刑法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十六号
公布年月日: 平成17年6月22日
法令の形式: 法律
刑法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年六月二十二日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第六十六号
刑法等の一部を改正する法律
(刑法の一部改正)
第一条 刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「及び誘拐」を「、誘拐及び人身売買」に改める。
第三条第十二号及び第三条の二第五号中「国外移送目的略取等、被略取者収受等」を「所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等」に改める。
第二百二十条中「五年」を「七年」に改める。
第二編第三十三章の章名を次のように改める。
第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪
第二百二十四条中「五年」を「七年」に改める。
第二百二十五条中「又は結婚」を「、結婚又は生命若しくは身体に対する加害」に改める。
第二百二十六条の見出しを「(所在国外移送目的略取及び誘拐)」に改め、同条第一項中「日本国外」を「所在国外」に改め、同条第二項を削り、同条の次に次の二条を加える。
(人身売買)
第二百二十六条の二 人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
3 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
4 人を売り渡した者も、前項と同様とする。
5 所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。
(被略取者等所在国外移送)
第二百二十六条の三 略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期懲役に処する。
第二百二十七条の見出しを「(被略取者引渡し等)」に改め、同条第一項中「前条」を「前三条」に、「収受し」を「引き渡し、収受し、輸送し」に改め、同条第二項中「収受し」を「引き渡し、収受し、輸送し」に改め、同条第三項中「又はわいせつ」を「、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害」に、「収受した者」を「引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者」に改める。
第二百二十八条中「第二百二十六条」の下に「から第二百二十六条の三まで」を加える。
第二百二十九条中「営利」の下に「又は生命若しくは身体に対する加害」を加える。
(刑事訴訟法の一部改正)
第二条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第百五十七条の四第一項第一号中「、第百八十一条、第二百二十五条」を「若しくは第百八十一条の罪、同法第二百二十五条若しくは第二百二十六条の二第三項の罪」に、「第二百二十七条第一項」を「同法第二百二十七条第一項」に改め、「(第二百二十五条」の下に「又は第二百二十六条の二第三項」を加える。
(出入国管理及び難民認定法の一部改正)
第三条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第七号を次のように改める。
七 人身取引等 次に掲げる行為をいう。
イ 営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、誘拐し、若しくは売買し、又は略取され、誘拐され、若しくは売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、若しくは蔵匿すること。
ロ イに掲げるもののほか、営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、十八歳未満の者を自己の支配下に置くこと。
ハ イに掲げるもののほか、十八歳未満の者が営利、わいせつ若しくは生命若しくは身体に対する加害の目的を有する者の支配下に置かれ、又はそのおそれがあることを知りながら、当該十八歳未満の者を引き渡すこと。
第五条第一項第七号中「ある者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれていた者が当該業務に従事した場合を除く。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
七の二 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
第十二条第一項中「再入国の許可を受けているときその他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき」を「次の各号のいずれかに該当するとき」に改め、同項に次の各号を加える。
一 再入国の許可を受けているとき。
二 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入つたものであるとき。
三 その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき。
第四章第一節の節名中「在留期間の更新」を「取消し等」に改める。
第二十二条第二項中「。以下「平和条約国籍離脱者等入管特例法」という。」を削る。
第二十四条第四号イ中「認められる者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)」を加える。
第二十四条第四号ハ及びニを次のように改める。
ハ 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
ニ 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者
第二十四条第四号ホ中「第七十四条の六」を「第七十四条の六の三」に改め、同号リ中「ホからチまでに規定する者」を「ニからチまでに掲げる者」に改め、同号ヌ中「従事する者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)」を加え、同号ル中「そそのかし」を「唆し」に改め、同号ヨ中「イ、ロ及びホからカまでに掲げる者を除く」を「イからカまでに掲げる者の」に改める。
第二十四条の二第二号中「第四号ホ」を「第四号ハ」に改める。
第五十条第一項中「当つて」を「当たつて」に、「左の各号の一に」を「次の各号のいずれかに」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
第五十六条の次に次の一条を加える。
(旅券等の確認義務)
第五十六条の二 本邦に入る船舶等を運航する運送業者(運送業者がないときは、当該船舶等の長)は、外国人が不法に本邦に入ることを防止するため、当該船舶等に乗ろうとする外国人の旅券、乗員手帳又は再入国許可書を確認しなければならない。
第五十七条第二項中「又は乗員手帳」を「、乗員手帳又は再入国許可書」に改める。
第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号中「第四号ホ」を「第四号ハ」に改める。
第六十一条の十を第六十一条の十一とし、第六十一条の九の前の見出しを削り、同条を第六十一条の十とし、同条の前に見出しとして「(出入国管理基本計画)」を付し、第六十一条の八の次に次の一条を加える。
(情報提供)
第六十一条の九 法務大臣は、出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当する職務を行う外国の当局(以下この条において「外国入国管理当局」という。)に対し、その職務(出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める情報を提供することができる。
2 前項の規定による情報の提供については、当該情報が当該外国入国管理当局の職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
3 法務大臣は、外国入国管理当局からの要請があつたときは、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した情報を当該要請に係る外国の刑事事件の捜査又は審判(以下この項において「捜査等」という。)に使用することについて同意をすることができる。
一 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。
二 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
三 日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
4 法務大臣は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第三号に該当しないことについて、外務大臣の確認を受けなければならない。
第七十四条の六前段中「規定する行為」の下に「(以下「不法入国等」という。)」を加え、「二百万円」を「三百万円」に改め、同条後段を削り、同条の次に次の二条を加える。
第七十四条の六の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 他人の不法入国等の実行を容易にする目的で、偽りその他不正の手段により、日本国の権限のある機関から難民旅行証明書、渡航証明書、乗員手帳又は再入国許可書の交付を受けた者
二 他人の不法入国等の実行を容易にする目的で、次に掲げる文書を所持し、提供し、又は収受した者
イ 旅券(旅券法第二条第一号及び第二号に規定する旅券並びに同法第十九条の三第一項に規定する渡航書を除く。以下この項において同じ。)、乗員手帳又は再入国許可書として偽造された文書
ロ 当該不法入国等を実行する者について効力を有しない旅券、乗員手帳又は再入国許可書
三 第七十条第一項第一号又は第二号の罪を犯す目的で、偽りその他不正の手段により、日本国の権限のある機関から難民旅行証明書、渡航証明書、乗員手帳又は再入国許可書の交付を受けた者
四 第七十条第一項第一号又は第二号の罪を犯す目的で、次に掲げる文書を所持し、又は収受した者
イ 旅券、乗員手帳又は再入国許可書として偽造された文書
ロ 自己について効力を有しない旅券、乗員手帳又は再入国許可書
2 営利の目的で前項第一号又は第二号の罪を犯した者は、五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
第七十四条の六の三 前条の罪(所持に係る部分を除く。)の未遂は、罰する。
第七十四条の七中「前条」を「前三条」に改める。
第七十四条の八第一項中「百万円」を「三百万円」に改め、同条第二項中「三百万円」を「五百万円」に改める。
第七十六条の二中「第七十四条の六まで」の下に「の罪、第七十四条の六の二(第一項第三号及び第四号を除く。)の罪若しくはその未遂罪」を加える。
第七十七条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 第五十六条の二の規定に違反して、外国人の旅券、乗員手帳又は再入国許可書の確認をしないで当該外国人を本邦に入らせた者
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項第一号イ中「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第六号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」に改める。
第三条第一項第八号中「七年」を「十年」に改める。
別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、ヘをヌとし、ホをヘとし、ヘの次に次のように加える。
ト 刑法第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
チ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
リ 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)若しくは第五号(不法残留)若しくは第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条(集団密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二(集団密航者の輸送)、第七十四条の四(集団密航者の収受等)若しくは第七十四条の六(不法入国等援助)の罪、同法第七十四条の六の二第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第二号(偽造旅券等の所持等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪若しくはその未遂罪又は同法第七十四条の八(不法入国者等の蔵匿等)の罪
別表第一第四号ニの次に次のように加える。
ホ 刑法第百五十五条第一項(有印公文書偽造)若しくは第二項(有印公文書変造)の罪、同法第百五十六条(有印虚偽公文書作成等)の罪(同法第百五十五条第一項又は第二項の例により処断すべきものに限る。)又は同法第百五十九条第一項(有印私文書偽造)若しくは第二項(有印私文書変造)の罪
別表第一中第六号を第十号とし、第五号を第六号とし、同号の次に次の三号を加える。
七 刑法第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
八 児童福祉法第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
九 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)若しくは第五号(不法残留)若しくは第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条(集団密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二(集団密航者の輸送)、第七十四条の四(集団密航者の収受等)若しくは第七十四条の六(不法入国等援助)の罪、同法第七十四条の六の二第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第二号(偽造旅券等の所持等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪若しくはその未遂罪又は同法第七十四条の八(不法入国者等の蔵匿等)の罪
別表第一第四号の次に次の一号を加える。
五 刑法第百五十五条第一項(有印公文書偽造)若しくは第二項(有印公文書変造)の罪、同法第百五十六条(有印虚偽公文書作成等)の罪(同法第百五十五条第一項又は第二項の例により処断すべきものに限る。)又は同法第百五十九条第一項(有印私文書偽造)若しくは第二項(有印私文書変造)の罪
別表第二第八号中「(昭和二十六年政令第三百十九号)」及び「、第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)又は第七十四条の六(不法入国等援助等)」を削る。
別表第十四号中「第百九十八条第十八号」を「第百九十八条第十九号」に改める。
別表第四十九号中「第九十四条」を「第百四十八条」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第三条中出入国管理及び難民認定法第二十四条第四号リの改正規定 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律(平成十七年法律第五十五号)第一条中旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条の改正規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
二 第三条中出入国管理及び難民認定法第五十六条の次に一条を加える改正規定及び同法第七十七条第一号の次に一号を加える改正規定 公布の日から起算して六月を経過した日
三 第三条中出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号の改正規定 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成十六年法律第七十三号)第二条の規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
四 第四条(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第三条第一項第八号、別表第十四号及び同表第四十九号の改正規定を除く。)の規定 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第▼▼▼号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
五 第四条中組織的犯罪処罰法別表第四十九号の改正規定 金融先物取引法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十九号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
(調整規定)
第二条 この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、第一条のうち刑法第三条第十二号及び第三条の二第五号の改正規定中「第三条第十二号」とあるのは「第三条第十一号」とし、第四条のうち組織的犯罪処罰法第三条第一項第八号の改正規定中「第三条第一項第八号」とあるのは「第三条第一項第四号」とする。
第三条 この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における組織的犯罪処罰法別表の規定の適用については、同表第二号ワ中「国外移送目的略取等、被略取者収受等」とあるのは、「所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等」とする。
第四条 この法律の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第二十四条第四号ニ及びヨ並びに第二十四条の二第二号の規定の適用については、同法第二十四条第四号ニ中「旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者」とあるのは「削除」とし、同号ヨ中「イからカまで」とあるのは「イからハまで及びホからカまで」とし、同法第二十四条の二第二号中「第四号ハ」とあるのは「第四号ハ及びホ」とする。
2 附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号の規定の適用については、これらの規定中「第四号ハ」とあるのは、「第四号ハ及びホ」とする。
第五条 附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条の規定の施行の日前である場合には、第四条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第六号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とあるのは「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第九号まで」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、ヘをヌとし、ホをヘとし、ヘの次にト、チ及びリを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号ヘ中「ホ」を「リ」に改め、同号中」とし、組織的犯罪処罰法別表第一中第六号を第十号とし、第五号を第六号とし、同号の次に三号を加える改正規定中「第六号を第十号とし、第五号」とあるのは「第五号」とする。
2 前項の場合において、旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第六号まで」とあるのは「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第九号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホの次にヘを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホ」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヌ」を「ル」に改め、同号ヌ中「リ」を「ヌ」に改め、同号中ヌをルとし、リ」とし、「ヘ 旅券法」とあるのは「ヌ 旅券法」とし、組織的犯罪処罰法別表第一に一号を加える改正規定中「六 旅券法」とあるのは「十 旅券法」とする。
(第三条の規定による出入国管理及び難民認定法の一部改正に伴う経過措置)
第六条 第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法(以下「新入管法」という。)第二十四条第四号ハの規定は、この法律の施行の日以後に新入管法第二条第七号に規定する人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者について適用する。
第七条 新入管法第二十四条第四号ニの規定は、この法律の施行の日以後に旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条による改正後の旅券法第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者について適用する。
第八条 第三条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法第七十四条の六後段の罪により刑に処せられた者は、新入管法第二十四条の規定の適用については、同条第四号ホに該当する者とみなす。
(第四条の規定による組織的犯罪処罰法の一部改正に伴う経過措置)
第九条 組織的犯罪処罰法第九条第一項から第三項まで、第十条及び第十一条の規定は、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日前に財産上の不正な利益を得る目的で犯した第四条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法別表第一第四号、第八号又は第九号に掲げる罪(第四条の規定による改正前の組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イ又はロに掲げる罪を除く。)の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に関して附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日後にした行為に対しても、適用する。この場合において、これらの財産は、第四条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号の犯罪収益とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第十条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 南野知惠子
外務大臣臨時代理 国務大臣 細田博之
内閣総理大臣 小泉純一郎
刑法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年六月二十二日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第六十六号
刑法等の一部を改正する法律
(刑法の一部改正)
第一条 刑法(明治四十年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「及び誘拐」を「、誘拐及び人身売買」に改める。
第三条第十二号及び第三条の二第五号中「国外移送目的略取等、被略取者収受等」を「所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等」に改める。
第二百二十条中「五年」を「七年」に改める。
第二編第三十三章の章名を次のように改める。
第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪
第二百二十四条中「五年」を「七年」に改める。
第二百二十五条中「又は結婚」を「、結婚又は生命若しくは身体に対する加害」に改める。
第二百二十六条の見出しを「(所在国外移送目的略取及び誘拐)」に改め、同条第一項中「日本国外」を「所在国外」に改め、同条第二項を削り、同条の次に次の二条を加える。
(人身売買)
第二百二十六条の二 人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
3 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
4 人を売り渡した者も、前項と同様とする。
5 所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。
(被略取者等所在国外移送)
第二百二十六条の三 略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期懲役に処する。
第二百二十七条の見出しを「(被略取者引渡し等)」に改め、同条第一項中「前条」を「前三条」に、「収受し」を「引き渡し、収受し、輸送し」に改め、同条第二項中「収受し」を「引き渡し、収受し、輸送し」に改め、同条第三項中「又はわいせつ」を「、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害」に、「収受した者」を「引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者」に改める。
第二百二十八条中「第二百二十六条」の下に「から第二百二十六条の三まで」を加える。
第二百二十九条中「営利」の下に「又は生命若しくは身体に対する加害」を加える。
(刑事訴訟法の一部改正)
第二条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第百五十七条の四第一項第一号中「、第百八十一条、第二百二十五条」を「若しくは第百八十一条の罪、同法第二百二十五条若しくは第二百二十六条の二第三項の罪」に、「第二百二十七条第一項」を「同法第二百二十七条第一項」に改め、「(第二百二十五条」の下に「又は第二百二十六条の二第三項」を加える。
(出入国管理及び難民認定法の一部改正)
第三条 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第七号を次のように改める。
七 人身取引等 次に掲げる行為をいう。
イ 営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、誘拐し、若しくは売買し、又は略取され、誘拐され、若しくは売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、若しくは蔵匿すること。
ロ イに掲げるもののほか、営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、十八歳未満の者を自己の支配下に置くこと。
ハ イに掲げるもののほか、十八歳未満の者が営利、わいせつ若しくは生命若しくは身体に対する加害の目的を有する者の支配下に置かれ、又はそのおそれがあることを知りながら、当該十八歳未満の者を引き渡すこと。
第五条第一項第七号中「ある者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれていた者が当該業務に従事した場合を除く。)」を加え、同号の次に次の一号を加える。
七の二 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
第十二条第一項中「再入国の許可を受けているときその他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき」を「次の各号のいずれかに該当するとき」に改め、同項に次の各号を加える。
一 再入国の許可を受けているとき。
二 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入つたものであるとき。
三 その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき。
第四章第一節の節名中「在留期間の更新」を「取消し等」に改める。
第二十二条第二項中「。以下「平和条約国籍離脱者等入管特例法」という。」を削る。
第二十四条第四号イ中「認められる者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)」を加える。
第二十四条第四号ハ及びニを次のように改める。
ハ 人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
ニ 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者
第二十四条第四号ホ中「第七十四条の六」を「第七十四条の六の三」に改め、同号リ中「ホからチまでに規定する者」を「ニからチまでに掲げる者」に改め、同号ヌ中「従事する者」の下に「(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)」を加え、同号ル中「そそのかし」を「唆し」に改め、同号ヨ中「イ、ロ及びホからカまでに掲げる者を除く」を「イからカまでに掲げる者の」に改める。
第二十四条の二第二号中「第四号ホ」を「第四号ハ」に改める。
第五十条第一項中「当つて」を「当たつて」に、「左の各号の一に」を「次の各号のいずれかに」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき。
第五十六条の次に次の一条を加える。
(旅券等の確認義務)
第五十六条の二 本邦に入る船舶等を運航する運送業者(運送業者がないときは、当該船舶等の長)は、外国人が不法に本邦に入ることを防止するため、当該船舶等に乗ろうとする外国人の旅券、乗員手帳又は再入国許可書を確認しなければならない。
第五十七条第二項中「又は乗員手帳」を「、乗員手帳又は再入国許可書」に改める。
第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号中「第四号ホ」を「第四号ハ」に改める。
第六十一条の十を第六十一条の十一とし、第六十一条の九の前の見出しを削り、同条を第六十一条の十とし、同条の前に見出しとして「(出入国管理基本計画)」を付し、第六十一条の八の次に次の一条を加える。
(情報提供)
第六十一条の九 法務大臣は、出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当する職務を行う外国の当局(以下この条において「外国入国管理当局」という。)に対し、その職務(出入国管理及び難民認定法に規定する出入国の管理及び難民の認定の職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める情報を提供することができる。
2 前項の規定による情報の提供については、当該情報が当該外国入国管理当局の職務の遂行に資する目的以外の目的で使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
3 法務大臣は、外国入国管理当局からの要請があつたときは、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した情報を当該要請に係る外国の刑事事件の捜査又は審判(以下この項において「捜査等」という。)に使用することについて同意をすることができる。
一 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。
二 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
三 日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
4 法務大臣は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第三号に該当しないことについて、外務大臣の確認を受けなければならない。
第七十四条の六前段中「規定する行為」の下に「(以下「不法入国等」という。)」を加え、「二百万円」を「三百万円」に改め、同条後段を削り、同条の次に次の二条を加える。
第七十四条の六の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 他人の不法入国等の実行を容易にする目的で、偽りその他不正の手段により、日本国の権限のある機関から難民旅行証明書、渡航証明書、乗員手帳又は再入国許可書の交付を受けた者
二 他人の不法入国等の実行を容易にする目的で、次に掲げる文書を所持し、提供し、又は収受した者
イ 旅券(旅券法第二条第一号及び第二号に規定する旅券並びに同法第十九条の三第一項に規定する渡航書を除く。以下この項において同じ。)、乗員手帳又は再入国許可書として偽造された文書
ロ 当該不法入国等を実行する者について効力を有しない旅券、乗員手帳又は再入国許可書
三 第七十条第一項第一号又は第二号の罪を犯す目的で、偽りその他不正の手段により、日本国の権限のある機関から難民旅行証明書、渡航証明書、乗員手帳又は再入国許可書の交付を受けた者
四 第七十条第一項第一号又は第二号の罪を犯す目的で、次に掲げる文書を所持し、又は収受した者
イ 旅券、乗員手帳又は再入国許可書として偽造された文書
ロ 自己について効力を有しない旅券、乗員手帳又は再入国許可書
2 営利の目的で前項第一号又は第二号の罪を犯した者は、五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
第七十四条の六の三 前条の罪(所持に係る部分を除く。)の未遂は、罰する。
第七十四条の七中「前条」を「前三条」に改める。
第七十四条の八第一項中「百万円」を「三百万円」に改め、同条第二項中「三百万円」を「五百万円」に改める。
第七十六条の二中「第七十四条の六まで」の下に「の罪、第七十四条の六の二(第一項第三号及び第四号を除く。)の罪若しくはその未遂罪」を加える。
第七十七条第一号の次に次の一号を加える。
一の二 第五十六条の二の規定に違反して、外国人の旅券、乗員手帳又は再入国許可書の確認をしないで当該外国人を本邦に入らせた者
(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)
第四条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項第一号イ中「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第六号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」に改める。
第三条第一項第八号中「七年」を「十年」に改める。
別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、ヘをヌとし、ホをヘとし、ヘの次に次のように加える。
ト 刑法第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
チ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
リ 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)若しくは第五号(不法残留)若しくは第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条(集団密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二(集団密航者の輸送)、第七十四条の四(集団密航者の収受等)若しくは第七十四条の六(不法入国等援助)の罪、同法第七十四条の六の二第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第二号(偽造旅券等の所持等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪若しくはその未遂罪又は同法第七十四条の八(不法入国者等の蔵匿等)の罪
別表第一第四号ニの次に次のように加える。
ホ 刑法第百五十五条第一項(有印公文書偽造)若しくは第二項(有印公文書変造)の罪、同法第百五十六条(有印虚偽公文書作成等)の罪(同法第百五十五条第一項又は第二項の例により処断すべきものに限る。)又は同法第百五十九条第一項(有印私文書偽造)若しくは第二項(有印私文書変造)の罪
別表第一中第六号を第十号とし、第五号を第六号とし、同号の次に次の三号を加える。
七 刑法第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
八 児童福祉法第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。)
九 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法上陸)若しくは第五号(不法残留)若しくは第二項(不法在留)の罪(正犯により犯されたものを除く。)、同法第七十四条(集団密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二(集団密航者の輸送)、第七十四条の四(集団密航者の収受等)若しくは第七十四条の六(不法入国等援助)の罪、同法第七十四条の六の二第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第二号(偽造旅券等の所持等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪若しくはその未遂罪又は同法第七十四条の八(不法入国者等の蔵匿等)の罪
別表第一第四号の次に次の一号を加える。
五 刑法第百五十五条第一項(有印公文書偽造)若しくは第二項(有印公文書変造)の罪、同法第百五十六条(有印虚偽公文書作成等)の罪(同法第百五十五条第一項又は第二項の例により処断すべきものに限る。)又は同法第百五十九条第一項(有印私文書偽造)若しくは第二項(有印私文書変造)の罪
別表第二第八号中「(昭和二十六年政令第三百十九号)」及び「、第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)又は第七十四条の六(不法入国等援助等)」を削る。
別表第十四号中「第百九十八条第十八号」を「第百九十八条第十九号」に改める。
別表第四十九号中「第九十四条」を「第百四十八条」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第三条中出入国管理及び難民認定法第二十四条第四号リの改正規定 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律(平成十七年法律第五十五号)第一条中旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条の改正規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
二 第三条中出入国管理及び難民認定法第五十六条の次に一条を加える改正規定及び同法第七十七条第一号の次に一号を加える改正規定 公布の日から起算して六月を経過した日
三 第三条中出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号の改正規定 出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成十六年法律第七十三号)第二条の規定の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
四 第四条(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第三条第一項第八号、別表第十四号及び同表第四十九号の改正規定を除く。)の規定 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第▼▼▼号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
五 第四条中組織的犯罪処罰法別表第四十九号の改正規定 金融先物取引法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十九号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
(調整規定)
第二条 この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、第一条のうち刑法第三条第十二号及び第三条の二第五号の改正規定中「第三条第十二号」とあるのは「第三条第十一号」とし、第四条のうち組織的犯罪処罰法第三条第一項第八号の改正規定中「第三条第一項第八号」とあるのは「第三条第一項第四号」とする。
第三条 この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における組織的犯罪処罰法別表の規定の適用については、同表第二号ワ中「国外移送目的略取等、被略取者収受等」とあるのは、「所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等」とする。
第四条 この法律の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第二十四条第四号ニ及びヨ並びに第二十四条の二第二号の規定の適用については、同法第二十四条第四号ニ中「旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者」とあるのは「削除」とし、同号ヨ中「イからカまで」とあるのは「イからハまで及びホからカまで」とし、同法第二十四条の二第二号中「第四号ハ」とあるのは「第四号ハ及びホ」とする。
2 附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号の規定の適用については、これらの規定中「第四号ハ」とあるのは、「第四号ハ及びホ」とする。
第五条 附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条の規定の施行の日前である場合には、第四条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第六号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とあるのは「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第九号まで」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、ヘをヌとし、ホをヘとし、ヘの次にト、チ及びリを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号ヘ中「ホ」を「リ」に改め、同号中」とし、組織的犯罪処罰法別表第一中第六号を第十号とし、第五号を第六号とし、同号の次に三号を加える改正規定中「第六号を第十号とし、第五号」とあるのは「第五号」とする。
2 前項の場合において、旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第六号まで」とあるのは「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第九号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホの次にヘを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホ」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヌ」を「ル」に改め、同号ヌ中「リ」を「ヌ」に改め、同号中ヌをルとし、リ」とし、「ヘ 旅券法」とあるのは「ヌ 旅券法」とし、組織的犯罪処罰法別表第一に一号を加える改正規定中「六 旅券法」とあるのは「十 旅券法」とする。
(第三条の規定による出入国管理及び難民認定法の一部改正に伴う経過措置)
第六条 第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法(以下「新入管法」という。)第二十四条第四号ハの規定は、この法律の施行の日以後に新入管法第二条第七号に規定する人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者について適用する。
第七条 新入管法第二十四条第四号ニの規定は、この法律の施行の日以後に旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条による改正後の旅券法第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者について適用する。
第八条 第三条の規定による改正前の出入国管理及び難民認定法第七十四条の六後段の罪により刑に処せられた者は、新入管法第二十四条の規定の適用については、同条第四号ホに該当する者とみなす。
(第四条の規定による組織的犯罪処罰法の一部改正に伴う経過措置)
第九条 組織的犯罪処罰法第九条第一項から第三項まで、第十条及び第十一条の規定は、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日前に財産上の不正な利益を得る目的で犯した第四条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法別表第一第四号、第八号又は第九号に掲げる罪(第四条の規定による改正前の組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イ又はロに掲げる罪を除く。)の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に関して附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日後にした行為に対しても、適用する。この場合において、これらの財産は、第四条の規定による改正後の組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号の犯罪収益とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第十条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 南野知恵子
外務大臣臨時代理 国務大臣 細田博之
内閣総理大臣 小泉純一郎