第一條 政府ハ支那事變ニ關聯シ國民經濟ノ運行ヲ確保スル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ物品ヲ指定シ輸出又ハ輸入ノ制限又ハ禁止ヲ爲スコトヲ得
第二條 政府ハ支那事變ニ關聯シ國民經濟ノ運行ヲ確保スル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ輸入ノ制限其ノ他ノ事由ニ因リ需給關係ノ調整ヲ必要トスル物品ニ付左ノ措置ヲ爲スコトヲ得
一 命令ノ定ムル所ニ依リ當該物品ヲ原料トスル製品ノ製造ニ關シ必要ナル事項ヲ命ジ又ハ制限ヲ爲スコト
二 當該物品又ハ之ヲ原料トスル製品ノ配給、讓渡、使用又ハ消費ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコト
第三條 政府ハ第一條ノ制限若ハ禁止又ハ前條ノ命令若ハ處分ニ關係アル事項ニ付報吿ヲ徵シ又ハ帳簿其ノ他ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第四條 第一條ノ規定ニ依リテ爲ス制限又ハ禁止ニ違反シテ輸出又ハ輸入ヲ爲シ又ハ爲サントシタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テハ輸出又ハ輸入ヲ爲シ又ハ爲サントシタル物品ニシテ犯人ノ所有シ又ハ所持スルモノヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得
第五條 第二條ノ規定ニ依ル命令若ハ處分又ハ其ノ命令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第六條 第三條ノ規定ニ違反シ報吿ヲ爲サズ、虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者ハ六月以下ノ禁錮又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ政府ニ提出スル許可ノ申請書其ノ他ノ書類ニ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者亦同ジ
第七條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ前三條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦前三條ノ罰金刑ヲ科ス
第八條 本法ノ罰則ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニモ之ヲ適用ス本法施行地ニ住所ヲ有スル人又ハ其ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニ付亦同ジ