(禁止行為)
第十二条 ジアセチルモルヒネ、その塩類又はこれらのいずれかを含有する麻薬は、何人も、輸入し、輸出し、製造し、製剤し、譲り渡し、譲り受け、交付し、施用し、所持し、又は廃棄してはならない。但し、麻薬研究施設の設置者が厚生大臣の許可を受けて、譲り渡し、譲り受け、又は廃棄する場合及び麻薬研究者が厚生大臣の許可を受けて、研究のため、製造し、製剤し、施用し、又は所持する場合は、この限りでない。
2 麻薬原料植物は、何人も、栽培してはならない。但し、麻薬研究者が厚生大臣の許可を受けて、研究のため栽培する場合は、この限りでない。
(輸入)
第十三条 麻薬輸入業者でなければ、麻薬(前条第一項に規定する麻薬を除く。以下この章において同じ。)を輸入してはならない。
(輸入の許可)
第十四条 麻薬輸入業者は、麻薬を輸入しようとするときは、そのつど厚生大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、左に掲げる事項を記載した許可申請書を厚生大臣に提出しなければならない。
3 第一項の許可を受けた者は、前項各号の事項を変更しようとするときは、厚生大臣の許可を受けなければならない。
4 厚生大臣は、国内における当該麻薬の需要量及び保有量を考慮して適当でないと認めるときは、第一項又は前項の許可を与えないことができる。
5 厚生大臣は、第一項の許可をしたときは、申請者の氏名又は名称及び住所並びに第二項に掲げる事項を記載した輸入許可書及び輸入許可証明書を交付する。
6 厚生大臣は、第三項の許可をしたときは、輸入許可書及び輸入許可証明書を書き替えて交付する。
(輸出許可証明書の提出)
第十五条 麻薬輸入業者は、麻薬を輸入したときは、相手国発給の輸出許可証明書を、その麻薬を輸入した日又は輸出許可証明書を受け取つた日から十日以内に、厚生大臣に提出しなければならない。
(輸入許可書の返納)
第十六条 麻薬輸入業者は、許可を受けた輸入の期間内に麻薬を輸入しなかつたときは、その期間の満了後十日以内に、輸入許可書を厚生大臣に返納しなければならない。
(輸出)
第十七条 麻薬輸出業者でなければ、麻薬を輸出してはならない。
(輸出の許可)
第十八条 麻薬輸出業者は、麻薬を輸出しようとするときは、そのつど厚生大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、左に掲げる事項を記載した許可申請書に相手国発給の輸入許可証明書を添えて、これを厚生大臣に提出しなければならない。
3 第一項の許可を受けた者は、前項各号の事項を変更しようとするときは、厚生大臣の許可を受けなければならない。
4 厚生大臣は、第一項の許可をしたときは、申請者の氏名又は名称及び住所並びに第二項各号に掲げる事項を記載した輸出許可書及び輸出許可証明書を交付する。
5 厚生大臣は、第三項の許可をしたときは、輸出許可書及び輸出許可証明書を書き替えて交付する。
6 麻薬輸出業者は、麻薬を輸出するときは、麻薬に輸出許可証明書を添えて送らなければならない。
(輸出許可書及び輸出許可証明書の返納)
第十九条 麻薬輸出業者は、許可を受けた輸出の期間内に麻薬を輸出しなかつたときは、その期間の満了後十日以内に、輸出許可書及び輸出許可証明書を厚生大臣に返納しなければならない。
(製造)
第二十条 麻薬製造業者でなければ、麻薬を製造してはならない。但し、麻薬研究者が研究のため製造する場合は、この限りでない。
2 麻薬製造業者、麻薬製剤業者又は家庭麻薬製造業者でなければ、家庭麻薬を製造してはならない。但し、麻薬研究者が研究のため製造する場合は、この限りでない。
(製造の許可)
第二十一条 麻薬製造業者又は麻薬製剤業者若しくは家庭麻薬製造業者は、麻薬又は家庭麻薬を製造しようとするときは、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間(以下「四半期」という。)ごとに、製造しようとする麻薬又は家庭麻薬の品名及び数量並びに製造のために使用する麻薬の品名及び数量について、厚生大臣の許可を受けなければならない。
2 第十四条第四項の規定は、前項の許可について準用する。
3 厚生大臣は、第一項の許可を与える場合において、必要があると認めるときは、製造された麻薬を収めるべき容器の容量を指示することができる。
(製剤)
第二十二条 麻薬製造業者又は麻薬製剤業者でなければ、麻薬を製剤してはならない。但し、麻薬研究者が研究のため製剤する場合は、この限りでない。
(製剤及び小分けの許可)
第二十三条 麻薬製造業者又は麻薬製剤業者は、麻薬を製剤し、又は小分けしようとするときは、四半期ごとに、製剤し、又は小分けしようとする麻薬の品名及び数量並びに製剤のために使用する麻薬の品名及び数量について、厚生大臣の許可を受けなければならない。
2 第十四条第四項及び第二十一条第三項の規定は、前項の許可について準用する。
(譲渡)
第二十四条 麻薬営業者でなければ、麻薬を譲り渡してはならない。但し、麻薬診療施設の開設者が、施用のため交付される麻薬を譲り渡す場合は、この限りでない。
2 麻薬輸入業者は、麻薬製造業者、麻薬製剤業者、麻薬元卸売業者及び麻薬卸売業者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。但し、家庭麻薬製造業者にコデイン、ジヒドロコデイン又はこれらの塩類を譲り渡す場合は、この限りでない。
3 麻薬輸出業者は、麻薬を輸出する場合を除くほか、麻薬を譲り渡してはならない。
4 麻薬製造業者は、麻薬輸出業者、麻薬製造業者、麻薬製剤業者、麻薬元卸売業者及び麻薬卸売業者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。但し、家庭麻薬製造業者にコデイン、ジヒドロコデイン又はこれらの塩類を譲り渡す場合は、この限りでない。
5 麻薬製剤業者は、麻薬輸出業者、麻薬製剤業者、麻薬元卸売業者及び麻薬卸売業者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。
6 家庭麻薬製造業者は、麻薬を譲り渡してはならない。
7 麻薬元卸売業者は、麻薬元卸売業者及び麻薬卸売業者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。
8 麻薬卸売業者は、当該免許に係る業務所の所在地の都道府県の区域内にある麻薬小売業者、麻薬診療施設の開設者及び麻薬研究施設の設置者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。
9 麻薬小売業者は、麻薬施用者の麻薬を記載した処方せん(以下「麻薬処方せん」という。)を所持する者以外の者に麻薬を譲り渡してはならない。
10 前九項の規定は、厚生大臣の許可を受けて譲り渡す場合には、適用しない。
(麻薬小売業者の譲渡)
第二十五条 麻薬小売業者は、麻薬処方せんを所持する者に麻薬を譲り渡すときは、当該処方せんにより調剤された麻薬以外の麻薬を譲り渡してはならない。
(譲受)
第二十六条 麻薬営業者、麻薬診療施設の開設者又は麻薬研究施設の設置者でなければ、麻薬を譲り受けてはならない。但し、左に掲げる場合は、この限りでない。
一 麻薬施用者から交付される麻薬を麻薬診療施設の開設者から譲り受ける場合
二 麻薬処方せんの交付を受けた者が、その処方せんにより調剤された麻薬を麻薬小売業者から譲り受ける場合
2 麻薬営業者、麻薬診療施設の開設者又は麻薬研究施設の設置者は、第二十四条の規定により禁止される麻薬の譲渡の相手方となつてはならない。
(施用、施用のための交付及び麻薬処方せん)
第二十七条 麻薬施用者でなければ、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない。但し、左に掲げる場合は、この限りでない。
二 麻薬施用者から施用のため麻薬の交付を受けた者が、その麻薬を施用する場合
三 麻薬小売業者から麻薬処方せんにより調剤された麻薬を譲り受けた者が、その麻薬を施用する場合
2 麻薬施用者は、疾病の治療以外の目的で、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない。
3 麻薬施用者は、前項の規定にかかわらず、麻薬の中毒者の中毒症状を緩和するため、その他その中毒の治療の目的で、麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付してはならない。
4 麻薬施用者は、麻薬を記載した処方せんを交付するときは、その処方せんに、患者の氏名及び住所(患畜にあつては、その種類並びにその所有者又は管理者の氏名又は名称及び住所)、麻薬の品名、分量、用法用量及び使用期間、発行の年月日、自己の氏名、免許証の番号並びに業務所の名称及び所在地を記載して、押印しなければならない。
(所持)
第二十八条 麻薬取扱者、麻薬診療施設の開設者又は麻薬研究施設の設置者でなければ、麻薬を所持してはならない。但し、麻薬施用者から施用のため麻薬の交付を受け、又は麻薬小売業者から麻薬処方せんにより調剤された麻薬を譲り受けた者が、その麻薬を所持する場合は、この限りでない。
2 家庭麻薬製造業者は、コデイン、ジヒドロコデイン及びこれらの塩類以外の麻薬を所持してはならない。
(廃棄)
第二十九条 麻薬を廃棄しようとする者は、麻薬の品名及び数量並びに廃棄の方法について、厚生大臣の許可を受けなければならない。