(経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律)
法令番号: 法律第四號
公布年月日: 昭和19年2月10日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル經濟關係罰則ノ整備ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年二月九日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 軍需大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
司法大臣 岩村通世
海軍大臣 嶋田繁太郞
大藏大臣 賀屋興宣
運輸通信大臣 八田嘉明
內務大臣 安藤紀三郞
大東亞大臣 靑木一男
外務大臣 重光葵
農商大臣 山崎達之輔
文部大臣 子爵 岡部長景
法律第四號
第一條 國家總動員法第十八條第一項若ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラレタル團體又ハ營團、金庫若ハ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
前項ノ團體竝ニ營團、金庫及此等ニ準ズルモノハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル會社、國家總動員法其ノ他經濟ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制若ハ統制ノ爲ニスル經營ヲ爲ス會社若ハ組合又ハ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ職員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス
因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ七年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ會社、組合及此等ニ準ズルモノハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 前條第一項ニ揭グル役員其ノ他ノ職員タラントスル者其ノ擔當スベキ職務ニ關シ請託ヲ受ケテ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ同項ニ揭グル役員其ノ他ノ職員ト爲リタル場合ニ於テ二年以下ノ懲役ニ處ス
前條第一項ニ揭グル役員其ノ他ノ職員タリシ者其ノ在職中請託ヲ受ケテ職務上不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザリシコトニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス
第四條 第二條第一項及前條ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第五條 第二條第一項及第三條ニ規定スル賄賂ヲ供與シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ得
第六條 公務員若ハ公務員タリシ者又ハ第一條若ハ第二條ノ團體、營團、金庫、會社及組合竝ニ此等ニ準ズルモノ(以下經濟團體ト稱ス)ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノノ役員其ノ他ノ職員若ハ役員其ノ他ノ職員タリシ者自己又ハ第三者ノ利益ヲ圖リ重要物資ノ生產、配給又ハ消費ノ統制其ノ他經濟ノ統制ニ關スル官廳又ハ當該經濟團體ノ重要ナル祕密ニシテ職務上知得シタルモノヲ漏泄シ又ハ竊用シタルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
第七條 經濟團體ノ行フ統制事務若ハ統制ノ爲ニスル經營事務ヲ代行スル法人ノ役員其ノ他ノ職員又ハ人若ハ其ノ使用人ニシテ當該事務ニ從事スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ當該經濟團體ノ當該事務ニ從事スル職員ト看做ス
第八條 第二條第一項、第三條及第六條ノ罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
附 則
第九條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條 日本證券取引所法中左ノ通改正ス
第八十五條中「五千圓以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金」ニ改ム
第八十七條中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「三千圓以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金」ニ改ム
第十一條 外國爲替管理法中左ノ通改正ス
第十四條中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「千圓以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金」ニ改ム
第十二條 國家總動員法中左ノ通改正ス
第四十六條及第四十七條 削除
第十三條 昭和十二年法律第九十二號中左ノ通改正ス
第九條及第十條ヲ削ル
第十四條 農地開發法中左ノ通改正ス
第六十二條及第六十三條 削除
第十五條 食糧管理法中左ノ通改正ス
第三十八條及第三十九條 削除
第十六條 蠶絲業統制法中左ノ通改正ス
第四十八條及第四十九條 削除
第十七條 酒類業團體法中左ノ通改正ス
第十條ノ十七及第十條ノ十八ヲ削リ第十條ノ十九ヲ第十條ノ十七トス
第十八條 鹽專賣法中左ノ通改正ス
第四十條ノ三及第四十條ノ四ヲ削ル
第四十條ノ五中「第四十條ノ三第一項ニ揭クル者」ヲ「鹽業組合、鹽業組合聯合會又ハ鹽業組合中央會ノ役員又ハ淸算人」ニ改メ同條ヲ第四十條ノ三トス
第十九條 馬匹組合法中左ノ通改正ス
第四十五條及第四十六條ヲ削リ第四十七條ヲ第四十五條トス
第二十條 自動車交通事業法中左ノ通改正ス
第五十八條及第五十九條 削除
第二十一條 貿易組合法中左ノ通改正ス
第八十四條 削除
第九十條及第九十一條ヲ削ル
第九十二條中「第八十九條」ヲ「前條」ニ改メ「、第九十條ニ揭グル罪ハ刑法第四條ノ例ニ」ヲ削リ同條ヲ第九十條トス
第二十二條 海運組合法中左ノ通改正ス
第三十六條及第三十七條ヲ削リ第三十八條ヲ第三十六條、第三十九條ヲ第三十七條トス
第四十條ヲ削ル
第二十三條 造船事業法中左ノ通改正ス
第四十八條及第四十九條ヲ削リ第五十條ヲ第四十八條トシ以下第五十二條迄順次二條宛繰上グ
第五十三條ヲ削ル
第二十四條 貸家組合法中左ノ通改正ス
第四十八條乃至第五十條 削除
第二十五條 市街地信用組合法中左ノ通改正ス
第五十六條及第五十七條 削除
第五十八條中「第五十六條第一項ニ揭グル者」ヲ「市街地信用組合ノ組合長、理事、監事、第十四條ノ規定ニ依ル代理人又ハ淸算人」ニ改ム
第五十九條中「第五十六條第一項」ヲ「前條」ニ改ム
第二十六條 農業團體法中左ノ通改正ス
第七十一條及第七十二條 削除
第七十三條中「第四十五條」ノ下ニ「(第五十七條及第六十六條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加フ
第二十七條 水產業團體法中左ノ通改正ス
第七十三條及第七十四條 削除
第二十八條 商工組合法中左ノ通改正ス
第八十二條及第八十三條 削除
第八十四條中「、第八十二條ニ揭グル罪ハ刑法第四條ノ例ニ」ヲ削ル
第二十九條 本法施行前爲シタル行爲ノ處罰ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年二月九日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 軍需大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
司法大臣 岩村通世
海軍大臣 嶋田繁太郎
大蔵大臣 賀屋興宣
運輸通信大臣 八田嘉明
内務大臣 安藤紀三郎
大東亜大臣 青木一男
外務大臣 重光葵
農商大臣 山崎達之輔
文部大臣 子爵 岡部長景
法律第四号
第一条 国家総動員法第十八条第一項若ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラレタル団体又ハ営団、金庫若ハ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス
前項ノ団体並ニ営団、金庫及此等ニ準ズルモノハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 特別ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社、国家総動員法其ノ他経済ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制若ハ統制ノ為ニスル経営ヲ為ス会社若ハ組合又ハ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ職員其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ処ス
因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ七年以下ノ懲役ニ処ス
前項ノ会社、組合及此等ニ準ズルモノハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 前条第一項ニ掲グル役員其ノ他ノ職員タラントスル者其ノ担当スベキ職務ニ関シ請託ヲ受ケテ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ同項ニ掲グル役員其ノ他ノ職員ト為リタル場合ニ於テ二年以下ノ懲役ニ処ス
前条第一項ニ掲グル役員其ノ他ノ職員タリシ者其ノ在職中請託ヲ受ケテ職務上不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザリシコトニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス
第四条 第二条第一項及前条ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第五条 第二条第一項及第三条ニ規定スル賄賂ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽シ又ハ免除スルコトヲ得
第六条 公務員若ハ公務員タリシ者又ハ第一条若ハ第二条ノ団体、営団、金庫、会社及組合並ニ此等ニ準ズルモノ(以下経済団体ト称ス)ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノノ役員其ノ他ノ職員若ハ役員其ノ他ノ職員タリシ者自己又ハ第三者ノ利益ヲ図リ重要物資ノ生産、配給又ハ消費ノ統制其ノ他経済ノ統制ニ関スル官庁又ハ当該経済団体ノ重要ナル秘密ニシテ職務上知得シタルモノヲ漏泄シ又ハ窃用シタルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
第七条 経済団体ノ行フ統制事務若ハ統制ノ為ニスル経営事務ヲ代行スル法人ノ役員其ノ他ノ職員又ハ人若ハ其ノ使用人ニシテ当該事務ニ従事スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ当該経済団体ノ当該事務ニ従事スル職員ト看做ス
第八条 第二条第一項、第三条及第六条ノ罪ハ刑法第四条ノ例ニ従フ
附 則
第九条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十条 日本証券取引所法中左ノ通改正ス
第八十五条中「五千円以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金」ニ改ム
第八十七条中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「三千円以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金」ニ改ム
第十一条 外国為替管理法中左ノ通改正ス
第十四条中「漏洩」ヲ「漏泄」ニ、「千円以下ノ罰金」ヲ「二年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金」ニ改ム
第十二条 国家総動員法中左ノ通改正ス
第四十六条及第四十七条 削除
第十三条 昭和十二年法律第九十二号中左ノ通改正ス
第九条及第十条ヲ削ル
第十四条 農地開発法中左ノ通改正ス
第六十二条及第六十三条 削除
第十五条 食糧管理法中左ノ通改正ス
第三十八条及第三十九条 削除
第十六条 蚕糸業統制法中左ノ通改正ス
第四十八条及第四十九条 削除
第十七条 酒類業団体法中左ノ通改正ス
第十条ノ十七及第十条ノ十八ヲ削リ第十条ノ十九ヲ第十条ノ十七トス
第十八条 塩専売法中左ノ通改正ス
第四十条ノ三及第四十条ノ四ヲ削ル
第四十条ノ五中「第四十条ノ三第一項ニ掲クル者」ヲ「塩業組合、塩業組合連合会又ハ塩業組合中央会ノ役員又ハ清算人」ニ改メ同条ヲ第四十条ノ三トス
第十九条 馬匹組合法中左ノ通改正ス
第四十五条及第四十六条ヲ削リ第四十七条ヲ第四十五条トス
第二十条 自動車交通事業法中左ノ通改正ス
第五十八条及第五十九条 削除
第二十一条 貿易組合法中左ノ通改正ス
第八十四条 削除
第九十条及第九十一条ヲ削ル
第九十二条中「第八十九条」ヲ「前条」ニ改メ「、第九十条ニ掲グル罪ハ刑法第四条ノ例ニ」ヲ削リ同条ヲ第九十条トス
第二十二条 海運組合法中左ノ通改正ス
第三十六条及第三十七条ヲ削リ第三十八条ヲ第三十六条、第三十九条ヲ第三十七条トス
第四十条ヲ削ル
第二十三条 造船事業法中左ノ通改正ス
第四十八条及第四十九条ヲ削リ第五十条ヲ第四十八条トシ以下第五十二条迄順次二条宛繰上グ
第五十三条ヲ削ル
第二十四条 貸家組合法中左ノ通改正ス
第四十八条乃至第五十条 削除
第二十五条 市街地信用組合法中左ノ通改正ス
第五十六条及第五十七条 削除
第五十八条中「第五十六条第一項ニ掲グル者」ヲ「市街地信用組合ノ組合長、理事、監事、第十四条ノ規定ニ依ル代理人又ハ清算人」ニ改ム
第五十九条中「第五十六条第一項」ヲ「前条」ニ改ム
第二十六条 農業団体法中左ノ通改正ス
第七十一条及第七十二条 削除
第七十三条中「第四十五条」ノ下ニ「(第五十七条及第六十六条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)」ヲ加フ
第二十七条 水産業団体法中左ノ通改正ス
第七十三条及第七十四条 削除
第二十八条 商工組合法中左ノ通改正ス
第八十二条及第八十三条 削除
第八十四条中「、第八十二条ニ掲グル罪ハ刑法第四条ノ例ニ」ヲ削ル
第二十九条 本法施行前為シタル行為ノ処罰ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル