第一條 本法ハ食糧自給ノ强化ヲ圖ル爲農地ノ造成及改良ヲ促進スルヲ以テ目的トス
第二條 政府ハ農地ノ造成又ハ改良ヲ行フ者ニ對シ勅令ノ定ムル所ニ依リ每年度豫算ノ範圍內ニ於テ助成金ヲ交付スルコトヲ得
第三條 勅令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ主務大臣ハ前條ノ助成金ノ交付ヲ受クル者ニ對シ助成金ノ交付ヲ停止若ハ廢止シ又ハ助成金ノ全部若ハ一部ノ返還ヲ命ズルコトヲ得
助成金ノ返還ニ付テハ公共團體ニ對スルモノヲ除クノ外國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得但シ先取特權ノ順位ハ國稅ニ次グモノトス
第四條 農地開發營團ハ重要農產物ノ增產ヲ圖ル爲必要ナル農地ノ開發ニ關スル事業ヲ營ムコトヲ目的トスル法人トス
農地開發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコトヲ得
第六條 農地開發營團ノ資本金ハ三千萬圓トシ之ヲ三十萬口ニ分チ一口ノ出資金額ヲ百圓トス但シ資本金ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第七條 農地開發營團ノ出資者ハ政府、公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若ハ外國法人ニ屬セザルモノタルコトヲ要ス
第九條 政府ハ千五百萬圓ヲ限リ農地開發營團ニ出資スルコトヲ得
政府ノ引受ケタル出資ノ出資金拂込ハ其ノ他ノ出資ノ出資金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
第十條 農地開發營團ノ出資者ノ責任ハ其ノ出資額ヲ限度トス
出資者ハ農地開發營團ニ拂込ムベキ出資額ニ付相殺ヲ以テ之ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十一條 出資者ハ農地開發營團ノ承認ヲ經テ其ノ持分ヲ讓渡スコトヲ得
第十二條 拂込ヲ怠リタル出資者ニ對シ農地開發營團ガ一月以上ノ相當ノ期間ヲ定メ拂込ノ請求ヲ爲シタルニ拘ラズ出資者ガ拂込ヲ爲サザルトキハ農地開發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ出資者ノ持分ヲ處分スルコトヲ得
農地開發營團ハ持分ノ處分ニ依リテ得タル金額ヨリ滯納金額及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ額ヲ控除シタル金額ヲ從前ノ出資者ニ拂戾スコトヲ要ス
持分ノ處分ニ依リテ得タル金額ガ滯納金額ニ滿タザル場合ニ於テハ農地開發營團ハ從前ノ出資者ニ對シ不足額ノ辨濟ヲ請求スルコトヲ得
前三項ノ規定ハ農地開發營團ガ損害賠償及定款ヲ以テ定メタル違約金ノ請求ヲ爲スコトヲ妨ゲズ
出資者ガ第一項ノ期間內ニ拂込ヲ爲サザルトキハ農地開發營團ハ其ノ出資者ニ對シ二週間內ニ出資證券ヲ農地開發營團ニ提出スベキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ提出ナキ出資證券ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ場合ニ於テハ農地開發營團ハ遲滯ナク失效シタル出資證券ノ番號竝ニ其ノ出資者ノ氏名及住所ヲ公吿スルコトヲ要ス
第十三條 農地開發營團ハ定款ヲ以テ左ノ事項ヲ規定スベシ
第十四條 農地開發營團ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十五條 農地開發營團ニ付解散ヲ必要トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條 農地開發營團ニ非ザル者ハ農地開發營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十七條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第一項ノ規定ハ農地開發營團ニ之ヲ準用ス
第十八條 農地開發營團ニ理事長副理事長各一人、理事五人以上及監事三人以上ヲ置ク
第十九條 理事長ハ農地開發營團ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副理事長及理事ハ理事長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ依リ農地開發營團ノ業務ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
第二十條 理事長、副理事長、理事及監事ハ主務大臣之ヲ命ジ理事長及副理事長ノ任期ハ四年、理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス
第二十一條 理事長、副理事長及業務ヲ分掌スル理事ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第二十二條 農地開發營團ニ評議員若干人ヲ置キ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ事業經營ニ關スル重要事項ニ付理事長ノ諮問ニ應ジ必要アルトキハ之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
農地開發營團前項第二號又ハ第三號ノ事業ヲ營マントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二十四條 農地開發營團ハ拂込資本金額ノ五倍ヲ限リ農地開發債券ヲ發行スルコトヲ得
第二十五條 農地開發債券ハ額面金額五十圓以上トシ無記名利札附トス但シ應募者又ハ所有者ノ請求ニ依リ記名式ト爲スコトヲ得
第二十六條 農地開發營團ハ農地開發債券借換ノ爲一時第二十四條ノ制限ニ依ラズ農地開發債券ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ農地開發債券ヲ發行シタルトキハ發行後一月內ニ其ノ發行額面金額ニ相當スル舊農地開發債券ヲ償還スベシ
第二十七條 農地開發債券ヲ發行セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二十八條 政府ハ農地開發債券ノ元利支拂ヲ保證スルコトヲ得
第二十九條 農地開發債券ノ消滅時效ハ元金ニ在リテハ十五年、利子ニ在リテハ五年ヲ以テ完成ス
第三十條 農地開發債券ノ所有者ハ農地開發營團ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第三十一條 所得稅法及有價證券移轉稅法中國債以外ノ公債ニ關スル規定ハ農地開發債券ニ之ヲ準用ス
第三十二條 第二十四條乃至前條ニ規定スルモノノ外農地開發債券ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十三條 農地開發營團ノ事業年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第三十四條 農地開發營團ハ設立ノ時及每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借對照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第三十五條 利益金ノ處分ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生セズ
第三十六條 農地開發營團ハ其ノ資本金ノ四分ノ一ニ達スル迄ハ每事業年度ニ於テ準備金トシテ利益金ノ百分ノ八以上ヲ積立ツベシ
前項ノ準備金ハ勅令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第三十七條 農地開發營團ハ拂込ミタル出資金額ニ對シ勅令ヲ以テ定ムル割合ヲ超エテ利益金ノ配當ヲ爲スコトヲ得ズ
農地開發營團ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ政府ノ出資ニ對シ利益金ノ配當ヲ減額シ又ハ之ヲ爲サザルコトヲ得
第三十九條 主務大臣ハ農地開發營團ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十條 主務大臣ハ農地開發營團監理官ヲ置キ農地開發營團ノ業務ヲ監視セシム
農地開發營團監理官ハ何時ニテモ農地開發營團ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
農地開發營團監理官ハ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ農地開發營團ニ命ジテ業務及財產ノ狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
農地開發營團監理官ハ農地開發營團ノ諸般ノ會議ニ出席シテ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第四十一條 理事長、副理事長、理事又ハ監事ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ解任スルコトヲ得
第四十二條 農地開發營團ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法施行ノ年及其ノ翌年ヨリ十年間其ノ事業ニ付所得ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除ス
農地開發營團ノ所得又ハ純益ガ各事業年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相當スル所得又ハ純益ニ付テハ前項ノ規定ヲ適用セズ但シ本法施行ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條 道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所得ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除セラレタル期間農地開發營團ニハ前條第二項ノ規定ニ依リ賦課セラレタル營業稅ノ附加稅ヲ除クノ外地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ主務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
道府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ農地開發營團ガ其ノ事業ノ爲ニスル不動產取得ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第四十四條 土地ノ農業上ノ利用ヲ增進スル目的ヲ以テ農地開發營團ガ主務大臣ノ定ムル區域及計畫ニ依リ行フ左ノ各號ノ一ニ該當スル事業(以下農地開發事業ト稱ス)ハ第四十五條乃至第六十一條ノ定ムル所ニ依ル
一 耕地整理法第一條第一號ノ耕地整理トシテ行フコトヲ得ル事業
二 他人ノ所有ニ係ル農地ノ改良ヲ目的トスル農業水利施設ノ新設、廢止又ハ變更
第四十五條 主務大臣前條ノ區域及計畫ヲ定メントスルトキハ農林計畫委員會及道府縣農地委員會ノ議ヲ經ベシ
主務大臣前條ノ區域及計畫ヲ定メタルトキハ之ヲ農地開發營團ニ通知スベシ
第四十六條 農地開發營團ハ命令ノ定ムル所ニ依リ豫メ農地開發事業ノ施行地區及實施計畫ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十四條第二號ノ事業ニ付前項ノ認可ノ申請アリタルトキハ主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ吿示シ二十日以上ノ相當ノ期間ヲ定メ其ノ期間內實施計畫書ノ寫ヲ施行地區內ノ土地ノ所有者及利害關係人ノ縱覽ニ供スベシ
前項ノ土地ノ所有者又ハ利害關係人實施計畫書ニ記載セラレタル事項ニ關シ異議アルトキハ前項ニ揭グル期間內ニ主務大臣ニ之ヲ申出ヅルコトヲ得
主務大臣異議ヲ正當ト認ムルトキハ當該事項ニ付變更ヲ加ヘテ認可ヲ爲スコトヲ得
主務大臣第四十四條第二號ノ事業ニ付認可ヲ爲シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ吿示ス
第四十七條 御料地、國有地及官ノ用ニ供スル土地其ノ他勅令ヲ以テ定ムル土地ハ農地開發事業ノ施行地區ニ之ヲ編入スルコトヲ得ズ但シ勅令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十八條 耕地整理施行地又ハ普通水利組合(水利組合法第九條第二項ノ場合ニ於ケル水害豫防組合ヲ含ム)若ハ北海道土功組合ノ區域內ノ土地ハ農地開發事業ノ施行地區ニ之ヲ編入スルコトヲ得ズ但シ勅令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項但書ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十九條 農地開發事業施行ノ準備ノ爲必要アルトキハ農地開發營團ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ職員ヲシテ他人ノ土地ニ立入リ測量又ハ檢査ヲ爲シ障害物ヲ移轉又ハ除却セシムルコトヲ得但シ之ニ因リテ生ジタル損害ハ之ヲ補償スベシ
前項ノ規定ハ主務大臣農地開發事業ニ關スル調査ヲ爲ス爲必要アル場合ニ之ヲ準用ス
第五十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル土地ハ農地開發營團之ヲ收用スルコトヲ得
二 前號ノ未墾地附近ノ土地ニシテ當該未墾地ト併セテ耕地整理ヲ施行スルヲ必要トスル土地
左ノ各號ノ一ニ該當スル土地ハ農地開發營團之ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得
二 前號ニ揭グルモノヲ除クノ外農業水利施設ノ新設、廢止及變更ノ爲必要ナル土地
前二項ノ規定ニ依ル收用又ハ使用ニ關シテハ土地收用法ヲ適用ス
第一項第二號ノ規定ニ依リ收用シタル土地ノ管理及處分ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五十一條 前條第二項及第三項ノ規定ハ水ノ使用ニ關スル權利、土地ニ定著スル物件又ハ土地ニ屬スル土石砂礫ノ收用又ハ使用ニ之ヲ準用ス
第五十二條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ豫算ノ範圍內ニ於テ農地開發營團ニ對シ農地開發事業ノ施行ニ要スル費用ヲ補助スルコトヲ得
第五十三條 主務大臣ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第四十四條第二號ノ農地開發事業ニ因リ利益ヲ受ケタル者ニ對シ現ニ受クル利益ノ限度ニ於テ其ノ事業ノ施行ニ要シタル費用ノ一部ヲ農地開發營團ニ支拂フベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令ヲ受ケタル者之ニ異議アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ニ異議ノ申立ヲ爲スコトヲ得
第五十四條 前條ノ規定ニ依リ費用ノ支拂ヲ命ゼラレタル者其ノ支拂ノ義務ヲ履行セザルトキハ市町村ハ農地開發營團ノ請求ニ因リ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス
前項ノ場合ニ於テハ農地開發營團ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ニ相當スル金額ヲ市町村ニ交付スベシ
第五十五條 農地開發事業ノ施行地區內ノ土地若ハ土地ニ定著スル物件ノ所有者其ノ他之ニ關シ權利ヲ有スル者又ハ漁業權者若ハ入漁權者其ノ他此等ノ權利ニ關シ權利ヲ有スル者ガ農地開發事業ノ施行ニ因リテ受クル損害ハ農地開發營團之ヲ補償スベシ
前項ノ補償金ニ付協議調ハザルトキ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ主務大臣ノ裁定ヲ求ムベシ
前項ノ決定ニ對シ不服アル者ハ其ノ決定書ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ三月內ニ通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前二項ノ規定ハ第四十九條ノ規定ニ依ル損害ノ補償ニ之ヲ準用ス
耕地整理法第二十五條、第二十五條ノ二及第二十七條ノ二第二項ノ規定ハ第一項及第四十九條ノ規定ニ依ル損害ノ補償ニ之ヲ準用ス
第五十六條 農地開發事業ノ施行地區ニ付漁業權又ハ入漁權アル場合及第四十四條第二號ノ事業ヲ施行スル場合ニ於テハ農地開發營團ハ前條第一項ノ規定ニ依ル損害ノ補償ヲ爲シタル後ニ非ザレバ其ノ工事ニ著手スルコトヲ得ズ但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
二 前條第二項ノ規定ニ依ル裁定アリタル金額ヲ供託シタルトキ
第五十七條 農地開發營團農地開發事業ノ工事ヲ竣功シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ニ竣功認可ヲ申請スベシ
第五十八條 第五十條第一項第二號ノ規定ニ依リ收用シタル土地ヲ除クノ外第四十四條第一號ノ農地開發事業ニ因リ造成セラレタル農地ニシテ農地開發營團ノ所有ニ係ルモノニ付農地調整法第四條ノ自作農創設維持ノ事業ヲ行フ者ノ申出アルトキハ農地開發營團ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ其ノ事業者ニ讓渡スコトヲ要ス
前項ノ場合ヲ除クノ外前項ニ揭グル農地ノ管理及處分ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第五十九條 農地開發事業ノ施行ニ因リ生ジタル道路、堤塘、溝渠、溜池等ハ農地開發營團勅令ノ定ムル所ニ依リ道府縣、市町村、水利組合其ノ他勅令ヲ以テ定ムル者ニ之ヲ引渡スベシ
前項ノ場合ニ於テハ道府縣、市町村、水利組合其ノ他勅令ヲ以テ定ムル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ニ揭グル設備ノ引渡ヲ受ケ之ヲ維持管理スベシ
第六十條 耕地整理法第六條、第十八條乃至第二十一條、第二十二條第二項第三項、第二十三條、第二十四條及第二十七條ノ規定ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第四十四條第二號ノ農地開發事業ニ之ヲ準用ス
第六十一條 本法ニ定ムルモノヲ除クノ外農地開發事業ニ付必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六十二條 農地開發營團ノ理事長、副理事長、理事、監事又ハ使用人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求シ若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第六十三條 前條第一項ニ揭グル者ニ賄賂ヲ交付シ又ハ之ヲ提供シ若ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕シ又ハ免除スルコトヲ得
第六十四條 農地開發營團本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ理事長又ハ理事長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副理事長ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス副理事長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副理事長又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
第六十五條 農地開發營團ノ理事長、副理事長又ハ業務ヲ分掌スル理事第二十一條ノ規定ニ違反シ他ノ職業ニ從事シタルトキハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第六十六條 第十六條ノ規定ニ違反シ農地開發營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用ヒタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第六十七條 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依ル職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得