第百八十九條 警察官及び警察吏員は、それぞれ、他の法律又は國家公安委員会、都道府縣公安委員会、市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会の定めるところにより、司法警察職員として職務を行う。
司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を搜査するものとする。
第百九十條 森林、鉄道その他特別の事項について司法警察職員として職務を行うべき者及びその職務の範囲は、別に法律でこれを定める。
第百九十一條 檢察官は、必要と認めるときは、自ら犯罪を搜査することができる。
檢察事務官は、檢察官の指揮を受け、搜査をしなければならない。
第百九十二條 檢察官と都道府縣公安委員会、市町村公安委員会、特別区公安委員会及び司法警察職員とは、搜査に関し、互に協力しなければならない。
第百九十三條 檢察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、その搜査に関し、必要な一般的指示をすることができる。この場合における一般的指示は、公訴を実行するため必要な犯罪搜査の重要な事項に関する準則を定めるものに限られる。
檢察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、搜査の協力を求めるため必要な一般的指揮をすることができる。
檢察官は、自ら犯罪を搜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して搜査の補助をさせることができる。
前三項の場合において、司法警察職員は、檢察官の指示又は指揮に從わなければならない。
第百九十四條 檢事総長、檢事長又は檢事正は、司法警察職員が正当な理由がなく檢察官の指示又は指揮に從わない場合において必要と認めるときは、警察官又は警察吏員たる司法警察職員については、國家公安委員会、都道府縣公安委員会、市町村公安委員会又は特別区公安委員会に、警察官又は警察吏員たる者以外の司法警察職員については、その者を懲戒し又は罷免する権限を有する者に、それぞれ懲戒又は罷免の訴追をすることができる。
國家公安委員会、都道府縣公安委員会、市町村公安委員会、特別区公安委員会又は警察官若しくは警察吏員たる者以外の司法警察職員を懲戒し若しくは罷免する権限を有する者は、前項の訴追が理由のあるものと認めるときは、別に法律の定めるところにより、訴追を受けた者を懲戒し又は罷免しなければならない。
第百九十五條 檢察官及び檢察事務官は、搜査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
第百九十六條 檢察官、檢察事務官及び司法警察職員並びに弁護人その他職務上搜査に関係のある者は、被疑者その他の者の名誉を害しないように注意し、且つ、搜査の妨げとならないように注意しなければならない。
第百九十七條 搜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。
搜査については、公務所又は公私の團体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第百九十八條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、犯罪の搜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、供述を拒むことができる旨を告げなければならない。
被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。
前項の調書は、これを被疑者に閲覽させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減變更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。
被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。
第百九十九條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。但し、五百円以下の罰金、拘留又は科料にあたる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前條の規定による出頭の求めに應じない場合に限る。
前項の逮捕状は、檢察官又は司法警察員の請求により、これを発する。
檢察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。
第二百條 逮捕状には、被疑者の氏名及び住居、罪名、被疑事実の要旨、引致すべき官公署その他の場所、有効期間及びその期間経過後は逮捕をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
第六十四條第二項及び第三項の規定は、逮捕状についてこれを準用する。
第二百一條 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。
第七十三條第三項の規定は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合にこれを準用する。
第二百二條 檢察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、檢察事務官はこれを檢察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。
第二百三條 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を與え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを檢察官に送致する手続をしなければならない。
前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。
第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
第二百四條 檢察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者(前條の規定により送致された被疑者を除く。)を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を與え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。但し、その時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。
前項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
前條第二項の規定は、第一項の場合にこれを準用する。
第二百五條 檢察官は、第二百三條の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を與え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。
第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
第二百六條 檢察官又は司法警察員がやむを得ない事情によつて前三條の時間の制限に從うことができなかつたときは、檢察官は、裁判官にその事由を疎明して、被疑者の勾留を請求することができる。
前項の請求を受けた裁判官は、その遅延がやむを得ない事由に基く正当なものであると認める場合でなければ、勾留状を発することができない。
第二百七條 前三條の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。
裁判官は、前項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。但し、勾留の理由がないと認めるとき、及び前條第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。
第二百八條 前條の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、檢察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、檢察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。
第二百九條 第七十四條、第七十五條及び第七十八條の規定は、逮捕状による逮捕についてこれを準用する。
第二百十條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
第二百條の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。
第二百十一條 前條の規定により被疑者が逮捕された場合には、第百九十九條の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
第二百十二條 現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
二 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
第二百十三條 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
第二百十四條 檢察官、檢察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方檢察廳若しくは区檢察廳の檢察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。
第二百十五條 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。
司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聽き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。
第二百十六條 現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九條の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
第二百十七條 五百円以下の罰金、拘留又は科料にあたる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡する虞がある場合に限り、第二百十三條乃至前條の規定を適用する。
第二百十八條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、犯罪の搜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押、搜索又は檢証をすることができる。この場合において身体の檢査は、身体檢査令状によらなければならない。
前項の令状は、檢察官、檢察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。
檢察官、檢察事務官又は司法警察員は、身体檢査令状の請求をするには、身体の檢査を必要とする理由及び身体の檢査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。
裁判官は、身体の檢査に関し、適当と認める條件を附することができる。
第二百十九條 前條の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押えるべき物、搜索すべき場所、身体若しくは物、檢証すべき場所若しくは物又は檢査すべき身体及び身体の檢査に関する條件、有効期間及びその期間経過後は差押、搜索又は檢証に着手することができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
第六十四條第二項の規定は、前條の令状についてこれを準用する。
第二百二十條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、第百九十九條の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。第二百十條の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。
一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の搜索をすること。
前項後段の場合において逮捕状が得られなかつたときは、差押物は、直ちにこれを還付しなければならない。
第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
第一項第二号及び前項の規定は、檢察事務官又は司法警察職員が勾引状又は勾留状を執行する場合にこれを準用する。被疑者に対して発せられた勾引状又は勾留状を執行する場合には、第一項第一号の規定をも準用する。
第二百二十一條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
第二百二十二條 第九十九條、第百條、第百二條乃至第百五條、第百十條乃至第百十二條、第百十四條、第百十五條及び第百十八條乃至第百二十四條の規定は、檢察官、檢察事務官又は司法警察職員が第二百十八條、第二百二十條及び前條の規定によつてする押收又は搜索について、第百十條、第百十二條、第百十四條、第百十八條、第百二十九條、第百三十一條及び第百三十七條乃至第百四十條の規定は、檢察官、檢察事務官又は司法警察職員が第二百十八條又は第二百二十條の規定によつてする檢証についてこれを準用する。但し、司法巡査は、第百二十二條乃至第百二十四條に規定する処分をすることができない。
第二百二十條の規定により被疑者を搜索する場合において急速を要するときは、第百十四條第二項の規定によることを要しない。
第百十六條及び第百十七條の規定は、檢察官、檢察事務官又は司法警察職員が第二百十八條の規定によつてする押收又は搜索について、これを準用する。
日出前、日沒後には、令状に夜間でも檢証をすることができる旨の記載がなければ、檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、第二百十八條の規定によつてする檢証のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることができない。但し、第百十七條に規定する場所については、この限りでない。
日沒前檢証に着手したときは、日沒後でもその処分を継続することができる。
檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、第二百十八條の規定により差押、搜索又は檢証をするについて必要があるときは、被疑者をこれに立ち会わせることができる。
第一項の規定により、身体の檢査を拒んだ者を過料に処し、又はこれに賠償を命ずべきときは、裁判所にその処分を請求しなければならない。
第二百二十三條 檢察官、檢察事務官又は司法警察職員は、犯罪の搜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは飜訳を嘱託することができる。
第百九十八條第一項但書及び第三項乃至第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第二百二十四條 前條第一項の規定により鑑定を嘱託する場合において第百六十七條第一項に規定する処分を必要とするときは、檢察官、檢察事務官又は司法警察員は、裁判官にその処分を請求しなければならない。
裁判官は、前項の請求を相当と認めるときは、第百六十七條の場合に準じてその処分をしなければならない。
第二百二十五條 第二百二十三條第一項の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、第百六十八條第一項に規定する処分をすることができる。
前項の許可の請求は、檢察官、檢察事務官又は司法警察員からこれをしなければならない。
裁判官は、前項の請求を相当と認めるときは、許可状を発しなければならない。
第百六十八條第二項乃至第四項及び第六項の規定は、前項の許可状についてこれを準用する。
第二百二十六條 犯罪の搜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が、第二百二十三條第一項の規定による取調に対して、出頭又は供述を拒んだ場合には、第一回の公判期日前に限り、檢察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。
第二百二十七條 第二百二十三條第一項の規定による檢察官、檢察事務官又は司法警察職員の取調に際して任意の供述をした者が、公判期日においては圧迫を受け前にした供述と異る供述をする虞があり、且つ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、檢察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。
前項の請求をするには、檢察官は、証人尋問を必要とする理由及びそれが犯罪の証明に欠くことができないものであることを疎明しなければならない。
第二百二十八條 前二條の請求を受けた裁判官は、証人の尋問に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
裁判官は、搜査に支障を生ずる虞がないと認めるときは、被告人、被疑者又は弁護人を前項の尋問に立ち会わせることができる。
第二百二十九條 變死者又は變死の疑のある死体があるときは、その所在地を管轄する地方檢察廳又は区檢察廳の檢察官は、檢視をしなければならない。
檢察官は、檢察事務官又は司法警察員に前項の処分をさせることができる。
第二百三十條 犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。
第二百三十一條 被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。
被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹は、告訴をすることができる。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。
第二百三十二條 被害者の法定代理人が被疑者であるとき、被疑者の配偶者であるとき、又は被疑者の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族であるときは、被害者の親族は、独立して告訴をすることができる。
第二百三十三條 死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる。
名誉を毀損した罪について被害者が告訴をしないで死亡したときも、前項と同様である。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。
第二百三十四條 親告罪について告訴をすることができる者がない場合には、檢察官は、利害関係人の申立により告訴をすることができる者を指定することができる。
第二百三十五條 親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。但し、刑法第二百三十二條第二項の規定により外國の代表者が行う告訴及び日本國に派遣された外國の使節に対する刑法第二百三十條又は第二百三十一條の罪につきその使節が行う告訴については、この限りでない。
刑法第二百二十九條但書の場合における告訴は、婚姻の無効又は取消の裁判が確定した日から六箇月以内にこれをしなければ、その効力がない。
第二百三十六條 告訴をすることができる者が数人ある場合には、一人の期間の徒過は、他の者に対しその効力を及ぼさない。
第二百三十七條 告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。
告訴の取消をした者は、更に告訴をすることができない。
前二項の規定は、請求を待つて受理すべき事件についての請求についてこれを準用する。
第二百三十八條 親告罪について共犯の一人又は数人に対してした告訴又はその取消は、他の共犯に対しても、その効力を生ずる。
前項の規定は、告発又は請求を待つて受理すべき事件についての告発若しくは請求又はその取消についてこれを準用する。
第二百三十九條 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
第二百四十條 告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である。
第二百四十一條 告訴又は告発は、書面又は口頭で檢察官又は司法警察員にこれをしなければならない。
檢察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。
第二百四十二條 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を檢察官に送付しなければならない。
第二百四十三條 前二條の規定は、告訴又は告発の取消についてこれを準用する。
第二百四十四條 刑法第二百三十二條第二項の規定により外國の代表者が行う告訴又はその取消は、第二百四十一條及び前條の規定にかかわらず、外務大臣にこれをすることができる。日本國に派遣された外國の使節に対する刑法第二百三十條又は第二百三十一條の罪につきその使節が行う告訴又はその取消も、同様である。
第二百四十五條 第二百四十一條及び第二百四十二條の規定は、自首についてこれを準用する。
第二百四十六條 司法警察員は、犯罪の搜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を檢察官に送致しなければならない。但し、檢察官が指定した事件については、この限りでない。