帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第136号
公布年月日: 昭和26年4月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

東京都の交通機関整備のため昭和16年に設立された帝都高速度交通営団は、戦時中からの資材・資金難で新線建設が停滞していた。戦後の都内交通混雑を解消するため、特に混雑の著しい国鉄山手線池袋・神田間の輸送力増強を目的とした地下鉄建設計画を進めてきた。しかし建設費48億円余を含む今後の計画路線完成に約500億円を要し、民間資金での対応が困難なため、米国対日援助見返資金や資金運用部資金等の政府資金受入体制を整備し、より公益的な運営を可能とするため、法改正が必要となった。

参照した発言:
第10回国会 参議院 運輸委員会 第8号

審議経過

第10回国会

参議院
(昭和26年3月15日)
(昭和26年3月17日)
(昭和26年3月19日)
(昭和26年3月20日)
衆議院
(昭和26年3月22日)
(昭和26年3月23日)
(昭和26年3月24日)
(昭和26年3月27日)
(昭和26年3月28日)
(昭和26年3月29日)
(昭和26年3月30日)
(昭和26年3月31日)
(昭和26年3月31日)
(昭和26年6月5日)
参議院
(昭和26年6月6日)
帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年四月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百三十六号
帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律
帝都高速度交通営団法(昭和十六年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第一條第一項中「東京市」を「東京都ノ区ノ存スル区域」に、「法人」を「公法上ノ法人」に改める。
第五條を次のように改める。
第五條 帝都高速度交通営団ニ出資シ得ル者ハ日本国有鉄道及帝都高速度交通営団ノ路線ノ存スル地域ヲ区域トスル地方公共団体トス
日本国有鉄道ハ予算ノ範囲内ニ於テ帝都高速度交通営団ニ出資スルコトヲ得
第六條を次のように改める。
第六條 削除
第九條を次のように改める。
第九條 削除
「第二章 役員」を「第三章 役員及職員」に改め、第一章の次に次の一章を加える。
第二章 管理委員会
第十四條ノ二 帝都高速度交通営団ニ管理委員会ヲ置ク
第十四條ノ三 帝都高速度交通営団ノ收支予算、事業計画、資金計画及收支決算ハ管理委員会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第十四條ノ四 管理委員会ハ委員五人及帝都高速度交通営団ノ総裁ヲ以テ之ヲ組織ス
管理委員会ニ委員長一人ヲ置キ委員ガ互選ス
委員長ハ管理委員会ノ会務ヲ総理ス
管理委員会ハ予メ委員ノ中ヨリ委員長ノ職務ヲ代行スル者ヲ定ムルコトヲ要ス
第十四條ノ五 委員ハ帝都高速度交通営団ノ業務ニ関シ適正ナル判断ヲ為スコトヲ得ル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ委員ノ中一人ハ日本国有鉄道総裁ノ推薦シタル者三人ノ中ヨリ一人ハ帝都高速度交通営団ニ出資シタル地方公共団体ノ長ノ推薦シタル者三人ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ要ス
第十四條ノ六 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ委員タルコトヲ得ズ
一 禁治産者又ハ準禁治産者
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者
三 政府職員又ハ地方公共団体ノ職員ニシテ審議会其ノ他之ニ準ズルモノノ構成員タル非常勤ノ者以外ノモノ
四 国会議員又ハ地方公共団体ノ議会ノ議員
五 政党ノ役員(任命ノ日以前一年間ニ於テ之ニ該当シタル者ヲ含ム)
六 帝都高速度交通営団ニ対シ物品ノ売買若ハ工事ノ請負ヲ為スヲ業トスル者又ハ之等ノ者ガ法人ナルトキハ其ノ役員若ハ名称ノ如何ニ拘ラズ役員ト同等以上ノ職権若ハ支配力ヲ有スル者(任命ノ日以前一年間ニ於テ之等ノ者ニ該当シタル者ヲ含ム)
七 前号ニ掲グル事業者ノ団体ノ役員又ハ名称ノ如何ニ拘ラズ役員ト同等以上ノ職権若ハ支配力ヲ有スル者(任命ノ日以前一年間ニ於テ之等ノ者ニ該当シタル者ヲ含ム)
第十四條ノ七 委員ノ任期ハ五年トス但シ補欠ノ委員ハ前任者ノ残存期間在任ス
委員ハ再任サルルコトヲ得
委員ハ任期ガ満了シタル場合ニ於テモ新ニ委員ガ任命サルル迄ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ引続キ在任ス
第十四條ノ八 主務大臣ハ委員ガ心身ノ故障ノ為職務ヲ執行スルコト能ハザルト認ムル場合又ハ委員ニ職務上ノ義務違反其ノ他委員タルニ適セザル非行在リト認ムル場合ニ於テハ之ヲ罷免スルコトヲ得
第十四條ノ九 委員ハ報酬ヲ受クルコトヲ得ズ但シ旅費其ノ他業務ノ遂行ニ伴フ実費ハ之ヲ受クルモノトス
第十四條ノ十 管理委員会ハ委員長及其ノ他ノ委員ノ中二人以上ガ出席スルニ非ザレバ会議ヲ開キ議決ヲ為スコトヲ得ズ
管理委員会ノ議事ハ出席セル委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ノトキハ委員長之ヲ決ス
第十八條の次に次の一條を加える。
第十八條ノ二 帝都高速度交通営団ノ役員及職員ハ刑法其ノ他ノ罰則ノ適用ニ付テハ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス
第十九條を次のように改める。
第十九條 削除
「第三章 交通債券」を「第四章 交通債券等」に改め、以下一章ずつ繰り下げる。
第二十九條第二項中「前項」を「前二項」に改め、同條第一項の次に次の一項を加える。
国ハ帝都高速度交通営団ニ対スル米国対日援助見返資金ノ運用ニ依ル貸付金ニ付テハ帝都高速度交通営団ノ財産ニ付他ノ債権者ニ先チテ自己ノ債権ノ弁済ヲ受クル権利ヲ有ス
第三十二條の次に次の一條を加える。
第三十二條ノ二 帝都高速度交通営団ハ第十四條ノ三ノ規定ニ依リ收支予算、事業計画、資金計画及收支決算ニ付管理委員会ノ議決ヲ経タルトキハ当該議決後十五日以内ニ予算及決算ニ関スル書類ヲ作成シ主務大臣、日本国有鉄道及帝都高速度交通営団ニ出資シタル地方公共団体ニ提出スベシ
帝都高速度交通営団ハ予算及決算ニ関スル書類ヲ主タル事務所ニ備置キ之ヲ一般ノ閲覽ニ供スベシ
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、改正後の第十四條ノ三の規定は、昭和二十六年四月から始まる事業年度以後の事業年度の收支予算、事業計画、資金計画及び收支決算について、適用する。
2 帝都高速度交通営団の昭和二十六年四月から始まる事業年度の收支予算、事業計画及び資金計画は、改正後の第十四條ノ三の規定にかかわらず、帝都高速度交通営団の管理委員会の最初の委員が任命された後管理委員会の承認を受ければ足りる。
3 改正後の第二十九條第二項の規定は、国が帝都高速度交通営団に対し、この法律施行前に貸し付けた米国対日援助見返資金の運用による貸付金についても、適用する。
4 この法律施行後最初に任命された帝都高速度交通営団の管理委員会の委員の任期は、主務大臣の指定するところにより任命の日からそれぞれ一年、二年、三年、四年、五年とする。
5 この法律施行の際帝都高速度交通営団に出資している者であつて、日本国有鉄道及び地方公共団体以外のものは、次項の規定によりその持分が消却されるまでは、改正後の第五條の規定にかかわらず、拂込をした出資額の限度において、なお、出資することができる。
6 帝都高速度交通営団は、前項の者の持分を買入の方法によりできるだけすみやかに消却するものとする。
7 帝都高速度交通営団は、前項の買入をする場合には、その数量及び価額につき管理委員会の議決を経なければならない。
8 附則第六項の規定により出資者の持分を消却した場合には、帝都高速度交通営団の資本は、その持分に対応する出資金額だけ減少する。
9 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表甲号第二号を次のように改める。
二 削除
10 帝都高速度交通営団は、附則第六項の規定により日本国有鉄道及び地方公共団体以外の者の持分を消却するまでは、資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)第七條第一項の規定の適用について、同項第七号及び第八号に規定する法人とみなす。
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 山崎猛
建設大臣 増田甲子七
内閣総理大臣 吉田茂
帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年四月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百三十六号
帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律
帝都高速度交通営団法(昭和十六年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「東京市」を「東京都ノ区ノ存スル区域」に、「法人」を「公法上ノ法人」に改める。
第五条を次のように改める。
第五条 帝都高速度交通営団ニ出資シ得ル者ハ日本国有鉄道及帝都高速度交通営団ノ路線ノ存スル地域ヲ区域トスル地方公共団体トス
日本国有鉄道ハ予算ノ範囲内ニ於テ帝都高速度交通営団ニ出資スルコトヲ得
第六条を次のように改める。
第六条 削除
第九条を次のように改める。
第九条 削除
「第二章 役員」を「第三章 役員及職員」に改め、第一章の次に次の一章を加える。
第二章 管理委員会
第十四条ノ二 帝都高速度交通営団ニ管理委員会ヲ置ク
第十四条ノ三 帝都高速度交通営団ノ収支予算、事業計画、資金計画及収支決算ハ管理委員会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第十四条ノ四 管理委員会ハ委員五人及帝都高速度交通営団ノ総裁ヲ以テ之ヲ組織ス
管理委員会ニ委員長一人ヲ置キ委員ガ互選ス
委員長ハ管理委員会ノ会務ヲ総理ス
管理委員会ハ予メ委員ノ中ヨリ委員長ノ職務ヲ代行スル者ヲ定ムルコトヲ要ス
第十四条ノ五 委員ハ帝都高速度交通営団ノ業務ニ関シ適正ナル判断ヲ為スコトヲ得ル者ノ中ヨリ主務大臣之ヲ命ズ
前項ノ委員ノ中一人ハ日本国有鉄道総裁ノ推薦シタル者三人ノ中ヨリ一人ハ帝都高速度交通営団ニ出資シタル地方公共団体ノ長ノ推薦シタル者三人ノ中ヨリ之ヲ命ズルコトヲ要ス
第十四条ノ六 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ委員タルコトヲ得ズ
一 禁治産者又ハ準禁治産者
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者
三 政府職員又ハ地方公共団体ノ職員ニシテ審議会其ノ他之ニ準ズルモノノ構成員タル非常勤ノ者以外ノモノ
四 国会議員又ハ地方公共団体ノ議会ノ議員
五 政党ノ役員(任命ノ日以前一年間ニ於テ之ニ該当シタル者ヲ含ム)
六 帝都高速度交通営団ニ対シ物品ノ売買若ハ工事ノ請負ヲ為スヲ業トスル者又ハ之等ノ者ガ法人ナルトキハ其ノ役員若ハ名称ノ如何ニ拘ラズ役員ト同等以上ノ職権若ハ支配力ヲ有スル者(任命ノ日以前一年間ニ於テ之等ノ者ニ該当シタル者ヲ含ム)
七 前号ニ掲グル事業者ノ団体ノ役員又ハ名称ノ如何ニ拘ラズ役員ト同等以上ノ職権若ハ支配力ヲ有スル者(任命ノ日以前一年間ニ於テ之等ノ者ニ該当シタル者ヲ含ム)
第十四条ノ七 委員ノ任期ハ五年トス但シ補欠ノ委員ハ前任者ノ残存期間在任ス
委員ハ再任サルルコトヲ得
委員ハ任期ガ満了シタル場合ニ於テモ新ニ委員ガ任命サルル迄ハ第一項ノ規定ニ拘ラズ引続キ在任ス
第十四条ノ八 主務大臣ハ委員ガ心身ノ故障ノ為職務ヲ執行スルコト能ハザルト認ムル場合又ハ委員ニ職務上ノ義務違反其ノ他委員タルニ適セザル非行在リト認ムル場合ニ於テハ之ヲ罷免スルコトヲ得
第十四条ノ九 委員ハ報酬ヲ受クルコトヲ得ズ但シ旅費其ノ他業務ノ遂行ニ伴フ実費ハ之ヲ受クルモノトス
第十四条ノ十 管理委員会ハ委員長及其ノ他ノ委員ノ中二人以上ガ出席スルニ非ザレバ会議ヲ開キ議決ヲ為スコトヲ得ズ
管理委員会ノ議事ハ出席セル委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ノトキハ委員長之ヲ決ス
第十八条の次に次の一条を加える。
第十八条ノ二 帝都高速度交通営団ノ役員及職員ハ刑法其ノ他ノ罰則ノ適用ニ付テハ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス
第十九条を次のように改める。
第十九条 削除
「第三章 交通債券」を「第四章 交通債券等」に改め、以下一章ずつ繰り下げる。
第二十九条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
国ハ帝都高速度交通営団ニ対スル米国対日援助見返資金ノ運用ニ依ル貸付金ニ付テハ帝都高速度交通営団ノ財産ニ付他ノ債権者ニ先チテ自己ノ債権ノ弁済ヲ受クル権利ヲ有ス
第三十二条の次に次の一条を加える。
第三十二条ノ二 帝都高速度交通営団ハ第十四条ノ三ノ規定ニ依リ収支予算、事業計画、資金計画及収支決算ニ付管理委員会ノ議決ヲ経タルトキハ当該議決後十五日以内ニ予算及決算ニ関スル書類ヲ作成シ主務大臣、日本国有鉄道及帝都高速度交通営団ニ出資シタル地方公共団体ニ提出スベシ
帝都高速度交通営団ハ予算及決算ニ関スル書類ヲ主タル事務所ニ備置キ之ヲ一般ノ閲覧ニ供スベシ
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、改正後の第十四条ノ三の規定は、昭和二十六年四月から始まる事業年度以後の事業年度の収支予算、事業計画、資金計画及び収支決算について、適用する。
2 帝都高速度交通営団の昭和二十六年四月から始まる事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画は、改正後の第十四条ノ三の規定にかかわらず、帝都高速度交通営団の管理委員会の最初の委員が任命された後管理委員会の承認を受ければ足りる。
3 改正後の第二十九条第二項の規定は、国が帝都高速度交通営団に対し、この法律施行前に貸し付けた米国対日援助見返資金の運用による貸付金についても、適用する。
4 この法律施行後最初に任命された帝都高速度交通営団の管理委員会の委員の任期は、主務大臣の指定するところにより任命の日からそれぞれ一年、二年、三年、四年、五年とする。
5 この法律施行の際帝都高速度交通営団に出資している者であつて、日本国有鉄道及び地方公共団体以外のものは、次項の規定によりその持分が消却されるまでは、改正後の第五条の規定にかかわらず、払込をした出資額の限度において、なお、出資することができる。
6 帝都高速度交通営団は、前項の者の持分を買入の方法によりできるだけすみやかに消却するものとする。
7 帝都高速度交通営団は、前項の買入をする場合には、その数量及び価額につき管理委員会の議決を経なければならない。
8 附則第六項の規定により出資者の持分を消却した場合には、帝都高速度交通営団の資本は、その持分に対応する出資金額だけ減少する。
9 経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表甲号第二号を次のように改める。
二 削除
10 帝都高速度交通営団は、附則第六項の規定により日本国有鉄道及び地方公共団体以外の者の持分を消却するまでは、資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号)第七条第一項の規定の適用について、同項第七号及び第八号に規定する法人とみなす。
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 山崎猛
建設大臣 増田甲子七
内閣総理大臣 吉田茂