日本製鉄株式会社法廃止法
法令番号: 法律第240号
公布年月日: 昭和25年8月5日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

日本製鉄株式会社法は、昭和初期の不況時に官営八幡製鉄所を中心とした企業集中により経営危機を打開するため、昭和8年4月に制定された。戦後、日本製鉄は過度経済力集中排除法により分割を命じられ、企業再建整備法に基づく整備計画により1950年3月31日に解散。八幡製鉄所、富士製鉄、日鉄汽船、播磨耐火煉瓦の4社が第二会社として発足し、日本製鉄は清算事務に入った。このため、同社への政府監督権限を定めた同法の存続意義が失われたことから、これを廃止するとともに、官営製鉄所時代の従事者の退職金措置や新会社への一般担保制度適用などの経過措置を講じる必要があり、本法案を提案するものである。

参照した発言:
第8回国会 衆議院 通商産業委員会 第1号

審議経過

第8回国会

衆議院
(昭和25年7月15日)
参議院
(昭和25年7月17日)
衆議院
(昭和25年7月19日)
(昭和25年7月20日)
(昭和25年7月21日)
(昭和25年7月22日)
参議院
(昭和25年7月25日)
(昭和25年7月28日)
(昭和25年7月30日)
衆議院
(昭和25年7月31日)
参議院
(昭和25年7月31日)
日本製鉄株式会社法廃止法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年八月五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十号
日本製鉄株式会社法廃止法
日本製鉄株式会社法(昭和八年法律第四十七号)は、廃止する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 政府は、日本製鉄株式会社が、日本製鉄株式会社法第十六條の規定により従業者の解職の場合における手当につき主務大臣のした命令により、昭和十九年四月一日以後に退職した者に対し、日本製鉄株式会社法施行令(昭和八年勅令第二百四十四号)第二條第一項第三号に規定する金額を支拂つたことにより生じた損失を、この法律の施行後一年以内(同会社の清算がこの法律の施行後一年以内に結了する場合は、その結了の時まで。以下同じ。)に補償しなければならない。
3 日本製鉄株式会社は、この法律の施行後六箇月以内に、企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)第三十四條の二第一項の規定にかかわらず、同法の規定による決定整備計画に従い解散した際退職した従業者であつて引き続き同法の規定により設立された同会社の第二会社の従業者となつた者のうち、日本製鉄株式会社が製鉄所から引き継いだ者に対して、日本製鉄株式会社法施行令第二條第一項第三号に規定する金額に相当する金額を支拂わなければならない。
4 政府は、日本製鉄株式会社が、前項の規定により同項の金額を支拂つたことにより生じた損失を、この法律の施行後一年以内に補償しなければならない。
5 企業再建整備法の規定により設立された日本製鉄株式会社の第二会社たる八幡製鉄株式会社又は富士製鉄株式会社(以下「第二会社」という。)がこの法律の施行後二年以内に発行する社債の社債権者は、この法律の施行後三年以内は、それぞれ当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
6 国は、第二会社に対する米国対日援助見返資金による貸付金については、この法律の施行後三年以内は、当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
7 復興金融金庫は、第二会社に対する貸付金については、この法律の施行後三年以内は、当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
8 前三項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
9 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表乙号中第四号を次のように改める。
四 削除
10 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
通商産業大臣 横尾龍
内閣総理大臣 吉田茂
日本製鉄株式会社法廃止法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年八月五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百四十号
日本製鉄株式会社法廃止法
日本製鉄株式会社法(昭和八年法律第四十七号)は、廃止する。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 政府は、日本製鉄株式会社が、日本製鉄株式会社法第十六条の規定により従業者の解職の場合における手当につき主務大臣のした命令により、昭和十九年四月一日以後に退職した者に対し、日本製鉄株式会社法施行令(昭和八年勅令第二百四十四号)第二条第一項第三号に規定する金額を支払つたことにより生じた損失を、この法律の施行後一年以内(同会社の清算がこの法律の施行後一年以内に結了する場合は、その結了の時まで。以下同じ。)に補償しなければならない。
3 日本製鉄株式会社は、この法律の施行後六箇月以内に、企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)第三十四条の二第一項の規定にかかわらず、同法の規定による決定整備計画に従い解散した際退職した従業者であつて引き続き同法の規定により設立された同会社の第二会社の従業者となつた者のうち、日本製鉄株式会社が製鉄所から引き継いだ者に対して、日本製鉄株式会社法施行令第二条第一項第三号に規定する金額に相当する金額を支払わなければならない。
4 政府は、日本製鉄株式会社が、前項の規定により同項の金額を支払つたことにより生じた損失を、この法律の施行後一年以内に補償しなければならない。
5 企業再建整備法の規定により設立された日本製鉄株式会社の第二会社たる八幡製鉄株式会社又は富士製鉄株式会社(以下「第二会社」という。)がこの法律の施行後二年以内に発行する社債の社債権者は、この法律の施行後三年以内は、それぞれ当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
6 国は、第二会社に対する米国対日援助見返資金による貸付金については、この法律の施行後三年以内は、当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
7 復興金融金庫は、第二会社に対する貸付金については、この法律の施行後三年以内は、当該第二会社の財産につき、他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
8 前三項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
9 経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の一部を次のように改正する。
別表乙号中第四号を次のように改める。
四 削除
10 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務総裁 大橋武夫
大蔵大臣 池田勇人
通商産業大臣 横尾龍
内閣総理大臣 吉田茂