第一條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ揭グル取引又ハ行爲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
二 通貨若ハ外國通貨ノ輸出若ハ輸入、金地金、金ノ合金若ハ金ヲ主タル材料トスル物ノ輸出又ハ金貨幣ノ鑄潰若ハ毀傷
三 外國ヘノ送金ニシテ前二號ニ包含スル方法ニ依ラザルモノ
四 外國ニ於テ爲シタル委託ニ基キ又ハ外國居住者(法人ノ外國ニ在ル支店其ノ他ノ營業所ヲ含ム以下同ジ)ノ爲ニスル本邦內ニ於テ爲ス支拂又ハ其ノ受領
六 本邦居住者(法人ノ本邦內ニ在ル支店其ノ他ノ營業所ヲ含ム)ノ爲ニスル外國ニ於テ爲ス支拂又ハ其ノ受領
七 外國居住者ニ對スル債權ノ取立又ハ取立ノ依賴若ハ引受
八 外國居住者ノ爲ニスル債權ノ取立又ハ取立ノ依賴若ハ引受
九 外國居住者、本邦內ニ居住スル外國人(外國法人ノ本邦內ニ在ル支店其ノ他ノ營業所ヲ含ム)又ハ命令ノ定ムル本邦法人ノ本邦內ニ於テ爲ス財產(事業若ハ營業又ハ之ニ對スル出資ヲ含ム以下同ジ)ノ取得若ハ處分、預ケ金ノ引出又ハ貸出金ノ囘收
十 前號ニ揭グル者ノ爲又ハ之ヲ相手方トスル本邦內ニ於テ爲ス前號ニ揭グル取引又ハ行爲
十二 外國通貨ヲ以テ表示スル證券(財產權ヲ證スル證書及帳簿ヲ含ム以下同ジ)、債權又ハ債務ノ取得又ハ處分
十三 本邦通貨ヲ以テ表示スル外國居住者ニ對スル債權又ハ債務ノ取得又ハ處分
十七 價額ノ全部又ハ一部ニ付外國爲替ヲ取組マザル貨物ノ輸出又ハ輸入
十八 外國ニ在ル財產ニシテ第一號、第十二號又ハ第十三號ニ揭ゲザルモノノ取得又ハ處分
第二條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ外國爲替ニ關スル取引ヲ日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ヲ相手方トスル場合ニ限定スルコトヲ得
第三條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ揭グル財產ニ關シ日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ニ對スル賣却其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
二 外國通貨ヲ以テ表示スル證券若ハ債權又ハ本邦通貨ヲ以テ表示スル外國居住者ニ對スル債權
前項ノ規定ニ依リ政府ノ指定スル者ニ賣却スベキコトヲ命ジタル場合ノ賣却價額ハ政府之ヲ定ム
第四條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ外國ヘノ送金、外國ヨリノ送金ノ受領其ノ他外國トノ間ニ於ケル債權債務ノ決濟又ハ外國ヨリ外國ヘノ送金其ノ他外國間ニ於ケル債權債務ノ決濟ニ關シ其ノ方法、條件其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第五條 政府ハ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ報吿ヲ徵シ、帳簿書類ノ備付ヲ命ジ、帳簿書類ノ記載方ヲ指定シ又ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢シ業務狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
關稅法第八十四條乃至第九十三條ノ規定ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ違反事件ニ付之ヲ準用ス但シ同法ニ定ムル職務ヲ行フ官吏ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ノ施行ニ關スル事務ノ一部ヲ日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ヲシテ取扱ハシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ事務ノ一部ヲ日本銀行ヲシテ取扱ハシメタル場合ニ於テ當該事務ノ取扱ニ要スル經費ハ日本銀行ノ負擔トス
第一項ノ場合ニ於テ當該事務ニ從事スル日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ノ職員ハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ從事スル職員ト看做ス
第七條 第一條又ハ第二條ノ規定ニ基キテ發スル命令ヲ以テ規定スル取引又ハ行爲ノ禁止又ハ制限ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス但シ當該取引又ハ行爲ノ目的物ノ價額ノ三倍ガ一萬圓ヲ超ユルトキハ罰金ハ當該價額ノ三倍以下トス
第一條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ金貨幣、金地金、金ノ合金若ハ金ヲ主タル材料トスル物ヲ輸出スル目的ヲ以テ收得シ若ハ輸出セントシタル者又ハ通貨、外國通貨若ハ證券ヲ輸出若ハ輸入セントシタル者亦前項ニ同ジ
第八條 第三條ノ規定ニ基キテ發スル命令又ハ當該命令ニ依ル外國通貨其ノ他ニ關シ必要ナル事項ヲ爲スベキ旨ノ政府ノ命ニ從ハザル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ當該外國通貨其ノ他ノ價額ノ二倍以下ノ罰金ニ處ス
第九條 第四條ノ規定ニ基キテ發スル命令又ハ當該命令ニ依ル政府ノ命ニ從ハザル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十條 第五條ノ規定ニ基キテ發スル命令又ハ當該命令ニ依ル政府ノ命ニ違反シ報吿ヲ爲サズ、虛僞ノ報吿ヲ爲シ、帳簿書類ノ備付ヲ爲サズ、之ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ、之ニ虛僞ノ記載ヲ爲シ、之ノ記載方ノ指定ニ從ハズ、業務狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢査ヲ拒ミ又ハ帳簿書類ノ隱蔽不實ノ申立其ノ他ノ方法ニ依リ檢査ヲ妨ゲタル者ハ六月以下ノ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ提出スル許可ノ申請書其ノ他ノ書類ニ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者亦同ジ
第十一條 本法ニ基キテ發スル命令ニ依リテ爲ス處分ニ附シタル條件ニ違反シタル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十二條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ第七條乃至前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦第七條乃至前條ノ罰金刑ヲ科ス
第十三條 本法ノ罰則ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニモ之ヲ適用ス本法施行地ニ住所ヲ有スル人又ハ其ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニ付亦同ジ
第十四條 當該官吏、外國爲替管理委員會ノ會長委員幹事若ハ第六條ニ規定スル日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ノ職員又ハ其ノ職ニ在リタル者本法ニ依ル職務執行ニ關シ知得タル法人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏洩シ又ハ竊用シタルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十五條 第三條ノ財產ノ賣却價額其ノ他本法ノ施行ニ關スル重要事項ニ付主務大臣ノ諮問ニ應ズル爲外國爲替管理委員會ヲ置ク
外國爲替管理委員會ノ組織及權限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム