朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商工組合法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十一日
內閣總理大臣 東條英機
農林大臣 井野碩哉
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
內務大臣 湯澤三千男
法律第五十三號
商工組合法
第一章 總則
第一條 商工組合ハ統制組合及施設組合ノ二種トス
第二條 商工組合ハ法人トス
第三條 統制組合又ハ施設組合ハ其ノ名稱中ニ統制組合又ハ施設組合ナル文字ヲ用フベシ
統制組合又ハ施設組合ニ非ザル者ハ其ノ名稱中ニ統制組合又ハ施設組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第四條 商工組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第五條 本法ニ規定スルモノノ外商工組合及商工組合中央會ノ設立、管理、組合員又ハ會員ノ權利義務及加入脫退、解散、合併、淸算其ノ他ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條 樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ付必要ナル事項ニ關シテハ勅令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第二章 統制組合
第七條 統制組合ハ國民經濟ノ總力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル爲商業、工業又ハ鑛業ノ統制ヲ圖リ又ハ之ガ爲ニスル經營ヲ行ヒ且當該事業ニ關スル國策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第八條 統制組合ハ一定地區ニ於テ同種又ハ二種以上ノ事業別ニ之ヲ設立ス
第九條 統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ノ當該事業ニ關スル統制指導
二 組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ノ取扱品ノ仕入、販賣、保管其ノ他組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ノ當該事業ニ關スル統制ノ爲ニスル施設
三 當該事業ニ關スル調査及硏究
四 組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ノ當該事業ニ關スル檢査
五 前各號ニ揭グルモノノ外統制組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
統制組合ハ前項ノ事業ノ外當該事業ノ統制ノ爲必要アルトキハ組合員ニ對スル事業資金ノ貸付、組合員ノ事業資金ノ寄託ノ引受又ハ組合員ノ爲ニスル其ノ事業上ノ債務ノ保證ヲ併セ行フコトヲ得
第五十五條乃至第五十八條ノ規定ハ保管事業ヲ行フ統制組合ニ之ヲ準用ス但シ施設組合倉庫證券トアルハ統制組合倉庫證券トス
第十條 統制組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ揭グル者ニシテ定款ヲ以テ定ムルモノトス
一 當該地區內ニ於テ當該事業ヲ營ム者
二 當該地區內ニ於テ當該事業ヲ營ム者ヲ以テ組織スル團體
三 第一號ニ揭グル者及前號ニ揭グル團體ヲ以テ組織スル團體又ハ前號ニ揭グル團體ヲ以テ組織スル團體
四 第一號ニ揭グル者ヲ除クノ外當該地區內ニ於テ當該事業ヲ行フ者ニシテ行政官廳ノ指定シ又ハ統制組合(組合設立當時ニ於テハ發起人)ニ於テ行政官廳ノ認可ヲ受ケタルモノ
第十一條 統制組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タルベキ者發起人ト爲リ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員タル資格ヲ有スル者ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理事長及監事ヲ選任シ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十二條 行政官廳當該事業ノ統制ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地區及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ統制組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ統制組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理事長及監事ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者行政官廳ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官廳ハ定款ノ作成、理事長及監事ノ任命其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十三條 統制組合ノ定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ關スル規定
六 組合員ノ權利義務ニ關スル規定
七 事業及其ノ執行ニ關スル規定
八 役員ニ關スル規定
九 會議ニ關スル規定
十 會計ニ關スル規定
第三十五條第一項ノ規定ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシムル統制組合ノ定款ニハ前項各號ニ揭グル事項ノ外左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 出資ヲ爲スベキ組合員ノ範圍、出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
二 剩餘金ノ處分及損失補塡ニ關スル規定
三 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
第十四條 統制組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
前項ノ場合ニ於テハ統制組合ハ遲滯ナク其ノ成立ノ旨及定款ヲ公示スベシ
第十五條 統制組合成立シタルトキハ其ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ總テ其ノ統制組合ノ組合員トス
第十六條 統制組合ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
理事長 一人
理事 若干人
監事 若干人
統制組合ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ評議員若干人ヲ置クコトヲ得
第十七條 理事長ハ統制組合ヲ代表シ組合事務ヲ總理ス
理事ハ理事長ヲ輔佐シ組合事務ヲ分掌シ豫メ理事長ノ定ムル順位ニ依リ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ統制組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査ス
評議員ハ理事長ノ諮問ニ對シ答申シ又ハ理事長ニ對シ意見ヲ具申ス
第十八條 理事長ハ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事長ハ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
理事及評議員ハ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長之ヲ命ズ
監事ハ組合員及組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ監事ハ組合員タル資格ヲ有スル者及組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
特別ノ事由アルトキハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第一項及前項ノ規定ニ依ル理事長及監事ノ選任竝ニ第二項ノ規定ニ依ル理事ノ任命ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十九條 重要產業團體令ニ依ル統制會(以下統制會ト稱ス)ノ會員タル統制組合ノ理事長ハ前條第一項ノ規定ニ拘ラズ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ當該統制會ノ會長(當該統制會二以上アルトキハ行政官廳)之ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依リ統制會ノ會長ノ爲ス統制組合ノ理事長ノ任命ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第一項ノ統制組合ノ理事ノ任命ハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前條第五項ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ノ會長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十條 統制組合ノ役員ノ任期ハ左ノ通トス
理事長 三年
理事 三年
監事 二年
評議員 二年
理事長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ理事ヲ解任スルコトヲ得
監事ハ任期中ト雖モ總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
統制會ノ會員タル統制組合ニ在リテハ第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ當該統制會ノ會長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十一條 統制組合ニ總會ヲ置ク但シ定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコトヲ得
總會ニ關スル規定ハ前項ノ總代會ニ之ヲ準用ス
第二十二條 本法中別ニ規定スルモノノ外左ニ揭グル事項ハ總會ノ議決ヲ經ベシ
一 定款ノ變更
二 第三十條又ハ第三十一條ノ規定ニ依ル賦課金ノ收支豫算及賦課徵收方法
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第二十三條 理事長ハ少クトモ每年一囘通常總會ヲ招集スルコトヲ要ス
理事長必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第二十四條 組合員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決權總數ノ十分ノ一ヲ超エザル範圍內ニ於テ二個以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第二十五條 總會ノ決議ハ出席シタル組合員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス但シ定款ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十六條 理事長特別ノ事由アリト認ムル場合ニ於テ行政官廳ノ認可(統制會ノ會員タル統制組合ニ在リテハ當該統制會二以上アル場合ヲ除クノ外當該統制會ノ會長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ第二十二條各號ニ揭グル事項ニ付總會ノ決議ニ拘ラズ之ヲ執行スルコトヲ得總會成立セズ又ハ總會ニ付議シタル事項ヲ議決セザルトキ亦同ジ
第二十七條 理事長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ財產目錄、貸借對照表、事業報吿書及剩餘金處分案ヲ通常總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムベシ
組合員及組合ノ債權者ハ前項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第二十八條 統制組合ハ當該事業ニ關スル事項ニ付行政官廳ニ建議スルコトヲ得
統制組合ハ行政官廳ノ諮問ニ對シ答申スベシ
第二十九條 統制組合ハ其ノ組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ニ對シ當該事業ニ關スル事項ノ調査ヲ爲ス爲必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ資料ノ提出ヲ求メラレタル者ハ遲滯ナク之ヲ提出スベシ
第三十條 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ賦課スルコトヲ得
第三十一條 統制組合ハ其ノ事業ヲ行フ爲特ニ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受ケ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ニ對シ前條ノ規定ニ依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第三十二條 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款又ハ統制規程ニ違反シタル組合員ニ對シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十三條 第三十條若ハ第三十一條ノ規定ニ依ル賦課金又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ統制組合ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ統制組合ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市町村稅ノ例ニ依ル
第三十四條 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ使用料及手數料ノ徵收ニ關シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十五條 第九條第一項第二號ニ揭グル事業ヲ行フ統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲシテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得
前項ニ規定スル統制組合同項ノ規定ニ依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲシテ出資ヲ爲サシムル場合ニ於テハ當該組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第三十六條 前條第一項ノ規定ニ依リ出資ヲ爲サシムル統制組合ハ出資ヲ引受ケタル組合員ヲシテ遲滯ナク第一囘ノ拂込ヲ爲サシムベシ
第三十七條 第三十五條第一項ノ規定ニ依リ出資ヲ爲ス組合員ノ責任ハ第三十條及第三十一條ノ規定ニ依ル費用負擔ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十八條 統制組合ハ其ノ組合員又ハ組合員タル團體ヲ組織スル者ノ當該事業ニ關スル統制規程ヲ設定スベシ
第三十九條 定款ノ變更竝ニ統制規程ノ設定及變更ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
行政官廳前項ノ規定ニ依リ統制規程ノ設定又ハ變更ノ認可ヲ爲シタルトキハ其ノ旨ヲ吿示スベシ
統制組合第一項ノ規定ニ依リ定款ノ變更ノ認可ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク其ノ旨ヲ公示スベシ
第四十條 統制組合ノ組合員又ハ組合員タル團體ヲ組織スル者ハ當該統制組合ノ統制規程ニ依ルベシ
第四十一條 統制組合統制規程ニ基キ製造、加工又ハ販賣ノ數量、販賣價格、加工料金其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク之ヲ行政官廳ニ屆出ヅベシ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ變更又ハ取消ヲ爲スコトヲ得
第四十二條 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款ノ違反ニ係ル取扱品ニシテ違反者ノ所有スルモノニ付抑留其ノ他必要ナル處分ヲ爲シ特ニ必要アルトキハ之ヲ沒取スルコトヲ得
第四十三條 統制組合必要アリト認ムルトキハ統制組合ノ役員又ハ使用人ヲシテ組合員及組合員タル團體ヲ組織スル者ノ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
統制組合前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人ヲシテ檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第四十四條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ統制組合又ハ其ノ組合員若ハ組合員タル團體ヲ組織スル者ヨリ其ノ事業ニ關シ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ其ノ事務所、營業所、工場、事業場其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第一項ノ場合ニ於テ當該官吏第四十條ノ規定ニ違反シタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ參考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事實ヲ證明スベキ物件ヲ搜索シ若ハ之ガ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第四十五條 行政官廳ハ統制組合ニ對シ當該事業ニ關スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第四十六條 行政官廳當該事業ノ統制運營上必要アリト認ムルトキハ統制組合ニ對シ必要ナル事業ノ施行、定款若ハ統制規程ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ジ又ハ定款若ハ統制規程ノ變更ヲ爲スコトヲ得
第四十七條 行政官廳ハ統制組合ニ對シ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
行政官廳必要アリト認ムルトキハ監事ヲシテ監査ノ結果ヲ報吿セシムルコトヲ得
第四十八條 行政官廳ハ理事長ノ行爲ガ法令又ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該事業ノ統制運營上理事長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
行政官廳ハ理事、監事又ハ評議員ノ行爲ガ法令若ハ法令ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
統制會ノ會長ハ當該統制會ノ會員タル統制組合(二以上ノ統制會ニ所屬スル統制組合ヲ除ク)ノ理事長ノ行爲ガ法令又ハ法令ニ基キテ爲ス行政官廳ノ處分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他當該事業ノ統制運營上理事長ヲ不適當ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第四十九條 統制會ノ會員ニ非ザル統制組合又ハ二以上ノ統制會ニ所屬スル統制組合ノ理事長缺ケタル場合ニ於テ行政官廳當該事業ノ統制運營上特ニ必要アリト認ムルトキハ第十八條第一項ノ規定ニ拘ラズ當該事業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ理事長ヲ命ズルコトヲ得
第五十條 統制組合ハ行政官廳ノ命令ニ因ルニ非ザレバ解散又ハ合併ヲ爲スコトヲ得ズ
第五十一條 統制組合ニハ所得稅、法人稅及營業稅ヲ課セズ
第三章 施設組合
第五十二條 施設組合ハ組合員ノ事業ノ改良發達ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲スヲ以テ目的トス
第五十三條 施設組合ハ商業、工業又ハ鑛業ニ屬スル事業ヲ營ム者ヲ以テ之ヲ設立ス
第五十四條 施設組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ニ揭グル事業ヲ行フ
一 組合員ノ取扱品ノ仕入、保管、運搬、加工若ハ販賣又ハ組合員ノ爲ノ註文ノ引受
二 組合員ノ事業ニ關スル共同設備ノ設置
三 前二號ニ揭グルモノノ外施設組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
施設組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ對スル事業資金ノ貸付、組合員ノ爲ニスル其ノ事業上ノ債務ノ保證又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項第二號ニ揭グル組合ノ共同設備ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第五十五條 保管事業ヲ行フ施設組合ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ組合員ノ寄託物ニ付倉荷證券ヲ發行スルコトヲ得
前項ノ許可ヲ受ケタル施設組合ハ組合員タル寄託者ノ請求ニ因リ寄託物ノ倉荷證券ヲ交付スルコトヲ要ス
商法第六百二十七條第二項及第六百二十八條ノ規定ハ第一項ノ倉荷證券ニ之ヲ準用ス
第五十六條 前條第一項ノ許可ヲ受ケタル施設組合ノ作成スル倉荷證券ニハ施設組合倉庫證券ナル文字ヲ記載スルコトヲ要ス
施設組合ニ非ザル者ノ作成スル預證券及質入證券又ハ倉荷證券ニハ施設組合倉庫證券ナル文字ヲ記載スルコトヲ得ズ
第五十七條 施設組合倉庫證券ノ發行アリタル寄託物ノ保管期間ハ寄託ノ日ヨリ六月以內トス
前項ノ寄託物ノ保管期間ハ六月ヲ限度トシ之ヲ更新スルコトヲ得但シ更新ノ際ニ於ケル證券ノ所持人組合員ニ非ザルトキハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限ル
第五十八條 商法第六百十六條乃至第六百十九條及第六百二十四條乃至第六百二十六條ノ規定ハ施設組合ガ施設組合倉庫證券ヲ發行シタル場合ニ之ヲ準用ス
第五十九條 施設組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タラントスル者全員設立者ト爲リ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第六十條 施設組合ノ定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 組合員タル資格ニ關スル規定
五 組合員ノ加入及脫退ニ關スル規定
六 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
七 剩餘金ノ處分及損失補塡ニ關スル規定
八 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
九 組合員ノ權利義務ニ關スル規定
十 事業及其ノ執行ニ關スル規定
十一 役員ニ關スル規定
十二 會議ニ關スル規定
十三 會計ニ關スル規定
十四 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第六十一條 施設組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ組合員及組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事及監事ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムベシ
理事又ハ監事ハ何時ニテモ總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第六十二條 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第六十三條 組合員タル資格ヲ有スル者ハ組合員ノ四分ノ三以上ノ同意ヲ得テ施設組合ニ加入スルコトヲ得
第六十四條 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ豫吿ヲ爲シ施設組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脫退スルコトヲ得
組合ハ正當ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第六十五條 施設組合ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 定款ニ定メタル事由ノ發生
二 總會ノ決議
三 組合ノ合併
四 組合ノ破產
五 第六十六條ノ規定ニ依ル解散ノ命令
總會ノ決議ニ因ル解散ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第六十六條 施設組合ノ事業若ハ財產ノ狀況ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ施設組合ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ行政官廳ハ總會ノ決議ヲ取消シ、役員ヲ解任シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第六十七條 施設組合ニハ營業稅ヲ課セズ
第六十八條 第十四條第一項、第二十條第一項、第二十一條第一項(但書ヲ除ク)、第二十二條乃至第二十五條、第二十七條、第三十條、第三十二條、第三十四條、第三十六條、第三十七條、第三十九條第一項、第四十四條、第四十六條及第四十七條ノ規定ハ施設組合ニ之ヲ準用ス
第四章 商工組合中央會
第六十九條 商工組合中央會ハ商工組合ノ指導及連絡ヲ圖ル目的ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
商工組合中央會ハ法人トス
第七十條 商工組合中央會ハ其ノ名稱中ニ商工組合中央會ナル文字ヲ用フベシ
第七十一條 商工組合中央會ハ全國ヲ通ジテ一個トシ其ノ設立ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第七十二條 商工組合ハ商工組合中央會ノ會員ト爲ルコトヲ得
前項以外ノ者ト雖モ定款ノ定ムル所ニ依リ商工組合中央會ノ會員ト爲ルコトヲ得
第七十三條 商工組合中央會ノ定款ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 會員ノ加入及脫退ニ關スル規定
五 會員ノ權利義務ニ關スル規定
六 資產ニ關スル規定
七 事業及其ノ執行ニ關スル規定
八 役員ニ關スル規定
九 會議ニ關スル規定
十 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七十四條 商工組合中央會ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
會長 一人
理事 若干人
監事 若干人
商工組合中央會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副會長二人以內ヲ置クコトヲ得
第七十五條 會長及副會長ハ商業、工業又ハ鑛業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ中央會設立當時ノ會長及副會長ハ商業、工業又ハ鑛業ニ關シ經驗アル者及學識アル者ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
理事及監事ハ會員又ハ會員タル法人ノ役員ノ中ヨリ總會ニ於テ之ヲ選任ス但シ中央會設立當時ノ理事及監事ハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ役員ノ中ヨリ創立總會ニ於テ之ヲ選任ス
第七十六條 第三條第二項、第四條、第十四條第一項、第二十一條、第二十二條乃至第二十五條、第二十七條、第二十八條、第三十條、第三十九條第一項、第四十五條乃至第四十七條、第六十五條及第六十六條ノ規定ハ商工組合中央會ニ之ヲ準用ス
第五章 罰則
第七十七條 第四十條ノ規定ニ違反シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第七十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第二十九條第二項ノ規定ニ違反シタル者
二 正當ノ理由ナクシテ第四十三條第一項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第七十九條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 正當ノ理由ナクシテ第四十四條ノ規定(第六十八條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢査、尋問、搜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
二 第四十四條ノ規定(第六十八條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
第八十條 統制組合ノ證票若ハ檢査證ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ證票若ハ檢査證ヲ僞造若ハ變造シタル者又ハ僞造若ハ變造ノ證票若ハ檢査證ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十一條 統制組合ノ役員若ハ使用人又ハ其ノ職ニ在リタル者其ノ業務執行ニ關シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第八十二條 統制組合ノ役員、淸算人又ハ使用人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第八十三條 前條第一項ニ揭グル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第八十四條 第八十條ニ揭グル罪ハ刑法第三條ノ例ニ、第八十二條ニ揭グル罪ハ刑法第四條ノ例ニ從フ
第八十五條 商工組合又ハ商工組合中央會本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ會長、副會長、理事長、理事又ハ監事ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス
第八十六條 第三條第二項ノ規定(第七十六條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者又ハ第五十六條第二項ノ規定(第九條第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
第八十七條 統制組合ノ組合員又ハ組合員タル團體ヲ組織スル者ハ其ノ代表者、代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第七十七條第一項、第七十八條第一號又ハ第七十九條第二號ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八十八條 第七十七條第一項、第七十八條第一號又ハ第七十九條第二號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八十九條 前二條ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ニ處スルコトヲ得ズ
附 則
第九十條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十一條 重要物產同業組合法、工業組合法及商業組合法ハ之ヲ廢止ス但シ重要物產同業組合法ニ付テハ漁業法其ノ他ノ法律ニ依リ準用セラルル範圍內ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項本文ニ揭グル法律ニ依リ設立セラレ本法施行ノ際現ニ存スル同業組合、同業組合聯合會、工業組合、工業組合聯合會、工業小組合、工業組合中央會、商業組合、商業組合聯合會、商業小組合及商業組合中央會ハ本法施行後ト雖モ勅令ヲ以テ指定スル期間ヲ限リ仍存續スルモノトス
前項ニ揭グル組合、聯合會、小組合及中央會ニ付テハ第一項本文ニ揭グル法律ハ同項ノ規定ニ拘ラズ仍其ノ效力ヲ有ス
本法施行前又ハ第二項ノ規定ニ依リ同項ニ揭グル組合、聯合會、小組合又ハ中央會ガ存續スル期間中ニ爲シタル行爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ本法施行後又ハ前項ノ規定ニ依リ效力ヲ有スル第一項本文ニ揭グル法律ガ其ノ效力ヲ失フニ至リタル後ト雖モ仍從前ノ規定ニ依ル
第二項ニ揭グル組合、聯合會、小組合又ハ中央會ニシテ同項ノ勅令ヲ以テ指定スル期間滿了ノ際現ニ存スルモノ(淸算中ノモノヲ除ク)ハ當該期間滿了ノ際解散スルモノトス
前項ノ規定ニ依ル解散及淸算ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十二條 重要產業團體令ニ依ル統制組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル統制組合ト爲リタルモノトス
前項ノ場合ニ於テ重要產業團體令ニ依ル統制組合ノ權利義務ハ本法ニ依ル統制組合ニ於テ之ヲ承繼ス
前項ニ揭グルモノノ外登記其ノ他重要產業團體令ニ依ル統制組合ガ第一項ノ規定ニ依リ本法ニ依ル統制組合ト爲ルニ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル統制組合ノ成立ニ付テハ之ヲ適用セズ
第九十三條 第九十一條第二項ニ揭グル組合、聯合會及小組合ハ定款其ノ他商工組合ト爲ルニ必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受ケタルトキハ商工組合ト爲ルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ同項ニ揭グル組合、聯合會又ハ小組合ノ權利義務ハ商工組合ニ於テ之ヲ承繼ス
第一項ノ規定ニ依リ同項ニ揭グル組合、聯合會又ハ小組合ガ商工組合ト爲リタルトキハ其ノ組合若ハ小組合ノ組合員又ハ其ノ聯合會ノ所屬ノ組合、聯合會若ハ工業者ノ出資ハ當該商工組合ニ對スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ第一項ニ揭グル組合、聯合會又ハ小組合ニ對スル出資ノ持分ノ上ニ存在スル質權ハ商工組合ニ對スル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第一項ノ場合ニ於テ商工組合ト爲リタル同項ニ揭グル組合ガ保證責任ノ組合ナルトキハ當該商工組合成立ノ際ニ於ケル組合員ハ當該商工組合成立前ニ生ジタル當該組合ノ債務ニ付テハ工業組合法第十八條ノ二又ハ商業組合法第十九條ノ規定ニ依ル責任ヲ免ルルコトナシ
前項ノ責任ハ同項ノ商工組合成立後二年以內ニ請求又ハ請求ノ豫吿ヲ爲サザル債權者ニ對シテハ當該商工組合成立後二年ヲ經過シタルトキハ消滅ス
前五項ニ揭グルモノノ外第一項ニ揭グル組合、聯合會及小組合ガ同項ノ規定ニ依リ商工組合ト爲ルニ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十四條 行政官廳必要アリト認ムルトキハ第九十一條第二項ニ揭グル組合又ハ聯合會ニ對シ統制組合ト爲ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合又ハ聯合會ハ定款其ノ他統制組合ト爲ルニ必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
前項ニ揭グル組合又ハ聯合會行政官廳ノ指定スル期限迄ニ前項ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官廳ハ定款ノ作成其ノ他當該組合又ハ聯合會ガ統制組合ト爲ルニ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
前條第二項乃至第七項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第九十五條 第十四條ノ規定ハ前二條ノ規定ニ依ル商工組合ノ成立ニ之ヲ適用ス
第九十六條 行政官廳當該事業ノ統制上必要アリト認ムルトキハ第九十一條第二項ニ揭グル組合又ハ聯合會ニ對シ同條第三項ノ規定ニ拘ラズ解散ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合又ハ聯合會ハ其ノ命令アリタル時解散スルモノトス此ノ場合ニ於テ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該組合又ハ聯合會ノ權利義務ハ行政官廳ノ指定スル統制組合之ヲ承繼スルモノト爲スコトヲ得
第九十一條第六項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル解散ノ場合ニ、第九十三條第三項乃至第六項ノ規定ハ前項後段ノ場合ニ之ヲ準用ス
第九十七條 本法ニ定ムルモノノ外本法ノ施行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十八條 商工組合第九十二條乃至第九十六條ノ規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關スル權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法ニ依リ算出シタル登錄稅ノ額ガ本法ニ依リ算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ額ニ依ル
第九十九條 第九十一條第二項ニ揭グル組合、聯合會又ハ小組合ガ第九十三條若ハ第九十四條ノ規定ニ依リ商工組合ト爲リ又ハ第九十六條第二項ノ規定ニ依リ解散シ同項ノ規定ニ依リ權利義務ノ承繼アリタルトキハ所得稅法、法人稅法及臨時利得稅法又ハ特別法人稅法ノ適用ニ關シテハ此等ノ法人ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル法人又ハ特別ノ法人ト看做シ商工組合ハ之ヲ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ特別ノ法人ト看做ス
第百條 商工組合ガ第九十二條乃至第九十六條ノ規定ニ依リ承繼シタル財產ニ付テハ法人稅法ニ依ル所得、臨時利得稅法ニ依ル利益又ハ特別法人稅法ニ依ル剩餘金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
第百一條 本法施行ノ際現ニ第三條第一項又ハ第七十條ニ揭グル名稱ヲ其ノ名稱中ニ用フルモノハ本法施行後六月以內ニ其ノ名稱ヲ變更スルコトヲ要ス
第八十六條ノ規定ハ前項ノ期間內同項ニ揭グルモノニ之ヲ適用セズ
第百二條 商工組合中央金庫法中左ノ通改正ス
第一條第一項中「商工組合中央金庫ハ」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第三條第一項、第三項及第四項中「商業組合聯合會」ノ上ニ「統制組合ヲ組合員トスル統制組合、」ヲ加ヘ同條第二項中「前項ノ聯合會」ヲ「前項ノ組合、聯合會」ニ改ム
第七條第一項中「政府、」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十七條第一項但書中「其ノ半數以上ハ」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十八條第一項第六號中「商業組合」ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十九條第一項第三號中「商業組合」ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第百三條 特別法人稅法中左ノ通改正ス
第二條中第二號ヲ第二號ノ二トシ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
二 統制組合(所屬ノ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシメザルモノヲ除ク)
第百四條 登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「工業組合」ヲ「商工組合、商工組合中央會、工業組合」ニ、「工業組合法」ヲ「商工組合法、工業組合法」ニ改ム
第百五條 印紙稅法中左ノ通改正ス
第四條第一項第十二號中「工業組合」ヲ「商工組合、工業組合」ニ改ム
第百六條 食糧管理法中左ノ通改正ス
第二十一條第二項中「商業組合法第三條ノ六第二項第三項、第三條ノ七、第三條ノ八第一項第二項本文及第三條ノ九」ヲ「商工組合法第五十五條第二項第三項及第五十六條乃至第五十八條」ニ、同條同項但書中「同法第三條ノ七、第三條ノ八第一項及第三條ノ九中商業組合倉庫證券トアルハ」ヲ「同法第五十六條、第五十七條第一項及第五十八條中施設組合倉庫證券トアルハ」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商工組合法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十一日
内閣総理大臣 東条英機
農林大臣 井野碩哉
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
内務大臣 湯沢三千男
法律第五十三号
商工組合法
第一章 総則
第一条 商工組合ハ統制組合及施設組合ノ二種トス
第二条 商工組合ハ法人トス
第三条 統制組合又ハ施設組合ハ其ノ名称中ニ統制組合又ハ施設組合ナル文字ヲ用フベシ
統制組合又ハ施設組合ニ非ザル者ハ其ノ名称中ニ統制組合又ハ施設組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第四条 商工組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第五条 本法ニ規定スルモノノ外商工組合及商工組合中央会ノ設立、管理、組合員又ハ会員ノ権利義務及加入脱退、解散、合併、清算其ノ他ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条 樺太ニ於テ本法ヲ適用スルニ付必要ナル事項ニ関シテハ勅令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第二章 統制組合
第七条 統制組合ハ国民経済ノ総力ヲ最モ有効ニ発揮セシムル為商業、工業又ハ鉱業ノ統制ヲ図リ又ハ之ガ為ニスル経営ヲ行ヒ且当該事業ニ関スル国策ノ遂行ニ協力スルコトヲ目的トス
第八条 統制組合ハ一定地区ニ於テ同種又ハ二種以上ノ事業別ニ之ヲ設立ス
第九条 統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ノ当該事業ニ関スル統制指導
二 組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ノ取扱品ノ仕入、販売、保管其ノ他組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ノ当該事業ニ関スル統制ノ為ニスル施設
三 当該事業ニ関スル調査及研究
四 組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ノ当該事業ニ関スル検査
五 前各号ニ掲グルモノノ外統制組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
統制組合ハ前項ノ事業ノ外当該事業ノ統制ノ為必要アルトキハ組合員ニ対スル事業資金ノ貸付、組合員ノ事業資金ノ寄託ノ引受又ハ組合員ノ為ニスル其ノ事業上ノ債務ノ保証ヲ併セ行フコトヲ得
第五十五条乃至第五十八条ノ規定ハ保管事業ヲ行フ統制組合ニ之ヲ準用ス但シ施設組合倉庫証券トアルハ統制組合倉庫証券トス
第十条 統制組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ左ニ掲グル者ニシテ定款ヲ以テ定ムルモノトス
一 当該地区内ニ於テ当該事業ヲ営ム者
二 当該地区内ニ於テ当該事業ヲ営ム者ヲ以テ組織スル団体
三 第一号ニ掲グル者及前号ニ掲グル団体ヲ以テ組織スル団体又ハ前号ニ掲グル団体ヲ以テ組織スル団体
四 第一号ニ掲グル者ヲ除クノ外当該地区内ニ於テ当該事業ヲ行フ者ニシテ行政官庁ノ指定シ又ハ統制組合(組合設立当時ニ於テハ発起人)ニ於テ行政官庁ノ認可ヲ受ケタルモノ
第十一条 統制組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タルベキ者発起人ト為リ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員タル資格ヲ有スル者ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理事長及監事ヲ選任シ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第十二条 行政官庁当該事業ノ統制ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地区及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ対シ統制組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ統制組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ理事長及監事ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者行政官庁ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官庁ハ定款ノ作成、理事長及監事ノ任命其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第十三条 統制組合ノ定款ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 組合員タル資格ニ関スル規定
六 組合員ノ権利義務ニ関スル規定
七 事業及其ノ執行ニ関スル規定
八 役員ニ関スル規定
九 会議ニ関スル規定
十 会計ニ関スル規定
第三十五条第一項ノ規定ニ依リ組合員ヲシテ出資ヲ為サシムル統制組合ノ定款ニハ前項各号ニ掲グル事項ノ外左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 出資ヲ為スベキ組合員ノ範囲、出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
二 剰余金ノ処分及損失補填ニ関スル規定
三 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
第十四条 統制組合ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ設立ノ登記ヲ為スニ因リテ成立ス
前項ノ場合ニ於テハ統制組合ハ遅滞ナク其ノ成立ノ旨及定款ヲ公示スベシ
第十五条 統制組合成立シタルトキハ其ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ総テ其ノ統制組合ノ組合員トス
第十六条 統制組合ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
理事長 一人
理事 若干人
監事 若干人
統制組合ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ評議員若干人ヲ置クコトヲ得
第十七条 理事長ハ統制組合ヲ代表シ組合事務ヲ総理ス
理事ハ理事長ヲ輔佐シ組合事務ヲ分掌シ予メ理事長ノ定ムル順位ニ依リ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ統制組合ノ業務及財産ノ状況ヲ監査ス
評議員ハ理事長ノ諮問ニ対シ答申シ又ハ理事長ニ対シ意見ヲ具申ス
第十八条 理事長ハ当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事長ハ当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ創立総会ニ於テ之ヲ選任ス
理事及評議員ハ当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ理事長之ヲ命ズ
監事ハ組合員及組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ監事ハ組合員タル資格ヲ有スル者及組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ創立総会ニ於テ之ヲ選任ス
特別ノ事由アルトキハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得
第一項及前項ノ規定ニ依ル理事長及監事ノ選任並ニ第二項ノ規定ニ依ル理事ノ任命ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十九条 重要産業団体令ニ依ル統制会(以下統制会ト称ス)ノ会員タル統制組合ノ理事長ハ前条第一項ノ規定ニ拘ラズ当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ当該統制会ノ会長(当該統制会二以上アルトキハ行政官庁)之ヲ命ズ
前項ノ規定ニ依リ統制会ノ会長ノ為ス統制組合ノ理事長ノ任命ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第一項ノ統制組合ノ理事ノ任命ハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前条第五項ノ規定ニ拘ラズ当該統制会ノ会長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十条 統制組合ノ役員ノ任期ハ左ノ通トス
理事長 三年
理事 三年
監事 二年
評議員 二年
理事長必要アリト認ムルトキハ任期中ト雖モ理事ヲ解任スルコトヲ得
監事ハ任期中ト雖モ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
統制会ノ会員タル統制組合ニ在リテハ第二項ノ規定ニ依ル理事ノ解任ハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外前項ノ規定ニ拘ラズ当該統制会ノ会長ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十一条 統制組合ニ総会ヲ置ク但シ定款ノ定ムル所ニ依リ総会ニ代ルベキ総代会ヲ設クルコトヲ得
総会ニ関スル規定ハ前項ノ総代会ニ之ヲ準用ス
第二十二条 本法中別ニ規定スルモノノ外左ニ掲グル事項ハ総会ノ議決ヲ経ベシ
一 定款ノ変更
二 第三十条又ハ第三十一条ノ規定ニ依ル賦課金ノ収支予算及賦課徴収方法
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
第二十三条 理事長ハ少クトモ毎年一回通常総会ヲ招集スルコトヲ要ス
理事長必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時総会ヲ招集スルコトヲ得
第二十四条 組合員ハ総会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付議決権総数ノ十分ノ一ヲ超エザル範囲内ニ於テ二個以上ノ議決権ヲ有セシムルコトヲ得
第二十五条 総会ノ決議ハ出席シタル組合員ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス但シ定款ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十六条 理事長特別ノ事由アリト認ムル場合ニ於テ行政官庁ノ認可(統制会ノ会員タル統制組合ニ在リテハ当該統制会二以上アル場合ヲ除クノ外当該統制会ノ会長ノ承認)ヲ受ケタルトキハ第二十二条各号ニ掲グル事項ニ付総会ノ決議ニ拘ラズ之ヲ執行スルコトヲ得総会成立セズ又ハ総会ニ付議シタル事項ヲ議決セザルトキ亦同ジ
第二十七条 理事長ハ命令ノ定ムル所ニ依リ財産目録、貸借対照表、事業報告書及剰余金処分案ヲ通常総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムベシ
組合員及組合ノ債権者ハ前項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求ムルコトヲ得
第二十八条 統制組合ハ当該事業ニ関スル事項ニ付行政官庁ニ建議スルコトヲ得
統制組合ハ行政官庁ノ諮問ニ対シ答申スベシ
第二十九条 統制組合ハ其ノ組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ニ対シ当該事業ニ関スル事項ノ調査ヲ為ス為必要ナル資料ノ提出ヲ求ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ資料ノ提出ヲ求メラレタル者ハ遅滞ナク之ヲ提出スベシ
第三十条 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ対シ経費ヲ賦課スルコトヲ得
第三十一条 統制組合ハ其ノ事業ヲ行フ為特ニ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官庁ノ認可ヲ受ケ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ニ対シ前条ノ規定ニ依ル賦課金ノ外特別ノ賦課金ヲ課スルコトヲ得
第三十二条 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款又ハ統制規程ニ違反シタル組合員ニ対シ過怠金ヲ課スルコトヲ得
第三十三条 第三十条若ハ第三十一条ノ規定ニ依ル賦課金又ハ過怠金ヲ滞納スル者アル場合ニ於テ統制組合ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村税ノ例ニ依リ之ヲ処分ス此ノ場合ニ於テ統制組合ハ其ノ徴収金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
前項中町村トアルハ町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズベキモノトス
第一項ノ規定ニ依ル徴収金ノ先取特権ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徴収金ニ次ギ其ノ時効ニ付テハ市町村税ノ例ニ依ル
第三十四条 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料及手数料ヲ徴収スルコトヲ得
前項ノ使用料及手数料ノ徴収ニ関シテハ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第三十五条 第九条第一項第二号ニ掲グル事業ヲ行フ統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得
前項ニ規定スル統制組合同項ノ規定ニ依リ其ノ組合員ノ全部又ハ一部ヲシテ出資ヲ為サシムル場合ニ於テハ当該組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第三十六条 前条第一項ノ規定ニ依リ出資ヲ為サシムル統制組合ハ出資ヲ引受ケタル組合員ヲシテ遅滞ナク第一回ノ払込ヲ為サシムベシ
第三十七条 第三十五条第一項ノ規定ニ依リ出資ヲ為ス組合員ノ責任ハ第三十条及第三十一条ノ規定ニ依ル費用負担ノ外其ノ出資額ヲ限度トス
第三十八条 統制組合ハ其ノ組合員又ハ組合員タル団体ヲ組織スル者ノ当該事業ニ関スル統制規程ヲ設定スベシ
第三十九条 定款ノ変更並ニ統制規程ノ設定及変更ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
行政官庁前項ノ規定ニ依リ統制規程ノ設定又ハ変更ノ認可ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ告示スベシ
統制組合第一項ノ規定ニ依リ定款ノ変更ノ認可ヲ受ケタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公示スベシ
第四十条 統制組合ノ組合員又ハ組合員タル団体ヲ組織スル者ハ当該統制組合ノ統制規程ニ依ルベシ
第四十一条 統制組合統制規程ニ基キ製造、加工又ハ販売ノ数量、販売価格、加工料金其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ為シタルトキハ遅滞ナク之ヲ行政官庁ニ届出ヅベシ
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ変更又ハ取消ヲ為スコトヲ得
第四十二条 統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ定款ノ違反ニ係ル取扱品ニシテ違反者ノ所有スルモノニ付抑留其ノ他必要ナル処分ヲ為シ特ニ必要アルトキハ之ヲ没取スルコトヲ得
第四十三条 統制組合必要アリト認ムルトキハ統制組合ノ役員又ハ使用人ヲシテ組合員及組合員タル団体ヲ組織スル者ノ業務若ハ財産ノ状況又ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
統制組合前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人ヲシテ検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第四十四条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ統制組合又ハ其ノ組合員若ハ組合員タル団体ヲ組織スル者ヨリ其ノ事業ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ其ノ事務所、営業所、工場、事業場其ノ他ノ場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類、設備其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第一項ノ場合ニ於テ当該官吏第四十条ノ規定ニ違反シタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ参考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事実ヲ証明スベキ物件ヲ捜索シ若ハ之ガ差押ヲ為スコトヲ得
臨検、尋問、捜索及差押ニ関シテハ間接国税犯則者処分法ヲ準用ス
第四十五条 行政官庁ハ統制組合ニ対シ当該事業ニ関スル事項ノ調査ヲ命ズルコトヲ得
第四十六条 行政官庁当該事業ノ統制運営上必要アリト認ムルトキハ統制組合ニ対シ必要ナル事業ノ施行、定款若ハ統制規程ノ変更其ノ他必要ナル事項ヲ命ジ又ハ定款若ハ統制規程ノ変更ヲ為スコトヲ得
第四十七条 行政官庁ハ統制組合ニ対シ業務及会計ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
行政官庁必要アリト認ムルトキハ監事ヲシテ監査ノ結果ヲ報告セシムルコトヲ得
第四十八条 行政官庁ハ理事長ノ行為ガ法令又ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該事業ノ統制運営上理事長ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
行政官庁ハ理事、監事又ハ評議員ノ行為ガ法令若ハ法令ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキ又ハ公益ヲ害シタルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
統制会ノ会長ハ当該統制会ノ会員タル統制組合(二以上ノ統制会ニ所属スル統制組合ヲ除ク)ノ理事長ノ行為ガ法令又ハ法令ニ基キテ為ス行政官庁ノ処分ニ違反シタルトキ、公益ヲ害シタルトキ其ノ他当該事業ノ統制運営上理事長ヲ不適当ナリト認ムルトキハ之ヲ解任スルコトヲ得
前項ノ解任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第四十九条 統制会ノ会員ニ非ザル統制組合又ハ二以上ノ統制会ニ所属スル統制組合ノ理事長欠ケタル場合ニ於テ行政官庁当該事業ノ統制運営上特ニ必要アリト認ムルトキハ第十八条第一項ノ規定ニ拘ラズ当該事業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ理事長ヲ命ズルコトヲ得
第五十条 統制組合ハ行政官庁ノ命令ニ因ルニ非ザレバ解散又ハ合併ヲ為スコトヲ得ズ
第五十一条 統制組合ニハ所得税、法人税及営業税ヲ課セズ
第三章 施設組合
第五十二条 施設組合ハ組合員ノ事業ノ改良発達ヲ図ル為共同ノ施設ヲ為スヲ以テ目的トス
第五十三条 施設組合ハ商業、工業又ハ鉱業ニ属スル事業ヲ営ム者ヲ以テ之ヲ設立ス
第五十四条 施設組合ハ其ノ目的ヲ達スル為左ニ掲グル事業ヲ行フ
一 組合員ノ取扱品ノ仕入、保管、運搬、加工若ハ販売又ハ組合員ノ為ノ註文ノ引受
二 組合員ノ事業ニ関スル共同設備ノ設置
三 前二号ニ掲グルモノノ外施設組合ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
施設組合ハ前項ノ事業ノ外組合員ニ対スル事業資金ノ貸付、組合員ノ為ニスル其ノ事業上ノ債務ノ保証又ハ組合員ノ貯金ノ受入ヲ併セ行フコトヲ得
第一項第二号ニ掲グル組合ノ共同設備ハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限リ組合員ニ非ザル者ヲシテ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ利用セシムルコトヲ得
第五十五条 保管事業ヲ行フ施設組合ハ行政官庁ノ許可ヲ受ケ組合員ノ寄託物ニ付倉荷証券ヲ発行スルコトヲ得
前項ノ許可ヲ受ケタル施設組合ハ組合員タル寄託者ノ請求ニ因リ寄託物ノ倉荷証券ヲ交付スルコトヲ要ス
商法第六百二十七条第二項及第六百二十八条ノ規定ハ第一項ノ倉荷証券ニ之ヲ準用ス
第五十六条 前条第一項ノ許可ヲ受ケタル施設組合ノ作成スル倉荷証券ニハ施設組合倉庫証券ナル文字ヲ記載スルコトヲ要ス
施設組合ニ非ザル者ノ作成スル預証券及質入証券又ハ倉荷証券ニハ施設組合倉庫証券ナル文字ヲ記載スルコトヲ得ズ
第五十七条 施設組合倉庫証券ノ発行アリタル寄託物ノ保管期間ハ寄託ノ日ヨリ六月以内トス
前項ノ寄託物ノ保管期間ハ六月ヲ限度トシ之ヲ更新スルコトヲ得但シ更新ノ際ニ於ケル証券ノ所持人組合員ニ非ザルトキハ組合員ノ利用ニ支障ナキ場合ニ限ル
第五十八条 商法第六百十六条乃至第六百十九条及第六百二十四条乃至第六百二十六条ノ規定ハ施設組合ガ施設組合倉庫証券ヲ発行シタル場合ニ之ヲ準用ス
第五十九条 施設組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タラントスル者全員設立者ト為リ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第六十条 施設組合ノ定款ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 組合員タル資格ニ関スル規定
五 組合員ノ加入及脱退ニ関スル規定
六 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
七 剰余金ノ処分及損失補填ニ関スル規定
八 準備金ノ額及其ノ積立ノ方法
九 組合員ノ権利義務ニ関スル規定
十 事業及其ノ執行ニ関スル規定
十一 役員ニ関スル規定
十二 会議ニ関スル規定
十三 会計ニ関スル規定
十四 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第六十一条 施設組合ニハ理事及監事ヲ置クベシ
理事及監事ハ組合員及組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事及監事ハ定款ヲ以テ之ヲ定ムベシ
理事又ハ監事ハ何時ニテモ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第六十二条 組合員ハ出資一口以上ヲ有スベシ
第六十三条 組合員タル資格ヲ有スル者ハ組合員ノ四分ノ三以上ノ同意ヲ得テ施設組合ニ加入スルコトヲ得
第六十四条 組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間前ニ予告ヲ為シ施設組合ノ承諾ヲ得タル場合ニハ事業年度ノ終ニ於テ脱退スルコトヲ得
組合ハ正当ノ理由ナクシテ前項ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ズ
第六十五条 施設組合ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 定款ニ定メタル事由ノ発生
二 総会ノ決議
三 組合ノ合併
四 組合ノ破産
五 第六十六条ノ規定ニ依ル解散ノ命令
総会ノ決議ニ因ル解散ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第六十六条 施設組合ノ事業若ハ財産ノ状況ニ依リ其ノ事業ノ継続ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ施設組合ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シタルトキ若ハ公益ヲ害スル虞アルトキハ行政官庁ハ総会ノ決議ヲ取消シ、役員ヲ解任シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第六十七条 施設組合ニハ営業税ヲ課セズ
第六十八条 第十四条第一項、第二十条第一項、第二十一条第一項(但書ヲ除ク)、第二十二条乃至第二十五条、第二十七条、第三十条、第三十二条、第三十四条、第三十六条、第三十七条、第三十九条第一項、第四十四条、第四十六条及第四十七条ノ規定ハ施設組合ニ之ヲ準用ス
第四章 商工組合中央会
第六十九条 商工組合中央会ハ商工組合ノ指導及連絡ヲ図ル目的ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
商工組合中央会ハ法人トス
第七十条 商工組合中央会ハ其ノ名称中ニ商工組合中央会ナル文字ヲ用フベシ
第七十一条 商工組合中央会ハ全国ヲ通ジテ一個トシ其ノ設立ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
第七十二条 商工組合ハ商工組合中央会ノ会員ト為ルコトヲ得
前項以外ノ者ト雖モ定款ノ定ムル所ニ依リ商工組合中央会ノ会員ト為ルコトヲ得
第七十三条 商工組合中央会ノ定款ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 会員ノ加入及脱退ニ関スル規定
五 会員ノ権利義務ニ関スル規定
六 資産ニ関スル規定
七 事業及其ノ執行ニ関スル規定
八 役員ニ関スル規定
九 会議ニ関スル規定
十 存立ノ時期又ハ解散ノ事由ヲ定メタルトキハ其ノ時期又ハ事由
第七十四条 商工組合中央会ニハ左ノ役員ヲ置クベシ
会長 一人
理事 若干人
監事 若干人
商工組合中央会ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副会長二人以内ヲ置クコトヲ得
第七十五条 会長及副会長ハ商業、工業又ハ鉱業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ中央会設立当時ノ会長及副会長ハ商業、工業又ハ鉱業ニ関シ経験アル者及学識アル者ノ中ヨリ創立総会ニ於テ之ヲ選任ス
理事及監事ハ会員又ハ会員タル法人ノ役員ノ中ヨリ総会ニ於テ之ヲ選任ス但シ中央会設立当時ノ理事及監事ハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ役員ノ中ヨリ創立総会ニ於テ之ヲ選任ス
第七十六条 第三条第二項、第四条、第十四条第一項、第二十一条、第二十二条乃至第二十五条、第二十七条、第二十八条、第三十条、第三十九条第一項、第四十五条乃至第四十七条、第六十五条及第六十六条ノ規定ハ商工組合中央会ニ之ヲ準用ス
第五章 罰則
第七十七条 第四十条ノ規定ニ違反シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第七十八条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第二十九条第二項ノ規定ニ違反シタル者
二 正当ノ理由ナクシテ第四十三条第一項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第七十九条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 正当ノ理由ナクシテ第四十四条ノ規定(第六十八条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル当該官吏ノ臨検検査、尋問、捜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
二 第四十四条ノ規定(第六十八条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
第八十条 統制組合ノ証票若ハ検査証ヲ不正ニ使用シタル者、行使ノ目的ヲ以テ証票若ハ検査証ヲ偽造若ハ変造シタル者又ハ偽造若ハ変造ノ証票若ハ検査証ヲ使用シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第八十一条 統制組合ノ役員若ハ使用人又ハ其ノ職ニ在リタル者其ノ業務執行ニ関シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ秘密ヲ漏泄又ハ窃用シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第八十二条 統制組合ノ役員、清算人又ハ使用人其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第八十三条 前条第一項ニ掲グル者ニ対シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第八十四条 第八十条ニ掲グル罪ハ刑法第三条ノ例ニ、第八十二条ニ掲グル罪ハ刑法第四条ノ例ニ従フ
第八十五条 商工組合又ハ商工組合中央会本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ会長、副会長、理事長、理事又ハ監事ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス
第八十六条 第三条第二項ノ規定(第七十六条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者又ハ第五十六条第二項ノ規定(第九条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
第八十七条 統制組合ノ組合員又ハ組合員タル団体ヲ組織スル者ハ其ノ代表者、代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ第七十七条第一項、第七十八条第一号又ハ第七十九条第二号ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八十八条 第七十七条第一項、第七十八条第一号又ハ第七十九条第二号ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第八十九条 前二条ノ場合ニ於テハ懲役ノ刑ニ処スルコトヲ得ズ
附 則
第九十条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十一条 重要物産同業組合法、工業組合法及商業組合法ハ之ヲ廃止ス但シ重要物産同業組合法ニ付テハ漁業法其ノ他ノ法律ニ依リ準用セラルル範囲内ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項本文ニ掲グル法律ニ依リ設立セラレ本法施行ノ際現ニ存スル同業組合、同業組合連合会、工業組合、工業組合連合会、工業小組合、工業組合中央会、商業組合、商業組合連合会、商業小組合及商業組合中央会ハ本法施行後ト雖モ勅令ヲ以テ指定スル期間ヲ限リ仍存続スルモノトス
前項ニ掲グル組合、連合会、小組合及中央会ニ付テハ第一項本文ニ掲グル法律ハ同項ノ規定ニ拘ラズ仍其ノ効力ヲ有ス
本法施行前又ハ第二項ノ規定ニ依リ同項ニ掲グル組合、連合会、小組合又ハ中央会ガ存続スル期間中ニ為シタル行為ニ関スル罰則ノ適用ニ付テハ本法施行後又ハ前項ノ規定ニ依リ効力ヲ有スル第一項本文ニ掲グル法律ガ其ノ効力ヲ失フニ至リタル後ト雖モ仍従前ノ規定ニ依ル
第二項ニ掲グル組合、連合会、小組合又ハ中央会ニシテ同項ノ勅令ヲ以テ指定スル期間満了ノ際現ニ存スルモノ(清算中ノモノヲ除ク)ハ当該期間満了ノ際解散スルモノトス
前項ノ規定ニ依ル解散及清算ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十二条 重要産業団体令ニ依ル統制組合ニシテ本法施行ノ際現ニ存スルモノハ本法施行ノ日ニ於テ本法ニ依ル統制組合ト為リタルモノトス
前項ノ場合ニ於テ重要産業団体令ニ依ル統制組合ノ権利義務ハ本法ニ依ル統制組合ニ於テ之ヲ承継ス
前項ニ掲グルモノノ外登記其ノ他重要産業団体令ニ依ル統制組合ガ第一項ノ規定ニ依リ本法ニ依ル統制組合ト為ルニ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル統制組合ノ成立ニ付テハ之ヲ適用セズ
第九十三条 第九十一条第二項ニ掲グル組合、連合会及小組合ハ定款其ノ他商工組合ト為ルニ必要ナル事項ヲ定メ行政官庁ノ認可ヲ受ケタルトキハ商工組合ト為ルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ同項ニ掲グル組合、連合会又ハ小組合ノ権利義務ハ商工組合ニ於テ之ヲ承継ス
第一項ノ規定ニ依リ同項ニ掲グル組合、連合会又ハ小組合ガ商工組合ト為リタルトキハ其ノ組合若ハ小組合ノ組合員又ハ其ノ連合会ノ所属ノ組合、連合会若ハ工業者ノ出資ハ当該商工組合ニ対スル出資ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ第一項ニ掲グル組合、連合会又ハ小組合ニ対スル出資ノ持分ノ上ニ存在スル質権ハ商工組合ニ対スル出資ノ持分ノ上ニ存在ス
第一項ノ場合ニ於テ商工組合ト為リタル同項ニ掲グル組合ガ保証責任ノ組合ナルトキハ当該商工組合成立ノ際ニ於ケル組合員ハ当該商工組合成立前ニ生ジタル当該組合ノ債務ニ付テハ工業組合法第十八条ノ二又ハ商業組合法第十九条ノ規定ニ依ル責任ヲ免ルルコトナシ
前項ノ責任ハ同項ノ商工組合成立後二年以内ニ請求又ハ請求ノ予告ヲ為サザル債権者ニ対シテハ当該商工組合成立後二年ヲ経過シタルトキハ消滅ス
前五項ニ掲グルモノノ外第一項ニ掲グル組合、連合会及小組合ガ同項ノ規定ニ依リ商工組合ト為ルニ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十四条 行政官庁必要アリト認ムルトキハ第九十一条第二項ニ掲グル組合又ハ連合会ニ対シ統制組合ト為ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合又ハ連合会ハ定款其ノ他統制組合ト為ルニ必要ナル事項ヲ定メ行政官庁ノ認可ヲ受クベシ
前項ニ掲グル組合又ハ連合会行政官庁ノ指定スル期限迄ニ前項ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官庁ハ定款ノ作成其ノ他当該組合又ハ連合会ガ統制組合ト為ルニ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
前条第二項乃至第七項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第九十五条 第十四条ノ規定ハ前二条ノ規定ニ依ル商工組合ノ成立ニ之ヲ適用ス
第九十六条 行政官庁当該事業ノ統制上必要アリト認ムルトキハ第九十一条第二項ニ掲グル組合又ハ連合会ニ対シ同条第三項ノ規定ニ拘ラズ解散ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル組合又ハ連合会ハ其ノ命令アリタル時解散スルモノトス此ノ場合ニ於テ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該組合又ハ連合会ノ権利義務ハ行政官庁ノ指定スル統制組合之ヲ承継スルモノト為スコトヲ得
第九十一条第六項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル解散ノ場合ニ、第九十三条第三項乃至第六項ノ規定ハ前項後段ノ場合ニ之ヲ準用ス
第九十七条 本法ニ定ムルモノノ外本法ノ施行ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第九十八条 商工組合第九十二条乃至第九十六条ノ規定ニ依リ承継シタル不動産ニ関スル権利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登録税ノ額ハ不動産ノ価格ノ千分ノ三トス但シ登録税法ニ依リ算出シタル登録税ノ額ガ本法ニ依リ算出シタル税額ヨリ少キトキハ其ノ額ニ依ル
第九十九条 第九十一条第二項ニ掲グル組合、連合会又ハ小組合ガ第九十三条若ハ第九十四条ノ規定ニ依リ商工組合ト為リ又ハ第九十六条第二項ノ規定ニ依リ解散シ同項ノ規定ニ依リ権利義務ノ承継アリタルトキハ所得税法、法人税法及臨時利得税法又ハ特別法人税法ノ適用ニ関シテハ此等ノ法人ハ之ヲ合併ニ因リテ消滅シタル法人又ハ特別ノ法人ト看做シ商工組合ハ之ヲ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ特別ノ法人ト看做ス
第百条 商工組合ガ第九十二条乃至第九十六条ノ規定ニ依リ承継シタル財産ニ付テハ法人税法ニ依ル所得、臨時利得税法ニ依ル利益又ハ特別法人税法ニ依ル剰余金ノ計算上之ヲ益金ニ算入セズ
第百一条 本法施行ノ際現ニ第三条第一項又ハ第七十条ニ掲グル名称ヲ其ノ名称中ニ用フルモノハ本法施行後六月以内ニ其ノ名称ヲ変更スルコトヲ要ス
第八十六条ノ規定ハ前項ノ期間内同項ニ掲グルモノニ之ヲ適用セズ
第百二条 商工組合中央金庫法中左ノ通改正ス
第一条第一項中「商工組合中央金庫ハ」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第三条第一項、第三項及第四項中「商業組合連合会」ノ上ニ「統制組合ヲ組合員トスル統制組合、」ヲ加ヘ同条第二項中「前項ノ連合会」ヲ「前項ノ組合、連合会」ニ改ム
第七条第一項中「政府、」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十七条第一項但書中「其ノ半数以上ハ」ノ下ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十八条第一項第六号中「商業組合」ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第二十九条第一項第三号中「商業組合」ノ上ニ「商工組合、」ヲ加フ
第百三条 特別法人税法中左ノ通改正ス
第二条中第二号ヲ第二号ノ二トシ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
二 統制組合(所属ノ組合員ヲシテ出資ヲ為サシメザルモノヲ除ク)
第百四条 登録税法中左ノ通改正ス
第十九条第七号中「工業組合」ヲ「商工組合、商工組合中央会、工業組合」ニ、「工業組合法」ヲ「商工組合法、工業組合法」ニ改ム
第百五条 印紙税法中左ノ通改正ス
第四条第一項第十二号中「工業組合」ヲ「商工組合、工業組合」ニ改ム
第百六条 食糧管理法中左ノ通改正ス
第二十一条第二項中「商業組合法第三条ノ六第二項第三項、第三条ノ七、第三条ノ八第一項第二項本文及第三条ノ九」ヲ「商工組合法第五十五条第二項第三項及第五十六条乃至第五十八条」ニ、同条同項但書中「同法第三条ノ七、第三条ノ八第一項及第三条ノ九中商業組合倉庫証券トアルハ」ヲ「同法第五十六条、第五十七条第一項及第五十八条中施設組合倉庫証券トアルハ」ニ改ム