刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年五月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第五十号
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律
目次
第一編
総則(第一条―第十三条)
第二編
受刑者の処遇
第一章
受刑者の処遇の原則(第十四条)
第二章
収容の開始(第十五条・第十六条)
第三章
物品の貸与等及び自弁(第十七条―第二十条)
第四章
金品の取扱い(第二十一条―第三十二条)
第五章
保健衛生及び医療(第三十三条―第四十三条)
第六章
宗教上の行為等(第四十四条・第四十五条)
第七章
書籍等の閲覧(第四十六条―第四十九条)
第八章
規律及び秩序の維持(第五十条―第六十条)
第九章
矯正処遇の実施等
第一節
通則(第六十一条―第七十条)
第二節
作業(第七十一条―第八十一条)
第三節
各種指導(第八十二条―第八十四条)
第四節
外出及び外泊(第八十五条―第八十七条)
第十章
外部交通
第一節
通則(第八十八条)
第二節
面会(第八十九条―第九十二条)
第三節
信書の発受(第九十三条―第百条)
第四節
電話等による通信(第百一条・第百二条)
第五節
雑則(第百三条)
第十一章
賞罰(第百四条―第百十一条)
第十二章
不服申立て
第一節
審査の申請及び再審査の申請(第百十二条―第百十七条)
第二節
事実の申告(第百十八条―第百二十条)
第三節
苦情の申出(第百二十一条―第百二十三条)
第四節
雑則(第百二十四条・第百二十五条)
第十三章
釈放(第百二十六条―第百二十八条)
第十四章
死亡(第百二十九条・第百三十条)
第十五章
被勾留受刑者等の処遇(第百三十一条―第百三十三条)
第十六章
受刑者の処遇に関する特例(第百三十四条―第百四十条)
第三編
補則
第一章
被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇(第百四十一条)
第二章
労役場及び監置場(第百四十二条―第百四十四条)
第三章
司法警察職員(第百四十五条)
第四章
警察留置場
第一節
警察留置場の管理運営等(第百四十六条・第百四十七条)
第二節
警察留置場における受刑者の処遇(第百四十八条・第百四十九条)
第三節
雑則(第百五十条・第百五十一条)
第五章
罰則(第百五十二条)
附則
第一編 総則
(目的)
第一条 この法律は、刑事施設の適正な管理運営を図るとともに、受刑者等の人権を尊重しつつ、その者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。
(刑事施設)
第二条 刑事施設は、懲役、禁錮又は拘留の刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第二条第二号に定める共助刑を含む。)の執行のため拘置される者、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により勾留される者及び死刑の言渡しを受けて拘置される者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
2 刑事施設には、前項に規定する者を収容するほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容する。
(定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。
二 受刑者 懲役受刑者、禁錮受刑者又は拘留受刑者をいう。
三 懲役受刑者 懲役の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第一号の共助刑を含む。)の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
四 禁錮受刑者 禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第二号の共助刑を含む。)の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
五 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
六 被勾留者 刑事訴訟法の規定により刑事施設に勾留されている者をいう。
七 被勾留受刑者 刑事訴訟法の規定により勾留されている受刑者をいう。
八 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて刑事施設に拘置されている者をいう。
九 各種被収容者 前条第二項の規定により刑事施設に収容されている者をいう。
(被収容者の分離)
第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。
一 性別
二 受刑者(被勾留受刑者を除く。)、被勾留者(被勾留受刑者を除く。)、被勾留受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別
三 懲役受刑者、禁錮受刑者及び拘留受刑者の別
2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第七十一条又は第七十二条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。以下同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
(実地監査)
第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
(意見聴取)
第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。
(刑事施設視察委員会)
第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。
(組織等)
第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。
2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
3 委員の任期は、一年とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、非常勤とする。
5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。
(委員会に対する情報の提供及び委員の視察等)
第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。
2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。
3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。
4 第九十四条及び刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第五十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。
(委員会の意見等の公表)
第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
(裁判官及び検察官の巡視)
第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。
(参観)
第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。
(刑務官)
第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。
2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。
3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
第二編 受刑者の処遇
第一章 受刑者の処遇の原則
第十四条 受刑者の処遇は、その者の資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。
第二章 収容の開始
(収容開始時の告知)
第十五条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、次に掲げる事項を告知しなければならない。その刑事施設に収容されている受刑者以外の者が受刑者となったときも、同様とする。
一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項
二 第二十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項
三 保健衛生及び医療に関する事項
四 宗教上の行為、儀式行事及び教誨に関する事項
五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項
六 第五十一条第一項に規定する遵守事項
七 面会及び信書の発受に関する事項
八 懲罰に関する事項
九 審査の申請を行うことができる措置、審査庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項
十 第百十八条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項
十一 苦情の申出に関する事項
2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。
(識別のための身体検査)
第十六条 刑務官は、受刑者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。
2 女子の受刑者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。
第三章 物品の貸与等及び自弁
(物品の貸与等)
第十七条 受刑者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この章において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第十九条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。
一 衣類及び寝具
二 食事及び湯茶
三 日用品、筆記具その他の物品
2 受刑者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第十九条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品(酒類を除く。次条において同じ。)を支給することができる。
(自弁の物品の使用等)
第十八条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。
一 衣類
二 食料品及び飲料
三 室内装飾品
四 嗜好品
五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品
(補正器具等の自弁等)
第十九条 受刑者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。
一 眼鏡その他の補正器具
二 第六十九条第一項に規定する自己契約作業を行うのに必要な物品
三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品
四 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品
五 その他法務省令で定める物品
2 前項各号に掲げる物品について、受刑者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。
(物品の貸与等の基準)
第二十条 第十七条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、受刑者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、受刑者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。
第四章 金品の取扱い
(金品の検査)
第二十一条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。
一 受刑者が収容される際に所持する現金及び物品
二 受刑者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。)
三 受刑者に交付するため当該受刑者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品
(収容時の所持物品等の処分)
第二十二条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、受刑者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
一 保管に不便なものであるとき。
二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。
三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。
2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、受刑者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。
(差入物の引取り等)
第二十三条 刑事施設の長は、第二十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下この条及び第二十八条において「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。
一 受刑者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。
二 差入人が親族以外の者である場合において、受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。
三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。
四 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。
五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。
2 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。
4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。ただし、売却できないものは、廃棄することができる。
5 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、受刑者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
7 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、受刑者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。
(物品の引渡し及び領置)
第二十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により受刑者が使用し、又は摂取することができるものは、受刑者に引き渡す。
一 第二十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの
二 第二十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(受刑者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。)
2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。
一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により受刑者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの
二 第二十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号から第三号までのいずれにも該当しないもの
(保管私物等)
第二十五条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(受刑者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び受刑者が受けた信書でその保管するものをいう。以下同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 刑事施設の長は、受刑者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この章において「保管総量」という。)が保管限度量(受刑者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この章において同じ。)を超えるとき、又は受刑者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この章において「領置総量」という。)が領置限度量(受刑者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この章において同じ。)を超えるときは、当該受刑者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。
3 第二十二条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
4 刑事施設の長は、受刑者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、受刑者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
(領置金の使用)
第二十六条 刑事施設の長は、受刑者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、その購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
(保管私物又は領置金品の交付)
第二十七条 刑事施設の長は、受刑者が、保管私物又は領置されている金品(第百条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、これを許すものとする。ただし、交付の相手方が親族以外の者である場合において、その交付により、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
(差入れ等に関する制限)
第二十八条 刑事施設の長は、この章に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による受刑者に対する金品の交付及び受刑者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
(領置物の引渡し)
第二十九条 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。
(釈放者の遺留物)
第三十条 釈放された受刑者が刑事施設に遺留した金品(以下「遺留物」という。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。
2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。
(逃走者等の遺留物)
第三十一条 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。
一 逃走したとき 逃走した日
二 第六十条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日
三 第七十五条第一項の規定による作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日
2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。
(死亡者の遺留物)
第三十二条 死亡した受刑者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
2 死亡した受刑者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百二十九条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3 第一項の遺留物は、第百二十九条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。
4 第三十条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。
第五章 保健衛生及び医療
(保健衛生及び医療の原則)
第三十三条 刑事施設においては、受刑者の心身の状況を把握することに努め、受刑者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。
(運動)
第三十四条 受刑者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。
(受刑者の清潔義務)
第三十五条 受刑者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。
(入浴)
第三十六条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。
(調髪及びひげそり)
第三十七条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。
2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。
(健康診断)
第三十八条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。
2 受刑者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。
(診療等)
第三十九条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。
一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。
二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。
2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。
3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。
(指名医による診療)
第四十条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている受刑者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その受刑者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。
2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその受刑者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。
3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。
4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。
(感染症予防上の措置)
第四十一条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、受刑者に対し、第三十八条の規定による健康診断又は第三十九条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。
(養護のための措置等)
第四十二条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする受刑者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。
2 刑事施設の長は、受刑者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。
(子の養育)
第四十三条 刑事施設の長は、女子の受刑者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。
2 刑事施設の長は、受刑者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その受刑者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。
3 受刑者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。
4 前項に規定する場合において、受刑者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。
5 受刑者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、受刑者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。
第六章 宗教上の行為等
(一人で行う宗教上の行為)
第四十四条 受刑者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。
(宗教上の儀式行事及び教誨)
第四十五条 刑事施設の長は、受刑者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。
2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、受刑者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。
第七章 書籍等の閲覧
(自弁の書籍等の閲覧)
第四十六条 受刑者が自弁の書籍等を閲覧することは、この章及び第十一章の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。
第四十七条 刑事施設の長は、受刑者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。
一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。
二 矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、受刑者にその費用を負担させることができる。この場合において、受刑者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。
(新聞紙に関する制限)
第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
(時事の報道に接する機会の付与等)
第四十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。
2 刑事施設の長は、第六十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。
第八章 規律及び秩序の維持
(刑事施設の規律及び秩序)
第五十条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。
2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。
(遵守事項等)
第五十一条 刑事施設の長は、受刑者が遵守すべき事項(以下「遵守事項」という。)を定める。
2 遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
一 犯罪行為をしてはならないこと。
二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。
三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。
四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。
五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。
六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。
七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。
八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。
九 正当な理由なく、第七十一条若しくは第七十二条に規定する作業を怠り、又は第六十二条第一項各号、第八十二条若しくは第八十三条に規定する指導を拒んではならないこと。
十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項
十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第七十五条第四項(第八十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。
3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、受刑者に対し、その生活及び行動について指示することができる。
(身体の検査等)
第五十二条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、受刑者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。
2 第十六条第二項の規定は、前項の規定による女子の受刑者の身体及び着衣の検査について準用する。
3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。
4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。
(隔離)
第五十三条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。
一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。
二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。
2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。
3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。
4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
(制止等の措置)
第五十四条 刑務官は、受刑者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その受刑者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。
三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。
四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。
(捕縄、手錠及び拘束衣の使用)
第五十五条 刑務官は、受刑者を護送する場合又は受刑者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。
一 逃走すること。
二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。
三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。
2 刑務官は、受刑者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。
3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。
4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。
5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。
6 受刑者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。
(保護室への収容)
第五十六条 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。
一 自身を傷つけるおそれがあるとき。
二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。
イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。
ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。
ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。
2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その受刑者を保護室に収容することができる。この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。
3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。
4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。
5 受刑者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。
(武器の携帯及び使用)
第五十七条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。
2 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。
一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。
二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。
四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。
五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。
3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。
一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。
二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。
四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。
一 刑務官において他に受刑者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。
二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。
(収容のための連戻し)
第五十八条 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。
一 逃走したとき 逃走の時
二 第七十五条第一項の規定による作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時
(災害時の応急用務)
第五十九条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、受刑者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。
2 第七十九条から第八十一条までの規定は、受刑者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。
(災害時の避難及び解放)
第六十条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、受刑者を適当な場所に護送しなければならない。
2 前項の場合において、受刑者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある受刑者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。
3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。
第九章 矯正処遇の実施等
第一節 通則
(矯正処遇)
第六十一条 受刑者には、矯正処遇として、第七十一条又は第七十二条に規定する作業を行わせ、並びに第八十二条及び第八十三条に規定する指導を行う。
2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条において同じ。)に基づいて行うものとする。
3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の資質及び環境の調査の結果に基づき定めるものとする。
4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。これを変更しようとするときも、同様とする。
5 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。
(刑執行開始時及び釈放前の指導等)
第六十二条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。
一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導
二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導
2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第八十五条第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。
3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。
(集団処遇)
第六十三条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。
2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。
(刑事施設外処遇)
第六十四条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。
(制限の緩和)
第六十五条 受刑者の自発性及び自律性を涵養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第十四条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。
2 前項の場合において、第十四条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。
(優遇措置)
第六十六条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。
一 第十七条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。
二 第十八条の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。
三 第八十九条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。
四 その他法務省令で定める処遇
(社会との連携)
第六十七条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。
2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。
(起居動作の時間帯)
第六十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、矯正処遇等の時間帯、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯(次条において「余暇時間帯」という。)を定め、これを受刑者に告知するものとする。
(余暇活動の援助等)
第六十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。次項において同じ。)を行うことを許すものとする。
2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯における活動について、援助を与えるものとする。
(公務所等への照会)
第七十条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第二節 作業
(懲役受刑者の作業)
第七十一条 懲役受刑者に行わせる作業は、懲役受刑者ごとに、刑事施設の長が指定する。
(禁錮受刑者等の作業)
第七十二条 刑事施設の長は、禁錮受刑者又は拘留受刑者が刑事施設の長の指定する作業を行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、その作業を行うことを許すことができる。
(作業の実施)
第七十三条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。
2 受刑者に職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させる必要がある場合において、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。
(作業の条件等)
第七十四条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。
2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。
3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。
(外部通勤作業)
第七十五条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。
2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。
3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。
4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。
5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。
二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。
三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。
四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。
五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。
6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。
(作業収入)
第七十六条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。
(作業報奨金)
第七十七条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。
2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。
3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。
4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。
5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。
一 逃走したとき 逃走した日
二 第六十条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日
三 外部通勤作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日
(遺族等への給付)
第七十八条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。
(手当金)
第七十九条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。
2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。
3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。
4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。
(損害賠償との調整)
第八十条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。
2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。
(手当金の支給を受ける権利の保護等)
第八十一条 第七十九条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
2 第七十九条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。
第三節 各種指導
(改善指導)
第八十二条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。
2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。
一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。
二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。
三 その他法務省令で定める事情
(教科指導)
第八十三条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。
2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。
(指導の日及び時間)
第八十四条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。
第四節 外出及び外泊
(外出及び外泊)
第八十五条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。
2 第七十五条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。
(刑期不算入)
第八十六条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。
(外出等に要する費用)
第八十七条 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。
第十章 外部交通
第一節 通則
(外部交通についての留意事項)
第八十八条 この章の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百一条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。
第二節 面会
(面会の相手方)
第八十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、これを許すものとする。
一 受刑者の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第九十五条において同じ。)
二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者
三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者
2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。
(面会の立会い等)
第九十条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。
一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員
二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士
(面会の一時停止及び終了)
第九十一条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。
一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。
イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為
ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為
二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。
イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの
ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの
ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの
ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの
ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの
2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。
(面会に関する制限)
第九十二条 刑事施設の長は、第八十九条の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。
第三節 信書の発受
(信書の発受)
第九十三条 受刑者が信書を発受することは、この節、第百三条及び次章の規定による場合のほか、これを禁止し、差し止め、又は制限してはならない。
(信書の検査)
第九十四条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。
2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。
一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書
二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書
三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人を含む。第九十六条第二項において同じ。)との間で発受する信書
(信書の発受の禁止)
第九十五条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。
(信書の内容による差止め等)
第九十六条 刑事施設の長は、第九十四条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。
一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。
二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。
三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。
四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。
五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。
六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関に対して発する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。
(信書に関する制限)
第九十七条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領及び通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 前項の規定により受刑者が発する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。
(発信に要する費用)
第九十八条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。
(発受を禁止した信書等の取扱い)
第九十九条 刑事施設の長は、第九十五条、第九十六条又は第百三条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第九十六条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。
2 刑事施設の長は、第九十六条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。
3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製をその者に引き渡すものとする。ただし、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
4 前項ただし書の規定により引き渡さない信書の全部若しくは一部又は複製は、釈放の日から三年間、保管するものとする。
(受刑者作成の文書図画)
第百条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。
第四節 電話等による通信
(電話等による通信)
第百一条 刑事施設の長は、受刑者に対し、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。
2 第九十八条の規定は、前項の通信について準用する。
(通信の確認等)
第百二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。
2 第九十一条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。
第五節 雑則
(外国語による面会等)
第百三条 刑事施設の長は、受刑者又はその面会等(面会又は第百一条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その受刑者にその費用を負担させることができる。
2 刑事施設の長は、受刑者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その受刑者にその費用を負担させることができる。
3 受刑者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。
第十一章 賞罰
(褒賞)
第百四条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。
一 人命を救助したとき。
二 第五十九条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。
三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。
(懲罰の要件等)
第百五条 刑事施設の長は、受刑者が、遵守事項若しくは第七十五条第四項(第八十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第五十一条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その受刑者に懲罰を科することができる。
2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この章において「反則行為」という。)をした受刑者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその受刑者の態度、懲罰がその受刑者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。
3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。
(懲罰の種類)
第百六条 懲罰の種類は、次のとおりとする。
一 戒告
二 第七十二条の規定による作業の十日以内の停止
三 第十八条の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止
四 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止
五 報奨金計算額の三分の一以内の削減
六 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の受刑者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居
2 前項第二号から第五号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第六号の懲罰(以下この章において「閉居罰」という。)にあっては同項第五号の懲罰と併せて科することができる。
(閉居罰の内容)
第百七条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。
一 第十八条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。
二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の受刑者と共に宗教上の教誨を受けること。
三 書籍等を閲覧すること。
四 第六十九条第一項に規定する自己契約作業を行うこと。
五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。
六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。
2 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。
3 閉居罰を科されている受刑者については、第三十四条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。
(反則行為に係る物の国庫への帰属)
第百八条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。ただし、反則行為をした受刑者以外の者に属する物については、この限りでない。
一 反則行為を組成した物
二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物
三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
(反則行為の調査)
第百九条 刑事施設の長は、受刑者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。
2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、受刑者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。この場合においては、第十六条第二項の規定を準用する。
3 刑事施設の長は、第一項に規定する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、反則行為をした疑いのある受刑者を他の被収容者から隔離することができる。この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。
4 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。
5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。
(懲罰を科する手続)
第百十条 刑事施設の長は、受刑者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その受刑者に対し、弁解の機会を与えなければならない。この場合においては、その受刑者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百八条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、受刑者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。
2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び受刑者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。
(懲罰の執行)
第百十一条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、受刑者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。
2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
第十二章 不服申立て
第一節 審査の申請及び再審査の申請
(審査の申請)
第百十二条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。
一 第二十六条の規定による領置されている現金の使用又は第二十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分
二 第四十条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止
三 第四十四条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限
四 第四十七条第一項又は第四十八条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限
五 第四十七条第二項の規定による費用を負担させる処分
六 第五十三条第一項の規定による隔離
七 第七十七条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分
八 第七十九条第二項(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分
九 第七十九条第四項(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分
十 第九十五条、第九十六条、第九十七条第一項又は第百条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限
十一 第九十九条第三項の規定による信書の全部若しくは一部又は複製の引渡しをしない処分
十二 第百三条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分
十三 第百五条第一項の規定による懲罰
十四 第百八条の規定による物を国庫に帰属させる処分
十五 第百九条第三項の規定による隔離
2 審査の申請は、これを行う者が自らしなければならない。
(審査の申請期間)
第百十三条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。
3 行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第十四条第四項の規定は、審査の申請期間の計算について準用する。
(行政不服審査法の準用)
第百十四条 行政不服審査法第十五条第一項、第二項及び第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。この場合において、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(調査)
第百十五条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。
2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。
(裁決)
第百十六条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。
2 行政不服審査法第四十条第一項から第五項まで、第四十一条、第四十二条並びに第四十三条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。この場合において、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(再審査の申請)
第百十七条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。
2 再審査の申請は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十四条第三項及び第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条第一項、第四十二条、第四十三条第一項及び第二項並びに第五十五条の規定は、再審査の申請について準用する。この場合において、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二節 事実の申告
(矯正管区の長に対する事実の申告)
第百十八条 受刑者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。
一 身体に対する違法な有形力の行使
二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用
三 違法又は不当な保護室への収容
2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項及び第百十五条並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十六条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは、「正本を」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(通知)
第百十九条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。
2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 第百十六条第一項及び行政不服審査法第四十一条の規定は、前二項の規定による通知について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。
(法務大臣に対する事実の申告)
第百二十条 受刑者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百十八条第一項に規定する事実を申告することができる。
2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条、第百十六条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第二十一条、第三十六条、第三十九条及び第四十一条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三節 苦情の申出
(法務大臣に対する苦情の申出)
第百二十一条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。
(監査官に対する苦情の申出)
第百二十二条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。
4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。
(刑事施設の長に対する苦情の申出)
第百二十三条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 受刑者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。
4 第百二十一条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。
第四節 雑則
(秘密申立て)
第百二十四条 刑事施設の長は、受刑者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百十八条第一項若しくは第百二十条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。
2 第九十四条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。
(不利益取扱いの禁止)
第百二十五条 刑事施設の職員は、受刑者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
第十三章 釈放
(釈放時限)
第百二十六条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。
一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中
二 不定期刑の終了による場合 犯罪者予防更生法(昭和二十四年法律第百四十二号)第四十八条第三項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中
三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち
四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内
(傷病による滞留)
第百二十七条 刑事施設の長は、釈放すべき受刑者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。
2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律中の被勾留者に関する規定を準用する。
(帰住旅費等の支給)
第百二十八条 釈放される受刑者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。
第十四章 死亡
(死亡の通知)
第百二十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。
(死体に関する措置)
第百三十条 受刑者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。
2 前項に定めるもののほか、受刑者の死体に関する措置については、法務省令で定める。
第十五章 被勾留受刑者等の処遇
(被勾留受刑者)
第百三十一条 被勾留受刑者についての第二十三条第一項、第二十七条、第四十七条第一項及び第六十一条第一項の規定の適用については、第二十三条第一項中「該当するとき」とあるのは「該当し、又は刑事訴訟法の定めるところにより被勾留受刑者が交付を受けることが禁じられ、若しくは制限されている物品であるとき」と、第二十七条ただし書中「おそれがあるとき」とあるのは「おそれがあるとき、又は刑事訴訟法の定めるところにより他の者に交付することが禁じられ、若しくは制限されているとき」と、第四十七条第一項第二号中「おそれ」とあるのは「おそれ又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれ」と、第六十一条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「刑事訴訟法の規定により勾留される者としての地位を損なわない限度で、かつ、勾留される期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」とする。
2 被勾留受刑者については、第六十三条から第六十五条まで、第七十五条、第九章第四節及び第十章の規定は、適用しない。
3 被勾留受刑者については、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第十五条、第十七条及び第九章の規定を準用する。
(勾留されていない被告人又は被疑者である受刑者)
第百三十二条 被告人又は被疑者である受刑者であって刑事訴訟法の規定により勾留されていないもの(各種被収容者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、被勾留者の弁護人等との面会又は信書の発受の例による。
(各種被収容者である受刑者)
第百三十三条 各種被収容者としての地位を有する受刑者の処遇については、被勾留受刑者の例による。
第十六章 受刑者の処遇に関する特例
(金品の取扱いに関する特例)
第百三十四条 受刑者以外の被収容者が受刑者となったときは、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律又はこれに基づく命令の規定により領置されているその者の金品は、第二十一条第二号に掲げる金品とみなして、第二十四条の規定を適用する。
2 受刑者が受刑者以外の被収容者となったときは、保管私物又は領置されている金品は、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律又はこれに基づく命令の規定により領置されたものとみなす。
(子の養育に関する特例)
第百三十五条 第四十三条第一項又は第二項の規定により子を養育している受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合におけるその子の養育については、なお受刑者の例による。
(作業賞与金に関する特例)
第百三十六条 受刑者以外の被収容者が受刑者となった場合において、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第二十七条第二項の規定による未支給の作業賞与金があるときは、速やかに、これを支給するものとする。
(懲罰に関する特例)
第百三十七条 第百五条から第百十一条までの規定は、受刑者以外の被収容者がした刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為であって、その者が受刑者となったときにまだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、第百六条第一項第三号中「物品」とあるのは「衣類及び食事」と、同条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第三号から第五号まで」と、第百七条第一項中「次に」とあるのは「第二号及び第四号から第六号までに」とする。
2 受刑者以外の被収容者に科され、その者が受刑者となったときにまだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、その後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日からその者が受刑者となる前に執行した期間を除いた期間、第二号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)からその者が受刑者となる前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。
一 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰(同項第八号の懲罰に併科されたものを除く。)であって、その者が受刑者となる前に執行した期間が三十日に満たないもの 第百六条第一項第四号の懲罰
二 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第八号の懲罰であって、その者が受刑者となる前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの 第百六条第一項第六号の懲罰
3 前項の規定により同項第二号に掲げる懲罰の執行をする場合には、これに刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰が併科されていた場合を除き、第百七条第一項第三号に掲げる行為を停止してはならない。
4 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第五十九条、第六十条(第一項第六号及び第九号を除く。)及び第六十二条の規定は、受刑者がした第百五条第一項の規定により懲罰を科されるべき行為であって、その者が受刑者以外の被収容者となったときにまだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、同法第六十条第一項第二号中「三月」とあるのは「三十日」と、同項第八号中「二月」とあるのは「三十日(懲罰ヲ科ス時二十歳以上ノ者ニ付キ特ニ情状重キトキハ六十日)」とする。
5 受刑者に科され、その者が受刑者以外の被収容者となったときにまだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、その後も執行するものとする。
一 第百六条第一項第二号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第三号の懲罰
二 第百六条第一項第三号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第四号の懲罰
三 第百六条第一項第四号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰
四 第百六条第一項第六号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰、同項第四号の懲罰及び同項第八号の懲罰を併科したもの
(審査の申請等に関する規定の準用)
第百三十八条 第十二章第一節及び第四節の規定は、前条第二項の規定により執行する懲罰に係る不服について準用する。この場合において、第百十三条第一項中「措置の告知があった日」とあるのは、「受刑者となった日」と読み替えるものとする。
(事実の申告に関する特例)
第百三十九条 第十二章第二節の規定は、受刑者以外の被収容者が受刑者となった場合においてその者が受刑者となる前にされた刑事施設の職員による行為については、適用しない。
(苦情の申出に関する特例)
第百四十条 受刑者以外の被収容者が刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第七条の規定により行った情願であって、その者が受刑者となったときにまだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては第百二十一条第一項の規定により行った苦情の申出と、監査官に係るものにあっては第百二十二条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。
第三編 補則
第一章 被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇
第百四十一条 被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇については、この法律に定めるもののほか、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の定めるところによる。
第二章 労役場及び監置場
(労役場及び監置場の附置等)
第百四十二条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。
2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。
3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。
4 委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。
(労役場留置者)
第百四十三条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)については、この法律に特別の定めがあるもののほか、その性質に反しない限り、この法律中の懲役受刑者に関する規定を準用する。
(被監置者の処遇)
第百四十四条 監置場に留置されている者(次項において「被監置者」という。)の処遇については、次項に定めるもののほか、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の定めるところによる。
2 第百三十四条第一項、第百三十六条、第百三十七条第一項から第三項まで及び第百三十八条から第百四十条までの規定は被監置者が受刑者となった場合について、第百三十四条第二項、第百三十五条並びに第百三十七条第四項及び第五項の規定は受刑者が被監置者となった場合について、それぞれ準用する。
第三章 司法警察職員
第百四十五条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。
2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。
第四章 警察留置場
第一節 警察留置場の管理運営等
(警察留置場の管理運営)
第百四十六条 警察留置場(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第二条の規定により刑事施設に代用される警察官署に附属する留置場をいう。以下同じ。)の管理運営については、第一編の規定中第四条(第一項第一号に係る部分を除く。)、第七条から第十条まで及び第十三条の規定は、適用しない。
2 警察留置場の管理運営について第一編の規定を適用する場合においては、第五条中「法務大臣は」とあるのは「警視総監又は道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面本部長。以下「警察本部長」という。)は、都道府県公安委員会の定めるところにより」と、「期するため、その職員のうちから監査官を指名し」とあるのは「期するため」と、「これに」とあるのは「その指定する職員に」と、第六条中「刑事施設の長」とあるのは「警察本部長」と、第十二条中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務を管理する者(警視庁、道府県警察本部又は方面本部に置かれる警察留置場にあっては警察本部長、警察署に置かれる警察留置場にあっては警察署長。以下「留置業務管理者」という。)」とする。
(巡察)
第百四十七条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、警察留置場に留置されている者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指定する職員に警察留置場を巡察させるものとする。
第二節 警察留置場における受刑者の処遇
(警察留置場における受刑者の処遇)
第百四十八条 警察留置場における受刑者の処遇については、第二編の規定中第十五条(第一項第八号に係る部分に限る。)、第十九条(第一項第二号及び第四号に係る部分に限る。)、第三十一条(第一項第三号に係る部分に限る。)、第三十七条第一項、第三十九条第二項、第四十三条、第四十九条第二項、第五十一条(第二項第九号に係る部分に限る。)、第五十三条、第五十四条、第五十七条から第五十九条まで、第九章、第十章第四節、第十一章、第百十二条(第一項第六号から第九号まで及び第十三号から第十五号までに係る部分に限る。)、第百十七条、第百二十条、第百二十二条、第百二十七条、第百三十条、第百三十五条から第百三十八条まで及び第百四十条の規定は、適用しない。
2 警察留置場における受刑者の処遇について第二編の規定を適用する場合においては、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、「法務省令」とあるのは「内閣府令・法務省令」と、「刑務官」とあるのは「留置業務に従事する警察官」と、「国庫」とあるのは「警察留置場の属する都道府県」と、「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」とするほか、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第十七条第一項第一号
衣類及び寝具
寝具
第三十九条第一項
刑事施設の職員である医師等
医師等
第四十条第一項
刑事施設の職員でない医師等
医師等
刑事施設内において、自弁により
自弁により
第四十条第二項
、又はその後にその受刑者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるとき
必要があるとき
第五十五条第六項及び第五十六条第五項
刑事施設の職員である医師
医師
第百十八条第一項第二号
又は拘束衣
、拘束衣又は防声具
第百二十一条の見出し並びに同条第一項及び第三項
法務大臣
警察本部長
第百二十四条第一項
法務大臣若しくは監査官
警察本部長
第百三十一条第一項
、第四十七条第一項及び第六十一条第一項
及び第四十七条第一項
、第六十一条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「刑事訴訟法の規定により勾留される者としての地位を損なわない限度で、かつ、勾留される期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」とする
する
第百三十一条第二項
第六十三条から第六十五条まで、第七十五条、第九章第四節及び第十章
第十章第一節から第三節まで及び第五節
第百三十九条
第十二章第二節
第百十八条及び第百十九条
(警察留置場における防声具の使用)
第百四十九条 警察留置場においては、留置業務に従事する警察官は、受刑者が留置業務に従事する警察官の制止に従わず大声を発し続けて、警察留置場内の平穏な生活を乱し、その他警察留置場の規律及び秩序を害する場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。ただし、拘束衣と同時に使用することはできない。
2 前項の場合において、防声具を効果的に使用するため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。
3 第五十五条第三項、第四項本文、第五項及び第六項の規定は、防声具の使用について準用する。この場合において、同条第三項、第五項及び第六項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「刑務官」とあるのは「留置業務に従事する警察官」と、同条第六項中「使用し、又はその使用の期間を更新した」とあるのは「使用した」と、「刑事施設の職員である医師」とあるのは「医師」と読み替えるものとする。
4 防声具の制式は、内閣府令で定める。
第三節 雑則
(適用除外)
第百五十条 警察留置場については、第二章(第百四十二条第二項を除く。)の規定は、適用しない。
2 留置業務管理者及び警察留置場における留置業務に従事する警察官については、第百四十五条の規定は、適用しない。
(権限の委任)
第百五十一条 この法律の規定による警察本部長である留置業務管理者の権限に属する事務は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その一部を警察本部長が指定する警視以上の階級にある警察官に委任することができる。
第五章 罰則
第百五十二条 第六十条第二項(第百四十三条において準用する場合を含む。)の規定により解放された受刑者又は労役場留置者が、第六十条第三項(第百四十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、一年以下の懲役に処する。
2 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合も、前項と同様とする。
一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。
二 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三十三条の規定、附則第三十八条中国際受刑者移送法第二十一条の改正規定(「、犯罪者予防更生法」を「並びに犯罪者予防更生法」に改め、「並びに構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十一条及び第十一条の二」を削る部分に限る。)及び附則第三十九条の規定は、構造改革特別区域法の一部を改正する法律(平成十七年法律第五十七号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
(巡閲に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する年に行われた附則第十五条の規定による改正前の監獄法(明治四十一年法律第二十八号。以下「旧監獄法」という。)第四条第一項の規定による巡閲は、第五条の規定の適用については、同条の規定による実地監査とみなす。
(収容開始時の告知に関する特例)
第三条 第十五条第一項前段及び第二項の規定は、この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者についても、適用する。この場合において、同条第一項前段中「その刑事施設における収容の開始に際し」とあるのは、「この法律の施行後速やかに」とする。
(金品の取扱いに関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧監獄法又はこれに基づく命令の規定により領置されている受刑者の金品は、第二十一条第二号に掲げる金品とみなして、第二十四条の規定を適用する。
(遺留物の措置に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に刑事施設に存する死亡者及び逃走者の遺留物(受刑者及び労役場留置の言渡しを受けた者に係るものに限る。)の措置については、なお従前の例による。
(作業報奨金に関する経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、この法律の施行の際に、旧監獄法第二十七条第二項の規定による未支給の作業賞与金があるときは、その額を報奨金計算額に加算する。
2 第七十七条第二項の規定は、受刑者が施行日前に行った作業については、適用しない。
(手当金に関する経過措置)
第七条 第七十九条(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に受刑者が負傷し、又は疾病にかかった場合において、施行日以後に手当金の支給事由が生じたときについても、適用する。
2 受刑者について施行日前に支給事由が生じた旧監獄法第二十八条第一項(旧監獄法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による未支給の手当金(死亡に係るものを除く。)の支給は、旧監獄法第二十八条第二項の規定にかかわらず、この法律の施行後速やかに行うものとする。
(発受を禁止した信書等の取扱いに関する経過措置)
第八条 旧監獄法第四十七条第一項の規定により発受を許されなかった受刑者に係る信書であって、この法律の施行の際現に旧監獄法に基づく命令の規定により保管されているものは、第九十九条第一項の規定により保管されている信書とみなす。
(懲罰に関する経過措置)
第九条 第百五条から第百十一条までの規定は、施行日前に受刑者がした旧監獄法第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為であって、この法律の施行の際まだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、第百六条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第四号及び第五号」と、第百七条第一項中「次に」とあるのは「第一号、第二号及び第四号から第六号までに」とする。
2 施行日前に受刑者に科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、施行日以後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日から施行日前に執行した期間を除いた期間、第三号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)から施行日前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。
一 旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰(同項第十一号の懲罰に併科されたものを除く。)であって、施行日前に執行した期間が三十日に満たないもの 第百六条第一項第四号の懲罰
二 旧監獄法第六十条第一項第五号の懲罰 第百六条第一項第二号の懲罰
三 旧監獄法第六十条第一項第十一号の懲罰であって、施行日前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの 第百六条第一項第六号の懲罰
3 前項の規定により同項第三号に掲げる懲罰の執行をする場合には、これに旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰が併科されていた場合を除き、第百七条第一項第三号に掲げる行為を停止してはならない。
(審査の申請等に関する規定の準用)
第十条 第二編第十二章第一節及び第四節の規定は、前条第二項の規定により執行する懲罰に係る不服について準用する。この場合において、第百十三条第一項中「措置の告知があった日」とあるのは、「この法律の施行の日」と読み替えるものとする。
(事実の申告に関する経過措置)
第十一条 第二編第十二章第二節の規定は、受刑者に対し施行日前にされた刑事施設の職員による行為については、適用しない。
(情願に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者が施行日前に旧監獄法第七条の規定により行った情願であって、この法律の施行の際まだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては第百二十一条第一項の規定により行った苦情の申出と、巡閲官吏に係るものにあっては第百二十二条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。
(労役場等への準用)
第十三条 附則第二条の規定は、労役場及び監置場について準用する。この場合において、同条中「第四条第一項」とあるのは「第八条第三項において準用する旧監獄法第四条第一項」と、「第五条」とあるのは「第百四十二条第三項において準用する第五条」と読み替えるものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十四条 施行日前にした行為並びに附則第十六条及び第二十五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(監獄法の一部改正)
第十五条 監獄法の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律
本則(第十六条第一項及び第二項、第十八条第二項、第二十九条、第四十三条第二項並びに第六十一条を除く。)中「在監者」を「被収容者」に改める。
第一条から第六条までを次のように改める。
第一条 本法ニ於テ被収容者トハ刑事施設ニ収容シタル者ニシテ刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号ノ受刑者以外ノモノヲ謂フ
第二条 警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ刑事施設ニ代用スルコトヲ得但懲役又ハ禁錮ニ処セラレタル者ヲ一月以上継続シテ拘禁スルコトヲ得ズ
第三条乃至第六条 削除
第七条中「監獄」を「刑事施設」に、「巡閲官吏」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律ニ定ムル監査官」に改める。
第八条第三項中「前五条」を「前条」に改め、「労役場及ビ」を削り、同条第一項及び第二項を削る。
第九条中「拘禁許可状、仮拘禁許可状、拘禁状又ハ受入移送拘禁状ニ依リ監獄ニ拘禁シタル者、引致状ニ依リ監獄ニ留置シタル者、監置ニ処セラレタル者及ビ死刑ノ言渡ヲ受ケタル者」を「其他ノ被収容者及ビ監置場ニ留置シタル者」に改め、「準用シ懲役囚ニ適用ス可キ規定ハ労役場留置ノ言渡ヲ受ケタル者ニ之ヲ」を削る。
第十条を次のように改める。
第十条 削除
第二章の章名を次のように改める。
第二章 収容
第十一条中「入監スル」を「収容スル」に、「入監セシム」を「収容ス」に改める。
第十二条第一項中「入監スル」を「収容スル」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十三条中「入監スル」を「収容スル」に、「入監セシメザル」を「収容セザル」に改める。
第十四条中「入監スル」を「収容スル」に、「在監中」を「収容中」に改める。
第十六条を次のように改める。
第十六条 削除
第十七条中「監房」を「居室」に改める。
第十八条を次のように改める。
第十八条 削除
第十九条第一項中「監外」を「刑事施設外」に改める。
第二十条中「監獄官吏」を「刑務官」に、「剣又ハ銃」を「武器」に改める。
第二十二条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「二十四時間内ニ」を「避難ヲ必要トセザルニ至リタル後速ニ」に改める。
第二十三条第一項中「監獄官吏」を「刑務官」に改め、同条第二項を削る。
第二十四条第一項中「作業」を「前項ノ作業」に改め、「刑期、」を削り、同条に第一項として次の一項を加える。
刑事被告人作業ニ就カンコトヲ請フトキハ其選択スルモノニ就キ之ヲ許スコトヲ得
第二十五条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十六条を次のように改める。
第二十六条 削除
第二十九条及び第三十条を次のように改める。
第二十九条 被収容者教誨ヲ請フトキハ之ヲ許スコトヲ得
第三十条 削除
第三十二条中「受刑者及ビ」を削り、同条ただし書中「拘留囚及ビ監置ニ処セラレタル者ニハ」及び「ヲ許シ其他ノ者ニハ襯衣ノ自弁」を削る。
第三十三条第一項中「及ビ労役場留置ノ言渡ヲ受ケタル者」を削る。
第三十六条ただし書中「刑事被告人ノ頭髪鬚髯ハ」を削る。
第三十七条中「監房」を「居室」に改める。
第四十条中「病監」を「病室」に改める。
第四十一条ただし書を削る。
第四十三条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項を削る。
第四十五条第二項、第四十六条第二項及び第四十七条第一項中「受刑者及ビ」を削る。
第十一章の章名を次のように改める。
第十一章 懲罰
第五十八条を次のように改める。
第五十八条 削除
第六十条第一項中第二号及び第三号を削り、第四号を第二号とし、第五号から第九号までを二号ずつ繰り上げ、第十号を削り、第十一号を第八号とし、第十二号を第九号とする。
第六十一条を次のように改める。
第六十一条 削除
第六十三条中「、職権」を「又ハ職権」に改め、「又ハ刑期ノ終了」を削る。
第六十四条中「受ケ又ハ仮出獄若クハ仮出場ヲ許サレタル者」を「受ケタル者」に、「若クハ刑」を「又ハ刑」に改め、「又ハ許可書」を削り、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十五条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十六条から第六十八条までを次のように改める。
第六十六条乃至第六十八条 削除
第六十九条中「監獄」を「刑事施設」に、「在監セシムル」を「滞留セシムル」に改める。
第七十条中「若クハ」を「又ハ」に改め、「又ハ監獄行政ノ便宜ニ因リ移監セシメタルガ為メ帰住旅費ノ増加ヲ要スルニ至リタルトキ」を削り、「衣類又ハ旅費」を「旅費又ハ衣類」に改める。
第七十一条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第七十五条を削る。
(監獄法の一部改正に伴う解放に関する経過措置)
第十六条 施行日前に旧監獄法第二十二条第一項(旧監獄法第九条において準用する場合を含む。)の規定により解放された者の出頭については、なお従前の例による。
(刑法の一部改正)
第十七条 刑法の一部を次のように改正する。
目次中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第十一条、第十二条第二項及び第十三条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十六条中「拘留場」を「刑事施設」に改める。
第一編第五章の章名を次のように改める。
第五章 仮釈放
第二十八条の見出しを「(仮釈放)」に改め、同条中「出獄を許す」を「釈放する」に改める。
第二十九条の見出し及び同条第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第二項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「出獄中」を「釈放中」に改める。
(健康保険法等の一部改正)
第十八条 次に掲げる法律の規定中「監獄」を「刑事施設」に改める。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百十八条第一項第二号
二 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第十四条の二第一号
三 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第五項
四 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十二条第一号
五 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第五十八条の五
六 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第五十九条第二号
七 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第三十六条の二第一項第二号
八 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第二十八条第一号
九 老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第三十六条
十 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第六十三条
十一 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成十六年法律第百六十六号)第三条第二項第二号
(船員保険法の一部改正)
第十九条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第一項第三号を次のように改める。
三 刑事施設、労役場其ノ他此等ニ準ズベキモノニ拘禁セラレタルトキ
(戸籍法の一部改正)
第二十条 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。
第五十六条中「監獄」を「刑事施設」に、「ともに」を「共に」に改める。
第九十条第一項中「監獄の」を「刑事施設の」に、「監獄所在地」を「刑事施設の所在地」に改め、同条第二項中「在監中」を「刑事施設に収容中」に、「添附しなければ」を「添付しなければ」に改める。
(刑事訴訟法の一部改正)
第二十一条 刑事訴訟法の一部を次のように改正する。
第六十四条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十五条第三項中「監獄に」を「刑事施設に」に、「監獄官吏に」を「刑事施設職員(刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員をいう。以下同じ。)に」に、「監獄官吏から」を「刑事施設職員から」に改める。
第七十条第二項中「監獄に」を「刑事施設に」に、「監獄官吏」を「刑事施設職員」に改める。
第七十三条第二項中「且つ」を「、かつ、」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第七十四条中「最寄の監獄」を「最寄りの刑事施設」に改める。
第七十五条、第七十八条及び第八十条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第九十八条第一項中「監獄官吏」を「刑事施設職員」に、「収監しなければ」を「刑事施設に収容しなければ」に改め、同条第二項中「収監する」を「刑事施設に収容する」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第三項中「収監」を「収容」に改める。
第二百八十六条の二中「監獄官吏」を「刑事施設職員」に改める。
第三百六十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「吏員」を「職員」に改める。
第三百六十七条中「監獄」を「刑事施設」に、「取下」を「取下げ」に改める。
第四百七十七条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「立会」を「立会い」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四百七十八条及び第四百八十一条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四百八十四条中「言渡」を「言渡し」に、「呼出」を「呼出し」に、「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十五条中「言渡」を「言渡し」に、「虞」を「おそれ」に、「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十六条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「判らない」を「分からない」に、「その収監」を「その者の刑事施設への収容」に改め、同条第二項中「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十七条中「収監状」を「収容状」に、「言渡」を「言渡し」に、「収監に」を「収容に」に改める。
第四百八十八条及び第四百八十九条中「収監状」を「収容状」に改める。
(検察審査会法の一部改正)
第二十二条 検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。
第六条第十四号を次のように改める。
十四 刑事施設の職員
(少年法の一部改正)
第二十三条 少年法の一部を次のように改正する。
第十七条の四第一項中「拘置監(監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項」を「刑事施設(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条」に改め、同条第三項中「拘置監」を「刑事施設」に改める。
第四十九条の見出し中「取扱」を「取扱い」に改め、同条第三項中「拘置監」を「刑事施設」に、「少年」を「少年(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号の受刑者(同条第六号の被勾留者又は同条第九号の各種被収容者としての地位を有するものを除く。)を除く。)」に改める。
第五十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十八条の見出しを「(仮釈放)」に改め、同条第一項中「には」を「については」に、「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
第五十九条の見出しを「(仮釈放期間の終了)」に改め、同条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「仮出獄を許された」を「仮釈放」に、「受け終つた」を「受け終わつた」に改め、同条第二項中「仮出獄を許された」を「仮釈放」に、「仮出獄前」を「仮釈放前」に改める。
(少年院法の一部改正)
第二十四条 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第十条の二中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十四条第五項中「収監状によつて収監しなければ」を「収容状によつて収容しなければ」に改める。
第十六条の二第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十七条の二中「最寄」を「最寄り」に、「拘置監」を「刑事施設」に、「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項」を「刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条」に改め、「以下」の下に「この条において」を加える。
第十七条の六第一項中「監獄法第二十二条第一項、第四十三条、第四十四条及び第六十三条から第七十条まで」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第六十条、第百二十六条及び第百二十八条」に改め、同項に後段として次のように加える。
この場合において、同法第六十条第三項中「刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所」とあるのは、「少年院若しくは刑事施設又は少年院の長が指定した場所」と読み替えるものとする。
第十七条の六第二項を次のように改める。
2 前項において準用する刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第六十条第二項の規定により解放された少年院収容受刑者が、前項において読み替えて準用する同条第三項の規定に違反して少年院若しくは刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、一年以下の懲役に処する。
(少年院法の一部改正に伴う解放に関する経過措置)
第二十五条 施行日前に前条の規定による改正前の少年院法第十七条の六第一項において準用する旧監獄法第二十二条第一項の規定により解放された少年院収容受刑者の出頭については、なお従前の例による。
(犯罪者予防更生法の一部改正)
第二十六条 犯罪者予防更生法の一部を次のように改正する。
目次中「仮釈放」を「仮釈放、仮出場及び仮退院」に改める。
第一条第一項中「仮釈放」を「仮釈放、仮出場及び仮退院」に改める。
第十二条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同項第二号中「受け終つた」を「受け終わつた」に改める。
第三章第一節の節名を次のように改める。
第一節 仮釈放、仮出場及び仮退院
第二十八条中「監獄」を「刑事施設」に改め、「第四十八条の三」の下に「、第五十四条」を加え、「第五十八条に掲げる」を「第五十八条第一項に規定する」に、「並びに第四十七条及び第五十五条の二」を「及び第四十七条」に改める。
第二十九条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項中「在監在院中」を「刑事施設、労役場又は少年院に収容されている間」に、「入監入院」を「その収容」に改め、同条第二項中「仮出獄又は仮退院に」を「仮釈放又は仮退院に」に、「みずから」を「自ら」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第三十一条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項及び第二項中「もとずき、仮出獄」を「基づき、仮釈放」に改め、同条第三項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第三十二条中「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「且つ」を「かつ」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
第三十三条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第四十二条の二第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第五項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「取消」を「取消し」に改める。
第四十四条の見出しを「(仮釈放の取消し)」に改め、同条第一項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に改め、同条第二項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に、「且つ」を「かつ」に改め、同条第三項中「刑事訴訟法中収監に関する」を「刑事訴訟法第四百八十四条から第四百八十九条までの」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「収監について」を「収容について」に改める。
第四十五条第一項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第四項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第四十八条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「受け終つた」を「受け終わつた」に改め、同条第二項中「在監者(少年院収容受刑者を含む。第五十四条及び第五十五条の二において同じ。)」を「受刑者」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第三項及び第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四十八条の三第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第三項中「拘禁されていた監獄」を「収容されていた刑事施設」に改め、同項ただし書中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第五十条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、「(以下「収容施設」という。)」を削り、「収容施設の」を「刑事施設又は少年院の」に改め、同条第二項及び第三項中「収容施設」を「刑事施設又は少年院」に改める。
第五十二条の見出し中「在監者及び在院者の」を「社会復帰のための」に改め、同条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十四条第二項中「在監者」を「刑事施設又は労役場に収容されている者」に、「おびやかす」を「脅かす」に改める。
第五十五条の二第三項中「在監者又は在院者」を「刑事施設、労役場又は少年院に収容されている者」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十七条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十八条第一項中「なした」を「した」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(刑事補償法の一部改正)
第二十七条 刑事補償法(昭和二十五年法律第一号)の一部を次のように改正する。
第一条第三項中「収監状」を「収容状」に改める。
(公職選挙法の一部改正)
第二十八条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第四十八条の二第一項第三号中「監獄」を「刑事施設、労役場、監置場」に改める。
(出入国管理及び難民認定法の一部改正)
第二十九条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第二十五条の二第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第二号中「仮出獄を許されている」を「仮釈放中の」に改める。
第六十二条第三項中「(支所及び分院の長を含む。以下同じ。)」を削り、「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第四項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(逃亡犯罪人引渡法の一部改正)
第三十条 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項中「人違」を「人違い」に、「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに且つ」を「速やかに、かつ、」に改める。
第十五条の見出し中「引渡」を「引渡し」に改め、同条本文中「引渡の」を「引渡しの」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「引渡」を「引渡し」に、「監獄」を「刑事施設」に、「取消」を「取消し」に改める。
第十七条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「引渡を」を「引渡しを」に改め、同条第五項中「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに」を「速やかに」に、「引渡を」を「引渡しを」に改める。
第二十条第一項中「引渡」を「引渡し」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「引渡」を「引渡し」に、「求」を「求め」に改める。
第二十二条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第五項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第六項中「取消」を「取消し」に、「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに」を「速やかに」に改める。
第二十七条第二項及び第二十九条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(執行猶予者保護観察法の一部改正)
第三十一条 執行猶予者保護観察法(昭和二十九年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(売春防止法の一部改正)
第三十二条 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。
第二十二条第三項中「婦人補導院若しくは監獄」を「婦人補導院の長若しくはその指名する婦人補導院の職員若しくは刑事施設の長若しくはその指名する刑事施設」に改める。
第二十八条第二項中「同法」を「予防更生法」に、「第五十条第一項」を「第五十条」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十一条中「第四十八条の三第二項」を「予防更生法第四十八条の三第二項」に、「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第三十三条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第五十三号の二中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
(国際捜査共助等に関する法律の一部改正)
第三十四条 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
第十九条第三項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第二十条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十二条を次のように改める。
(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の特則)
第二十二条 第二十条第四項の規定による国内受刑者の要請国の官憲への引渡しは、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二十九条、第三十条、第六十二条第一項、第七十七条第一項、第二項及び第四項、第七十九条第四項、第九十九条第三項及び第四項、第百十九条第一項(第百二十条第三項において準用する場合を含む。)、第百二十一条第三項(第百二十二条第四項及び第百二十三条第四項において準用する場合を含む。)並びに第二編第十三章の規定の適用については、釈放でないものとみなす。
2 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第三十一条(第一項第二号及び第三号を除く。)、第三十二条、第七十七条第五項(第一号に係る部分に限る。)、第七十八条及び第百二十九条の規定は、第二十条第四項の規定により要請国の官憲に引き渡した国内受刑者が逃走し、又は死亡した場合におけるその者に係る遺留物又は作業報奨金について準用する。
(国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三十五条 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二十八条第十項及び第三十二条第十一項中「とあるのは、」を「とあるのは」に、「読み替える」を「、同項第二号中「監獄」とあるのは「刑事施設」と読み替える」に改める。
(民事訴訟法の一部改正)
第三十六条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第百二条第三項中「在監者」を「刑事施設に収容されている者」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
(少年法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三十七条 少年法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第五項中「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
(国際受刑者移送法の一部改正)
第三十八条 国際受刑者移送法の一部を次のように改正する。
第十五条第二項及び第十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十九条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「受入収監状」を「受入収容状」に改め、同条第三項中「受入収監状」を「受入収容状」に、「監獄官吏」を「刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員」に改め、同条第四項中「受入収監状」を「受入収容状」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十一条中「、監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条、第三条から第七条まで、第十一条から第十六条まで、第十八条から第三十二条まで、第三十四条、第三十六条から第六十六条まで、第六十八条から第七十条まで及び第七十三条から第七十五条まで」を削り、「、犯罪者予防更生法」を「並びに犯罪者予防更生法」に改め、「並びに構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十一条及び第十一条の二」を削る。
第二十二条の見出し中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条中「には」を「については」に、「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
第二十三条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十四条の見出しを「(仮釈放期間の終了の特則)」に改め、同条第一項中「につき仮出獄を許された」を「についての仮釈放」に改め、同条第二項中「につき仮出獄を許された」を「についての仮釈放」に、「仮出獄前」を「仮釈放前」に改める。
第二十九条中「監獄」を「刑事施設」に、「在監する」を「収容されている」に、「収監された」を「刑事施設に収容された」に改める。
第三十一条第一項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十二条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十四条第二項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第三十九条第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第四十二条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(構造改革特別区域法の一部改正)
第三十九条 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。
第十一条の前の見出し中「監獄法等」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律等」に改め、同条第一項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に、「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第一項に規定する監獄」を「刑事施設(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律二十八号)第二条の規定により代用されるものを除く。次条において同じ。)」に、「同法」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)」に、「付設された」を「附置された」に改め、同項第四号中「監房」を「居室」に改め、同項第八号を次のように改める。
八 被収容者が収容の際に所持する現金及び物品その他の金品について領置その他の措置を行うために必要な検査の実施
第十一条第四項及び第五項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
第十一条の二第一項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に、「監獄法第一条第一項に規定する監獄」を「刑事施設」に、「付設された」を「附置された」に改める。
別表第一号及び第一号の二中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
(法務省設置法の一部改正)
第四十条 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十四号中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第十五号中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第八条第二項中「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)」に、「監獄として」を「刑事施設として」に改める。
第九条第一項第二号中「監獄」を「刑事施設」に、「附設する」を「附置する」に改める。
第十一条第一項第二号中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(検討)
第四十一条 政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 南野知惠子
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年五月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第五十号
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律
目次
第一編
総則(第一条―第十三条)
第二編
受刑者の処遇
第一章
受刑者の処遇の原則(第十四条)
第二章
収容の開始(第十五条・第十六条)
第三章
物品の貸与等及び自弁(第十七条―第二十条)
第四章
金品の取扱い(第二十一条―第三十二条)
第五章
保健衛生及び医療(第三十三条―第四十三条)
第六章
宗教上の行為等(第四十四条・第四十五条)
第七章
書籍等の閲覧(第四十六条―第四十九条)
第八章
規律及び秩序の維持(第五十条―第六十条)
第九章
矯正処遇の実施等
第一節
通則(第六十一条―第七十条)
第二節
作業(第七十一条―第八十一条)
第三節
各種指導(第八十二条―第八十四条)
第四節
外出及び外泊(第八十五条―第八十七条)
第十章
外部交通
第一節
通則(第八十八条)
第二節
面会(第八十九条―第九十二条)
第三節
信書の発受(第九十三条―第百条)
第四節
電話等による通信(第百一条・第百二条)
第五節
雑則(第百三条)
第十一章
賞罰(第百四条―第百十一条)
第十二章
不服申立て
第一節
審査の申請及び再審査の申請(第百十二条―第百十七条)
第二節
事実の申告(第百十八条―第百二十条)
第三節
苦情の申出(第百二十一条―第百二十三条)
第四節
雑則(第百二十四条・第百二十五条)
第十三章
釈放(第百二十六条―第百二十八条)
第十四章
死亡(第百二十九条・第百三十条)
第十五章
被勾留受刑者等の処遇(第百三十一条―第百三十三条)
第十六章
受刑者の処遇に関する特例(第百三十四条―第百四十条)
第三編
補則
第一章
被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇(第百四十一条)
第二章
労役場及び監置場(第百四十二条―第百四十四条)
第三章
司法警察職員(第百四十五条)
第四章
警察留置場
第一節
警察留置場の管理運営等(第百四十六条・第百四十七条)
第二節
警察留置場における受刑者の処遇(第百四十八条・第百四十九条)
第三節
雑則(第百五十条・第百五十一条)
第五章
罰則(第百五十二条)
附則
第一編 総則
(目的)
第一条 この法律は、刑事施設の適正な管理運営を図るとともに、受刑者等の人権を尊重しつつ、その者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。
(刑事施設)
第二条 刑事施設は、懲役、禁錮又は拘留の刑(国際受刑者移送法(平成十四年法律第六十六号)第二条第二号に定める共助刑を含む。)の執行のため拘置される者、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により勾留される者及び死刑の言渡しを受けて拘置される者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。
2 刑事施設には、前項に規定する者を収容するほか、法令の規定により刑事施設に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容する。
(定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 被収容者 刑事施設に収容されている者をいう。
二 受刑者 懲役受刑者、禁錮受刑者又は拘留受刑者をいう。
三 懲役受刑者 懲役の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第一号の共助刑を含む。)の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
四 禁錮受刑者 禁錮の刑(国際受刑者移送法第十六条第一項第二号の共助刑を含む。)の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
五 拘留受刑者 拘留の刑の執行のため刑事施設に拘置されている者をいう。
六 被勾留者 刑事訴訟法の規定により刑事施設に勾留されている者をいう。
七 被勾留受刑者 刑事訴訟法の規定により勾留されている受刑者をいう。
八 死刑確定者 死刑の言渡しを受けて刑事施設に拘置されている者をいう。
九 各種被収容者 前条第二項の規定により刑事施設に収容されている者をいう。
(被収容者の分離)
第四条 被収容者は、次に掲げる別に従い、それぞれ互いに分離するものとする。
一 性別
二 受刑者(被勾留受刑者を除く。)、被勾留者(被勾留受刑者を除く。)、被勾留受刑者、死刑確定者及び各種被収容者の別
三 懲役受刑者、禁錮受刑者及び拘留受刑者の別
2 前項の規定にかかわらず、受刑者に第七十一条又は第七十二条に規定する作業として他の被収容者に接して食事の配給その他の作業を行わせるため必要があるときは、同項第二号及び第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、適当と認めるときは、居室(被収容者が主として休息及び就寝のために使用する場所として刑事施設の長が指定する室をいう。以下同じ。)外に限り、同項第三号に掲げる別による分離をしないことができる。
(実地監査)
第五条 法務大臣は、この法律の適正な施行を期するため、その職員のうちから監査官を指名し、各刑事施設について、毎年一回以上、これに実地監査を行わせなければならない。
(意見聴取)
第六条 刑事施設の長は、その刑事施設の適正な運営に資するため必要な意見を関係する公務所及び公私の団体の職員並びに学識経験のある者から聴くことに努めなければならない。
(刑事施設視察委員会)
第七条 刑事施設に、刑事施設視察委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。
(組織等)
第八条 委員会は、委員十人以内で組織する。
2 委員は、人格識見が高く、かつ、刑事施設の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
3 委員の任期は、一年とする。ただし、再任を妨げない。
4 委員は、非常勤とする。
5 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、法務省令で定める。
(委員会に対する情報の提供及び委員の視察等)
第九条 刑事施設の長は、刑事施設の運営の状況について、法務省令で定めるところにより、定期的に、又は必要に応じて、委員会に対し、情報を提供するものとする。
2 委員会は、刑事施設の運営の状況を把握するため、委員による刑事施設の視察をすることができる。この場合において、委員会は、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対し、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができる。
3 刑事施設の長は、前項の視察及び被収容者との面接について、必要な協力をしなければならない。
4 第九十四条及び刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第五十条の規定にかかわらず、被収容者が委員会に対して提出する書面は、検査をしてはならない。
(委員会の意見等の公表)
第十条 法務大臣は、毎年、委員会が刑事施設の長に対して述べた意見及びこれを受けて刑事施設の長が講じた措置の内容を取りまとめ、その概要を公表するものとする。
(裁判官及び検察官の巡視)
第十一条 裁判官及び検察官は、刑事施設を巡視することができる。
(参観)
第十二条 刑事施設の長は、その刑事施設の参観を申し出る者がある場合において相当と認めるときは、これを許すことができる。
(刑務官)
第十三条 刑務官は、法務省令で定めるところにより、法務大臣が刑事施設の職員のうちから指定する。
2 刑務官の階級は、法務省令でこれを定める。
3 刑務官には、被収容者の人権に関する理解を深めさせ、並びに被収容者の処遇を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修及び訓練を行うものとする。
第二編 受刑者の処遇
第一章 受刑者の処遇の原則
第十四条 受刑者の処遇は、その者の資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。
第二章 収容の開始
(収容開始時の告知)
第十五条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その刑事施設における収容の開始に際し、次に掲げる事項を告知しなければならない。その刑事施設に収容されている受刑者以外の者が受刑者となったときも、同様とする。
一 物品の貸与及び支給並びに自弁に関する事項
二 第二十五条第一項に規定する保管私物その他の金品の取扱いに関する事項
三 保健衛生及び医療に関する事項
四 宗教上の行為、儀式行事及び教誨に関する事項
五 書籍等(書籍、雑誌、新聞紙その他の文書図画(信書を除く。)をいう。以下同じ。)の閲覧に関する事項
六 第五十一条第一項に規定する遵守事項
七 面会及び信書の発受に関する事項
八 懲罰に関する事項
九 審査の申請を行うことができる措置、審査庁及び審査の申請期間その他の審査の申請に関する事項
十 第百十八条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先及び申告期間その他の同項の規定による申告に関する事項
十一 苦情の申出に関する事項
2 前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、書面で行う。
(識別のための身体検査)
第十六条 刑務官は、受刑者について、その刑事施設における収容の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。その後必要が生じたときも、同様とする。
2 女子の受刑者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の刑務官がこれを行わなければならない。ただし、女子の刑務官がその検査を行うことができない場合には、男子の刑務官が刑事施設の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。
第三章 物品の貸与等及び自弁
(物品の貸与等)
第十七条 受刑者には、次に掲げる物品(書籍等を除く。以下この章において同じ。)であって、刑事施設における日常生活に必要なもの(第十九条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。
一 衣類及び寝具
二 食事及び湯茶
三 日用品、筆記具その他の物品
2 受刑者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品その他の刑事施設における日常生活に用いる物品(第十九条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品(酒類を除く。次条において同じ。)を支給することができる。
(自弁の物品の使用等)
第十八条 刑事施設の長は、受刑者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。
一 衣類
二 食料品及び飲料
三 室内装飾品
四 嗜好品
五 日用品、文房具その他の刑事施設における日常生活に用いる物品
(補正器具等の自弁等)
第十九条 受刑者には、次に掲げる物品については、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。
一 眼鏡その他の補正器具
二 第六十九条第一項に規定する自己契約作業を行うのに必要な物品
三 信書を発するのに必要な封筒その他の物品
四 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊の際に使用する衣類その他の物品
五 その他法務省令で定める物品
2 前項各号に掲げる物品について、受刑者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。
(物品の貸与等の基準)
第二十条 第十七条又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、受刑者の健康を保持するに足り、かつ、国民生活の実情等を勘案し、受刑者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。
第四章 金品の取扱い
(金品の検査)
第二十一条 刑事施設の職員は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。
一 受刑者が収容される際に所持する現金及び物品
二 受刑者が収容中に取得した現金及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金及び物品以外のもの(刑事施設の長から支給された物品を除く。)
三 受刑者に交付するため当該受刑者以外の者が刑事施設に持参し、又は送付した現金及び物品
(収容時の所持物品等の処分)
第二十二条 刑事施設の長は、前条第一号又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、受刑者に対し、その物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
一 保管に不便なものであるとき。
二 腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。
三 危険を生ずるおそれがあるものであるとき。
2 前項の規定により物品の処分を求めた場合において、受刑者が相当の期間内にその処分をしないときは、刑事施設の長は、これを売却してその代金を領置する。ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。
(差入物の引取り等)
第二十三条 刑事施設の長は、第二十一条第三号に掲げる現金又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、その現金又は物品を持参し、又は送付した者(以下この条及び第二十八条において「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。
一 受刑者に交付することにより、刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。
二 差入人が親族以外の者である場合において、受刑者に交付することにより、その矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるものであるとき。
三 差入人の氏名が明らかでないものであるとき。
四 自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品又は釈放の際に必要と認められる物品(以下「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。
五 前条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。
2 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、前項第一号から第三号までのいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3 前項に規定する現金又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金又は物品の引取りをしないときは、その現金又は物品は、国庫に帰属する。
4 第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、刑事施設の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。ただし、売却できないものは、廃棄することができる。
5 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項第四号又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までのいずれかに該当するものを除く。)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、刑事施設の長は、受刑者に対し、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めるものとする。
6 前条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
7 第二十一条第三号に掲げる現金又は物品であって、第一項各号のいずれにも該当しないものについて、受刑者がその交付を受けることを拒んだ場合には、刑事施設の長は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。この場合においては、第二項及び第三項の規定を準用する。
(物品の引渡し及び領置)
第二十四条 次に掲げる物品のうち、この法律の規定により受刑者が使用し、又は摂取することができるものは、受刑者に引き渡す。
一 第二十一条第一号又は第二号に掲げる物品であって、第二十二条第一項各号のいずれにも該当しないもの
二 第二十一条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号のいずれにも該当しないもの(受刑者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。)
2 次に掲げる金品は、刑事施設の長が領置する。
一 前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により受刑者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの
二 第二十一条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号から第三号までのいずれにも該当しないもの
(保管私物等)
第二十五条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、保管私物(受刑者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び受刑者が受けた信書でその保管するものをいう。以下同じ。)の保管方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 刑事施設の長は、受刑者の保管私物(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この章において「保管総量」という。)が保管限度量(受刑者一人当たりについて保管することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この章において同じ。)を超えるとき、又は受刑者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(以下この章において「領置総量」という。)が領置限度量(受刑者一人当たりについて領置することができる物品の量として刑事施設の長が定める量をいう。以下この章において同じ。)を超えるときは、当該受刑者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族その他相当と認める者への交付その他相当の処分を求めることができる。腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。
3 第二十二条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
4 刑事施設の長は、受刑者が保管私物について領置することを求めた場合において、相当と認めるときは、これを領置することができる。ただし、領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
5 刑事施設の長は、前項の規定により領置している物品について、受刑者がその引渡しを求めた場合には、これを引き渡すものとする。ただし、保管総量が保管限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
(領置金の使用)
第二十六条 刑事施設の長は、受刑者が、自弁物品等を購入し、又は刑事施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、その購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなる場合は、この限りでない。
(保管私物又は領置金品の交付)
第二十七条 刑事施設の長は、受刑者が、保管私物又は領置されている金品(第百条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者(当該刑事施設に収容されている者を除く。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。)を申請した場合には、これを許すものとする。ただし、交付の相手方が親族以外の者である場合において、その交付により、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
(差入れ等に関する制限)
第二十八条 刑事施設の長は、この章に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による受刑者に対する金品の交付及び受刑者による自弁物品等の購入について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
(領置物の引渡し)
第二十九条 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、領置している金品をその者に引き渡すものとする。
(釈放者の遺留物)
第三十条 釈放された受刑者が刑事施設に遺留した金品(以下「遺留物」という。)は、その釈放の日から起算して六月を経過する日までに、その者からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。
2 前項の期間内でも、刑事施設の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。
(逃走者等の遺留物)
第三十一条 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。
一 逃走したとき 逃走した日
二 第六十条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日
三 第七十五条第一項の規定による作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日
2 前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。
(死亡者の遺留物)
第三十二条 死亡した受刑者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
2 死亡した受刑者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百二十九条の規定による通知をすることができないときは、刑事施設の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
3 第一項の遺留物は、第百二十九条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。
4 第三十条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。
第五章 保健衛生及び医療
(保健衛生及び医療の原則)
第三十三条 刑事施設においては、受刑者の心身の状況を把握することに努め、受刑者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。
(運動)
第三十四条 受刑者には、日曜日その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。
(受刑者の清潔義務)
第三十五条 受刑者は、身体、着衣及び所持品並びに居室その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。
(入浴)
第三十六条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、刑事施設における保健衛生上適切な入浴を行わせる。
(調髪及びひげそり)
第三十七条 受刑者には、法務省令で定めるところにより、調髪及びひげそりを行わせる。
2 刑事施設の長は、受刑者が自弁により調髪を行いたい旨の申出をした場合において、その者の処遇上適当と認めるときは、これを許すことができる。
(健康診断)
第三十八条 刑事施設の長は、受刑者に対し、その刑事施設における収容の開始後速やかに、及び毎年一回以上定期的に、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。刑事施設における保健衛生上必要があるときも、同様とする。
2 受刑者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影その他の医学的処置を拒むことはできない。
(診療等)
第三十九条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。
一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。
二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。
2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。
3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。
(指名医による診療)
第四十条 刑事施設の長は、負傷し、又は疾病にかかっている受刑者が、刑事施設の職員でない医師等を指名して、その診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類及び程度、刑事施設に収容される前にその医師等による診療を受けていたことその他の事情に照らして、その受刑者の医療上適当であると認めるときは、刑事施設内において、自弁によりその診療を受けることを許すことができる。
2 刑事施設の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその受刑者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるときは、刑事施設の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。
3 指名医は、その診療に際し、刑事施設の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。
4 刑事施設の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により刑事施設の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により刑事施設の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。
(感染症予防上の措置)
第四十一条 刑事施設の長は、刑事施設内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、受刑者に対し、第三十八条の規定による健康診断又は第三十九条の規定による診療その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離その他法務省令で定める措置を執るものとする。
(養護のための措置等)
第四十二条 刑事施設の長は、老人、妊産婦、身体虚弱者その他の養護を必要とする受刑者について、その養護を必要とする事情に応じ、傷病者のための措置に準じた措置を執るものとする。
2 刑事施設の長は、受刑者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、刑事施設の外の病院、診療所又は助産所に入院させるものとする。
(子の養育)
第四十三条 刑事施設の長は、女子の受刑者がその子を刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、相当と認めるときは、その子が一歳に達するまで、これを許すことができる。
2 刑事施設の長は、受刑者が、前項の規定により養育され一歳に達した子について、引き続いて刑事施設内で養育したい旨の申出をした場合において、その受刑者の心身の状況に照らして、又はその子を養育する上で、特に必要があるときは、引き続き六月間に限り、これを許すことができる。
3 受刑者が前二項の規定により子を養育している場合には、その子の養育に必要な物品を貸与し、又は支給する。
4 前項に規定する場合において、受刑者が、その子の養育に必要な物品について、自弁のものを使用し、若しくは摂取し、又はその子に使用させ、若しくは摂取させたい旨の申出をした場合には、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障がない限り、これを許すものとする。
5 受刑者が第一項又は第二項の規定により養育している子については、受刑者の例により、健康診断、診療その他の必要な措置を執るものとする。
第六章 宗教上の行為等
(一人で行う宗教上の行為)
第四十四条 受刑者が一人で行う礼拝その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。ただし、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。
(宗教上の儀式行事及び教誨)
第四十五条 刑事施設の長は、受刑者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。
2 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、受刑者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。
第七章 書籍等の閲覧
(自弁の書籍等の閲覧)
第四十六条 受刑者が自弁の書籍等を閲覧することは、この章及び第十一章の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。
第四十七条 刑事施設の長は、受刑者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。
一 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。
二 矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
2 前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、受刑者にその費用を負担させることができる。この場合において、受刑者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。
(新聞紙に関する制限)
第四十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
(時事の報道に接する機会の付与等)
第四十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。
2 刑事施設の長は、第六十九条第二項の規定による援助の措置として、刑事施設に書籍等を備え付けるものとする。この場合において、備え付けた書籍等の閲覧の方法は、刑事施設の長が定める。
第八章 規律及び秩序の維持
(刑事施設の規律及び秩序)
第五十条 刑事施設の規律及び秩序は、適正に維持されなければならない。
2 前項の目的を達成するため執る措置は、被収容者の収容を確保し、並びにその処遇のための適切な環境及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。
(遵守事項等)
第五十一条 刑事施設の長は、受刑者が遵守すべき事項(以下「遵守事項」という。)を定める。
2 遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
一 犯罪行為をしてはならないこと。
二 他人に対し、粗野若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。
三 自身を傷つける行為をしてはならないこと。
四 刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。
五 自己又は他の被収容者の収容の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。
六 刑事施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。
七 刑事施設内の衛生又は風紀を害する行為をしてはならないこと。
八 金品について、不正な使用、所持、授受その他の行為をしてはならないこと。
九 正当な理由なく、第七十一条若しくは第七十二条に規定する作業を怠り、又は第六十二条第一項各号、第八十二条若しくは第八十三条に規定する指導を拒んではならないこと。
十 前各号に掲げるもののほか、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な事項
十一 前各号に掲げる事項について定めた遵守事項又は第七十五条第四項(第八十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。
3 前二項のほか、刑事施設の長又はその指定する職員は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、受刑者に対し、その生活及び行動について指示することができる。
(身体の検査等)
第五十二条 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、受刑者について、その身体、着衣、所持品及び居室を検査し、並びにその所持品を取り上げて一時保管することができる。
2 第十六条第二項の規定は、前項の規定による女子の受刑者の身体及び着衣の検査について準用する。
3 刑務官は、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、刑事施設内において、被収容者以外の者(弁護人又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者(以下「弁護人等」という。)を除く。)の着衣及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。
4 前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。
(隔離)
第五十三条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者を他の被収容者から隔離することができる。この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。
一 他の被収容者と接触することにより刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがあるとき。
二 他の被収容者から危害を加えられるおそれがあり、これを避けるために他に方法がないとき。
2 前項の規定による隔離の期間は、三月とする。ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、一月ごとにこれを更新することができる。
3 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。
4 第一項の規定により受刑者を隔離している場合には、刑事施設の長は、三月に一回以上定期的に、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
(制止等の措置)
第五十四条 刑務官は、受刑者が自身を傷つけ若しくは他人に危害を加え、逃走し、刑事施設の職員の職務の執行を妨げ、その他刑事施設の規律及び秩序を著しく害する行為をし、又はこれらの行為をしようとする場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その受刑者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
2 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
一 刑事施設に侵入し、その設備を損壊し、刑事施設の職員の職務執行を妨げ、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
二 刑務官の要求を受けたのに刑事施設から退去しないとき。
三 被収容者の逃走又は刑事施設の職員の職務執行の妨害を、現場で、援助し、あおり、又は唆すとき。
四 被収容者に危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
3 前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。
(捕縄、手錠及び拘束衣の使用)
第五十五条 刑務官は、受刑者を護送する場合又は受刑者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。
一 逃走すること。
二 自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。
三 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊すること。
2 刑務官は、受刑者が自身を傷つけるおそれがある場合において、他にこれを防止する手段がないときは、刑事施設の長の命令により、拘束衣を使用することができる。ただし、捕縄又は手錠と同時に使用することはできない。
3 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、拘束衣を使用することができる。この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。
4 拘束衣の使用の期間は、三時間とする。ただし、刑事施設の長は、特に継続の必要があると認めるときは、通じて十二時間を超えない範囲内で、三時間ごとにその期間を更新することができる。
5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、拘束衣の使用の必要がなくなったときは、直ちにその使用を中止させなければならない。
6 受刑者に拘束衣を使用し、又はその使用の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
7 捕縄、手錠及び拘束衣の制式は、法務省令で定める。
(保護室への収容)
第五十六条 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、刑事施設の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。
一 自身を傷つけるおそれがあるとき。
二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。
イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。
ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。
ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。
2 前項に規定する場合において、刑事施設の長の命令を待ついとまがないときは、刑務官は、その命令を待たないで、その受刑者を保護室に収容することができる。この場合には、速やかに、その旨を刑事施設の長に報告しなければならない。
3 保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。
4 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。
5 受刑者を保護室に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、刑事施設の長は、速やかに、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
6 保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。
(武器の携帯及び使用)
第五十七条 刑務官は、法務省令で定める場合に限り、小型武器を携帯することができる。
2 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。
一 暴動を起こし、又はまさに起こそうとするとき。
二 他人に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。
四 凶器を携帯し、刑務官が放棄を命じたのに、これに従わないとき。
五 刑務官の制止に従わず、又は刑務官に対し暴行若しくは集団による威力を用いて、逃走し、若しくは逃走しようとし、又は他の被収容者の逃走を助けるとき。
3 刑務官は、被収容者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができる。
一 被収容者が暴動を起こし、又はまさに起こそうとする場合において、その現場で、これらに参加し、又はこれらを援助するとき。
二 被収容者に重大な危害を加え、又はまさに加えようとするとき。
三 刑務官が携帯し、又は刑事施設に保管されている武器を奪取し、又はまさに奪取しようとするとき。
四 銃器、爆発物その他の凶器を携帯し、又は使用して、刑事施設に侵入し、若しくはその設備を損壊し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
五 暴行又は脅迫を用いて、被収容者を奪取し、若しくは解放し、又はこれらの行為をまさにしようとするとき。
4 前二項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条若しくは第三十七条に該当する場合又は次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、人に危害を加えてはならない。
一 刑務官において他に受刑者の第二項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。
二 刑務官において他に被収容者以外の者の前項各号に規定する行為を抑止する手段がないと信ずるに足りる相当の理由があるとき。ただし、同項第二号に掲げる場合以外の場合にあっては、その者が刑務官の制止に従わないで当該行為を行うときに限る。
(収容のための連戻し)
第五十八条 刑務官は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に定める時から四十八時間以内に着手したときに限り、これを連れ戻すことができる。
一 逃走したとき 逃走の時
二 第七十五条第一項の規定による作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日時
(災害時の応急用務)
第五十九条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内にある者の生命又は身体の保護のため必要があると認める場合には、受刑者を刑事施設内又はこれに近接する区域における消火、人命の救助その他の応急の用務に就かせることができる。
2 第七十九条から第八十一条までの規定は、受刑者が前項の規定により応急の用務に就いて死亡し、負傷し、又は疾病にかかった場合について準用する。
(災害時の避難及び解放)
第六十条 刑事施設の長は、地震、火災その他の災害に際し、刑事施設内において避難の方法がないときは、受刑者を適当な場所に護送しなければならない。
2 前項の場合において、受刑者を護送することができないときは、刑事施設の長は、その者を刑事施設から解放することができる。地震、火災その他の災害に際し、刑事施設の外にある受刑者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。
3 前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所に出頭しなければならない。
第九章 矯正処遇の実施等
第一節 通則
(矯正処遇)
第六十一条 受刑者には、矯正処遇として、第七十一条又は第七十二条に規定する作業を行わせ、並びに第八十二条及び第八十三条に規定する指導を行う。
2 矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。以下この条において同じ。)に基づいて行うものとする。
3 処遇要領は、法務省令で定めるところにより、刑事施設の長が受刑者の資質及び環境の調査の結果に基づき定めるものとする。
4 処遇要領は、必要に応じ、受刑者の希望を参酌して定めるものとする。これを変更しようとするときも、同様とする。
5 矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識及び技術を活用して行うものとする。
(刑執行開始時及び釈放前の指導等)
第六十二条 受刑者には、矯正処遇を行うほか、次の各号に掲げる期間において、当該各号に定める指導を行う。
一 刑の執行開始後の法務省令で定める期間 受刑の意義その他矯正処遇の実施の基礎となる事項並びに刑事施設における生活及び行動に関する指導
二 釈放前における法務省令で定める期間 釈放後の社会生活において直ちに必要となる知識の付与その他受刑者の帰住及び釈放後の生活に関する指導
2 前項第二号に掲げる期間における受刑者の処遇は、できる限り、これにふさわしい設備と環境を備えた場所で行うものとし、必要に応じ、第八十五条第一項の規定による外出又は外泊を許し、その他円滑な社会復帰を図るため必要な措置を執るものとする。
3 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、第一項各号に定める指導を行う日及び時間を定める。
(集団処遇)
第六十三条 矯正処遇及び前条第一項の規定による指導(以下「矯正処遇等」という。)は、その効果的な実施を図るため、必要に応じ、受刑者を集団に編成して行うものとする。
2 前項の場合において特に必要があるときは、第四条第一項の規定にかかわらず、居室外に限り、同項第一号に掲げる別による分離をしないことができる。
(刑事施設外処遇)
第六十四条 矯正処遇等は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、刑事施設の外の適当な場所で行うことができる。
(制限の緩和)
第六十五条 受刑者の自発性及び自律性を涵養するため、刑事施設の規律及び秩序を維持するための受刑者の生活及び行動に対する制限は、法務省令で定めるところにより、第十四条の目的を達成する見込みが高まるに従い、順次緩和されるものとする。
2 前項の場合において、第十四条の目的を達成する見込みが特に高いと認められる受刑者の処遇は、法務省令で定めるところにより、開放的施設(収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するものをいう。以下同じ。)で行うことができる。
(優遇措置)
第六十六条 刑事施設の長は、受刑者の改善更生の意欲を喚起するため、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるものとする。
一 第十七条第二項の規定により物品を貸与し、又は支給すること。
二 第十八条の規定により自弁の物品の使用又は摂取を許すこと。
三 第八十九条の面会をすることができる時間又は回数を定めること。
四 その他法務省令で定める処遇
(社会との連携)
第六十七条 刑事施設の長は、受刑者の処遇を行うに当たり必要があると認めるときは、受刑者の親族、民間の篤志家、関係行政機関その他の者に対し、協力を求めるものとする。
2 前項の協力をした者は、その協力を行うに当たって知り得た受刑者に関する秘密を漏らしてはならない。
(起居動作の時間帯)
第六十八条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、矯正処遇等の時間帯、食事、就寝その他の起居動作をすべき時間帯及び余暇に充てられるべき時間帯(次条において「余暇時間帯」という。)を定め、これを受刑者に告知するものとする。
(余暇活動の援助等)
第六十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上支障を生ずるおそれがない限り、余暇時間帯において自己契約作業(その者が刑事施設の外部の者との請負契約により行う物品の製作その他の作業をいう。次項において同じ。)を行うことを許すものとする。
2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者に対し、自己契約作業、知的、教育的及び娯楽的活動、運動競技その他の余暇時間帯における活動について、援助を与えるものとする。
(公務所等への照会)
第七十条 刑事施設の長は、受刑者の資質及び環境の調査のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
第二節 作業
(懲役受刑者の作業)
第七十一条 懲役受刑者に行わせる作業は、懲役受刑者ごとに、刑事施設の長が指定する。
(禁錮受刑者等の作業)
第七十二条 刑事施設の長は、禁錮受刑者又は拘留受刑者が刑事施設の長の指定する作業を行いたい旨の申出をした場合には、法務省令で定めるところにより、その作業を行うことを許すことができる。
(作業の実施)
第七十三条 作業は、できる限り、受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるように実施するものとする。
2 受刑者に職業に関する免許若しくは資格を取得させ、又は職業に必要な知識及び技能を習得させる必要がある場合において、相当と認めるときは、これらを目的とする訓練を作業として実施する。
(作業の条件等)
第七十四条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、一日の作業時間及び作業を行わない日を定める。
2 刑事施設の長は、作業を行う受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。
3 受刑者は、前項の規定により刑事施設の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
4 第二項の規定により刑事施設の長が講ずべき措置及び前項の規定により受刑者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。
(外部通勤作業)
第七十五条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため必要があるときは、刑事施設の職員の同行なしに、その受刑者を刑事施設の外の事業所(以下この条において「外部事業所」という。)に通勤させて作業を行わせることができる。
2 前項の規定による作業(以下「外部通勤作業」という。)は、外部事業所の業務に従事し、又は外部事業所が行う職業訓練を受けることによって行う。
3 受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、当該外部事業所の事業主(以下この条において「外部事業主」という。)との間において、受刑者の行う作業の種類、作業時間、受刑者の安全及び衛生を確保するため必要な措置その他外部通勤作業の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。
4 刑事施設の長は、受刑者に外部通勤作業を行わせる場合には、あらかじめ、その受刑者が外部通勤作業に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその受刑者に告知するものとする。
5 特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
一 指定された経路及び方法により移動しなければならないこと。
二 指定された時刻までに刑事施設に帰着しなければならないこと。
三 正当な理由なく、外部通勤作業を行う場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。
四 外部事業主による作業上の指示に従わなければならないこと。
五 正当な理由なく、犯罪性のある者その他接触することにより矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。
6 刑事施設の長は、外部通勤作業を行う受刑者が遵守事項又は特別遵守事項を遵守しなかった場合その他外部通勤作業を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。
(作業収入)
第七十六条 作業の実施による収入は、国庫に帰属する。
(作業報奨金)
第七十七条 刑事施設の長は、作業を行った受刑者に対しては、釈放の際(その者が受刑者以外の被収容者となったときは、その際)に、その時における報奨金計算額に相当する金額の作業報奨金を支給するものとする。
2 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、毎月、その月の前月において受刑者が行った作業に対応する金額として、法務大臣が定める基準に従い、その作業の成績その他就業に関する事項を考慮して算出した金額を報奨金計算額に加算するものとする。ただし、釈放の日の属する月における作業に係る加算は、釈放の時に行う。
3 前項の基準は、作業の種類及び内容、作業に要する知識及び技能の程度等を考慮して定める。
4 刑事施設の長は、受刑者がその釈放前に作業報奨金の支給を受けたい旨の申出をした場合において、その使用の目的が、自弁物品等の購入、親族の生計の援助、被害者に対する損害賠償への充当等相当なものであると認めるときは、第一項の規定にかかわらず、法務省令で定めるところにより、その支給の時における報奨金計算額に相当する金額の範囲内で、申出の額の全部又は一部の金額を支給することができる。この場合には、その支給額に相当する金額を報奨金計算額から減額する。
5 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに刑事施設に収容されなかったときは、その者の報奨金計算額は、零とする。
一 逃走したとき 逃走した日
二 第六十条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき 避難を必要とする状況がなくなった日
三 外部通勤作業又は第八十五条第一項の規定による外出若しくは外泊の場合において、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかったとき その日
(遺族等への給付)
第七十八条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その時に釈放したとするならばその受刑者に支給すべき作業報奨金に相当する金額を支給するものとする。
(手当金)
第七十九条 刑事施設の長は、受刑者が作業上死亡した場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者がその負傷又は疾病により死亡したときを含む。)には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、死亡手当金を支給するものとする。
2 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が治った場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が治ったときを含む。)において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給するものとする。ただし、その者が故意又は重大な過失によって負傷し、又は疾病にかかったときは、その全部又は一部を支給しないことができる。
3 前二項の規定により支給する手当金の額は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)に基づく災害補償の額に関する基準を参酌して法務省令で定める基準に従い算出した金額とする。
4 刑事施設の長は、作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が釈放の時になお治っていない場合(作業上負傷し、又は疾病にかかった受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合において、その被収容者が釈放の時になお治っていないときを含む。)において、その傷病の性質、程度その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給するものとする。
(損害賠償との調整)
第八十条 国が国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)、民法(明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。
2 前項に規定する場合において、前条の手当金の支給を受けるべき者が、同一の事由につき国家賠償法、民法その他の法律による損害賠償を受けたときは、国は、その価額の限度において同条の手当金の支給の義務を免れる。
(手当金の支給を受ける権利の保護等)
第八十一条 第七十九条の手当金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
2 第七十九条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課してはならない。
第三節 各種指導
(改善指導)
第八十二条 刑事施設の長は、受刑者に対し、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な指導を行うものとする。
2 次に掲げる事情を有することにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し前項の指導を行うに当たっては、その事情の改善に資するよう特に配慮しなければならない。
一 麻薬、覚せい剤その他の薬物に対する依存があること。
二 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員であること。
三 その他法務省令で定める事情
(教科指導)
第八十三条 刑事施設の長は、社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対しては、教科指導(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による学校教育の内容に準ずる内容の指導をいう。次項において同じ。)を行うものとする。
2 刑事施設の長は、前項に規定するもののほか、学力の向上を図ることが円滑な社会復帰に特に資すると認められる受刑者に対し、その学力の状況に応じた教科指導を行うことができる。
(指導の日及び時間)
第八十四条 刑事施設の長は、法務省令で定める基準に従い、前二条の規定による指導を行う日及び時間を定める。
第四節 外出及び外泊
(外出及び外泊)
第八十五条 刑事施設の長は、刑法第二十八条(国際受刑者移送法第二十一条において読み替えて適用する場合を含む。)、少年法第五十八条又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過した懲役受刑者又は禁錮受刑者が、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その円滑な社会復帰を図るため、刑事施設の外において、その者が、釈放後の住居又は就業先の確保その他の一身上の重要な用務を行い、更生保護に関係のある者を訪問し、その他その釈放後の社会生活に有用な体験をする必要があると認めるときは、刑事施設の職員の同行なしに、外出し、又は七日以内の期間を定めて外泊することを許すことができる。ただし、外泊については、その受刑者に係る刑が六月以上執行されている場合に限る。
2 第七十五条第四項、第五項(第四号を除く。)及び第六項の規定は、前項の規定による外出及び外泊について準用する。
(刑期不算入)
第八十六条 前条第一項の規定による外泊をした者が、刑事施設の長が指定した日時までに刑事施設に帰着しなかった場合には、その外泊の期間は、刑期に算入しない。ただし、自己の責めに帰することのできない事由によって帰着することができなかった場合は、この限りでない。
(外出等に要する費用)
第八十七条 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊に要する費用については、受刑者が負担することができない場合又は刑事施設の長が相当と認める場合には、その全部又は一部を国庫の負担とする。
第十章 外部交通
第一節 通則
(外部交通についての留意事項)
第八十八条 この章の定めるところにより、受刑者に対し、外部交通(面会、信書の発受及び第百一条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)を行うことを許し、又はこれを禁止し、差し止め、若しくは制限するに当たっては、適正な外部交通が受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するものであることに留意しなければならない。
第二節 面会
(面会の相手方)
第八十九条 刑事施設の長は、受刑者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、これを許すものとする。
一 受刑者の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第九十五条において同じ。)
二 婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者
三 受刑者の更生保護に関係のある者、受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者
2 刑事施設の長は、受刑者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり、かつ、面会により受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認めるときは、これを許すことができる。
(面会の立会い等)
第九十条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条の面会に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。ただし、受刑者が次に掲げる者と面会する場合には、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、この限りでない。
一 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関の職員
二 自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士
(面会の一時停止及び終了)
第九十一条 刑事施設の職員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。この場合においては、面会の一時停止のため、受刑者又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。
一 受刑者又は面会の相手方が次のイ又はロのいずれかに該当する行為をするとき。
イ 次条第一項の規定による制限に違反する行為
ロ 刑事施設の規律及び秩序を害する行為
二 受刑者又は面会の相手方が次のイからホまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。
イ 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できないもの
ロ 犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの
ハ 刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの
ニ 受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれのあるもの
ホ 特定の用務の処理のため必要であることを理由として許された面会において、その用務の処理のため必要な範囲を明らかに逸脱するもの
2 刑事施設の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。
(面会に関する制限)
第九十二条 刑事施設の長は、第八十九条の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日及び時間帯、面会の時間及び回数その他面会の態様について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一月につき二回を下回ってはならない。
第三節 信書の発受
(信書の発受)
第九十三条 受刑者が信書を発受することは、この節、第百三条及び次章の規定による場合のほか、これを禁止し、差し止め、又は制限してはならない。
(信書の検査)
第九十四条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、受刑者が発受する信書について、検査を行わせることができる。
2 次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第三号に掲げる信書について、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。
一 受刑者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書
二 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書
三 受刑者が自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人を含む。第九十六条第二項において同じ。)との間で発受する信書
(信書の発受の禁止)
第九十五条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。
(信書の内容による差止め等)
第九十六条 刑事施設の長は、第九十四条の規定による検査の結果、受刑者が発受する信書について、その全部又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。
一 暗号の使用その他の理由によって、刑事施設の職員が理解できない内容のものであるとき。
二 発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。
三 発受によって、刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。
四 威迫にわたる記述又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。
五 受信者を著しく侮辱する記述があるとき。
六 発受によって、受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
2 前項の規定にかかわらず、受刑者が国又は地方公共団体の機関に対して発する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び受刑者が弁護士との間で発受する信書であってその受刑者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除若しくは抹消は、その部分の全部又は一部が前項第一号から第三号までのいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。
(信書に関する制限)
第九十七条 刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、受刑者が発する信書の作成要領及び通数並びに受刑者の信書の発受の方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
2 前項の規定により受刑者が発する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一月につき四通を下回ってはならない。
(発信に要する費用)
第九十八条 信書の発信に要する費用については、受刑者が負担することができない場合において、刑事施設の長が発信の目的に照らし相当と認めるときは、その全部又は一部を国庫の負担とする。
(発受を禁止した信書等の取扱い)
第九十九条 刑事施設の長は、第九十五条、第九十六条又は第百三条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第九十六条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。
2 刑事施設の長は、第九十六条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。
3 刑事施設の長は、受刑者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部若しくは一部又は複製をその者に引き渡すものとする。ただし、その引渡しにより刑事施設の規律及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
4 前項ただし書の規定により引き渡さない信書の全部若しくは一部又は複製は、釈放の日から三年間、保管するものとする。
(受刑者作成の文書図画)
第百条 刑事施設の長は、受刑者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、受刑者が発する信書に準じて検査その他の措置を執ることができる。
第四節 電話等による通信
(電話等による通信)
第百一条 刑事施設の長は、受刑者に対し、第六十五条第二項の規定により開放的施設において処遇を受けていることその他の法務省令で定める事由に該当する場合において、その者の改善更生又は円滑な社会復帰に資すると認めるときその他相当と認めるときは、電話その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。
2 第九十八条の規定は、前項の通信について準用する。
(通信の確認等)
第百二条 刑事施設の長は、刑事施設の規律及び秩序の維持、受刑者の矯正処遇の適切な実施その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させることができる。
2 第九十一条第一項(第一号イを除く。)及び第二項の規定は、前条第一項の通信について準用する。
第五節 雑則
(外国語による面会等)
第百三条 刑事施設の長は、受刑者又はその面会等(面会又は第百一条第一項に規定する通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。この場合において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その受刑者にその費用を負担させることができる。
2 刑事施設の長は、受刑者又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その受刑者にその費用を負担させることができる。
3 受刑者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等又は信書の発受を許さない。
第十一章 賞罰
(褒賞)
第百四条 刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、法務省令で定めるところにより、賞金又は賞品の授与その他の方法により褒賞を行うことができる。
一 人命を救助したとき。
二 第五十九条第一項に規定する応急の用務に服して、功労があったとき。
三 前二号に掲げるもののほか、賞揚に値する行為をしたとき。
(懲罰の要件等)
第百五条 刑事施設の長は、受刑者が、遵守事項若しくは第七十五条第四項(第八十五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する特別遵守事項を遵守せず、又は第五十一条第三項の規定に基づき刑事施設の職員が行った指示に従わなかった場合には、その受刑者に懲罰を科することができる。
2 懲罰を科するに当たっては、懲罰を科せられるべき行為(以下この章において「反則行為」という。)をした受刑者の年齢、心身の状態及び行状、反則行為の性質、軽重、動機及び刑事施設の運営に及ぼした影響、反則行為後におけるその受刑者の態度、懲罰がその受刑者の改善更生に及ぼす影響その他の事情を考慮しなければならない。
3 懲罰は、反則行為を抑制するのに必要な限度を超えてはならない。
(懲罰の種類)
第百六条 懲罰の種類は、次のとおりとする。
一 戒告
二 第七十二条の規定による作業の十日以内の停止
三 第十八条の規定による自弁の物品の使用又は摂取の一部又は全部の十五日以内の停止
四 書籍等(被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められるものを除く。次条第一項第三号において同じ。)の閲覧の一部又は全部の三十日以内の停止
五 報奨金計算額の三分の一以内の削減
六 三十日以内(懲罰を科する時に二十歳以上の受刑者について、特に情状が重い場合には、六十日以内)の閉居
2 前項第二号から第五号までの懲罰にあっては二種類以上を併せて、同項第六号の懲罰(以下この章において「閉居罰」という。)にあっては同項第五号の懲罰と併せて科することができる。
(閉居罰の内容)
第百七条 閉居罰においては、次に掲げる行為を停止し、法務省令で定めるところにより、居室内において謹慎させる。
一 第十八条の規定により自弁の物品(刑事施設の長が指定する物品を除く。)を使用し、又は摂取すること。
二 宗教上の儀式行事に参加し、又は他の受刑者と共に宗教上の教誨を受けること。
三 書籍等を閲覧すること。
四 第六十九条第一項に規定する自己契約作業を行うこと。
五 面会すること(弁護人等と面会する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。
六 信書を発受すること(弁護人等との間で信書を発受する場合及び被告人若しくは被疑者としての権利の保護又は訴訟の準備その他の権利の保護に必要と認められる場合を除く。)。
2 閉居罰を科されている受刑者には、謹慎の趣旨に反しない限度において、矯正処遇等を行うものとする。
3 閉居罰を科されている受刑者については、第三十四条の規定にかかわらず、その健康の保持に支障を生じない限度において、法務省令で定める基準に従い、運動を制限する。
(反則行為に係る物の国庫への帰属)
第百八条 刑事施設の長は、懲罰を科する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要があるときは、次に掲げる物を国庫に帰属させることができる。ただし、反則行為をした受刑者以外の者に属する物については、この限りでない。
一 反則行為を組成した物
二 反則行為の用に供し、又は供しようとした物
三 反則行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は反則行為の報酬として得た物
四 前号に掲げる物の対価として得た物
(反則行為の調査)
第百九条 刑事施設の長は、受刑者が反則行為をした疑いがあると思料する場合には、反則行為の有無及び第百五条第二項の規定により考慮すべき事情並びに前条の規定による処分の要件の有無について、できる限り速やかに調査を行わなければならない。
2 刑事施設の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑務官に、受刑者の身体、着衣、所持品及び居室を検査させ、並びにその所持品を取り上げて一時保管させることができる。この場合においては、第十六条第二項の規定を準用する。
3 刑事施設の長は、第一項に規定する場合において、必要があるときは、法務省令で定めるところにより、反則行為をした疑いのある受刑者を他の被収容者から隔離することができる。この場合においては、その者の処遇は、運動、入浴又は面会の場合その他の法務省令で定める場合を除き、昼夜、居室において行う。
4 前項の規定による隔離の期間は、二週間とする。ただし、刑事施設の長は、やむを得ない事由があると認めるときは、二週間に限り、その期間を延長することができる。
5 刑事施設の長は、前項の期間中であっても、隔離の必要がなくなったときは、直ちにその隔離を中止しなければならない。
(懲罰を科する手続)
第百十条 刑事施設の長は、受刑者に懲罰を科そうとする場合には、法務省令で定めるところにより、その聴取をする三人以上の職員を指名した上、その受刑者に対し、弁解の機会を与えなければならない。この場合においては、その受刑者に対し、あらかじめ、書面で、弁解をすべき日時又は期限及び懲罰(第百八条の規定による処分を含む。次項及び次条において同じ。)の原因となる事実の要旨を通知するとともに、受刑者を補佐すべき者を刑事施設の職員のうちから指名しなければならない。
2 前項前段の規定による指名を受けた職員は、懲罰を科することの適否及び科すべき懲罰の内容について協議し、これらの事項についての意見及び受刑者の弁解の内容を記載した報告書を刑事施設の長に提出しなければならない。
(懲罰の執行)
第百十一条 刑事施設の長は、懲罰を科するときは、受刑者に対し、懲罰の内容及び懲罰の原因として認定した事実の要旨を告知した上、直ちにその執行をするものとする。ただし、反省の情が著しい場合その他相当の理由がある場合には、その執行を延期し、又はその全部若しくは一部の執行を免除することができる。
2 刑事施設の長は、閉居罰の執行に当たっては、その受刑者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴かなければならない。
第十二章 不服申立て
第一節 審査の申請及び再審査の申請
(審査の申請)
第百十二条 次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。
一 第二十六条の規定による領置されている現金の使用又は第二十七条の規定による保管私物若しくは領置されている金品の交付を許さない処分
二 第四十条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分又は同条第四項の規定による診療の中止
三 第四十四条に規定する宗教上の行為の禁止又は制限
四 第四十七条第一項又は第四十八条の規定による書籍等の閲覧の禁止又は制限
五 第四十七条第二項の規定による費用を負担させる処分
六 第五十三条第一項の規定による隔離
七 第七十七条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分
八 第七十九条第二項(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分
九 第七十九条第四項(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分
十 第九十五条、第九十六条、第九十七条第一項又は第百条の規定による信書の発受又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限
十一 第九十九条第三項の規定による信書の全部若しくは一部又は複製の引渡しをしない処分
十二 第百三条第一項又は第二項の規定による費用を負担させる処分
十三 第百五条第一項の規定による懲罰
十四 第百八条の規定による物を国庫に帰属させる処分
十五 第百九条第三項の規定による隔離
2 審査の申請は、これを行う者が自らしなければならない。
(審査の申請期間)
第百十三条 審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
2 天災その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。
3 行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第十四条第四項の規定は、審査の申請期間の計算について準用する。
(行政不服審査法の準用)
第百十四条 行政不服審査法第十五条第一項、第二項及び第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。この場合において、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは「正本を」と、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(調査)
第百十五条 矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。
2 矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告若しくは資料その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。
(裁決)
第百十六条 矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。
2 行政不服審査法第四十条第一項から第五項まで、第四十一条、第四十二条並びに第四十三条第一項及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。この場合において、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(再審査の申請)
第百十七条 審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。
2 再審査の申請は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条及び前条第一項並びに行政不服審査法第十四条第三項及び第四項、第十五条第一項、第二項及び第四項、第二十一条、第三十四条第一項、第二項及び第六項、第三十五条から第三十七条まで、第三十九条、第四十条第一項から第五項まで、第四十一条第一項、第四十二条、第四十三条第一項及び第二項並びに第五十五条の規定は、再審査の申請について準用する。この場合において、同法第三十四条第二項中「審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは「職権で」と、同法第四十二条第三項中「掲示し、かつ、その旨を官報その他の公報又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは「掲示して」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二節 事実の申告
(矯正管区の長に対する事実の申告)
第百十八条 受刑者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。
一 身体に対する違法な有形力の行使
二 違法又は不当な捕縄、手錠又は拘束衣の使用
三 違法又は不当な保護室への収容
2 前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項及び第百十五条並びに行政不服審査法第十四条第四項、第十八条第一項及び第四項、第十九条、第二十一条、第三十六条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、同法第十八条第一項中「正本及び副本を処分庁又は」とあるのは、「正本を」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(通知)
第百十九条 前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。
2 前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
3 第百十六条第一項及び行政不服審査法第四十一条の規定は、前二項の規定による通知について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置その他の措置を執るものとする。
(法務大臣に対する事実の申告)
第百二十条 受刑者は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百十八条第一項に規定する事実を申告することができる。
2 前項の規定による申告は、前条第一項又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
3 第百十二条第二項、第百十三条第二項、第百十五条、第百十六条第一項並びに前条第一項、第二項及び第四項並びに行政不服審査法第十四条第四項、第二十一条、第三十六条、第三十九条及び第四十一条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三節 苦情の申出
(法務大臣に対する苦情の申出)
第百二十一条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。
(監査官に対する苦情の申出)
第百二十二条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない。
4 前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。
(刑事施設の長に対する苦情の申出)
第百二十三条 受刑者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、口頭又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。
2 第百十二条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
3 受刑者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。
4 第百二十一条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。
第四節 雑則
(秘密申立て)
第百二十四条 刑事施設の長は、受刑者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請又は第百十八条第一項若しくは第百二十条第一項の規定による申告をいう。次項及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。
2 第九十四条の規定にかかわらず、審査の申請等又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。
(不利益取扱いの禁止)
第百二十五条 刑事施設の職員は、受刑者が審査の申請等又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
第十三章 釈放
(釈放時限)
第百二十六条 受刑者の釈放は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に、できる限り速やかに行う。
一 釈放すべき日があらかじめ定められている場合 その日の午前中
二 不定期刑の終了による場合 犯罪者予防更生法(昭和二十四年法律第百四十二号)第四十八条第三項の通知が刑事施設に到達した日の翌日の午前中
三 政令で行われる恩赦による場合であって、当該恩赦に係る政令の規定の公布の日が釈放すべき日となる場合 その日のうち
四 前三号に掲げる場合以外の場合 釈放の根拠となる文書が刑事施設に到達した時から十時間以内
(傷病による滞留)
第百二十七条 刑事施設の長は、釈放すべき受刑者が刑事施設内において医療を受けている場合において、釈放によってその生命に危険が及び、又はその健康に回復し難い重大な障害が生ずるおそれがあるときは、その者が刑事施設に一時とどまることを許すことができる。
2 前項の規定により刑事施設にとどまる者の処遇については、その性質に反しない限り、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律中の被勾留者に関する規定を準用する。
(帰住旅費等の支給)
第百二十八条 釈放される受刑者に対しては、その帰住を助けるため必要な旅費又は衣類を支給するものとする。
第十四章 死亡
(死亡の通知)
第百二十九条 刑事施設の長は、受刑者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因及び日時並びに交付すべき遺留物又は支給すべき作業報奨金に相当する金額若しくは死亡手当金があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。
(死体に関する措置)
第百三十条 受刑者が死亡した場合において、その死体の埋葬又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬又は火葬は、刑事施設の長が行うものとする。
2 前項に定めるもののほか、受刑者の死体に関する措置については、法務省令で定める。
第十五章 被勾留受刑者等の処遇
(被勾留受刑者)
第百三十一条 被勾留受刑者についての第二十三条第一項、第二十七条、第四十七条第一項及び第六十一条第一項の規定の適用については、第二十三条第一項中「該当するとき」とあるのは「該当し、又は刑事訴訟法の定めるところにより被勾留受刑者が交付を受けることが禁じられ、若しくは制限されている物品であるとき」と、第二十七条ただし書中「おそれがあるとき」とあるのは「おそれがあるとき、又は刑事訴訟法の定めるところにより他の者に交付することが禁じられ、若しくは制限されているとき」と、第四十七条第一項第二号中「おそれ」とあるのは「おそれ又は罪証の隠滅の結果を生ずるおそれ」と、第六十一条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「刑事訴訟法の規定により勾留される者としての地位を損なわない限度で、かつ、勾留される期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」とする。
2 被勾留受刑者については、第六十三条から第六十五条まで、第七十五条、第九章第四節及び第十章の規定は、適用しない。
3 被勾留受刑者については、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第十五条、第十七条及び第九章の規定を準用する。
(勾留されていない被告人又は被疑者である受刑者)
第百三十二条 被告人又は被疑者である受刑者であって刑事訴訟法の規定により勾留されていないもの(各種被収容者としての地位を有するものを除く。)が弁護人等と面会し、又は弁護人等との間において信書の発受をする場合については、被勾留者の弁護人等との面会又は信書の発受の例による。
(各種被収容者である受刑者)
第百三十三条 各種被収容者としての地位を有する受刑者の処遇については、被勾留受刑者の例による。
第十六章 受刑者の処遇に関する特例
(金品の取扱いに関する特例)
第百三十四条 受刑者以外の被収容者が受刑者となったときは、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律又はこれに基づく命令の規定により領置されているその者の金品は、第二十一条第二号に掲げる金品とみなして、第二十四条の規定を適用する。
2 受刑者が受刑者以外の被収容者となったときは、保管私物又は領置されている金品は、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律又はこれに基づく命令の規定により領置されたものとみなす。
(子の養育に関する特例)
第百三十五条 第四十三条第一項又は第二項の規定により子を養育している受刑者が受刑者以外の被収容者となった場合におけるその子の養育については、なお受刑者の例による。
(作業賞与金に関する特例)
第百三十六条 受刑者以外の被収容者が受刑者となった場合において、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第二十七条第二項の規定による未支給の作業賞与金があるときは、速やかに、これを支給するものとする。
(懲罰に関する特例)
第百三十七条 第百五条から第百十一条までの規定は、受刑者以外の被収容者がした刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為であって、その者が受刑者となったときにまだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、第百六条第一項第三号中「物品」とあるのは「衣類及び食事」と、同条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第三号から第五号まで」と、第百七条第一項中「次に」とあるのは「第二号及び第四号から第六号までに」とする。
2 受刑者以外の被収容者に科され、その者が受刑者となったときにまだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、その後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日からその者が受刑者となる前に執行した期間を除いた期間、第二号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)からその者が受刑者となる前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。
一 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰(同項第八号の懲罰に併科されたものを除く。)であって、その者が受刑者となる前に執行した期間が三十日に満たないもの 第百六条第一項第四号の懲罰
二 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第八号の懲罰であって、その者が受刑者となる前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの 第百六条第一項第六号の懲罰
3 前項の規定により同項第二号に掲げる懲罰の執行をする場合には、これに刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰が併科されていた場合を除き、第百七条第一項第三号に掲げる行為を停止してはならない。
4 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第五十九条、第六十条(第一項第六号及び第九号を除く。)及び第六十二条の規定は、受刑者がした第百五条第一項の規定により懲罰を科されるべき行為であって、その者が受刑者以外の被収容者となったときにまだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、同法第六十条第一項第二号中「三月」とあるのは「三十日」と、同項第八号中「二月」とあるのは「三十日(懲罰ヲ科ス時二十歳以上ノ者ニ付キ特ニ情状重キトキハ六十日)」とする。
5 受刑者に科され、その者が受刑者以外の被収容者となったときにまだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、その後も執行するものとする。
一 第百六条第一項第二号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第三号の懲罰
二 第百六条第一項第三号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第四号の懲罰
三 第百六条第一項第四号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰
四 第百六条第一項第六号の懲罰 刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第六十条第一項第二号の懲罰、同項第四号の懲罰及び同項第八号の懲罰を併科したもの
(審査の申請等に関する規定の準用)
第百三十八条 第十二章第一節及び第四節の規定は、前条第二項の規定により執行する懲罰に係る不服について準用する。この場合において、第百十三条第一項中「措置の告知があった日」とあるのは、「受刑者となった日」と読み替えるものとする。
(事実の申告に関する特例)
第百三十九条 第十二章第二節の規定は、受刑者以外の被収容者が受刑者となった場合においてその者が受刑者となる前にされた刑事施設の職員による行為については、適用しない。
(苦情の申出に関する特例)
第百四十条 受刑者以外の被収容者が刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第七条の規定により行った情願であって、その者が受刑者となったときにまだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては第百二十一条第一項の規定により行った苦情の申出と、監査官に係るものにあっては第百二十二条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。
第三編 補則
第一章 被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇
第百四十一条 被勾留者その他の被収容者の収容及び処遇については、この法律に定めるもののほか、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の定めるところによる。
第二章 労役場及び監置場
(労役場及び監置場の附置等)
第百四十二条 労役場及び監置場は、それぞれ、法務大臣が指定する刑事施設に附置する。
2 監置の裁判の執行を受ける者は、最寄りの地に監置場がないとき、又は最寄りの監置場に留置の余力がないときは、刑事施設内の特に区別した場所に留置することができる。
3 労役場及び監置場については、第五条、第六条、第十一条及び第十二条の規定を準用する。
4 委員会は、刑事施設に附置された労役場及び監置場の運営に関しても、第七条第二項に規定する事務を行うものとする。この場合においては、第九条及び第十条の規定を準用する。
(労役場留置者)
第百四十三条 労役場に留置されている者(以下「労役場留置者」という。)については、この法律に特別の定めがあるもののほか、その性質に反しない限り、この法律中の懲役受刑者に関する規定を準用する。
(被監置者の処遇)
第百四十四条 監置場に留置されている者(次項において「被監置者」という。)の処遇については、次項に定めるもののほか、刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律の定めるところによる。
2 第百三十四条第一項、第百三十六条、第百三十七条第一項から第三項まで及び第百三十八条から第百四十条までの規定は被監置者が受刑者となった場合について、第百三十四条第二項、第百三十五条並びに第百三十七条第四項及び第五項の規定は受刑者が被監置者となった場合について、それぞれ準用する。
第三章 司法警察職員
第百四十五条 刑事施設の長は、刑事施設における犯罪(労役場及び監置場における犯罪を含む。次項において同じ。)について、刑事訴訟法の規定による司法警察員としての職務を行う。
2 刑事施設の職員(刑事施設の長を除く。)であって、刑事施設の長がその刑事施設の所在地を管轄する地方裁判所に対応する検察庁の検事正と協議をして指名したものは、刑事施設における犯罪について、法務大臣の定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員としての職務を行う。
第四章 警察留置場
第一節 警察留置場の管理運営等
(警察留置場の管理運営)
第百四十六条 警察留置場(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第二条の規定により刑事施設に代用される警察官署に附属する留置場をいう。以下同じ。)の管理運営については、第一編の規定中第四条(第一項第一号に係る部分を除く。)、第七条から第十条まで及び第十三条の規定は、適用しない。
2 警察留置場の管理運営について第一編の規定を適用する場合においては、第五条中「法務大臣は」とあるのは「警視総監又は道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面以外の方面にあっては、方面本部長。以下「警察本部長」という。)は、都道府県公安委員会の定めるところにより」と、「期するため、その職員のうちから監査官を指名し」とあるのは「期するため」と、「これに」とあるのは「その指定する職員に」と、第六条中「刑事施設の長」とあるのは「警察本部長」と、第十二条中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務を管理する者(警視庁、道府県警察本部又は方面本部に置かれる警察留置場にあっては警察本部長、警察署に置かれる警察留置場にあっては警察署長。以下「留置業務管理者」という。)」とする。
(巡察)
第百四十七条 警察庁長官は、国家公安委員会の定めるところにより、警察留置場に留置されている者の処遇の斉一を図り、この法律の適正な施行を期するため、その指定する職員に警察留置場を巡察させるものとする。
第二節 警察留置場における受刑者の処遇
(警察留置場における受刑者の処遇)
第百四十八条 警察留置場における受刑者の処遇については、第二編の規定中第十五条(第一項第八号に係る部分に限る。)、第十九条(第一項第二号及び第四号に係る部分に限る。)、第三十一条(第一項第三号に係る部分に限る。)、第三十七条第一項、第三十九条第二項、第四十三条、第四十九条第二項、第五十一条(第二項第九号に係る部分に限る。)、第五十三条、第五十四条、第五十七条から第五十九条まで、第九章、第十章第四節、第十一章、第百十二条(第一項第六号から第九号まで及び第十三号から第十五号までに係る部分に限る。)、第百十七条、第百二十条、第百二十二条、第百二十七条、第百三十条、第百三十五条から第百三十八条まで及び第百四十条の規定は、適用しない。
2 警察留置場における受刑者の処遇について第二編の規定を適用する場合においては、これらの規定中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、「法務省令」とあるのは「内閣府令・法務省令」と、「刑務官」とあるのは「留置業務に従事する警察官」と、「国庫」とあるのは「警察留置場の属する都道府県」と、「矯正管区の長」とあるのは「警察本部長」とするほか、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第十七条第一項第一号
衣類及び寝具
寝具
第三十九条第一項
刑事施設の職員である医師等
医師等
第四十条第一項
刑事施設の職員でない医師等
医師等
刑事施設内において、自弁により
自弁により
第四十条第二項
、又はその後にその受刑者に対して刑事施設において診療を行うため必要があるとき
必要があるとき
第五十五条第六項及び第五十六条第五項
刑事施設の職員である医師
医師
第百十八条第一項第二号
又は拘束衣
、拘束衣又は防声具
第百二十一条の見出し並びに同条第一項及び第三項
法務大臣
警察本部長
第百二十四条第一項
法務大臣若しくは監査官
警察本部長
第百三十一条第一項
、第四十七条第一項及び第六十一条第一項
及び第四十七条第一項
、第六十一条第一項中「矯正処遇として」とあるのは「刑事訴訟法の規定により勾留される者としての地位を損なわない限度で、かつ、勾留される期間を考慮して可能な範囲内で、矯正処遇として」とする
する
第百三十一条第二項
第六十三条から第六十五条まで、第七十五条、第九章第四節及び第十章
第十章第一節から第三節まで及び第五節
第百三十九条
第十二章第二節
第百十八条及び第百十九条
(警察留置場における防声具の使用)
第百四十九条 警察留置場においては、留置業務に従事する警察官は、受刑者が留置業務に従事する警察官の制止に従わず大声を発し続けて、警察留置場内の平穏な生活を乱し、その他警察留置場の規律及び秩序を害する場合において、他にこれを抑止する手段がないときは、留置業務管理者の命令により、防声具を使用することができる。ただし、拘束衣と同時に使用することはできない。
2 前項の場合において、防声具を効果的に使用するため必要があるときは、その使用と同時に捕縄又は手錠を使用することができる。
3 第五十五条第三項、第四項本文、第五項及び第六項の規定は、防声具の使用について準用する。この場合において、同条第三項、第五項及び第六項中「刑事施設の長」とあるのは「留置業務管理者」と、同条第三項中「刑務官」とあるのは「留置業務に従事する警察官」と、同条第六項中「使用し、又はその使用の期間を更新した」とあるのは「使用した」と、「刑事施設の職員である医師」とあるのは「医師」と読み替えるものとする。
4 防声具の制式は、内閣府令で定める。
第三節 雑則
(適用除外)
第百五十条 警察留置場については、第二章(第百四十二条第二項を除く。)の規定は、適用しない。
2 留置業務管理者及び警察留置場における留置業務に従事する警察官については、第百四十五条の規定は、適用しない。
(権限の委任)
第百五十一条 この法律の規定による警察本部長である留置業務管理者の権限に属する事務は、国家公安委員会規則で定めるところにより、その一部を警察本部長が指定する警視以上の階級にある警察官に委任することができる。
第五章 罰則
第百五十二条 第六十条第二項(第百四十三条において準用する場合を含む。)の規定により解放された受刑者又は労役場留置者が、第六十条第三項(第百四十三条において準用する場合を含む。)の規定に違反して刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、一年以下の懲役に処する。
2 受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合も、前項と同様とする。
一 外部通勤作業の場合において、そのための通勤の日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。
二 第八十五条第一項の規定による外出又は外泊の場合において、その外出の日又は外泊の期間の末日を過ぎて刑事施設に帰着しないとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三十三条の規定、附則第三十八条中国際受刑者移送法第二十一条の改正規定(「、犯罪者予防更生法」を「並びに犯罪者予防更生法」に改め、「並びに構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十一条及び第十一条の二」を削る部分に限る。)及び附則第三十九条の規定は、構造改革特別区域法の一部を改正する法律(平成十七年法律第五十七号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
(巡閲に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する年に行われた附則第十五条の規定による改正前の監獄法(明治四十一年法律第二十八号。以下「旧監獄法」という。)第四条第一項の規定による巡閲は、第五条の規定の適用については、同条の規定による実地監査とみなす。
(収容開始時の告知に関する特例)
第三条 第十五条第一項前段及び第二項の規定は、この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者についても、適用する。この場合において、同条第一項前段中「その刑事施設における収容の開始に際し」とあるのは、「この法律の施行後速やかに」とする。
(金品の取扱いに関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧監獄法又はこれに基づく命令の規定により領置されている受刑者の金品は、第二十一条第二号に掲げる金品とみなして、第二十四条の規定を適用する。
(遺留物の措置に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に刑事施設に存する死亡者及び逃走者の遺留物(受刑者及び労役場留置の言渡しを受けた者に係るものに限る。)の措置については、なお従前の例による。
(作業報奨金に関する経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、この法律の施行の際に、旧監獄法第二十七条第二項の規定による未支給の作業賞与金があるときは、その額を報奨金計算額に加算する。
2 第七十七条第二項の規定は、受刑者が施行日前に行った作業については、適用しない。
(手当金に関する経過措置)
第七条 第七十九条(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に受刑者が負傷し、又は疾病にかかった場合において、施行日以後に手当金の支給事由が生じたときについても、適用する。
2 受刑者について施行日前に支給事由が生じた旧監獄法第二十八条第一項(旧監獄法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による未支給の手当金(死亡に係るものを除く。)の支給は、旧監獄法第二十八条第二項の規定にかかわらず、この法律の施行後速やかに行うものとする。
(発受を禁止した信書等の取扱いに関する経過措置)
第八条 旧監獄法第四十七条第一項の規定により発受を許されなかった受刑者に係る信書であって、この法律の施行の際現に旧監獄法に基づく命令の規定により保管されているものは、第九十九条第一項の規定により保管されている信書とみなす。
(懲罰に関する経過措置)
第九条 第百五条から第百十一条までの規定は、施行日前に受刑者がした旧監獄法第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為であって、この法律の施行の際まだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、第百六条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第四号及び第五号」と、第百七条第一項中「次に」とあるのは「第一号、第二号及び第四号から第六号までに」とする。
2 施行日前に受刑者に科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、施行日以後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日から施行日前に執行した期間を除いた期間、第三号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)から施行日前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。
一 旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰(同項第十一号の懲罰に併科されたものを除く。)であって、施行日前に執行した期間が三十日に満たないもの 第百六条第一項第四号の懲罰
二 旧監獄法第六十条第一項第五号の懲罰 第百六条第一項第二号の懲罰
三 旧監獄法第六十条第一項第十一号の懲罰であって、施行日前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの 第百六条第一項第六号の懲罰
3 前項の規定により同項第三号に掲げる懲罰の執行をする場合には、これに旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰が併科されていた場合を除き、第百七条第一項第三号に掲げる行為を停止してはならない。
(審査の申請等に関する規定の準用)
第十条 第二編第十二章第一節及び第四節の規定は、前条第二項の規定により執行する懲罰に係る不服について準用する。この場合において、第百十三条第一項中「措置の告知があった日」とあるのは、「この法律の施行の日」と読み替えるものとする。
(事実の申告に関する経過措置)
第十一条 第二編第十二章第二節の規定は、受刑者に対し施行日前にされた刑事施設の職員による行為については、適用しない。
(情願に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者が施行日前に旧監獄法第七条の規定により行った情願であって、この法律の施行の際まだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては第百二十一条第一項の規定により行った苦情の申出と、巡閲官吏に係るものにあっては第百二十二条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。
(労役場等への準用)
第十三条 附則第二条の規定は、労役場及び監置場について準用する。この場合において、同条中「第四条第一項」とあるのは「第八条第三項において準用する旧監獄法第四条第一項」と、「第五条」とあるのは「第百四十二条第三項において準用する第五条」と読み替えるものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十四条 施行日前にした行為並びに附則第十六条及び第二十五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(監獄法の一部改正)
第十五条 監獄法の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律
本則(第十六条第一項及び第二項、第十八条第二項、第二十九条、第四十三条第二項並びに第六十一条を除く。)中「在監者」を「被収容者」に改める。
第一条から第六条までを次のように改める。
第一条 本法ニ於テ被収容者トハ刑事施設ニ収容シタル者ニシテ刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号ノ受刑者以外ノモノヲ謂フ
第二条 警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ刑事施設ニ代用スルコトヲ得但懲役又ハ禁錮ニ処セラレタル者ヲ一月以上継続シテ拘禁スルコトヲ得ズ
第三条乃至第六条 削除
第七条中「監獄」を「刑事施設」に、「巡閲官吏」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律ニ定ムル監査官」に改める。
第八条第三項中「前五条」を「前条」に改め、「労役場及ビ」を削り、同条第一項及び第二項を削る。
第九条中「拘禁許可状、仮拘禁許可状、拘禁状又ハ受入移送拘禁状ニ依リ監獄ニ拘禁シタル者、引致状ニ依リ監獄ニ留置シタル者、監置ニ処セラレタル者及ビ死刑ノ言渡ヲ受ケタル者」を「其他ノ被収容者及ビ監置場ニ留置シタル者」に改め、「準用シ懲役囚ニ適用ス可キ規定ハ労役場留置ノ言渡ヲ受ケタル者ニ之ヲ」を削る。
第十条を次のように改める。
第十条 削除
第二章の章名を次のように改める。
第二章 収容
第十一条中「入監スル」を「収容スル」に、「入監セシム」を「収容ス」に改める。
第十二条第一項中「入監スル」を「収容スル」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十三条中「入監スル」を「収容スル」に、「入監セシメザル」を「収容セザル」に改める。
第十四条中「入監スル」を「収容スル」に、「在監中」を「収容中」に改める。
第十六条を次のように改める。
第十六条 削除
第十七条中「監房」を「居室」に改める。
第十八条を次のように改める。
第十八条 削除
第十九条第一項中「監外」を「刑事施設外」に改める。
第二十条中「監獄官吏」を「刑務官」に、「剣又ハ銃」を「武器」に改める。
第二十二条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「二十四時間内ニ」を「避難ヲ必要トセザルニ至リタル後速ニ」に改める。
第二十三条第一項中「監獄官吏」を「刑務官」に改め、同条第二項を削る。
第二十四条第一項中「作業」を「前項ノ作業」に改め、「刑期、」を削り、同条に第一項として次の一項を加える。
刑事被告人作業ニ就カンコトヲ請フトキハ其選択スルモノニ就キ之ヲ許スコトヲ得
第二十五条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十六条を次のように改める。
第二十六条 削除
第二十九条及び第三十条を次のように改める。
第二十九条 被収容者教誨ヲ請フトキハ之ヲ許スコトヲ得
第三十条 削除
第三十二条中「受刑者及ビ」を削り、同条ただし書中「拘留囚及ビ監置ニ処セラレタル者ニハ」及び「ヲ許シ其他ノ者ニハ襯衣ノ自弁」を削る。
第三十三条第一項中「及ビ労役場留置ノ言渡ヲ受ケタル者」を削る。
第三十六条ただし書中「刑事被告人ノ頭髪鬚髯ハ」を削る。
第三十七条中「監房」を「居室」に改める。
第四十条中「病監」を「病室」に改める。
第四十一条ただし書を削る。
第四十三条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項を削る。
第四十五条第二項、第四十六条第二項及び第四十七条第一項中「受刑者及ビ」を削る。
第十一章の章名を次のように改める。
第十一章 懲罰
第五十八条を次のように改める。
第五十八条 削除
第六十条第一項中第二号及び第三号を削り、第四号を第二号とし、第五号から第九号までを二号ずつ繰り上げ、第十号を削り、第十一号を第八号とし、第十二号を第九号とする。
第六十一条を次のように改める。
第六十一条 削除
第六十三条中「、職権」を「又ハ職権」に改め、「又ハ刑期ノ終了」を削る。
第六十四条中「受ケ又ハ仮出獄若クハ仮出場ヲ許サレタル者」を「受ケタル者」に、「若クハ刑」を「又ハ刑」に改め、「又ハ許可書」を削り、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十五条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十六条から第六十八条までを次のように改める。
第六十六条乃至第六十八条 削除
第六十九条中「監獄」を「刑事施設」に、「在監セシムル」を「滞留セシムル」に改める。
第七十条中「若クハ」を「又ハ」に改め、「又ハ監獄行政ノ便宜ニ因リ移監セシメタルガ為メ帰住旅費ノ増加ヲ要スルニ至リタルトキ」を削り、「衣類又ハ旅費」を「旅費又ハ衣類」に改める。
第七十一条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第七十五条を削る。
(監獄法の一部改正に伴う解放に関する経過措置)
第十六条 施行日前に旧監獄法第二十二条第一項(旧監獄法第九条において準用する場合を含む。)の規定により解放された者の出頭については、なお従前の例による。
(刑法の一部改正)
第十七条 刑法の一部を次のように改正する。
目次中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第十一条、第十二条第二項及び第十三条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十六条中「拘留場」を「刑事施設」に改める。
第一編第五章の章名を次のように改める。
第五章 仮釈放
第二十八条の見出しを「(仮釈放)」に改め、同条中「出獄を許す」を「釈放する」に改める。
第二十九条の見出し及び同条第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第二項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「出獄中」を「釈放中」に改める。
(健康保険法等の一部改正)
第十八条 次に掲げる法律の規定中「監獄」を「刑事施設」に改める。
一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百十八条第一項第二号
二 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第十四条の二第一号
三 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二第五項
四 国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)第十二条第一号
五 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第五十八条の五
六 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第五十九条第二号
七 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第三十六条の二第一項第二号
八 地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)第二十八条第一号
九 老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第三十六条
十 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第六十三条
十一 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成十六年法律第百六十六号)第三条第二項第二号
(船員保険法の一部改正)
第十九条 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第一項第三号を次のように改める。
三 刑事施設、労役場其ノ他此等ニ準ズベキモノニ拘禁セラレタルトキ
(戸籍法の一部改正)
第二十条 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の一部を次のように改正する。
第五十六条中「監獄」を「刑事施設」に、「ともに」を「共に」に改める。
第九十条第一項中「監獄の」を「刑事施設の」に、「監獄所在地」を「刑事施設の所在地」に改め、同条第二項中「在監中」を「刑事施設に収容中」に、「添附しなければ」を「添付しなければ」に改める。
(刑事訴訟法の一部改正)
第二十一条 刑事訴訟法の一部を次のように改正する。
第六十四条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第六十五条第三項中「監獄に」を「刑事施設に」に、「監獄官吏に」を「刑事施設職員(刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員をいう。以下同じ。)に」に、「監獄官吏から」を「刑事施設職員から」に改める。
第七十条第二項中「監獄に」を「刑事施設に」に、「監獄官吏」を「刑事施設職員」に改める。
第七十三条第二項中「且つ」を「、かつ、」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第七十四条中「最寄の監獄」を「最寄りの刑事施設」に改める。
第七十五条、第七十八条及び第八十条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第九十八条第一項中「監獄官吏」を「刑事施設職員」に、「収監しなければ」を「刑事施設に収容しなければ」に改め、同条第二項中「収監する」を「刑事施設に収容する」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第三項中「収監」を「収容」に改める。
第二百八十六条の二中「監獄官吏」を「刑事施設職員」に改める。
第三百六十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「吏員」を「職員」に改める。
第三百六十七条中「監獄」を「刑事施設」に、「取下」を「取下げ」に改める。
第四百七十七条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「立会」を「立会い」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四百七十八条及び第四百八十一条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四百八十四条中「言渡」を「言渡し」に、「呼出」を「呼出し」に、「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十五条中「言渡」を「言渡し」に、「虞」を「おそれ」に、「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十六条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「判らない」を「分からない」に、「その収監」を「その者の刑事施設への収容」に改め、同条第二項中「収監状」を「収容状」に改める。
第四百八十七条中「収監状」を「収容状」に、「言渡」を「言渡し」に、「収監に」を「収容に」に改める。
第四百八十八条及び第四百八十九条中「収監状」を「収容状」に改める。
(検察審査会法の一部改正)
第二十二条 検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。
第六条第十四号を次のように改める。
十四 刑事施設の職員
(少年法の一部改正)
第二十三条 少年法の一部を次のように改正する。
第十七条の四第一項中「拘置監(監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項」を「刑事施設(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条」に改め、同条第三項中「拘置監」を「刑事施設」に改める。
第四十九条の見出し中「取扱」を「取扱い」に改め、同条第三項中「拘置監」を「刑事施設」に、「少年」を「少年(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号の受刑者(同条第六号の被勾留者又は同条第九号の各種被収容者としての地位を有するものを除く。)を除く。)」に改める。
第五十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十八条の見出しを「(仮釈放)」に改め、同条第一項中「には」を「については」に、「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
第五十九条の見出しを「(仮釈放期間の終了)」に改め、同条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「仮出獄を許された」を「仮釈放」に、「受け終つた」を「受け終わつた」に改め、同条第二項中「仮出獄を許された」を「仮釈放」に、「仮出獄前」を「仮釈放前」に改める。
(少年院法の一部改正)
第二十四条 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第十条の二中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十四条第五項中「収監状によつて収監しなければ」を「収容状によつて収容しなければ」に改める。
第十六条の二第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十七条の二中「最寄」を「最寄り」に、「拘置監」を「刑事施設」に、「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項」を「刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律第二十八号)第二条」に改め、「以下」の下に「この条において」を加える。
第十七条の六第一項中「監獄法第二十二条第一項、第四十三条、第四十四条及び第六十三条から第七十条まで」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第六十条、第百二十六条及び第百二十八条」に改め、同項に後段として次のように加える。
この場合において、同法第六十条第三項中「刑事施設又は刑事施設の長が指定した場所」とあるのは、「少年院若しくは刑事施設又は少年院の長が指定した場所」と読み替えるものとする。
第十七条の六第二項を次のように改める。
2 前項において準用する刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第六十条第二項の規定により解放された少年院収容受刑者が、前項において読み替えて準用する同条第三項の規定に違反して少年院若しくは刑事施設又は指定された場所に出頭しないときは、一年以下の懲役に処する。
(少年院法の一部改正に伴う解放に関する経過措置)
第二十五条 施行日前に前条の規定による改正前の少年院法第十七条の六第一項において準用する旧監獄法第二十二条第一項の規定により解放された少年院収容受刑者の出頭については、なお従前の例による。
(犯罪者予防更生法の一部改正)
第二十六条 犯罪者予防更生法の一部を次のように改正する。
目次中「仮釈放」を「仮釈放、仮出場及び仮退院」に改める。
第一条第一項中「仮釈放」を「仮釈放、仮出場及び仮退院」に改める。
第十二条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第一号中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同項第二号中「受け終つた」を「受け終わつた」に改める。
第三章第一節の節名を次のように改める。
第一節 仮釈放、仮出場及び仮退院
第二十八条中「監獄」を「刑事施設」に改め、「第四十八条の三」の下に「、第五十四条」を加え、「第五十八条に掲げる」を「第五十八条第一項に規定する」に、「並びに第四十七条及び第五十五条の二」を「及び第四十七条」に改める。
第二十九条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項中「在監在院中」を「刑事施設、労役場又は少年院に収容されている間」に、「入監入院」を「その収容」に改め、同条第二項中「仮出獄又は仮退院に」を「仮釈放又は仮退院に」に、「みずから」を「自ら」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第三十一条の見出し中「仮釈放」を「仮釈放等」に改め、同条第一項及び第二項中「もとずき、仮出獄」を「基づき、仮釈放」に改め、同条第三項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第三十二条中「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「且つ」を「かつ」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
第三十三条第一項中「左に」を「次に」に改め、同項第三号中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第四十二条の二第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第五項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「取消」を「取消し」に改める。
第四十四条の見出しを「(仮釈放の取消し)」に改め、同条第一項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に改め、同条第二項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に、「且つ」を「かつ」に改め、同条第三項中「刑事訴訟法中収監に関する」を「刑事訴訟法第四百八十四条から第四百八十九条までの」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「収監について」を「収容について」に改める。
第四十五条第一項中「仮出獄の取消」を「仮釈放の取消し」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第四項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第四十八条第一項中「言渡」を「言渡し」に、「仮出獄」を「仮釈放」に、「受け終つた」を「受け終わつた」に改め、同条第二項中「在監者(少年院収容受刑者を含む。第五十四条及び第五十五条の二において同じ。)」を「受刑者」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第三項及び第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第四十八条の三第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第三項中「拘禁されていた監獄」を「収容されていた刑事施設」に改め、同項ただし書中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
第五十条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改め、「(以下「収容施設」という。)」を削り、「収容施設の」を「刑事施設又は少年院の」に改め、同条第二項及び第三項中「収容施設」を「刑事施設又は少年院」に改める。
第五十二条の見出し中「在監者及び在院者の」を「社会復帰のための」に改め、同条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十四条第二項中「在監者」を「刑事施設又は労役場に収容されている者」に、「おびやかす」を「脅かす」に改める。
第五十五条の二第三項中「在監者又は在院者」を「刑事施設、労役場又は少年院に収容されている者」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十七条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第五十八条第一項中「なした」を「した」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(刑事補償法の一部改正)
第二十七条 刑事補償法(昭和二十五年法律第一号)の一部を次のように改正する。
第一条第三項中「収監状」を「収容状」に改める。
(公職選挙法の一部改正)
第二十八条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第四十八条の二第一項第三号中「監獄」を「刑事施設、労役場、監置場」に改める。
(出入国管理及び難民認定法の一部改正)
第二十九条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第二十五条の二第一項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第二号中「仮出獄を許されている」を「仮釈放中の」に改める。
第六十二条第三項中「(支所及び分院の長を含む。以下同じ。)」を削り、「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第四項中「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(逃亡犯罪人引渡法の一部改正)
第三十条 逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第七条第二項中「人違」を「人違い」に、「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに且つ」を「速やかに、かつ、」に改める。
第十五条の見出し中「引渡」を「引渡し」に改め、同条本文中「引渡の」を「引渡しの」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「引渡」を「引渡し」に、「監獄」を「刑事施設」に、「取消」を「取消し」に改める。
第十七条第一項中「監獄」を「刑事施設」に、「引渡を」を「引渡しを」に改め、同条第五項中「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに」を「速やかに」に、「引渡を」を「引渡しを」に改める。
第二十条第一項中「引渡」を「引渡し」に、「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に、「引渡」を「引渡し」に、「求」を「求め」に改める。
第二十二条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同条第五項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第六項中「取消」を「取消し」に、「監獄」を「刑事施設」に、「すみやかに」を「速やかに」に改める。
第二十七条第二項及び第二十九条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(執行猶予者保護観察法の一部改正)
第三十一条 執行猶予者保護観察法(昭和二十九年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(売春防止法の一部改正)
第三十二条 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。
第二十二条第三項中「婦人補導院若しくは監獄」を「婦人補導院の長若しくはその指名する婦人補導院の職員若しくは刑事施設の長若しくはその指名する刑事施設」に改める。
第二十八条第二項中「同法」を「予防更生法」に、「第五十条第一項」を「第五十条」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十一条中「第四十八条の三第二項」を「予防更生法第四十八条の三第二項」に、「監獄」を「刑事施設」に、「仮出獄」を「仮釈放」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第三十三条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第五十三号の二中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
(国際捜査共助等に関する法律の一部改正)
第三十四条 国際捜査共助等に関する法律(昭和五十五年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
第十九条第三項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第二十条第四項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十二条を次のように改める。
(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の特則)
第二十二条 第二十条第四項の規定による国内受刑者の要請国の官憲への引渡しは、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第二十九条、第三十条、第六十二条第一項、第七十七条第一項、第二項及び第四項、第七十九条第四項、第九十九条第三項及び第四項、第百十九条第一項(第百二十条第三項において準用する場合を含む。)、第百二十一条第三項(第百二十二条第四項及び第百二十三条第四項において準用する場合を含む。)並びに第二編第十三章の規定の適用については、釈放でないものとみなす。
2 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第三十一条(第一項第二号及び第三号を除く。)、第三十二条、第七十七条第五項(第一号に係る部分に限る。)、第七十八条及び第百二十九条の規定は、第二十条第四項の規定により要請国の官憲に引き渡した国内受刑者が逃走し、又は死亡した場合におけるその者に係る遺留物又は作業報奨金について準用する。
(国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三十五条 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二十八条第十項及び第三十二条第十一項中「とあるのは、」を「とあるのは」に、「読み替える」を「、同項第二号中「監獄」とあるのは「刑事施設」と読み替える」に改める。
(民事訴訟法の一部改正)
第三十六条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第百二条第三項中「在監者」を「刑事施設に収容されている者」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
(少年法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三十七条 少年法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第百四十二号)の一部を次のように改正する。
附則第二条第五項中「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
(国際受刑者移送法の一部改正)
第三十八条 国際受刑者移送法の一部を次のように改正する。
第十五条第二項及び第十六条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第十九条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「受入収監状」を「受入収容状」に改め、同条第三項中「受入収監状」を「受入収容状」に、「監獄官吏」を「刑事施設の長又はその指名する刑事施設の職員」に改め、同条第四項中「受入収監状」を「受入収容状」に、「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十一条中「、監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条、第三条から第七条まで、第十一条から第十六条まで、第十八条から第三十二条まで、第三十四条、第三十六条から第六十六条まで、第六十八条から第七十条まで及び第七十三条から第七十五条まで」を削り、「、犯罪者予防更生法」を「並びに犯罪者予防更生法」に改め、「並びに構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十一条及び第十一条の二」を削る。
第二十二条の見出し中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条中「には」を「については」に、「仮出獄を許す」を「仮釈放をする」に改める。
第二十三条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第二十四条の見出しを「(仮釈放期間の終了の特則)」に改め、同条第一項中「につき仮出獄を許された」を「についての仮釈放」に改め、同条第二項中「につき仮出獄を許された」を「についての仮釈放」に、「仮出獄前」を「仮釈放前」に改める。
第二十九条中「監獄」を「刑事施設」に、「在監する」を「収容されている」に、「収監された」を「刑事施設に収容された」に改める。
第三十一条第一項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改め、同条第二項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十二条第一項中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第三十四条第二項中「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第三十九条第一項中「仮出獄」を「仮釈放」に、「在監する監獄」を「収容されている刑事施設」に改める。
第四十二条中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(構造改革特別区域法の一部改正)
第三十九条 構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。
第十一条の前の見出し中「監獄法等」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律等」に改め、同条第一項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に、「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第一項に規定する監獄」を「刑事施設(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(明治四十一年法律二十八号)第二条の規定により代用されるものを除く。次条において同じ。)」に、「同法」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)」に、「付設された」を「附置された」に改め、同項第四号中「監房」を「居室」に改め、同項第八号を次のように改める。
八 被収容者が収容の際に所持する現金及び物品その他の金品について領置その他の措置を行うために必要な検査の実施
第十一条第四項及び第五項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
第十一条の二第一項中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に、「監獄法第一条第一項に規定する監獄」を「刑事施設」に、「付設された」を「附置された」に改める。
別表第一号及び第一号の二中「特定行刑施設」を「特定刑事施設」に改める。
(法務省設置法の一部改正)
第四十条 法務省設置法(平成十一年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第十四号中「仮出獄」を「仮釈放」に改め、同条第十五号中「監獄」を「刑事施設」に改める。
第八条第二項中「監獄法(明治四十一年法律第二十八号)」を「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)」に、「監獄として」を「刑事施設として」に改める。
第九条第一項第二号中「監獄」を「刑事施設」に、「附設する」を「附置する」に改める。
第十一条第一項第二号中「監獄」を「刑事施設」に改める。
(検討)
第四十一条 政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
法務大臣 南野知恵子