣 宮沢喜一
文部大臣 中島源太郎
厚生大臣 藤本孝雄
農林水産大臣 佐藤隆
通商産業大臣 田村元
運輸大臣 石原慎太郎
労働大臣臨時代理 国務大臣 中山正暉
建設大臣 越智伊平