獣医師法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第45号
公布年月日: 平成4年5月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年、畜産業が農業の基幹部門へと成長し、一般家庭での小動物飼育も普及する中、獣医師による的確な診療提供の重要性が増している。また、新たな診療機器の普及や動物用医薬品の開発により獣医療技術が高度化し、家畜飼養の多頭化に伴う疾病の多様化・複雑化、動物用医薬品の適正使用などの新たな課題も生じている。これらの情勢変化を踏まえ、動物の保健衛生の向上、畜産業の発達を図り、公衆衛生の向上に資するため、本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第123回国会 衆議院 農林水産委員会 第5号

審議経過

第123回国会

参議院
(平成4年3月12日)
衆議院
(平成4年3月26日)
(平成4年4月14日)
(平成4年4月15日)
(平成4年4月16日)
参議院
(平成4年4月16日)
(平成4年4月23日)
(平成4年4月24日)
(平成4年5月12日)
(平成4年5月13日)
獣医師法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成四年五月二十日
内閣総理大臣 宮澤喜一
法律第四十五号
獣医師法の一部を改正する法律
獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十六条」を「第十六条の五」に、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第一条を次のように改める。
(獣医師の任務)
第一条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。
第一条の次に次の一条を加える。
(定義)
第一条の二 この法律において「飼育動物」とは、一般に人が飼育する動物をいう。
第五条第二項中「獣医師免許審議会の意見をきいて」を「獣医事審議会の意見を聴いて」に改める。
第八条第二項中「左の」を「次の」に、「獣医師免許審議会の意見をきいて」を「獣医事審議会の意見を聴いて」に改め、同項第二号中「第二十一条の届出」を「第二十二条の規定による届出」に改め、同項第三号中「の外」を「のほか」に改め、同条第三項中「きかれたときは、獣医師免許審議会」を「聴かれたときは、獣医事審議会」に、「且つ」を「かつ」に改める。
第九条中「前六条」を「この章」に、「の外」を「のほか」に、「省令」を「農林水産省令」に改める。
第十条中「家畜」を「飼育動物」に、「具有すべき」を「必要な」に改める。
第十一条中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に、「もとに」を「下に」に、「少くとも」を「少なくとも」に改め、「獣医師国家試験」の下に「及び獣医師国家試験予備試験」を加える。
第十二条中「左の」を「次の」に改め、同条第二号中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改め、同条に次の一号を加える。
三 獣医師国家試験予備試験に合格した者
第十二条に次の一項を加える。
2 前項第三号の獣医師国家試験予備試験は、外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者(同項第二号に該当する者を除く。)であつて、獣医事審議会が適当と認定したものでなければ、受けることができない。
第十三条中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第十四条中「獣医師国家試験」の下に「又は獣医師国家試験予備試験」を加え、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第十五条中「獣医師国家試験」の下に「又は獣医師国家試験予備試験」を加える。
第十六条第一項中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に、「四箇月前」を「四月前」に改め、同条第二項中「三箇月前」を「三月前」に改める。
第三章中第十六条の次に次の四条を加える。
(臨床研修)
第十六条の二 診療を業務とする獣医師は、免許を受けた後も、大学の獣医学に関する学部若しくは学科の附属施設である飼育動物の診療施設(以下単に「診療施設」という。)又は農林水産大臣の指定する診療施設において、臨床研修を行うように努めるものとする。
2 農林水産大臣は、前項の指定をしようとするときは、あらかじめ、獣医事審議会の意見を聴かなければならない。
第十六条の三 前条第一項に規定する診療施設の長は、当該診療施設において同項の臨床研修を行つた者があるときは、当該臨床研修を行つた旨を農林水産大臣に報告するものとする。
(農林水産省令への委任)
第十六条の四 前二条に規定するもののほか、第十六条の二第一項の臨床研修の実施の期間及び診療施設の指定、前条の規定による報告その他の臨床研修の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定める。
(臨床研修の実施に関する援助)
第十六条の五 農林水産大臣は、第十六条の二第一項の臨床研修の円滑な実施を図るため、同項に規定する診療施設の長に対し、必要な資料の提供、助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならない。
第十七条の見出し中「家畜診療業務」を「飼育動物診療業務」に改め、同条中「家畜」を「飼育動物」に、「めん羊」を「めん羊」に、「及び鶏をいう」を「、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る」に改める。
第十八条中「若しくは生物学的製剤」を「、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品」に、「但し」を「ただし」に改める。
第二十二条を削る。
第二十一条中「省令」を「農林水産省令」に改め、同条を第二十二条とする。
第二十条第三項中「所属の官吏又は吏員」を「その職員」に改め、同条第四項中「当該官吏又は吏員」を「当該職員」に、「証票」を「証明書」に、「呈示し」を「提示し」に改め、同条を第二十一条とする。
第十九条の次に次の一条を加える。
(保健衛生の指導)
第二十条 獣医師は、飼育動物の診療をしたときは、その飼育者に対し、飼育に係る衛生管理の方法その他飼育動物に関する保健衛生の向上に必要な事項の指導をしなければならない。
第二十三条を次のように改める。
(経過措置)
第二十三条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
「第五章 獣医師免許審議会」を「第五章 獣医事審議会」に改める。
第二十四条中「この法律」の下に「及び獣医療法(平成四年法律第四十六号)」を加え、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第二十五条を次のように改める。
(委員)
第二十五条 審議会は、委員二十五人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから農林水産大臣が任命する。
一 獣医師が組織する団体を代表する者
二 学識経験がある者
第二十七条中「左の」を「次の」に、「十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「家畜」を「飼育動物」に改め、同条第二号中「基いて」を「基づいて」に改める。
第二十八条中「五万円」を「五十万円」に改める。
第二十九条中「左の」を「次の」に、「五万円」を「二十万円」に改め、同条第二号中「若しくは生物学的製剤」を「、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品」に改め、同条第四号中「第二十条第一項」を「第二十一条第一項」に、「又は検案簿の記載を怠つた」を「若しくは検案簿に記載せず、又は診療簿若しくは検案簿に虚偽の記載をした」に改め、同条第五号中「第二十条第二項」を「第二十一条第二項」に改め、同条第六号中「第二十条第三項」を「第二十一条第三項」に改め、同条第七号及び第八号を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(麻薬及び向精神薬取締法の一部改正)
第三条 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第四十一条中「第二十条」を「第二十一条」に改める。
厚生大臣 山下徳夫
農林水産大臣 田名部匡省
内閣総理大臣 宮澤喜一
獣医師法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成四年五月二十日
内閣総理大臣 宮沢喜一
法律第四十五号
獣医師法の一部を改正する法律
獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十六条」を「第十六条の五」に、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第一条を次のように改める。
(獣医師の任務)
第一条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。
第一条の次に次の一条を加える。
(定義)
第一条の二 この法律において「飼育動物」とは、一般に人が飼育する動物をいう。
第五条第二項中「獣医師免許審議会の意見をきいて」を「獣医事審議会の意見を聴いて」に改める。
第八条第二項中「左の」を「次の」に、「獣医師免許審議会の意見をきいて」を「獣医事審議会の意見を聴いて」に改め、同項第二号中「第二十一条の届出」を「第二十二条の規定による届出」に改め、同項第三号中「の外」を「のほか」に改め、同条第三項中「きかれたときは、獣医師免許審議会」を「聴かれたときは、獣医事審議会」に、「且つ」を「かつ」に改める。
第九条中「前六条」を「この章」に、「の外」を「のほか」に、「省令」を「農林水産省令」に改める。
第十条中「家畜」を「飼育動物」に、「具有すべき」を「必要な」に改める。
第十一条中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に、「もとに」を「下に」に、「少くとも」を「少なくとも」に改め、「獣医師国家試験」の下に「及び獣医師国家試験予備試験」を加える。
第十二条中「左の」を「次の」に改め、同条第二号中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改め、同条に次の一号を加える。
三 獣医師国家試験予備試験に合格した者
第十二条に次の一項を加える。
2 前項第三号の獣医師国家試験予備試験は、外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者(同項第二号に該当する者を除く。)であつて、獣医事審議会が適当と認定したものでなければ、受けることができない。
第十三条中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第十四条中「獣医師国家試験」の下に「又は獣医師国家試験予備試験」を加え、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第十五条中「獣医師国家試験」の下に「又は獣医師国家試験予備試験」を加える。
第十六条第一項中「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に、「四箇月前」を「四月前」に改め、同条第二項中「三箇月前」を「三月前」に改める。
第三章中第十六条の次に次の四条を加える。
(臨床研修)
第十六条の二 診療を業務とする獣医師は、免許を受けた後も、大学の獣医学に関する学部若しくは学科の附属施設である飼育動物の診療施設(以下単に「診療施設」という。)又は農林水産大臣の指定する診療施設において、臨床研修を行うように努めるものとする。
2 農林水産大臣は、前項の指定をしようとするときは、あらかじめ、獣医事審議会の意見を聴かなければならない。
第十六条の三 前条第一項に規定する診療施設の長は、当該診療施設において同項の臨床研修を行つた者があるときは、当該臨床研修を行つた旨を農林水産大臣に報告するものとする。
(農林水産省令への委任)
第十六条の四 前二条に規定するもののほか、第十六条の二第一項の臨床研修の実施の期間及び診療施設の指定、前条の規定による報告その他の臨床研修の実施に関して必要な事項は、農林水産省令で定める。
(臨床研修の実施に関する援助)
第十六条の五 農林水産大臣は、第十六条の二第一項の臨床研修の円滑な実施を図るため、同項に規定する診療施設の長に対し、必要な資料の提供、助言、指導その他の援助を行うよう努めなければならない。
第十七条の見出し中「家畜診療業務」を「飼育動物診療業務」に改め、同条中「家畜」を「飼育動物」に、「めん羊」を「めん羊」に、「及び鶏をいう」を「、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る」に改める。
第十八条中「若しくは生物学的製剤」を「、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品」に、「但し」を「ただし」に改める。
第二十二条を削る。
第二十一条中「省令」を「農林水産省令」に改め、同条を第二十二条とする。
第二十条第三項中「所属の官吏又は吏員」を「その職員」に改め、同条第四項中「当該官吏又は吏員」を「当該職員」に、「証票」を「証明書」に、「呈示し」を「提示し」に改め、同条を第二十一条とする。
第十九条の次に次の一条を加える。
(保健衛生の指導)
第二十条 獣医師は、飼育動物の診療をしたときは、その飼育者に対し、飼育に係る衛生管理の方法その他飼育動物に関する保健衛生の向上に必要な事項の指導をしなければならない。
第二十三条を次のように改める。
(経過措置)
第二十三条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
「第五章 獣医師免許審議会」を「第五章 獣医事審議会」に改める。
第二十四条中「この法律」の下に「及び獣医療法(平成四年法律第四十六号)」を加え、「獣医師免許審議会」を「獣医事審議会」に改める。
第二十五条を次のように改める。
(委員)
第二十五条 審議会は、委員二十五人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから農林水産大臣が任命する。
一 獣医師が組織する団体を代表する者
二 学識経験がある者
第二十七条中「左の」を「次の」に、「十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「家畜」を「飼育動物」に改め、同条第二号中「基いて」を「基づいて」に改める。
第二十八条中「五万円」を「五十万円」に改める。
第二十九条中「左の」を「次の」に、「五万円」を「二十万円」に改め、同条第二号中「若しくは生物学的製剤」を「、生物学的製剤その他農林水産省令で定める医薬品」に改め、同条第四号中「第二十条第一項」を「第二十一条第一項」に、「又は検案簿の記載を怠つた」を「若しくは検案簿に記載せず、又は診療簿若しくは検案簿に虚偽の記載をした」に改め、同条第五号中「第二十条第二項」を「第二十一条第二項」に改め、同条第六号中「第二十条第三項」を「第二十一条第三項」に改め、同条第七号及び第八号を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(麻薬及び向精神薬取締法の一部改正)
第三条 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)の一部を次のように改正する。
第四十一条中「第二十条」を「第二十一条」に改める。
厚生大臣 山下徳夫
農林水産大臣 田名部匡省
内閣総理大臣 宮沢喜一