運輸施設整備事業団法
法令番号: 法律第83号
公布年月日: 平成9年6月13日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

行政の減量化と新時代の要請に応えるため、特殊法人の整理合理化を行い、平成7年2月の閣議決定に基づき、鉄道整備基金と船舶整備公団を統合して運輸施設整備事業団を設立することとした。これにより、運輸関係施設の効率的な整備等を推進する。新事業団は、鉄道事業者や海上運送事業者による運輸施設整備を総合的に支援し、国民の輸送需要の高度化・多様化に対応した輸送体系の確立を図るとともに、運輸技術の基礎的研究を行う。本法案は、事業団の設立、組織、運営等に関する必要事項を定めるものである。

参照した発言:
第140回国会 衆議院 運輸委員会 第13号

審議経過

第140回国会

衆議院
(平成9年5月13日)
(平成9年5月15日)
参議院
(平成9年5月27日)
(平成9年5月29日)
(平成9年6月3日)
(平成9年6月6日)
運輸施設整備事業団法をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成九年六月十三日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第八十三号
運輸施設整備事業団法
目次
第一章
総則(第一条―第八条)
第二章
役員及び職員(第九条―第十九条)
第三章
業務(第二十条―第二十四条)
第四章
財務及び会計(第二十五条―第三十七条)
第五章
監督(第三十八条・第三十九条)
第六章
雑則(第四十条―第四十三条)
第七章
罰則(第四十四条―第四十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 運輸施設整備事業団は、鉄道事業者、海上運送事業者等による運輸施設の整備を推進するための助成その他の支援を総合的かつ効率的に行うことにより、輸送に対する国民の需要の高度化、多様化等に的確に対応した大量輸送機関を基幹とする輸送体系の確立を図るとともに、運輸技術に関する基礎的研究に関する業務を行うことにより、陸上運送、海上運送及び航空運送の円滑化を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 鉄道事業 鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)による鉄道事業及び軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道事業をいう。
二 鉄道事業者 鉄道事業法による鉄道事業者及び軌道法による軌道経営者をいう。
三 新幹線鉄道 全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)による新幹線鉄道をいう。
四 主要幹線鉄道 大都市圏(政令で定める大都市及びその周辺の地域をいう。以下同じ。)と地方の中核都市とを連絡する中距離の旅客輸送の需要に応ずる鉄道のうち新幹線鉄道と直接又は間接に接続することにより大都市圏と地方の中核都市間における最も適切な輸送経路を形成し、又は形成することとなるもの及び主として長距離の貨物輸送の需要に応ずる鉄道をいう。
五 都市鉄道 大都市圏その他政令で定める大都市(その周辺の地域を含む。)における旅客輸送の需要に応ずる鉄道(軌道を含む。)をいう。
六 海上運送事業者 海上旅客運送事業者、旅客船貸渡業者、海上貨物運送事業者及び貨物船貸渡業者をいう。
七 海上旅客運送事業者 海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)第三条第一項又は第二十一条第一項(これらの規定を同法第四十四条において準用する場合を含む。)の規定による免許又は許可を受けた者をいう。
八 旅客船貸渡業者 海上旅客運送事業者の事業の用に供する船舶(以下「国内旅客船」という。)の貸渡し(期間傭船を含む。第十号において同じ。)をする事業を営む者であって、海上運送法第三十三条において準用する同法第二十条第一項の規定による船舶貸渡業の届出をしたものをいう。
九 海上貨物運送事業者 海上運送法第十九条の五第一項若しくは第二十条第一項の規定による届出をした者又は内航海運業法(昭和二十七年法律第百五十一号)第三条第一項の規定による内航運送業の許可を受けた者をいう。
十 貨物船貸渡業者 貨物船(油送船を含む。以下同じ。)の貸渡し又は運航の委託をする事業を営む者であって、海上運送法第三十三条において準用する同法第二十条第一項の規定による船舶貸渡業の届出をしたもの又は内航海運業法第三条第一項の規定による内航船舶貸渡業の許可を受けたものをいう。
十一 海洋汚染防止設備 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)第五条第一項に規定するビルジ等排出防止設備、同条第二項に規定する水バラスト等排出防止設備、同条第三項に規定する分離バラストタンク若しくは貨物艙原油洗浄設備又は同法第九条の三第一項に規定する有害液体物質排出防止設備をいう。
十二 運輸技術 陸上運送、海上運送及び航空運送の基盤となる施設の機能の向上その他の陸上運送、海上運送及び航空運送の円滑化に資する技術のうち運輸省の所掌に係るものであって、その水準の著しい向上により、陸上運送、海上運送及び航空運送の利用者の利便の増進、これらの運送の安全の確保その他の国民生活の向上に相当程度寄与するものをいう。
(法人格)
第三条 運輸施設整備事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。
(事務所)
第四条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 事業団は、運輸大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(資本金)
第五条 事業団の資本金は、附則第六条第四項及び第七条第四項の規定により政府から出資があったものとされた金額の合計額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、事業団に追加して出資することができる。
3 事業団は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
(登記)
第六条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第七条 事業団でない者は、運輸施設整備事業団という名称を用いてはならない。
(民法の準用)
第八条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条及び第五十条の規定は、事業団について準用する。
第二章 役員及び職員
(役員)
第九条 事業団に、役員として、理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。
(役員の職務及び権限)
第十条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。
2 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
3 監事は、事業団の業務を監査する。
4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は運輸大臣に意見を提出することができる。
(役員の任命)
第十一条 理事長及び監事は、運輸大臣が任命する。
2 理事は、運輸大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
(役員の任期)
第十二条 理事長の任期は三年とし、理事及び監事の任期は二年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
(役員の欠格条項)
第十三条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)
二 日本鉄道建設公団、本州四国連絡橋公団又は日本国有鉄道清算事業団の役員又は職員(非常勤の者を除く。)
三 鉄道事業者、海上運送事業者、第二十条第一項第六号に規定する特定係留船活用事業を営む者、同項第九号ハの施設を整備する者若しくは同条第二項第四号に掲げる業務の対象となる事業等を行うその他の者又はこれらの者が法人であるときはその役員 (いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
四 船舶、船舶用機関若しくは海洋汚染防止設備の製造若しくは修繕の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
五 前二号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
(役員の解任)
第十四条 運輸大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
2 運輸大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(役員の兼職禁止)
第十五条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、運輸大臣が役員としての職務の執行に支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第十六条 事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。
(代理人の選任)
第十七条 理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の業務の一部に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(職員の任命)
第十八条 事業団の職員は、理事長が任命する。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十九条 役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務
(業務の範囲等)
第二十条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 新幹線鉄道に係る鉄道施設の建設に関する事業を行う日本鉄道建設公団に対し、当該事業に要する費用(当該事業に係る借入れに係る債務の償還及び当該債務に係る利子の支払に要する費用を含む。)に充てる資金の一部について交付金を交付すること。
二 新幹線鉄道の輸送力の増強を図るために必要な鉄道施設の大規模な改良で政令で定めるものに関する事業を行う鉄道事業者に対し、当該事業に要する費用に充てるための長期かつ低利の資金の融通を行うこと。
三 主要幹線鉄道又は都市鉄道に係る鉄道施設の建設又は政令で定める大規模な改良に関する事業を行う日本鉄道建設公団(当該事業につき、日本鉄道建設公団法(昭和三十九年法律第三号)第二十二条第二項の運輸大臣の指示があった場合に限る。次項第二号において同じ。)又は帝都高速度交通営団に対し、当該事業に要する費用に充てる資金の一部を無利子で貸し付けること。
四 海上旅客運送事業者又は旅客船貸渡業者と費用を分担して国内旅客船を建造し、当該国内旅客船をこれらの者に使用させ、及び当該国内旅客船をこれらの者に譲渡すること。
五 船齢の高い船舶その他の運輸省令で定める効率の低い船舶(次号において「老朽船舶」という。)であって貨物船であるもの(以下「老朽貨物船」という。)を解撤し、又は貨物船を輸出する海上貨物運送事業者又は貨物船貸渡業者と費用を分担して、運輸省令で定める総トン数未満の鋼製の貨物船(船舶安全法(昭和八年法律第十一号)にいう遠洋区域を航行区域とするものを除く。)を建造し、当該貨物船をこれらの者に使用させ、及び当該貨物船をこれらの者に譲渡すること。
六 余剰船舶等(海上運送事業者の事業規模の縮小、船腹の調整等に伴い余剰となった船舶又は老朽船舶のうち運輸省令で定める船舶をいう。以下同じ。)であって自己の所有に係るものを係留船として活用して行う事業(以下「特定係留船活用事業」という。)を営む海上運送事業者(海上運送事業者から余剰船舶等を取得して特定係留船活用事業を営む者を含む。次号及び第八号において同じ。)と費用(当該余剰船舶等の取得に要する費用を含む。)を分担して、当該余剰船舶等を当該特定係留船活用事業の用に供する係留船に改造し、当該係留船をこれらの者に使用させ、及び当該係留船をこれらの者に譲渡すること。
七 前三号の規定により船舶を建造し、又は改造する海上運送事業者に対し、当該船舶について、建造若しくは改造又は保守若しくは修理に関する技術的援助を行うこと。
八 次に掲げる者に対し、それぞれ次に定める資金を貸し付けること。
イ 海上旅客運送事業者又は旅客船貸渡業者 国内旅客船の改造に必要な資金
ロ 海上貨物運送事業者又は貨物船貸渡業者 運輸省令で定める総トン数未満の鋼製の貨物船(船舶安全法にいう遠洋区域を航行区域とするものを除く。)の改造に必要な資金
ハ 特定係留船活用事業を営む海上運送事業者 余剰船舶等を当該特定係留船活用事業の用に供する係留船に改造するために必要な資金
ニ 海洋汚染防止設備を船舶に設置する者 当該設備の設置に必要な資金
九 次に掲げる者がするそれぞれ次に定める資金の借入れに係る債務について保証すること(イに定める資金の借入れに係る債務についての保証にあっては、イに規定する貨物船の竣工までの間に限る。)。
イ 老朽貨物船の解撤又は貨物船の輸出を行って鋼製の貨物船(船舶安全法にいう遠洋区域を航行区域とするものを除く。)を建造する海上貨物運送事業者又は貨物船貸渡業者 金融機関からの当該解撤若しくは輸出又は建造のため必要な資金の借入れ
ロ 第五号の規定により建造した貨物船を事業団と共有している海上貨物運送事業者又は貨物船貸渡業者 金融機関からの当該事業の継続に必要な資金の借入れ
ハ 海上運送の利用の増進に資する施設であって運輸省令で定めるものを整備する者 金融機関からの当該整備のため必要な資金の借入れ
十 運輸技術に関する基礎的研究を行い、その成果を普及すること。
十一 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 事業団は、前項に規定する業務のほか、第一条の目的を達成するため、次の業務を行うことができる。
一 新幹線鉄道に係る鉄道施設の建設に関する事業を行う日本鉄道建設公団に対し、当該事業に要する費用に充てる資金の一部について、予算で定める国の補助金の交付を受け、これを財源として、補助金を交付すること。
二 主要幹線鉄道又は都市鉄道に係る鉄道施設(軌道施設を含む。)の建設又は改良に関する事業を行う鉄道事業者又は日本鉄道建設公団に対し、当該事業に要する費用に充てる資金の一部について、予算で定める国の補助金等(補助金その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるものをいう。以下同じ。)の交付を受け、これを財源として、補助金等を交付すること。
三 鉄道軌道整備法(昭和二十八年法律第百六十九号)第八条第七項又は踏切道改良促進法(昭和三十六年法律第百九十五号)第七条第三項の規定による国の補助金の交付を受け、これを財源として、鉄道事業者に対し、補助金を交付すること。
四 前三号に規定するもののほか、鉄道施設(軌道施設を含む。)の建設又は改良(これらに関する調査を含む。)に関する事業、鉄道事業に係る技術の開発に関する事業、鉄道事業の業務運営の能率化に関する措置その他の鉄道事業の健全な発達を図る上で必要となる事業又は措置を行う鉄道事業者その他の者に対し、これらの事業等に要する費用に充てる資金の全部又は一部について、予算で定める国の補助金等の交付を受け、これを財源として、補助金等を交付すること。
五 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
3 事業団は、前二項に規定する業務のほか、運輸大臣の認可を受けて、第一条の目的を達成するために必要な業務を行うことができる。
4 事業団は、第一項第一号から第三号までに掲げる業務については、次条第一項の規定に基づいて運輸大臣が定める業務実施方針に従って行うものとする。
5 第一項第一号から第三号までの規定による助成は、政令で定めるところにより、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額の範囲内において行うものとする。
一 附則第七条第一項の規定により事業団が承継した新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律(平成三年法律第四十五号。以下「譲渡法」という。)第一条に規定する新幹線鉄道施設の譲渡の対価の支払を受ける債権(第三十四条において「特定債権」という。)に基づき、譲渡法第二条に規定する旅客鉄道株式会社から毎事業年度において支払を受ける額
二 第一項第三号の規定による貸付金(附則第十五条の規定による廃止前の鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号。以下「旧基金法」という。)第二十条第一項第三号の規定による貸付金を含む。)の償還、第七項の協定に基づく寄託金(旧基金法第二十条第六項の協定に基づく寄託金を含む。)の返還又は第四十条の規定による納付金の納付があったときは、当該償還金、返還金及び納付金の額の合計額
三 当該事業年度における附則第七条第一項の規定により事業団が承継した債務の償還及び当該債務に係る利子の支払(これらに係る借入れに係る債務の償還及び当該債務に係る利子の支払並びにこれらに係る管理費その他政令で定める費用の支払を含む。第三十条第一項第二号において「特定債務の償還等」という。)の確実かつ円滑な実施に要する費用の額として政令で定める方法により算定した額
6 第一項第二号及び第三号の規定による助成は、第二十二条第一項の規定による認定を受けた事業について行うものとする。
7 事業団は、第一項第二号に掲げる業務については、日本開発銀行と次に掲げる事項をその内容に含む協定を締結し、これに従いその業務を行うものとする。
一 事業団は、日本開発銀行に対し、第一項第二号の融通に必要な資金を無利子で寄託すること。
二 日本開発銀行は、事業団が推薦した第一項第二号の事業を行う鉄道事業者に対し、当該事業に要する費用に充てるための長期かつ低利の資金の貸付けを行うこと。
三 第一号の寄託の条件に関する事項及び前号の貸付けの条件の基準に関する事項
四 その他運輸省令で定める事項
8 事業団は、前項の協定を締結しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
9 第一項第三号の規定による貸付金の償還に関し必要な事項は、政令で定める。
(業務実施方針)
第二十一条 運輸大臣は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる事業団の業務について、業務実施方針を定め、これを事業団に指示するとともに、公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 業務実施方針においては、前項の事業団の業務に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の整備に関する基本的な方向
二 当該業務の対象となる事業の基準及び当該事業を行う者の要件に関する事項
三 当該業務に係る助成条件の基準に関する事項
四 その他当該業務の実施に関し必要な事項
(事業の認定)
第二十二条 第二十条第一項第二号又は第三号の規定による助成を受けて新幹線鉄道に係る鉄道施設の改良又は主要幹線鉄道若しくは都市鉄道に係る鉄道施設の建設若しくは改良に関する事業を行おうとする鉄道事業者は、運輸省令で定めるところにより、事業認定申請書を運輸大臣に提出し、当該事業についてこれらの規定に掲げる業務の対象とすることが適当である旨の認定を受けることができる。
2 運輸大臣は、前項の規定による認定の申請があった場合において、当該申請に係る事業及び当該事業を行おうとする者が業務実施方針に定められた前条第二項第二号の基準及び要件に適合しており、かつ、業務実施方針に定められたその他の事項に照らして当該事業に係る新幹線鉄道、主要幹線鉄道又は都市鉄道の整備を促進することが適切であると認めるときは、前項の規定による認定をするものとする。
3 運輸大臣は、第一項の規定による認定を受けた事業又は当該事業を行う者が業務実施方針に定められた前条第二項第二号の基準又は要件に適合しなくなったと認めるとき、正当な理由がないのに当該事業が適切に実施されていないと認めるとき、その他業務実施方針に照らして当該事業を第二十条第一項第二号又は第三号に掲げる業務の対象とすることが適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
4 運輸大臣は、第一項の規定による認定をしたときは、その旨を事業団に通知しなければならない。前項の規定により認定を取り消したときも、同様とする。
(業務の委託)
第二十三条 事業団は、運輸大臣の認可を受けて定める基準に従って、第二十条第一項第十号に掲げる業務の一部を委託することができる。
(業務方法書)
第二十四条 事業団は、業務開始の際、業務方法書を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の業務方法書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。
第四章 財務及び会計
(事業年度)
第二十五条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画等の認可)
第二十六条 事業団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表等)
第二十七条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に運輸大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 事業団は、前項の規定により財務諸表を運輸大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見を付けなければならない。
3 事業団は、第一項の規定による運輸大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表及び附属明細書並びに前項の事業報告書及び決算報告書を各事務所に備えて置かなければならない。
(区分経理)
第二十八条 事業団は、次の業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一 第二十条第一項第一号から第三号までの業務及びこれらに附帯する業務並びに同条第二項の業務
二 第二十条第一項第四号から第九号までの業務及びこれらに附帯する業務
三 前二号に掲げる業務以外の業務
(利益及び損失の処理並びに納付金)
第二十九条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額(前条第一号に掲げる業務に係る勘定及び同条第二号に掲げる業務に係る勘定においては、残余の額のうち政令で定める基準により計算した額)は、積立金として積み立てなければならない。
2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 事業団は、前条第一号に掲げる業務に係る勘定及び同条第二号に掲げる業務に係る勘定において、第一項の規定による残余の額から同項の規定により積立金として積み立てた額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。
(借入金及び運輸施設整備事業団債券)
第三十条 事業団は、運輸大臣の認可を受けて、長期借入金若しくは短期借入金をし、又は運輸施設整備事業団債券(以下「事業団債券」という。)を発行することができる。ただし、長期借入金の借入れ及び事業団債券の発行は、次の各号のいずれかの場合に限り、行うことができる。
一 第二十条第一項第四号から第十号までの業務及びこれらに附帯する業務並びに同条第三項の業務を行うために必要がある場合
二 特定債務の償還等を行うために必要がある場合
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、運輸大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。
4 第一項の規定による事業団債券の債権者は、事業団の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 前項の先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
6 事業団は、運輸大臣の認可を受けて、事業団債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7 商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条、第三百十条及び第三百十一条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
8 第一項及び第四項から前項までに定めるもののほか、事業団債券に関し必要な事項は、政令で定める。
(債務保証)
第三十一条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、事業団の長期借入金又は事業団債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
(償還計画)
第三十二条 事業団は、毎事業年度、長期借入金及び事業団債券の償還計画を立てて、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第三十三条 事業団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
一 国債、地方債その他運輸大臣の指定する有価証券の取得
二 銀行その他運輸大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金
三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託
(財産の処分等の制限)
第三十四条 事業団は、特定債権を免除し、譲渡し、交換し、又は担保に供することができない。
2 事業団は、運輸大臣の認可を受けた場合でなければ、特定債権の内容を変更することができない。
3 事業団は、運輸省令で定める重要な財産(特定債権を除く。)を譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十五条 事業団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、運輸大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第三十六条 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号。以下この条において「補助金等適正化法」という。)の規定(罰則を含む。)は、第二十条第一項第一号の規定により事業団が交付する交付金について準用する。この場合において、補助金等適正化法(第二条第七項並びに第二十五条第一項及び第二項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、「各省各庁の長」とあるのは「運輸施設整備事業団の理事長」と、補助金等適正化法第二条第一項及び第四項、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「運輸施設整備事業団」と、補助金等適正化法第十四条中「国の会計年度」とあるのは「運輸施設整備事業団の事業年度」と読み替えるものとする。
2 補助金等適正化法第四条、第十条第一項及び第二項、第十七条から第二十二条まで並びに第二十四条の二の規定は、第二十条第二項第一号から第四号までの規定により事業団が交付する補助金等について準用する。この場合において、補助金等適正化法第十条第一項及び第二項、第十七条第一項及び第二項、第十八条、第十九条第三項、第二十条、第二十一条第一項、第二十一条の二、第二十二条並びに第二十四条の二中「各省各庁の長」とあるのは「運輸施設整備事業団の理事長」と、補助金等適正化法第十九条第一項及び第二項中「国」とあるのは「運輸施設整備事業団」と読み替えるものとする。
(運輸省令への委任)
第三十七条 この法律及びこれに基づく政令に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
第五章 監督
(監督)
第三十八条 事業団は、運輸大臣が監督する。
2 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第三十九条 運輸大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対し、その業務並びに資産及び債務の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、事業団の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第六章 雑則
(日本鉄道建設公団による納付金の納付)
第四十条 日本鉄道建設公団は、第二十条第一項第一号の交付金(譲渡法附則第二条の規定による廃止前の新幹線鉄道保有機構法(昭和六十一年法律第八十九号。附則第九条第一項において「旧機構法」という。)附則第十三条第一項の交付金及び旧基金法第二十条第一項第一号の交付金を含む。)の交付を受けて行った新幹線鉄道に係る鉄道施設の建設に関する事業について、政令で定めるところにより算定される剰余金を生じたときは、当該剰余金の額に相当する金額の納付金を事業団に納付しなければならない。
(解散)
第四十一条 事業団の解散については、別に法律で定める。
(大蔵大臣との協議)
第四十二条 運輸大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第二十条第三項若しくは第八項、第二十四条第一項、第二十六条、第三十条第一項、第二項ただし書若しくは第六項、第三十二条又は第三十四条第二項若しくは第三項の規定による認可をしようとするとき。
二 第二十条第七項第四号、第二十四条第二項、第三十四条第三項又は第三十七条の規定により運輸省令を定めようとするとき。
三 第二十一条第一項の規定により業務実施方針を定め、又は変更しようとするとき。
四 第二十二条第一項の規定による認定又は同条第三項の規定による認定の取消しをしようとするとき。
五 第二十七条第一項又は第三十五条の規定による承認をしようとするとき。
六 第三十三条第一号又は第二号の規定による指定をしようとするとき。
(他の法令の準用)
第四十三条 不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、事業団を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。
第七章 罰則
第四十四条 第三十九条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
第四十五条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした事業団の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 この法律の規定により運輸大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二 第六条第一項の規定に違反して登記することを怠ったとき。
三 第二十条第一項から第三項までに規定する業務以外の業務を行ったとき。
四 第三十三条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
五 第三十八条第二項の規定による運輸大臣の命令に違反したとき。
第四十六条 第七条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十五条から第三十七条までの規定は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(事業団の設立)
第二条 運輸大臣は、事業団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
第三条 運輸大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。
2 設立委員は、事業団の設立の準備を完了したときは、遅滞なく、その旨を運輸大臣に届け出るとともに、その事務を前条第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
第四条 附則第二条第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前条第二項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
第五条 事業団は、設立の登記をすることによって成立する。
(船舶整備公団の解散等)
第六条 船舶整備公団(以下「公団」という。)は、事業団の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において事業団が承継する。
2 公団の平成九年四月一日に始まる事業年度は、公団の解散の日の前日に終わるものとする。
3 公団の平成九年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、公団の決算完結の期限は、解散の日から起算して四月を経過する日とする。
4 第一項の規定により事業団が公団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における公団に対する政府の出資金に相当する金額は、事業団の設立に際し政府から事業団に出資されたものとする。
5 第一項の規定により公団が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(鉄道整備基金の解散等)
第七条 鉄道整備基金(以下「基金」という。)は、事業団の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において事業団が承継する。
2 基金の平成九年四月一日に始まる事業年度は、基金の解散の日の前日に終わるものとする。
3 基金の平成九年四月一日に始まる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。
4 第一項の規定により事業団が基金の権利及び義務を承継したときは、その承継の際における基金に対する政府の出資金に相当する金額は、事業団の設立に際し政府から事業団に出資されたものとする。
5 第一項の規定により事業団が承継する債務のうち日本国有鉄道清算事業団に対して負担するものの償還及び当該債務に係る利子の支払に関し必要な事項は、政令で定める。
6 第一項の規定により基金が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第八条 附則第六条第一項又は前条第一項の規定により事業団が承継する次の各号に掲げる債券に係る債務について政府がした当該各号に掲げる保証契約は、その承継後においても、当該債券に係る債務について従前の条件により存続するものとする。
一 船舶整備債券 附則第十五条の規定による廃止前の船舶整備公団法(昭和三十四年法律第四十六号。以下「旧公団法」という。)第二十六条の二の規定による保証契約
二 鉄道整備基金債券 旧基金法第二十九条の規定による保証契約
三 鉄道債券、鉄道建設債券及び新幹線鉄道保有機構債券 旧基金法附則第四条第三項の規定により従前の条件により存続するものとされた保証契約
2 前項の船舶整備債券、鉄道整備基金債券、鉄道債券、鉄道建設債券及び新幹線鉄道保有機構債券は、第三十条第四項及び第五項の規定の適用については、同条第一項の規定による事業団債券とみなす。
3 前条第一項の規定により事業団が承継する債務に係る次に掲げる長期借入金及び債券は、第三十二条の規定の適用については、それぞれ、同条の長期借入金及び事業団債券とみなす。
一 基金の長期借入金並びに旧基金法附則第四条第五項に規定する日本国有鉄道の長期借入金及び譲渡法第五条第一項の規定による解散前の新幹線鉄道保有機構(以下「機構」という。)の長期借入金
二 鉄道整備基金債券及び新幹線鉄道保有機構債券
4 旧基金法附則第四条第六項の規定により日本国有鉄道改革法(昭和六十一年法律第八十七号)第二十六条の規定の適用を受けることとされた基金の一切の権利及び義務を前条第一項の規定により承継する事業団については、同法第二十二条の規定により鉄道債券及び鉄道建設債券に係る債務を承継した承継法人とみなして、同法第二十六条の規定を適用する。
5 日本国有鉄道改革法第二十三条第七項の規定は、前条第一項の規定による基金の解散の際現にその職員として在職する者(譲渡法附則第十九条の規定による改正前の日本国有鉄道改革法(以下「改正前改革法」という。)第二十三条第六項の規定の適用を受けた者であって、機構の解散の際現にその職員として在籍し、かつ、引き続き基金の職員となったものに限る。)で引き続き事業団の職員となったものが事業団を退職する場合における退職手当の支給について準用する。この場合において、日本国有鉄道改革法第二十三条第七項中「承継法人」とあり、及び「当該承継法人」とあるのは、「運輸施設整備事業団」と読み替えるものとする。
(非課税)
第九条 機構が改正前改革法第二十二条の規定により日本国有鉄道から承継した権利に係る当該承継に伴う登記及び機構が旧機構法附則第七条第一項の規定により建設を行った旧機構法第二条第一項第一号に掲げる新幹線鉄道に係る建物の所有権の保存の登記であって、旧基金法附則第四条第一項の規定により基金が機構から承継し、さらに、附則第七条第一項の規定により事業団が基金から承継した当該登記に係る登記権利者としての地位に基づき事業団が機構を登記名義人とするために受けるものについては、登録免許税を課さない。
2 附則第六条第一項及び第七条第一項の規定により事業団が権利を承継する場合における当該承継に係る不動産又は自動車の取得に対しては、不動産取得税若しくは土地の取得に対して課する特別土地保有税又は自動車取得税を課することができない。
3 附則第六条第一項の規定により事業団が権利を承継し、かつ、引き続き保有する土地で公団が昭和四十四年一月一日前に取得したものに対しては、土地に対して課する特別土地保有税を課することができない。
(事業団に対する厚生年金保険法等の規定の適用)
第十条 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)附則第十九条第二項から第四項までの規定の適用については、事業団を厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成八年法律第八十二号。以下この条において「平成八年厚生年金等改正法」という。)第二条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。以下この条において「平成八年改正前の共済法」という。)第二条第一項第七号ハに掲げる法人とみなし、厚生年金保険法附則第十九条第二項第三号中「の事業所」とあるのは、「及び運輸施設整備事業団の事業所」とする。
2 事業団の事業所又は事務所のうち厚生年金保険法第六条第一項又は第三項に規定する適用事業所であるものに使用される同法による被保険者の同法による保険料率については、事業団を平成八年改正前の共済法第二条第一項第八号に規定する法人とみなして、平成八年厚生年金等改正法附則第十八条第二項の規定を適用する。この場合において、同項において準用する同条第一項ただし書中「施行日の前日以前の日から引き続き厚生年金保険の被保険者の資格を有する者(施行日の前日以前の日から引き続き当該事業所又は事務所に使用される者に限る。)」とあるのは、「施行日の前日以前の日から運輸施設整備事業団(以下この項において「事業団」という。)の成立の日の前日まで引き続き厚生年金保険の被保険者の資格を有する者(施行日の前日以前の日から事業団の成立の日の前日まで引き続き鉄道整備基金の事業所又は事務所に使用される者に限る。)であって事業団の成立の日において事業団の被保険者(事業団の事業所又は事務所のうち適用事業所(厚生年金保険法第六条第一項又は第三項に規定する適用事業所をいう。以下この項において同じ。)であるものに使用される同法による被保険者をいう。以下この項において同じ。)であるもの、事業団の成立の日の前日において船舶整備公団の事業所又は事務所のうち適用事業所であるものに使用される同法による被保険者であった者であって事業団の成立の日において事業団の被保険者であるもの及び事業団の被保険者(事業団の成立の日の前日において船舶整備公団又は鉄道整備基金の事業所又は事務所のうち適用事業所であるものに使用される同法による被保険者であった者であって事業団の成立の日において事業団の被保険者であるものを除く。)であって事業団の事業所又は事務所のうち適用事業所であるものに使用されるに至った日において運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)第二十条第一項第四号から第十号までの業務若しくはこれらに附帯する業務若しくは同条第三項の業務又は同法附則第十四条第二項の業務に従事することとされたもの」とする。
3 事業団については、平成八年改正前の共済法第二条第一項第八号に規定する旅客鉄道会社等とみなして、平成八年厚生年金等改正法附則第五十四条第一項から第五項までの規定を適用する。
4 前項の場合において、日本国有鉄道改革法等施行法(昭和六十一年法律第九十三号)第三十八条第一項及び第三十八条の二の規定の適用については、事業団を平成八年改正前の共済法第二条第一項第八号に規定する旅客鉄道会社等とみなす。
(名称の使用制限等に関する経過措置)
第十一条 この法律の施行の際現に運輸施設整備事業団という名称を使用している者については、第七条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第十二条 事業団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、平成十年三月三十一日に終わるものとする。
第十三条 事業団の最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十六条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」とする。
(業務の特例)
第十四条 事業団は、当分の間、第二十条第一項から第三項までに規定する業務のほか、次の業務を行うことができる。
一 日本鉄道建設公団法附則第十三条第六項の規定による国の無利子貸付金の貸付け及び国の補助金の交付を受け、これを財源として、日本鉄道建設公団に対し、無利子貸付金を貸し付け、及び補助金を交付すること。
二 前号の業務に附帯する業務を行うこと。
2 事業団は、当分の間、第二十条第一項から第三項まで及び前項に規定する業務のほか、次の業務を行うものとする。
一 旧公団法第十九条第一号の規定により改造した国内旅客船を海上旅客運送事業者又は旅客船貸渡業者に使用させ、及び当該国内旅客船をこれらの者に譲渡すること。
二 前号の業務に附帯する業務を行うこと。
3 事業団は、第二十条第一項から第三項まで及び前二項に規定する業務のほか、旧基金法附則第十条第二項に規定する基金が承継した債務のうち附則第七条第一項の規定により事業団が承継するものの償還及び当該債務に係る利子の支払(これらに係る借入れに係る債務の償還及び当該債務に係る利子の支払を含む。)に関する業務、機構が改正前改革法第二十二条の規定により日本国有鉄道から承継した新幹線鉄道に係る鉄道施設に係る当該承継に伴う所有権の移転の登記に関する業務その他同項の規定による権利及び義務の承継に伴い必要となる業務を行うものとする。
4 前三項の規定によりこれらの規定に規定する業務が行われる場合には、第二十八条第一号中「同条第二項の業務」とあるのは「同条第二項の業務並びに附則第十四条第一項及び第三項の業務」と、同条第二号中「これらに附帯する業務」とあるのは「これらに附帯する業務並びに附則第十四条第二項の業務」と、第二十九条第一項及び第三項中「前条第一号に掲げる業務」とあるのは「前条第一号に掲げる業務並びに附則第十四条第一項及び第三項の業務」と、「同条第二号に掲げる業務」とあるのは「同条第二号に掲げる業務及び附則第十四条第二項の業務」と、第三十条第一項第一号中「同条第三項の業務」とあるのは「同条第三項の業務並びに附則第十四条第二項の業務」と、第三十六条第二項中「第二十条第二項第一号から第四号まで」とあるのは「第二十条第二項第一号から第四号まで又は附則第十四条第一項第一号」と、第四十五条第三号中「第二十条第一項から第三項まで」とあるのは「第二十条第一項から第三項まで及び附則第十四条第一項から第三項まで」とする。
(船舶整備公団法及び鉄道整備基金法の廃止)
第十五条 次の法律は、廃止する。
一 船舶整備公団法
二 鉄道整備基金法
(船舶整備公団法及び鉄道整備基金法の廃止に伴う経過措置)
第十六条 前条の規定の施行前に旧公団法(第十一条を除く。)又は旧基金法(第十一条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、この法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第十七条 附則第十五条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十八条 附則第八条、第九条、第十一条から第十三条まで、前二条及び附則第二十条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(公職選挙法の一部改正)
第十九条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)の一部を次のように改正する。
第百三十六条の二第一項第二号中「、船舶整備公団」を削る。
(公職選挙法の一部改正に伴う経過措置)
第二十条 前条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(地方税法の一部改正)
第二十一条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第七十二条の四第一項第二号中「、船舶整備公団」を削り、「日本国有鉄道清算事業団」の下に「、運輸施設整備事業団」を加え、「、鉄道整備基金」を削る。
(日本開発銀行法の一部改正)
第二十二条 日本開発銀行法(昭和二十六年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第三項中「鉄道整備基金から鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)第二十条第六項」を「運輸施設整備事業団から運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)第二十条第七項」に改める。
(信用金庫法の一部改正)
第二十三条 信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)の一部を次のように改正する。
第五十三条第十六項中第三号を削り、第四号を第三号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り上げる。
(鉄道軌道整備法の一部改正)
第二十四条 鉄道軌道整備法の一部を次のように改正する。
第八条第七項中「鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)」を「運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)」に、「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改め、同条第八項中「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改める。
附則第二項中「鉄道整備基金法第二条第二項から第四項まで」を「運輸施設整備事業団法第二条第三号から第五号まで」に改める。
(石炭鉱業構造調整臨時措置法の一部改正)
第二十五条 石炭鉱業構造調整臨時措置法(昭和三十年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三十六条の三第一項中「船舶整備公団」を「運輸施設整備事業団」に改める。
(地方財政再建促進特別措置法の一部改正)
第二十六条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。
第二十四条第二項中「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改める。
(踏切道改良促進法の一部改正)
第二十七条 踏切道改良促進法の一部を次のように改正する。
第七条第三項中「鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)」を「運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)」に、「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改める。
(日本鉄道建設公団法の一部改正)
第二十八条 日本鉄道建設公団法の一部を次のように改正する。
第十二条第二号中「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改める。
附則第十三条第六項中「鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)」を「運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)」に、「鉄道整備基金」を「運輸施設整備事業団」に改める。
(所得税法の一部改正)
第二十九条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中船舶整備公団の項及び鉄道整備基金の項を削り、宇宙開発事業団の項の次に次のように加える。
運輸施設整備事業団
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
(法人税法の一部改正)
第三十条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。
別表第一第一号の表中船舶整備公団の項及び鉄道整備基金の項を削り、奄美群島振興開発基金の項の次に次のように加える。
運輸施設整備事業団
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
(印紙税法の一部改正)
第三十一条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
別表第二中船舶整備公団の項及び鉄道整備基金の項を削り、奄美群島振興開発基金の項の次に次のように加える。
運輸施設整備事業団
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
(登録免許税法の一部改正)
第三十二条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第二中船舶整備公団の項及び鉄道整備基金の項を削り、奄美群島振興開発基金の項の次に次のように加える。
運輸施設整備事業団
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
(全国新幹線鉄道整備法の一部改正)
第三十三条 全国新幹線鉄道整備法の一部を次のように改正する。
附則第十八項中「鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)」を「運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)」に改める。
(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第三十四条 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(昭和五十八年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。
附則第十二条中「船舶整備公団法」を「運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)」に、「第二条第十三項」を「第二条第十一号」に、「第九条の三第一項」を「同法第九条の三第一項」に、「第十条の二第一項」を「同法第十条の二第一項」に改める。
(日本国有鉄道改革法等施行法の一部改正)
第三十五条 日本国有鉄道改革法等施行法の一部を次のように改正する。
附則第二十三条第十八項を削る。
(消費税法の一部改正)
第三十六条 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
別表第三第一号の表中船舶整備公団の項及び鉄道整備基金の項を削り、宇宙開発事業団の項の次に次のように加える。
運輸施設整備事業団
運輸施設整備事業団法(平成九年法律第八十三号)
(運輸省設置法の一部改正)
第三十七条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第三条の二第一項第百六十五号中「船舶整備公団、」を削り、「新東京国際空港公団」の下に「、運輸施設整備事業団」を加え、「、鉄道整備基金」を削る。
法務大臣 松浦功
大蔵大臣 三塚博
通商産業大臣 佐藤信二
運輸大臣 古賀誠
自治大臣 白川勝彦
内閣総理大臣 橋本龍太郎