貿易組合法
法令番号: 法律第七十四號
公布年月日: 昭和12年8月14日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル貿易組合法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十三日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
法律第七十四號
貿易組合法
第一章 貿易組合
第一節 總則
第一條 貿易組合ハ輸出組合及輸入組合ノ二種トス
第二條 貿易組合ハ貿易ノ振興ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲スヲ以テ目的トス
第三條 貿易組合ハ法人トス
第四條 貿易組合ハ其ノ名稱中ニ其ノ種類ニ從ヒ輸出組合又ハ輸入組合ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ輸出組合、輸入組合又ハ貿易組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五條 主務大臣ハ本法ニ依ル職權ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第六條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第七條 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ事實ノ生ジタル後二週間以內ニ之ヲ登記スベシ
登記スベキ事項ニシテ主務大臣ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第八條 非訟事件手續法第百四十一條乃至第百五十一條ノ六、第百五十四條乃至第百五十八條及第百六十五條竝ニ產業組合法第五條、第六條、第九十六條、第九十七條及第百四條ノ規定ハ貿易組合ニ之ヲ準用ス
第二節 輸出組合
第九條 同一種類ノ重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者又ハ同一市場ヲ目的トシテ商品ノ輸出ヲ業トスル者ハ輸出組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ取扱商品ヲ異ニスル重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ重要輸出品ハ主務大臣之ヲ指定ス
第十條 同一又ハ重複スル地區ニ於テ二箇以上ノ同種ノ輸出組合ヲ設立スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條 輸出組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ營業ニ關スル統制
二 組合員ノ取扱商品ノ委託輸出、輸出ノ斡旋、保管、選別、包裝、荷造其ノ他組合員ノ營業ニ關スル共同施設
三 海外市場ノ調査、新販路ノ開拓其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ノ取扱商品ノ買取輸出、組合員ニ對シ其ノ營業ニ必要ナル資金ノ貸付、組合員ノ爲ニスル其ノ營業上ノ債務ノ保證又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ揭グル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第十二條 營業上ノ弊害ヲ豫防シ若ハ矯正スル爲又ハ貿易ノ振興上必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ輸出組合ニ對シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第十三條 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ經費ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
第十四條 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款違反者ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第十五條 輸出組合定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ノ營業ニ關スル統制ヲ行フ場合ニ於テハ總會ノ議決ヲ經テ之ニ關スル規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ其ノ規程ヲ變更セントスル場合亦同ジ
第十六條 輸出組合第十一條第一項第一號ノ事業ニ關スル定款ノ規定又ハ前條ノ規程ヲ定メ又ハ變更セントスル場合ニ於テ總會ノ可決セザリシトキト雖モ貿易ノ振興上組合員ノ營業ノ統制ヲ圖ル必要アルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ總會ヲ開キ總組合員ノ三分ノ一以上ニシテ其ノ輸出高ガ總組合員ノ輸出高ノ三分ノ二以上ヲ占ムル組合員ノ同意ヲ以テ之ガ議決ヲ爲スコトヲ得但シ第九條第一項但書ノ規定ニ依リ設立シタル組合ニ在リテハ取扱商品每ニ各總組合員ノ三分ノ一以上ニシテ其ノ輸出高ガ總組合員ノ輸出高ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十七條 輸出組合第十五條ノ規程ニ基キ組合又ハ組合員ノ輸出數量、輸出價格其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク之ヲ主務大臣ニ屆出ヅベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ變更又ハ取消ヲ爲スコトヲ得
第十八條 營業上ノ弊害ヲ豫防シ若ハ矯正スル爲又ハ貿易ノ振興上特ニ必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ輸出組合ノ組合員、其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ其ノ組合ノ組合員タル資格ヲ有セザル者ニシテ其ノ組合ノ地區內ニ於テ其ノ組合ノ組合員ノ取扱商品ト同種ノ商品ヲ販賣ノ目的ヲ以テ輸出ヲ爲スモノ若ハ其ノ組合ノ組合員ト同一市場ヲ目的トシテ商品ヲ販賣ノ目的ヲ以テ輸出ヲ爲スモノニ對シ其ノ組合ノ統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十九條 前條ノ規定ニ依リ主務大臣輸出組合ノ統制ニ從フベキコトヲ命ジタル場合ニ於テ其ノ統制ニ從ヒ輸出スベキ商品ノ輸出ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ商品ガ其ノ統制ニ從ヒテ輸出セラルルモノナルコトニ付行政官廳ノ檢閱ヲ受クベシ
第二十條 主務大臣第十八條ノ規定ニ依リ輸出組合ノ統制ニ從フベキコトヲ命ジタル場合ニ於テ其ノ統制ニ從ヒ輸出スベキ商品ノ輸出ニ關シ取締上必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ保稅地域內ニ於テ又ハ店舖、倉庫、工場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ物品、帳簿其ノ他ノ物件ヲ檢查セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官吏ハ輸出組合ノ檢查員ヲシテ必要ナル補助ヲ爲サシムルコトヲ得
第一項ノ場合ニ於テ當該官吏第十八條ノ規定ニ依ル命令又ハ前條ノ規定ニ違反シテ商品ノ輸出ヲ爲シ又ハ輸出ヲ爲サントシタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ參考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事實ヲ證明スベキ物件ヲ搜索シ若ハ之ガ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第二十一條 同一種類ノ重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者ヲ以テ設立セル輸出組合又ハ其ノ組合員ハ其ノ營業ニ關スル重要物產同業組合法ニ依ル同業組合ニ加入セズ又ハ之ヨリ脫退スルコトヲ得
第二十二條 輸出組合ヲ設立セントスルトキハ豫メ地區ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半數ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ但シ第九條第一項但書ノ場合ニ於テハ取扱商品每ニ各組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半數ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ創立總會ヲ招集スルコトヲ得
第二十三條 創立總會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス但シ第九條第一項但書ノ場合ニ於テハ取扱商品每ニ各設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第二十四條 設立同意者ハ創立總會ニ於テ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得
前項ノ代理人ハ設立同意者タルコトヲ要ス但シ法人タル設立同意者ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト爲スコトヲ得
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ差出スベシ
第二十五條 輸出組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ但シ第二十八條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第七號乃至第九號、第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第六號乃至第九號及第十五號ニ揭グル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ關スル規定
六 組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
七 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
八 剩餘金ノ處分及損失分擔ニ關スル規定
九 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
十 組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十一 事業及其ノ執行ニ關スル規定
十二 役員ニ關スル規定
十三 會議ニ關スル規定
十四 會計ニ關スル規定
十五 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第二十六條 輸出組合ハ設立ノ認可アリタル時又ハ第四十五條第二項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
第二十七條 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
組合員ノ有スベキ出資口數ハ五十口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ增加スルコトヲ得
第二十八條 第十一條第一項第二號及第二項ノ事業ヲ行ハザル輸出組合ニ在リテハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシメザルモノト爲スコトヲ得
第二十九條 組合員ノ責任ハ第十三條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十條 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財產ヲ以テ其ノ債務ヲ完濟スルコト能ハザル場合ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ出資額ノ外一定ノ金額(保證金額)ヲ限度トシテ責任ヲ負擔スルモノト爲スコトヲ得
第三十一條 輸出組合ハ出資ノ第一囘ノ拂込アリタル後二週間以內ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ但シ第二十八條ノ規定ニ依ル輸出組合又ハ第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ其ノ成立後二週間以內ニ之ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ但シ第二十八條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第三號及第四號ニ揭グル事項竝ニ第二十五條第七號ニ揭グル事項、第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第三號及第四號ニ揭グル事項竝ニ第二十五條第七號及第十五號ニ揭グル事項ハ之ヲ登記スルコトヲ要セズ
一 第二十五條第一號乃至第三號、第七號及第十五號ニ揭グル事項
二 事務所
三 出資ノ總口數及拂込ミタル出資ノ總額
四 第三十條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名稱、住所及保證金額
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ但シ前項第三號ニ揭グル事項ニ付テハ每事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
第三十二條 組合員ハ總組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及其ノ招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ理事ニ提出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
理事ガ正當ノ理由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以內ニ總會招集ノ手續ヲ爲サザルトキハ請求者ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
第三十三條 輸出組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ總會ニ於テ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事及監事ハ創立總會ニ於テ第二十二條第一項ノ場合ニ在リテハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ、第四十五條第一項ノ場合ニ在リテハ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第三十四條 第十一條第一項第一號ノ事業ヲ行フ輸出組合ニシテ全國ヲ地區トスルモノ若ハ第十八條ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ノ理事ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ揭グル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ前條第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第三十五條 組合員ハ總會ニ於テ各一箇ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ三ヲ超エザル範圍內ニ於テ出資口數ニ應ジ二箇以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第三十六條 組合員ハ代理人ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席ト看做ス
前項ノ代理人ハ組合員タルコトヲ要ス但シ法人タル組合員ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト爲スコトヲ得
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ組合ニ差出スベシ
第三十七條 經費ヲ組合員ニ分賦スル輸出組合ニ在リテハ其ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ハ總會ノ議決ヲ經ベシ但シ組合設立當時ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ハ創立總會ニ於テ之ヲ議決スベシ
前項ノ總會ノ議決ハ總組合員ノ半數以上出席シ其ノ議決權ノ四分ノ三以上ヲ以テ之ヲ爲スベシ但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八條 組合員タル資格ヲ有スル者輸出組合ニ加入セントスルトキハ組合ハ正當ノ理由ナクシテ加入ニ困難ナル條件ヲ附シ又ハ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第三十九條 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ豫吿ヲ爲シ輸出組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脫退スルコトヲ得
組合ハ正當ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四十條 檢査ヲ行フ輸出組合ニ在リテハ檢査員ヲ置クベシ
檢査員ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十一條 輸出組合ハ檢査員ノ服務ニ關スル規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十二條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ檢査員ノ選任又ハ解任ヲ爲スコトヲ得
第四十三條 主務大臣必要アリト認ムルトキハ輸出組合ニ對シ經費ノ收支豫算、其ノ分賦收入方法、定款又ハ第十五條ノ規程ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第四十四條 輸出組合ノ事業若ハ財產ノ狀況ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行爲ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ主務大臣ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一 總會ノ決議ノ取消
二 役員ノ解任
三 事業ノ停止
四 解散
第四十五條 主務大臣貿易ノ統制ヲ圖リ國民經濟ノ健全ナル發達ヲ期スル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地區及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ輸出組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者主務大臣ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セゼルトキハ主務大臣ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第四十六條 前條第一項ノ規定ニ依リ輸出組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ創立總會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第四十七條 主務大臣第四十五條第二項ノ規定ニ依リ定款ヲ作成シタルトキハ輸出組合ノ理事及監事ヲ命ズ
前項ノ理事ハ遲滯ナク總會ヲ招集スベシ
前項ノ總會ニ於テハ組合設立當時ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ヲ議決スベシ
第三十七條第二項ノ規定ハ前項ノ議決ニ之ヲ準用ス
第四十八條 第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ハ第十一條第一項第二號及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第四十九條 第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合成立シタルトキハ其ノ組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ハ其ノ組合ノ組合員トス
第五十條 第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ハ其ノ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得ズ
第五十一條 第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ハ合併ヲ爲スコトヲ得ズ
第五十二條 設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ定款及創立總會又ハ總會ノ決議錄ノ謄本、組合ノ設立アリタルコトヲ證スル書面、出資ノ總口數ヲ證スル書面、出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面竝ニ理事及監事ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スベシ但シ第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニシテ主務大臣ノ處分ニ因リ成立シタルモノニ在リテハ創立總會又ハ總會ノ決議錄、出資ノ總口數ヲ證スル書面及出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面、第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニシテ主務大臣ノ處分ニ因ラズシテ成立シタルモノ又ハ第二十八條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ出資ノ總口數ヲ證スル書面及出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面ハ之ヲ添附スルコトヲ要セズ
第五十三條 事務所ノ新設、移轉其ノ他登記事項ノ變更ノ登記ハ理事又ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ但シ合併又ハ出資一口ノ金額若ハ保證金額ノ減少ニ因ル變更ノ登記ハ理事及監事ノ全員ヨリ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ申請人ノ資格ヲ證スル書面及登記事項ノ變更ヲ證スル書面ヲ添附スベシ但シ前ニ登記ノ申請ヲ爲シタル申請人ガ同一登記所ニ前項ノ申請ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要セズ
出資一口ノ金額又ハ保證金額ノ減少ノ登記申請書ニハ前項ニ規定スル書面ノ外本法ニ依リ催吿ヲ爲シタルコト及異議ヲ述ベタル債權者アル場合ニ於テハ之ニ對シ辨濟ヲ爲シ又ハ擔保ヲ供シタルコトヲ證スル書面ヲ添附スベシ
第五十四條 解散ノ登記ハ合併ニ因ル解散ノ場合ニ於テハ解散シタルトキノ理事及監事ノ全員、其ノ他ノ場合ニ於テハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
申請書ニハ解散ノ事由ヲ證スル書面及理事ガ淸算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スベシ
前條第三條ノ規定ハ合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請ニ之ヲ準用ス
輸出組合ガ命令ニ因リテ解散シタルトキハ登記所ハ主務大臣ノ囑託ニ因リテ登記ヲ爲スベシ
第五十五條 淸算結了ノ登記ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲スベシ
第五十六條 民法第四十四條第一項、第四十五條第二項第三項、第四十八條、第五十條、第五十二條第二項、第五十三條乃至第五十五條、第五十九條、第六十條、第六十一條第一項、第六十二條、第六十四條、第六十六條、第七十條及第七十三條乃至第八十三條、非訟事件手續法第三十五條第二項、第三十六條、第三十七條ノ二、第百三十六條乃至第百三十八條、第百三十八條ノ三、第百七十五條、第百七十六條及第百七十八條竝ニ產業組合法第十條、第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第二十四條、第二十六條乃至第三十一條ノ二、第三十三條、第三十四條ノ二第一項、第三十五條、第三十六條、第三十八條ノ二乃至第四十六條、第四十八條、第五十一條乃至第五十八條、第六十條、第六十條ノ二、第六十二條(第一項第四號ヲ除ク)、第六十三條第一項、第六十三條ノ二乃至第六十五條、第六十六條第一項、第六十七條、第六十八條、第七十條乃至第七十三條、第七十四條第一項、第七十四條ノ二第一項、第七十七條第三項及第七十八條ノ規定(第二十八條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ付テハ產業組合法第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第四十條乃至第四十三條、第四十四條第二項、第四十五條、第四十六條、第四十八條、第五十三條乃至第五十八條、第六十二條第二項但書、第六十八條及第七十七條第三項ノ規定ヲ、第四十五條ノ規定ニ依ル輸出組合ニ付テハ產業組合法第十條、第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第四十條乃至第四十三條、第四十四條第二項、第四十五條、第四十六條、第四十八條、第五十一條第三號乃至第五號、第五十二條乃至第五十八條、第六十二條第一項第一號第三號、第六十三條ノ二、第六十四條、第六十六條第一項、第六十七條、第六十八條及第七十七條第三項ノ規定ヲ除ク)ハ輸出組合ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五條第三項及第四十八條第一項中一週間トアルハ二週間トシ產業組合法中地方長官又ハ監督官廳トアルハ主務大臣トス
第三節 輸入組合
第五十七條 同一種類ノ重要輸入品ノ輸入ヲ業トスル者又ハ同一市場ヨリノ商品ノ輸入ヲ業トスル者ハ輸入組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ取扱商品ヲ異ニスル重要輸入品ノ輸入ヲ業トスル者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ重要輸入品ハ主務大臣之ヲ指定ス
第五十八條 輸入組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ營業ニ關スル統制
二 組合員ノ取扱商品ノ委託輸入、輸入ノ斡旋其ノ他組合員ノ營業ニ關スル共同施設
三 海外市場ノ調査其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ賣渡ス目的ヲ以テ爲ス其ノ取扱商品ノ輸入、組合員ニ對シ其ノ營業ニ必要ナル資金ノ貸付、組合員ノ爲ニスル其ノ營業上ノ債務ノ保證又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ揭グル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第五十九條 前條第一項第二號及第二項ノ事業ヲ行ハザル輸入組合ニ在リテハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシメザルモノト爲スコトヲ得
第六十條 第六十二條ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五條ノ規定ニ依ル輸入組合ハ第五十八條第一項第二號及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第六十一條 第五十八條第一項第一號ノ事業ヲ行フ輸入組合ニシテ全國ヲ地區トスルモノ若ハ第六十二條ノ規定ニ依リ準用シタル第十八條ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第六十二條ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五條ノ規定ニ依ル輸入組合ノ理事ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テハ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ揭グル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ第六十二條ノ規定ニ依リ準用シタル第三十三條第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第六十二條 第二節ノ規定ハ輸入組合ニ之ヲ準用ス
第二章 貿易組合聯合會
第六十三條 貿易組合聯合會ハ輸出組合聯合會、輸入組合聯合會及輸出入組合聯合會ノ三種トス
第六十四條 貿易組合聯合會ハ所屬ノ貿易組合及貿易組合聯合會ノ共同ノ目的ヲ達成スルヲ以テ目的トス
第六十五條 貿易組合聯合會ハ法人トス
第六十六條 貿易組合聯合會ハ其ノ名稱中ニ其ノ種類ニ從ヒ輸出組合聯合會、輸入組合聯合會又ハ輸出入組合聯合會ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合聯合會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ輸出組合聯合會、輸入組合聯合會、輸出入組合聯合會又ハ貿易組合聯合會ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第六十七條 輸出組合聯合會ハ輸出組合又ハ輸出組合聯合會ヲ以テ之ヲ組織ス
輸入組合聯合會ハ輸入組合又ハ輸入組合聯合會ヲ以テ之ヲ組織ス
輸出入組合聯合會ハ輸出組合又ハ輸出組合聯合會及輸入組合又ハ輸入組合聯合會ヲ以テ之ヲ組織ス
第六十八條 貿易組合聯合會ヲ設立セントスルトキ又ハ第七十一條ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五條ノ規定ニ依リ其ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ所屬ノ各組合及聯合會ニ於テ選任シタル創立委員ヲ以テ創立委員會ニ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十九條 創立委員會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ創立委員總數ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第二十四條ノ規定ハ創立委員ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ第七十一條ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五條ノ規定ニ依ル貿易組合聯合會ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七十條 貿易組合聯合會ノ理事及監事ハ總會ニ於テ所屬ノ組合及聯合會ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ聯合會設立當時ノ理事及監事ハ創立委員會ニ於テ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第七十一條 貿易組合ニ關スル規定ハ第十六條及第五十六條ノ規定ニ依リ準用シタル產業組合法第三十八條ノ二ノ規定ヲ除クノ外貿易組合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第十一條及第五十八條中組合員トアルハ所屬ノ組合、聯合會及組合員トシ、第十八條中其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ其ノ組合ノ組合員タル資格ヲ有セザル者ニシテ其ノ地區內ニ於テ其ノ組合ノ組合員ノ取扱商品ト同種ノ商品ヲ販賣ノ目的ヲ以テ輸出ヲ爲ス者若ハ其ノ組合ノ組合員ト同一市場ヲ目的トシテ商品ヲ販賣ノ目的ヲ以テ輸出ヲ爲ス者トアルハ所屬ノ組合又ハ聯合會ニ非ズシテ所屬ノ組合又ハ聯合會タル資格ヲ有スル組合又ハ聯合會トシ、第三十四條及第六十一條中全國トアルハ道府縣ノ區域ヲ超ユル區域トス
第三章 貿易組合中央會
第七十二條 貿易組合中央會ハ貿易組合及貿易組合聯合會ノ普及、發達及聯絡ヲ圖ルヲ以テ目的トス
第七十三條 貿易組合中央會ハ法人トス
第七十四條 貿易組合中央會ハ其ノ名稱中ニ貿易組合中央會ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合中央會ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ貿易組合中央會ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第七十五條 貿易組合中央會ハ全國ヲ通ジテ一箇トシ其ノ設立ハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
中央會ノ設立ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十六條 貿易組合中央會ハ貿易組合又ハ貿易組合聯合會ヲ以テ之ヲ組織ス
第七十七條 貿易組合中央會ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 會員ノ加入及脫退ニ關スル規定
五 會員ノ權利義務ニ關スル規定
六 資產ニ關スル規定
七 事業及其ノ執行ニ關スル規定
八 役員ニ關スル規定
九 會議ニ關スル規定
十 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七十八條 貿易組合中央會設立ノ認可アリタルトキハ其ノ事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 前條第一號、第二號及第十號ニ揭グル事項
二 事務所
三 資產ノ總額
四 成立ノ年月日
五 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ但シ前項第三號ニ揭グル事項ニ付テハ每事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後二月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
第七十九條 貿易組合中央會ニハ理事及監事ヲ置クベシ
第八十條 貿易組合中央會ノ理事及監事ハ總會ニ於テ會員タル貿易組合又ハ貿易組合聯合會ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ中央會設立當時ノ理事及監事ノ選任方法ハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第八十一條 第六條乃至第八條、第二十六條、第三十二條、第三十五條、第三十八條、第四十三條、第四十四條及第五十二條乃至第五十六條ノ規定ハ貿易組合中央會ニ之ヲ準用ス但シ第八條ノ規定ニ依リ準用シタル非訟事件手續法第百四十一條竝ニ第五十六條ノ規定ニ依リ準用シタル產業組合法第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第四十條乃至第四十六條、第四十八條、第五十一條乃至第五十八條、第六十三條ノ二、第六十四條、第六十六條第一項、第六十七條、第六十八條、第七十七條第三項及第七十八條ノ規定ヲ除ク
第四章 罰則
第八十二條 左ノ場合ニ於テハ貿易組合、貿易組合聯合會又ハ貿易組合中央會ノ理事、監事又ハ淸算人ヲ十圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
三 本法ニ依ル屆出ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ屆出ヲ爲シタルトキ
四 行政官廳又ハ總會若ハ總代會ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ又ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
五 本法ニ依リ行政官廳ノ徵スル報吿ヲ差出サズ又ハ其ノ檢査ヲ拒ミ其ノ他行政官廳ノ命令又ハ處分ニ從ハザルトキ
六 本法ニ依ル總會又ハ總代會ノ招集ヲ怠リタルトキ
七 本法ニ依リ事務所ニ備置クベキ書類ヲ備ヘザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ又ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ閱覽ヲ拒ミタルトキ
八 本法ニ違反シテ組合員又ハ所屬ノ組合若ハ聯合會ノ持分ヲ拂戾シタルトキ
九 本法ニ違反シテ組合又ハ聯合會ガ組合員若ハ所屬ノ組合又ハ聯合會ノ持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
十 本法ニ違反シテ破產ノ宣吿ヲ請求セザルトキ
十一 本法ニ違反シテ出資一口ノ金額若ハ保證金額ヲ減少シ、脫退シタル組合員若ハ所屬ノ組合若ハ聯合會ノ責任期間ノ短縮ヲ爲シ又ハ組合若ハ聯合會ノ合併ヲ爲シタルトキ
十二 本法ニ依ル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
十三 淸算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ辨濟ヲ爲シ又ハ財產ノ分配ヲ爲シタルトキ
十四 法令又ハ定款ニ違反シテ剩餘金ヲ處分シタルトキ
十五 組合、聯合會又ハ中央會ノ目的ニ非ザル營利事業ヲ爲シタルトキ
第八十三條 第四條第二項、第六十六條第二項又ハ第七十四條第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ十圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
第八十四條 非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ之ヲ準用ス
第八十五條 第十八條ノ規定(第六十二條又ハ第七十一條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者又ハ其ノ命令ニ違反シテ商品ノ輸出若ハ輸入ヲ爲サントシタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條ノ規定(第六十二條又ハ第七十一條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シテ商品ノ輸出若ハ輸入ヲ爲シ又ハ爲サントシタル者亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル商品ヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得
第八十六條 輸出又ハ輸入ヲ業トスル者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ前條ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八十七條 第八十五條ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八十八條 正當ノ理由ナクシテ第二十條ノ規定(第六十二條又ハ第七十一條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル當該官吏ノ臨檢、檢査、搜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十九條 貿易組合又ハ貿易組合聯合會ノ證票若ハ檢查證ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ證票若ハ檢查證ヲ僞造若ハ變造シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ證票若ハ檢查證ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十條 貿易組合又ハ貿易組合聯合會ノ理事、監事若ハ淸算人又ハ檢査員其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第九十一條 前條第一項ニ揭グル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第九十二條 第八十九條ニ揭グル罪ハ刑法第三條ノ例ニ、第九十條ニ揭グル罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
輸出組合法ハ之ヲ廢止ス
舊法ニ依リ設立セラレタル輸出組合又ハ輸出組合聯合會ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ本法ニ依ル輸出組合又ハ輸出組合聯合會ト看做ス
本法施行ノ際貿易組合、貿易組合聯合會又ハ貿易組合中央會ニ非ズシテ其ノ名稱中ニ輸出組合、輸入組合、貿易組合、輸出組合聯合會、輸入組合聯合會、輸出入組合聯合會、貿易組合聯合會又ハ貿易組合中央會ナル文字ヲ用フルモノハ本法施行後六月以內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第八十三條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ前項ニ揭グルモノニ適用セズ
舊法ニ依リテ爲シタル認可、處分、手續其ノ他ノ行爲ハ設立ノ認可ヲ除クノ外本法中之ニ相當スル規定アル場合ニ於テハ本法ニ依リテ之ヲ爲シタルモノト看做ス
第三十四條第一項(第七十一條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ該當スル輸出組合又ハ輸出組合聯合會ノ理事ニシテ本法施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者ハ其ノ選任ニ付同條ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス
本法施行前舊法ノ罰則ヲ適用スベカリシ行爲ニ付テハ仍舊法ニ依ル
登錄稅法第十九條第七號中「輸出組合、輸出組合聯合會」ヲ「貿易組合、貿易組合聯合會、貿易組合中央會」ニ、「輸出組合法」ヲ「貿易組合法」ニ改ム
印紙稅法第四條第一項第十一號中「輸出組合又ハ輸出組合聯合會」ヲ「貿易組合又ハ貿易組合聯合會」ニ改ム
商工組合中央金庫法中「輸出組合」ヲ「貿易組合」ニ、「輸出組合聯合會」ヲ「貿易組合聯合會」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル貿易組合法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十三日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 吉野信次
法律第七十四号
貿易組合法
第一章 貿易組合
第一節 総則
第一条 貿易組合ハ輸出組合及輸入組合ノ二種トス
第二条 貿易組合ハ貿易ノ振興ヲ図ル為共同ノ施設ヲ為スヲ以テ目的トス
第三条 貿易組合ハ法人トス
第四条 貿易組合ハ其ノ名称中ニ其ノ種類ニ従ヒ輸出組合又ハ輸入組合ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ輸出組合、輸入組合又ハ貿易組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五条 主務大臣ハ本法ニ依ル職権ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第六条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ登記前ニ在リテハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第七条 本法ニ依リ登記スベキ事項ハ其ノ事実ノ生ジタル後二週間以内ニ之ヲ登記スベシ
登記スベキ事項ニシテ主務大臣ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第八条 非訟事件手続法第百四十一条乃至第百五十一条ノ六、第百五十四条乃至第百五十八条及第百六十五条並ニ産業組合法第五条、第六条、第九十六条、第九十七条及第百四条ノ規定ハ貿易組合ニ之ヲ準用ス
第二節 輸出組合
第九条 同一種類ノ重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者又ハ同一市場ヲ目的トシテ商品ノ輸出ヲ業トスル者ハ輸出組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ取扱商品ヲ異ニスル重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ重要輸出品ハ主務大臣之ヲ指定ス
第十条 同一又ハ重複スル地区ニ於テ二箇以上ノ同種ノ輸出組合ヲ設立スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十一条 輸出組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ営業ニ関スル統制
二 組合員ノ取扱商品ノ委託輸出、輸出ノ斡旋、保管、選別、包装、荷造其ノ他組合員ノ営業ニ関スル共同施設
三 海外市場ノ調査、新販路ノ開拓其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ノ取扱商品ノ買取輸出、組合員ニ対シ其ノ営業ニ必要ナル資金ノ貸付、組合員ノ為ニスル其ノ営業上ノ債務ノ保証又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ掲グル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第十二条 営業上ノ弊害ヲ予防シ若ハ矯正スル為又ハ貿易ノ振興上必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ輸出組合ニ対シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第十三条 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ経費ヲ組合員ニ分賦スルコトヲ得
第十四条 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款違反者ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第十五条 輸出組合定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ノ営業ニ関スル統制ヲ行フ場合ニ於テハ総会ノ議決ヲ経テ之ニ関スル規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ其ノ規程ヲ変更セントスル場合亦同ジ
第十六条 輸出組合第十一条第一項第一号ノ事業ニ関スル定款ノ規定又ハ前条ノ規程ヲ定メ又ハ変更セントスル場合ニ於テ総会ノ可決セザリシトキト雖モ貿易ノ振興上組合員ノ営業ノ統制ヲ図ル必要アルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ総会ヲ開キ総組合員ノ三分ノ一以上ニシテ其ノ輸出高ガ総組合員ノ輸出高ノ三分ノ二以上ヲ占ムル組合員ノ同意ヲ以テ之ガ議決ヲ為スコトヲ得但シ第九条第一項但書ノ規定ニ依リ設立シタル組合ニ在リテハ取扱商品毎ニ各総組合員ノ三分ノ一以上ニシテ其ノ輸出高ガ総組合員ノ輸出高ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十七条 輸出組合第十五条ノ規程ニ基キ組合又ハ組合員ノ輸出数量、輸出価格其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ為シタルトキハ遅滞ナク之ヲ主務大臣ニ届出ヅベシ
主務大臣必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ変更又ハ取消ヲ為スコトヲ得
第十八条 営業上ノ弊害ヲ予防シ若ハ矯正スル為又ハ貿易ノ振興上特ニ必要アリト認ムルトキハ主務大臣ハ輸出組合ノ組合員、其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ其ノ組合ノ組合員タル資格ヲ有セザル者ニシテ其ノ組合ノ地区内ニ於テ其ノ組合ノ組合員ノ取扱商品ト同種ノ商品ヲ販売ノ目的ヲ以テ輸出ヲ為スモノ若ハ其ノ組合ノ組合員ト同一市場ヲ目的トシテ商品ヲ販売ノ目的ヲ以テ輸出ヲ為スモノニ対シ其ノ組合ノ統制ニ従フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十九条 前条ノ規定ニ依リ主務大臣輸出組合ノ統制ニ従フベキコトヲ命ジタル場合ニ於テ其ノ統制ニ従ヒ輸出スベキ商品ノ輸出ヲ為サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ商品ガ其ノ統制ニ従ヒテ輸出セラルルモノナルコトニ付行政官庁ノ検閲ヲ受クベシ
第二十条 主務大臣第十八条ノ規定ニ依リ輸出組合ノ統制ニ従フベキコトヲ命ジタル場合ニ於テ其ノ統制ニ従ヒ輸出スベキ商品ノ輸出ニ関シ取締上必要アリト認ムルトキハ当該官吏ヲシテ保税地域内ニ於テ又ハ店舗、倉庫、工場其ノ他ノ場所ニ臨検シ物品、帳簿其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ当該官吏ハ輸出組合ノ検査員ヲシテ必要ナル補助ヲ為サシムルコトヲ得
第一項ノ場合ニ於テ当該官吏第十八条ノ規定ニ依ル命令又ハ前条ノ規定ニ違反シテ商品ノ輸出ヲ為シ又ハ輸出ヲ為サントシタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ参考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事実ヲ証明スベキ物件ヲ捜索シ若ハ之ガ差押ヲ為スコトヲ得
臨検、尋問、捜索及差押ニ関シテハ間接国税犯則者処分法ヲ準用ス
第二十一条 同一種類ノ重要輸出品ノ輸出ヲ業トスル者ヲ以テ設立セル輸出組合又ハ其ノ組合員ハ其ノ営業ニ関スル重要物産同業組合法ニ依ル同業組合ニ加入セズ又ハ之ヨリ脱退スルコトヲ得
第二十二条 輸出組合ヲ設立セントスルトキハ予メ地区ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半数ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ但シ第九条第一項但書ノ場合ニ於テハ取扱商品毎ニ各組合員タル資格ヲ有スル者ノ過半数ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ創立総会ヲ招集スルコトヲ得
第二十三条 創立総会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス但シ第九条第一項但書ノ場合ニ於テハ取扱商品毎ニ各設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第二十四条 設立同意者ハ創立総会ニ於テ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得
前項ノ代理人ハ設立同意者タルコトヲ要ス但シ法人タル設立同意者ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト為スコトヲ得
代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ差出スベシ
第二十五条 輸出組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ但シ第二十八条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第七号乃至第九号、第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第六号乃至第九号及第十五号ニ掲グル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ関スル規定
六 組合員ノ加入及脱退ニ関スル規定
七 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
八 剰余金ノ処分及損失分担ニ関スル規定
九 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
十 組合員ノ権利義務ニ関スル規定
十一 事業及其ノ執行ニ関スル規定
十二 役員ニ関スル規定
十三 会議ニ関スル規定
十四 会計ニ関スル規定
十五 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第二十六条 輸出組合ハ設立ノ認可アリタル時又ハ第四十五条第二項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
第二十七条 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
組合員ノ有スベキ出資口数ハ五十口ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ増加スルコトヲ得
第二十八条 第十一条第一項第二号及第二項ノ事業ヲ行ハザル輸出組合ニ在リテハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ為サシメザルモノト為スコトヲ得
第二十九条 組合員ノ責任ハ第十三条ノ規定ニ依ル費用負担ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十条 輸出組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合財産ヲ以テ其ノ債務ヲ完済スルコト能ハザル場合ニ於テ組合員ノ全員ガ其ノ出資額ノ外一定ノ金額(保証金額)ヲ限度トシテ責任ヲ負担スルモノト為スコトヲ得
第三十一条 輸出組合ハ出資ノ第一回ノ払込アリタル後二週間以内ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ但シ第二十八条ノ規定ニ依ル輸出組合又ハ第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ其ノ成立後二週間以内ニ之ヲ為スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ但シ第二十八条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第三号及第四号ニ掲グル事項並ニ第二十五条第七号ニ掲グル事項、第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ第三号及第四号ニ掲グル事項並ニ第二十五条第七号及第十五号ニ掲グル事項ハ之ヲ登記スルコトヲ要セズ
一 第二十五条第一号乃至第三号、第七号及第十五号ニ掲グル事項
二 事務所
三 出資ノ総口数及払込ミタル出資ノ総額
四 第三十条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名称、住所及保証金額
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ為スベシ但シ前項第三号ニ掲グル事項ニ付テハ毎事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以内ニ登記ヲ為スコトヲ得
第三十二条 組合員ハ総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ会議ノ目的タル事項及其ノ招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ理事ニ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
理事ガ正当ノ理由ナクシテ前項ノ規定ニ依ル請求アリタル後二週間以内ニ総会招集ノ手続ヲ為サザルトキハ請求者ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ招集スルコトヲ得
第三十三条 輸出組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ総会ニ於テ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事及監事ハ創立総会ニ於テ第二十二条第一項ノ場合ニ在リテハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ、第四十五条第一項ノ場合ニ在リテハ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第一項ノ規定ニ依ル役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ他ノ役員ヲ置クコトヲ得
第三十四条 第十一条第一項第一号ノ事業ヲ行フ輸出組合ニシテ全国ヲ地区トスルモノ若ハ第十八条ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ノ理事ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ掲グル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ前条第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第三十五条 組合員ハ総会ニ於テ各一箇ノ議決権ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決権総数ノ十分ノ三ヲ超エザル範囲内ニ於テ出資口数ニ応ジ二箇以上ノ議決権ヲ有セシムルコトヲ得
第三十六条 組合員ハ代理人ヲ以テ議決権ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席ト看做ス
前項ノ代理人ハ組合員タルコトヲ要ス但シ法人タル組合員ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト為スコトヲ得
代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ組合ニ差出スベシ
第三十七条 経費ヲ組合員ニ分賦スル輸出組合ニ在リテハ其ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ハ総会ノ議決ヲ経ベシ但シ組合設立当時ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ハ創立総会ニ於テ之ヲ議決スベシ
前項ノ総会ノ議決ハ総組合員ノ半数以上出席シ其ノ議決権ノ四分ノ三以上ヲ以テ之ヲ為スベシ但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八条 組合員タル資格ヲ有スル者輸出組合ニ加入セントスルトキハ組合ハ正当ノ理由ナクシテ加入ニ困難ナル条件ヲ附シ又ハ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第三十九条 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ予告ヲ為シ輸出組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脱退スルコトヲ得
組合ハ正当ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第四十条 検査ヲ行フ輸出組合ニ在リテハ検査員ヲ置クベシ
検査員ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十一条 輸出組合ハ検査員ノ服務ニ関スル規程ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四十二条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ検査員ノ選任又ハ解任ヲ為スコトヲ得
第四十三条 主務大臣必要アリト認ムルトキハ輸出組合ニ対シ経費ノ収支予算、其ノ分賦収入方法、定款又ハ第十五条ノ規程ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
第四十四条 輸出組合ノ事業若ハ財産ノ状況ニ依リ其ノ事業ノ継続ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ組合ノ行為ガ法令、定款若ハ主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ主務大臣ハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
一 総会ノ決議ノ取消
二 役員ノ解任
三 事業ノ停止
四 解散
第四十五条 主務大臣貿易ノ統制ヲ図リ国民経済ノ健全ナル発達ヲ期スル為特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地区及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ対シ輸出組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者主務大臣ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セゼルトキハ主務大臣ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第四十六条 前条第一項ノ規定ニ依リ輸出組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ創立総会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第四十七条 主務大臣第四十五条第二項ノ規定ニ依リ定款ヲ作成シタルトキハ輸出組合ノ理事及監事ヲ命ズ
前項ノ理事ハ遅滞ナク総会ヲ招集スベシ
前項ノ総会ニ於テハ組合設立当時ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ヲ議決スベシ
第三十七条第二項ノ規定ハ前項ノ議決ニ之ヲ準用ス
第四十八条 第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ハ第十一条第一項第二号及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第四十九条 第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合成立シタルトキハ其ノ組合ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ハ其ノ組合ノ組合員トス
第五十条 第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ハ其ノ組合員ヲシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得ズ
第五十一条 第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ハ合併ヲ為スコトヲ得ズ
第五十二条 設立ノ登記ハ理事及監事ノ全員ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
申請書ニハ定款及創立総会又ハ総会ノ決議録ノ謄本、組合ノ設立アリタルコトヲ証スル書面、出資ノ総口数ヲ証スル書面、出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面並ニ理事及監事ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スベシ但シ第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニシテ主務大臣ノ処分ニ因リ成立シタルモノニ在リテハ創立総会又ハ総会ノ決議録、出資ノ総口数ヲ証スル書面及出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面、第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニシテ主務大臣ノ処分ニ因ラズシテ成立シタルモノ又ハ第二十八条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ在リテハ出資ノ総口数ヲ証スル書面及出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面ハ之ヲ添附スルコトヲ要セズ
第五十三条 事務所ノ新設、移転其ノ他登記事項ノ変更ノ登記ハ理事又ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ但シ合併又ハ出資一口ノ金額若ハ保証金額ノ減少ニ因ル変更ノ登記ハ理事及監事ノ全員ヨリ之ヲ為スベシ
申請書ニハ申請人ノ資格ヲ証スル書面及登記事項ノ変更ヲ証スル書面ヲ添附スベシ但シ前ニ登記ノ申請ヲ為シタル申請人ガ同一登記所ニ前項ノ申請ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要セズ
出資一口ノ金額又ハ保証金額ノ減少ノ登記申請書ニハ前項ニ規定スル書面ノ外本法ニ依リ催告ヲ為シタルコト及異議ヲ述ベタル債権者アル場合ニ於テハ之ニ対シ弁済ヲ為シ又ハ担保ヲ供シタルコトヲ証スル書面ヲ添附スベシ
第五十四条 解散ノ登記ハ合併ニ因ル解散ノ場合ニ於テハ解散シタルトキノ理事及監事ノ全員、其ノ他ノ場合ニ於テハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
申請書ニハ解散ノ事由ヲ証スル書面及理事ガ清算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スベシ
前条第三条ノ規定ハ合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請ニ之ヲ準用ス
輸出組合ガ命令ニ因リテ解散シタルトキハ登記所ハ主務大臣ノ嘱託ニ因リテ登記ヲ為スベシ
第五十五条 清算結了ノ登記ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為スベシ
第五十六条 民法第四十四条第一項、第四十五条第二項第三項、第四十八条、第五十条、第五十二条第二項、第五十三条乃至第五十五条、第五十九条、第六十条、第六十一条第一項、第六十二条、第六十四条、第六十六条、第七十条及第七十三条乃至第八十三条、非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十六条乃至第百三十八条、第百三十八条ノ三、第百七十五条、第百七十六条及第百七十八条並ニ産業組合法第十条、第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第二十四条、第二十六条乃至第三十一条ノ二、第三十三条、第三十四条ノ二第一項、第三十五条、第三十六条、第三十八条ノ二乃至第四十六条、第四十八条、第五十一条乃至第五十八条、第六十条、第六十条ノ二、第六十二条(第一項第四号ヲ除ク)、第六十三条第一項、第六十三条ノ二乃至第六十五条、第六十六条第一項、第六十七条、第六十八条、第七十条乃至第七十三条、第七十四条第一項、第七十四条ノ二第一項、第七十七条第三項及第七十八条ノ規定(第二十八条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ付テハ産業組合法第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第四十条乃至第四十三条、第四十四条第二項、第四十五条、第四十六条、第四十八条、第五十三条乃至第五十八条、第六十二条第二項但書、第六十八条及第七十七条第三項ノ規定ヲ、第四十五条ノ規定ニ依ル輸出組合ニ付テハ産業組合法第十条、第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第四十条乃至第四十三条、第四十四条第二項、第四十五条、第四十六条、第四十八条、第五十一条第三号乃至第五号、第五十二条乃至第五十八条、第六十二条第一項第一号第三号、第六十三条ノ二、第六十四条、第六十六条第一項、第六十七条、第六十八条及第七十七条第三項ノ規定ヲ除ク)ハ輸出組合ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五条第三項及第四十八条第一項中一週間トアルハ二週間トシ産業組合法中地方長官又ハ監督官庁トアルハ主務大臣トス
第三節 輸入組合
第五十七条 同一種類ノ重要輸入品ノ輸入ヲ業トスル者又ハ同一市場ヨリノ商品ノ輸入ヲ業トスル者ハ輸入組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ取扱商品ヲ異ニスル重要輸入品ノ輸入ヲ業トスル者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
前項ノ重要輸入品ハ主務大臣之ヲ指定ス
第五十八条 輸入組合ハ左ノ事業ヲ行フコトヲ得
一 組合員ノ営業ニ関スル統制
二 組合員ノ取扱商品ノ委託輸入、輸入ノ斡旋其ノ他組合員ノ営業ニ関スル共同施設
三 海外市場ノ調査其ノ他組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル施設
組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ売渡ス目的ヲ以テ為ス其ノ取扱商品ノ輸入、組合員ニ対シ其ノ営業ニ必要ナル資金ノ貸付、組合員ノ為ニスル其ノ営業上ノ債務ノ保証又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項ニ掲グル組合ノ施設ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第五十九条 前条第一項第二号及第二項ノ事業ヲ行ハザル輸入組合ニ在リテハ定款ノ定ムル所ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ為サシメザルモノト為スコトヲ得
第六十条 第六十二条ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五条ノ規定ニ依ル輸入組合ハ第五十八条第一項第二号及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第六十一条 第五十八条第一項第一号ノ事業ヲ行フ輸入組合ニシテ全国ヲ地区トスルモノ若ハ第六十二条ノ規定ニ依リ準用シタル第十八条ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第六十二条ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五条ノ規定ニ依ル輸入組合ノ理事ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テハ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ掲グル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ第六十二条ノ規定ニ依リ準用シタル第三十三条第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第六十二条 第二節ノ規定ハ輸入組合ニ之ヲ準用ス
第二章 貿易組合連合会
第六十三条 貿易組合連合会ハ輸出組合連合会、輸入組合連合会及輸出入組合連合会ノ三種トス
第六十四条 貿易組合連合会ハ所属ノ貿易組合及貿易組合連合会ノ共同ノ目的ヲ達成スルヲ以テ目的トス
第六十五条 貿易組合連合会ハ法人トス
第六十六条 貿易組合連合会ハ其ノ名称中ニ其ノ種類ニ従ヒ輸出組合連合会、輸入組合連合会又ハ輸出入組合連合会ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合連合会ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ輸出組合連合会、輸入組合連合会、輸出入組合連合会又ハ貿易組合連合会ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第六十七条 輸出組合連合会ハ輸出組合又ハ輸出組合連合会ヲ以テ之ヲ組織ス
輸入組合連合会ハ輸入組合又ハ輸入組合連合会ヲ以テ之ヲ組織ス
輸出入組合連合会ハ輸出組合又ハ輸出組合連合会及輸入組合又ハ輸入組合連合会ヲ以テ之ヲ組織ス
第六十八条 貿易組合連合会ヲ設立セントスルトキ又ハ第七十一条ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五条ノ規定ニ依リ其ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ所属ノ各組合及連合会ニ於テ選任シタル創立委員ヲ以テ創立委員会ニ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六十九条 創立委員会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ創立委員総数ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第二十四条ノ規定ハ創立委員ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ハ第七十一条ノ規定ニ依リ準用シタル第四十五条ノ規定ニ依ル貿易組合連合会ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七十条 貿易組合連合会ノ理事及監事ハ総会ニ於テ所属ノ組合及連合会ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ連合会設立当時ノ理事及監事ハ創立委員会ニ於テ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第七十一条 貿易組合ニ関スル規定ハ第十六条及第五十六条ノ規定ニ依リ準用シタル産業組合法第三十八条ノ二ノ規定ヲ除クノ外貿易組合連合会ニ之ヲ準用ス但シ第十一条及第五十八条中組合員トアルハ所属ノ組合、連合会及組合員トシ、第十八条中其ノ組合ノ組合員ニ非ズシテ其ノ組合ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ其ノ組合ノ組合員タル資格ヲ有セザル者ニシテ其ノ地区内ニ於テ其ノ組合ノ組合員ノ取扱商品ト同種ノ商品ヲ販売ノ目的ヲ以テ輸出ヲ為ス者若ハ其ノ組合ノ組合員ト同一市場ヲ目的トシテ商品ヲ販売ノ目的ヲ以テ輸出ヲ為ス者トアルハ所属ノ組合又ハ連合会ニ非ズシテ所属ノ組合又ハ連合会タル資格ヲ有スル組合又ハ連合会トシ、第三十四条及第六十一条中全国トアルハ道府県ノ区域ヲ超ユル区域トス
第三章 貿易組合中央会
第七十二条 貿易組合中央会ハ貿易組合及貿易組合連合会ノ普及、発達及連絡ヲ図ルヲ以テ目的トス
第七十三条 貿易組合中央会ハ法人トス
第七十四条 貿易組合中央会ハ其ノ名称中ニ貿易組合中央会ナル文字ヲ用フベシ
貿易組合中央会ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ貿易組合中央会ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第七十五条 貿易組合中央会ハ全国ヲ通ジテ一箇トシ其ノ設立ハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
中央会ノ設立ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七十六条 貿易組合中央会ハ貿易組合又ハ貿易組合連合会ヲ以テ之ヲ組織ス
第七十七条 貿易組合中央会ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 会員ノ加入及脱退ニ関スル規定
五 会員ノ権利義務ニ関スル規定
六 資産ニ関スル規定
七 事業及其ノ執行ニ関スル規定
八 役員ニ関スル規定
九 会議ニ関スル規定
十 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七十八条 貿易組合中央会設立ノ認可アリタルトキハ其ノ事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ
一 前条第一号、第二号及第十号ニ掲グル事項
二 事務所
三 資産ノ総額
四 成立ノ年月日
五 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ為スベシ但シ前項第三号ニ掲グル事項ニ付テハ毎事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後二月以内ニ登記ヲ為スコトヲ得
第七十九条 貿易組合中央会ニハ理事及監事ヲ置クベシ
第八十条 貿易組合中央会ノ理事及監事ハ総会ニ於テ会員タル貿易組合又ハ貿易組合連合会ノ理事又ハ監事ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ中央会設立当時ノ理事及監事ノ選任方法ハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第八十一条 第六条乃至第八条、第二十六条、第三十二条、第三十五条、第三十八条、第四十三条、第四十四条及第五十二条乃至第五十六条ノ規定ハ貿易組合中央会ニ之ヲ準用ス但シ第八条ノ規定ニ依リ準用シタル非訟事件手続法第百四十一条並ニ第五十六条ノ規定ニ依リ準用シタル産業組合法第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第四十条乃至第四十六条、第四十八条、第五十一条乃至第五十八条、第六十三条ノ二、第六十四条、第六十六条第一項、第六十七条、第六十八条、第七十七条第三項及第七十八条ノ規定ヲ除ク
第四章 罰則
第八十二条 左ノ場合ニ於テハ貿易組合、貿易組合連合会又ハ貿易組合中央会ノ理事、監事又ハ清算人ヲ十円以上五百円以下ノ過料ニ処ス
一 本法ニ依リ行政官庁ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ依ル登記ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ為シタルトキ
三 本法ニ依ル届出ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ届出ヲ為シタルトキ
四 行政官庁又ハ総会若ハ総代会ニ対シ不実ノ申立ヲ為シ又ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
五 本法ニ依リ行政官庁ノ徴スル報告ヲ差出サズ又ハ其ノ検査ヲ拒ミ其ノ他行政官庁ノ命令又ハ処分ニ従ハザルトキ
六 本法ニ依ル総会又ハ総代会ノ招集ヲ怠リタルトキ
七 本法ニ依リ事務所ニ備置クベキ書類ヲ備ヘザルトキ、其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ又ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ閲覧ヲ拒ミタルトキ
八 本法ニ違反シテ組合員又ハ所属ノ組合若ハ連合会ノ持分ヲ払戻シタルトキ
九 本法ニ違反シテ組合又ハ連合会ガ組合員若ハ所属ノ組合又ハ連合会ノ持分ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受ケタルトキ
十 本法ニ違反シテ破産ノ宣告ヲ請求セザルトキ
十一 本法ニ違反シテ出資一口ノ金額若ハ保証金額ヲ減少シ、脱退シタル組合員若ハ所属ノ組合若ハ連合会ノ責任期間ノ短縮ヲ為シ又ハ組合若ハ連合会ノ合併ヲ為シタルトキ
十二 本法ニ依ル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
十三 清算ノ場合ニ於テ本法ニ違反シテ弁済ヲ為シ又ハ財産ノ分配ヲ為シタルトキ
十四 法令又ハ定款ニ違反シテ剰余金ヲ処分シタルトキ
十五 組合、連合会又ハ中央会ノ目的ニ非ザル営利事業ヲ為シタルトキ
第八十三条 第四条第二項、第六十六条第二項又ハ第七十四条第二項ノ規定ニ違反シタル者ハ十円以上五百円以下ノ過料ニ処ス
第八十四条 非訟事件手続法第二百六条乃至第二百八条ノ規定ハ前二条ノ過料ニ之ヲ準用ス
第八十五条 第十八条ノ規定(第六十二条又ハ第七十一条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル行政官庁ノ命令ニ違反シタル者又ハ其ノ命令ニ違反シテ商品ノ輸出若ハ輸入ヲ為サントシタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第十九条ノ規定(第六十二条又ハ第七十一条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シテ商品ノ輸出若ハ輸入ヲ為シ又ハ為サントシタル者亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル商品ヲ没収スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴スルコトヲ得
第八十六条 輸出又ハ輸入ヲ業トスル者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ前条ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八十七条 第八十五条ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八十八条 正当ノ理由ナクシテ第二十条ノ規定(第六十二条又ハ第七十一条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル当該官吏ノ臨検、検査、捜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第八十九条 貿易組合又ハ貿易組合連合会ノ証票若ハ検査証ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ証票若ハ検査証ヲ偽造若ハ変造シタル者又ハ偽造若ハ変造ノ証票若ハ検査証ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第九十条 貿易組合又ハ貿易組合連合会ノ理事、監事若ハ清算人又ハ検査員其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第九十一条 前条第一項ニ掲グル者ニ対シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第九十二条 第八十九条ニ掲グル罪ハ刑法第三条ノ例ニ、第九十条ニ掲グル罪ハ刑法第四条ノ例ニ従フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
輸出組合法ハ之ヲ廃止ス
旧法ニ依リ設立セラレタル輸出組合又ハ輸出組合連合会ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ本法ニ依ル輸出組合又ハ輸出組合連合会ト看做ス
本法施行ノ際貿易組合、貿易組合連合会又ハ貿易組合中央会ニ非ズシテ其ノ名称中ニ輸出組合、輸入組合、貿易組合、輸出組合連合会、輸入組合連合会、輸出入組合連合会、貿易組合連合会又ハ貿易組合中央会ナル文字ヲ用フルモノハ本法施行後六月以内ニ其ノ名称ヲ変更スルコトヲ要ス
第八十三条ノ規定ハ前項ノ期間内之ヲ前項ニ掲グルモノニ適用セズ
旧法ニ依リテ為シタル認可、処分、手続其ノ他ノ行為ハ設立ノ認可ヲ除クノ外本法中之ニ相当スル規定アル場合ニ於テハ本法ニ依リテ之ヲ為シタルモノト看做ス
第三十四条第一項(第七十一条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ該当スル輸出組合又ハ輸出組合連合会ノ理事ニシテ本法施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者ハ其ノ選任ニ付同条ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス
本法施行前旧法ノ罰則ヲ適用スベカリシ行為ニ付テハ仍旧法ニ依ル
登録税法第十九条第七号中「輸出組合、輸出組合連合会」ヲ「貿易組合、貿易組合連合会、貿易組合中央会」ニ、「輸出組合法」ヲ「貿易組合法」ニ改ム
印紙税法第四条第一項第十一号中「輸出組合又ハ輸出組合連合会」ヲ「貿易組合又ハ貿易組合連合会」ニ改ム
商工組合中央金庫法中「輸出組合」ヲ「貿易組合」ニ、「輸出組合連合会」ヲ「貿易組合連合会」ニ改ム