第十一條 漁業會ハ水產業ニ關スル國策ニ卽應シ漁業ノ整備發達ヲ圖リ且漁業權若ハ入漁權ヲ取得シ又ハ漁業權ノ貸付ヲ受ケ會員ノ漁業及經濟ノ發達ニ必要ナル事業ヲ行フコトヲ目的トス
第十二條 漁業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ヲ行フ
三 水產動植物ノ蕃殖保護、漁場ノ利用其ノ他會員ノ漁業生產ノ確保强化ニ關スル施設
四 船溜、船揚場、漁礁其ノ他會員ノ漁業ニ必要ナル設備ニ關スル施設
會員ニ出資ヲ爲サシムル漁業會(以下出資漁業會ト稱ス)ハ其ノ目的ヲ達スル爲前項ノ事業ノ外左ノ事業ヲ行フ
一 會員ノ漁獲物其ノ他ノ生產物ノ加工、保藏、運搬又ハ販賣ニ關スル施設
二 會員ノ漁業ニ必要ナル物ノ供給又ハ資金ノ貸付ニ關スル施設
出資漁業會ハ其ノ目的ヲ達スル爲前二項ノ事業ノ外會員ニ必要ナル物ノ供給若ハ資金ノ貸付又ハ會員ノ貯金ノ受入ニ關スル事業ヲ行フコトヲ得
漁業會ハ行政官廳ノ認可ヲ受ケ前三項ノ事業ニ附帶スル事業ヲ行フコトヲ得
漁業會ノ施設ハ命令ノ定ムル所ニ依リ會員以外ノ者ヲシテ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第十三條 漁業會ハ出資漁業會ニシテ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ許可ヲ受ケタルモノニ限リ自ラ漁業ヲ爲スコトヲ得
漁業會ノ會員(漁業者ニ非ザル會員ヲ除ク)ハ當該漁業會ノ取得シ若ハ貸付ヲ受ケタル專用漁業權又ハ入漁權ノ範圍內ニ於テ各自漁業ヲ爲スノ權利ヲ有ス但シ會則ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第十四條 漁業會ノ地區ハ市町村(町村ニ準ズベキモノヲ含ム以下同ジ)又ハ市町村內ノ漁業者ノ部落ノ區域ニ依ル但シ特別ノ事由アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
命令ヲ以テ定ムル漁業ニ係ル漁業會(以下特別漁業會ト稱ス)ノ地區ハ前項ノ規定ニ拘ラズ道府縣又ハ全國ノ區域ニ依ル
第十五條 漁業會(特別漁業會ヲ除ク)ハ勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除クノ外其ノ地區內ニ住所(法人ニ在リテハ事業場以下同ジ)ヲ有シ漁業ヲ爲ス者竝ニ其ノ地區內ニ於ケル漁業權ヲ有スル者及其ノ地區內ニ於ケル漁業權ヲ借受ケ漁業ヲ爲ス者ヲ以テ其ノ會員トス
特別漁業會ハ勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除クノ外其ノ地區內ニ住所ヲ有シ當該漁業ヲ爲ス者ヲ以テ其ノ會員トス但シ主務大臣ノ指定スル特別漁業會ニ在リテハ主務大臣ノ指定スル其ノ地區內ニ於ケル漁業權ヲ有スル者及其ノ指定ニ係ル漁業權ヲ借受ケ漁業ヲ爲ス者ヲ以テ其ノ會員トス
第十六條 左ニ揭グル者ハ漁業會ノ會員ト爲ルコトヲ得
第十七條 漁業會ヲ設立セントスルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第十五條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ會則其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十八條 行政官廳水產業ノ整備發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地區ヲ指定シ第十五條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ニ對シ漁業會ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタルトキハ創立總會ヲ開キ會則其ノ他設立ニ必要ナル事項ヲ定メ設立ノ認可ヲ申請スベシ
第十九條 漁業會ハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第二十條 漁業會成立シタルトキハ第十五條ノ規定ニ依リ會員タル資格ヲ有スル者ハ總テ其ノ會員トス
前項第一號及第二號ノ事項ノ決議ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十六條 總會ノ議事ハ命令ニ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外出席者ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第二十七條 總會ノ議決ヲ經ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ總會ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルモノハ會長之ヲ專決處分スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ會長ハ次ノ總會ニ於テ其ノ承認ヲ求ムベシ
第二十八條 漁業會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコトヲ得
特別漁業會ニハ前項ノ役員ノ外會則ノ定ムル所ニ依リ副會長一人若ハ二人又ハ評議員若干人ヲ置クコトヲ得
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會則ノ定ムル所ニ依リ業務ヲ掌理シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ會長及副會長ノ指揮ヲ承ケ業務ヲ執行シ豫メ會長ノ定ムル順位ニ依リ會長及副會長共ニ事故アルトキハ會長ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
評議員ハ會長ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ會長ニ對シ意見ヲ具申ス
第三十一條 會長(特別漁業會ノ會長ヲ除ク)ハ總會ニ於テ推薦シタル者ニ就キ市町村長(町村長ニ準ズベキモノヲ含ム)ノ意見ヲ徵シ地方長官之ヲ命ズ
特別漁業會ノ會長ハ總會ニ於テ推薦シタル者ニ就キ道府縣ヲ地區トスルモノニ在リテハ地方長官、全國ヲ地區トスルモノニ在リテハ主務大臣之ヲ命ズ
副會長及理事ハ總會ニ於テ推薦シタル者ニ就キ會長之ヲ選任ス
評議員ハ水產業ニ關シ學識經驗アル者ノ中ヨリ會長之ヲ選任ス
特別漁業會ノ副會長及理事ノ選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
會長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ副會長又ハ理事ヲ解任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル副會長又ハ理事ノ解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十三條 漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ニ對シ經費ヲ賦課スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル經費賦課ハ第十二條第一項ノ事業及此等ノ事業ニ關係アル範圍內ニ於ケル同條第四項ノ事業ニ關シ勅令ヲ以テ定ムル經費ニ限ル
第三十四條 漁業會ハ前條第二項ノ事業ヲ行フ爲特ニ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ會員ノ全部又ハ一部ニ對シ同條ノ規定ニ依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第三十五條 漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ會則又ハ統制規程ニ違反シタル會員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十六條 漁業會ノ賦課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ當該漁業會ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ漁業會ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
市町村ガ前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ其ノ處分ニ着手セズ又ハ九十日以內ニ之ヲ結了セザルトキハ會長ハ地方長官ノ認可ヲ受ケ之ヲ處分スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制第百十一條第一項及第四項ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市町村稅ノ例ニ依ル
漁業會ノ賦課金ノ賦課又ハ過怠金ノ徵收ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立、訴願及行政訴訟ヲ爲スコトヲ得
第三十七條 漁業會ハ會則ノ定ムル所ニ依リ第三十三條第二項ノ事業ニ付使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十八條 出資漁業會ノ會員ハ出資一口以上ヲ有スベシ但シ勅令ヲ以テ定ムル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十九條 出資漁業會ノ會員ニシテ出資ヲ有スルモノノ責任ハ第三十三條及第三十四條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第四十條 漁業會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ總會ノ議決ヲ經テ漁業ノ統制ニ關スル規程ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更シ又ハ廢止セントスルトキ亦同ジ
第四十一條 行政官廳水產業ノ整備發達ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ漁業會ニ對シ必要ナル事業ノ施行ヲ命ジ又ハ會則ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第四十二條 行政官廳水產業ノ整備發達ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ漁業會ノ會員ニ對シ當該漁業會ノ行フ漁業ニ關スル統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
行政官廳水產業ノ整備發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ漁業會ノ會員以外ノ者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノニ對シ當該漁業會ノ行フ漁業ニ關スル統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四十三條 行政官廳ハ漁業會ニ對シ業務ノ及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第四十四條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ漁業會ノ事務所、事業場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第四十五條 會長ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ行政官廳ハ會員其ノ他適當ナル者ヲ指定シテ會長ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
第四十六條 行政官廳ハ會長ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキ其ノ他水產業ノ整備發達上會長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
行政官廳ハ副會長、理事、監事又ハ評議員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
第四十七條 行政官廳ハ漁業會ノ決議又ハ會長、副會長、理事若ハ監事ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ會則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シタルトキハ其ノ決議ヲ取消シ、漁業會ノ業務ヲ停止シ又ハ漁業會ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第四十八條 漁業會ニハ所得稅、法人稅及營業稅ヲ課セズ