社会保険審査官及び社会保険審査会法
法令番号: 法律第二百六号
公布年月日: 昭和28年8月14日
法令の形式: 法律
社会保険審査官及び社会保険審査会法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年八月十四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百六号
社会保険審査官及び社会保険審査会法
目次
第一章
社会保険審査官
第一節
設置(第一条・第二条)
第二節
審査の手続(第三条―第十八条)
第二章
社会保険審査会
第一節
設置及び組織(第十九条―第三十一条)
第二節
審査の手続(第三十二条―第四十五条)
第三章
罰則(第四十六条―第四十八条)
附則
第一章 社会保険審査官
第一節 設置
(設置)
第一条 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第八十条、日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)第三十九条、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第六十三条及び厚生年金保険法(昭和十六年法律第六十号)第六十二条の規定による審査の事務をつかさどらせるため、各都道府県に社会保険審査官(以下「審査官」という。)を置く。
2 各都道府県に置かれる審査官の定数は、政令で定める。
(任命)
第二条 審査官は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)附則第八条に規定する職員のうちから、厚生大臣が命ずる。
第二節 審査の手続
(管轄審査官)
第三条 健康保険法第八十条、日雇労働者健康保険法第三十九条、船員保険法第六十三条又は厚生年金保険法第六十二条の規定による審査の請求は、左に掲げる審査官に対してするものとする。
一 都道府県知事がした処分に対する審査の請求にあつては、その都道府県に置かれた審査官
二 健康保険組合がした処分に対する審査の請求にあつては、その処分に関する事務を処理した健康保険組合の事務所の所在地の都道府県に置かれた審査官
三 厚生大臣がした保険給付に関する処分に対する審査の請求にあつては、請求人が当該保険給付につき経由した都道府県知事の統轄する都道府県に置かれた審査官
(請求の期間)
第四条 審査の請求は、標準報酬又は保険給付に関する処分があつたことを知つた日から六十日以内にしなければならない。但し、正当な事由によりこの期間内に審査の請求をすることができなかつたことを疎明したときは、この限りでない。
2 標準報酬に関する処分に対する審査の請求は、原処分の日から二年を経過したときは、することができない。
(請求の方式)
第五条 審査の請求は、政令の定めるところにより、文書又は口頭ですることができる。
2 審査の請求は、原処分に関する事務を処理した都道府県の機関若しくは健康保険組合又は請求人の居住地の都道府県の同種の事務を処理する機関若しくは審査官を経由してすることができる。
(却下)
第六条 審査の請求が不適法であつて補正することができないものであるときは、審査官は、決定をもつて、これを却下しなければならない。
(補正)
第七条 審査の請求が不適法であつて補正することができるものであるときは、審査官は、相当の期間を定めて、補正を命じなければならない。
2 審査官は、請求人が前項の期間内に補正しないときは、決定をもつて、審査の請求を却下することができる。但し、前項の不適法が軽微なものであるときは、この限りでない。
(移送)
第八条 審査の請求が管轄違であるときは、審査官は、事件を管轄審査官に移送し、且つ、その旨を請求人に通知しなければならない。
2 事件が移送されたときは、はじめから、移送を受けた審査官に審査の請求があつたものとみなす。
(保険者に対する通知等)
第九条 審査官は、審査の請求を受理したときは、政令の定めるところにより、原処分をした保険者及びその他の利害関係人に通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた者は、審査官に対し、事件につき意見を述べることができる。
(原処分の執行の停止等)
第十条 審査の請求は、原処分の執行を停止しない。但し、審査官は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる。
2 審査官は、いつでも前項の執行の停止を取り消すことができる。
3 第一項の執行の停止は、審査の請求があつた日から六十日以内に審査の請求についての決定がないときは、その効力を失う。
4 執行の停止及び執行の停止の取消は、文書により、且つ、理由を附し、原処分をした保険者に通知することによつて行う。
5 審査官は、執行の停止又は執行の停止の取消をしたときは、請求人及び前条第一項の規定により通知を受けた保険者以外の利害関係人に通知しなければならない。
(審理のための処分)
第十一条 審査官は、審理を行うため必要があるときは、請求人若しくは第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人の申立により又は職権で、左の各号に掲げる処分をすることができる。
一 請求人又は参考人の出頭を求めて審問し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。
二 文書その他の物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留め置くこと。
三 鑑定人に鑑定させること。
四 事件に関係のある事業所その他の場所に立ち入つて、事業主、従業員その他の関係人に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査すること。
2 審査官は、他の審査官に、前項第一号又は第四号の処分を嘱託することができる。
3 第一項第四号の規定により立入検査をする審査官は、その身分を示す証票を携帯し、関係人から求められたときは、これを呈示しなければならない。前項の規定により嘱託を受けた審査官も、同様とする。
4 審査官は、請求人又は第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人が、正当な理由がなく、第一項第一号若しくは第二項の規定による処分に違反して出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、第一項第二号の規定による処分に違反して物件を提出せず、又は第一項第四号若しくは第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、その請求を棄却し、又はその意見を採用しないことができる。
5 第一項の規定による処分は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(審査手続の受継)
第十二条 請求人が、審査の決定前に死亡したときは、承継人が、審査の手続を受け継ぐものとする。
(本案の決定)
第十三条 審査官は、審理を終えたときは、審査の請求の全部又は一部を容認し、又は棄却する決定をしなければならない。
(決定の方式)
第十四条 決定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附し、決定をした審査官が、これに署名押印しなければならない。
2 審査官は、請求人及び第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人に、決定書の謄本を送付しなければならない。
(決定の効力発生時期)
第十五条 決定は、請求人に決定書の謄本が送付された時に、その効力を生ずる。
(決定の拘束力)
第十六条 決定は、第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人を拘束する。
(決定の変更等)
第十七条 決定の変更及び更正については、民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)第百九十三条ノ二第一項(判決の変更)及び第百九十四条第一項(判決の更正)の規定を準用する。この場合において、これらの規定中「判決」とあるのは「決定」と、「裁判所」とあるのは「審査官」と、「其ノ言渡後一週間内」とあるのは「其ノ決定書ガ請求人ニ送付セラレタル後二週間内」と、「弁論」とあるのは「審理ノ為ノ処分」と読み替えるものとする。
(政令委任)
第十八条 この章に定めるもののほか、審査に関する手続は、政令で定める。
第二章 社会保険審査会
第一節 設置及び組織
(設置)
第十九条 健康保険法第八十条、日雇労働者健康保険法第三十九条、船員保険法第六十三条及び厚生年金保険法第六十二条の規定による再審査並びに健康保険法第八十一条、日雇労働者健康保険法第四十条、船員保険法第六十四条及び厚生年金保険法第六十三条の規定による審査の事務をつかさどらせるため、厚生大臣の所轄の下に、社会保険審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(職権の行使)
第二十条 審査会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
(組織)
第二十一条 審査会は、委員長及び委員二人をもつて組織する。
(委員長及び委員の任命)
第二十二条 委員長及び委員は、人格が高潔であつて、社会保障に関する識見を有し、且つ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 委員長又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために、両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、人格が高潔であつて、社会保障に関する識見を有し、且つ、法律又は社会保険に関する学識経験を有する者のうちから、委員長又は委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で、両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
(任期)
第二十三条 委員長及び委員の任期は、三年とする。但し、補欠の委員長又は委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員長及び委員は、再任されることができる。
(身分保障)
第二十四条 委員長及び委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
一 禁治産、準禁治産又は破産の宣告を受けたとき。
二 禁こ以上の刑に処せられたとき。
三 審査会により、心身の故障のため、職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員長若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
(罷免)
第二十五条 内閣総理大臣は、委員長又は委員が前条各号の一に該当するときは、その委員長又は委員を罷免しなければならない。
(委員長)
第二十六条 委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。
2 審査会は、あらかじめ委員のうちから、委員長に故障があるときに委員長を代理する者を定めて置かなければならない。
(会議)
第二十七条 審査会は、委員長及び一人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 審査会の議事は、委員長及び委員の過半数をもつて決する。
(給与)
第二十八条 委員長及び委員の給与は、別に法律で定める。
(特定行為の禁止)
第二十九条 委員長及び委員は、在任中、左の各号の一に該当する行為をしてはならない。
一 国会若しくは地方公共団体の議会の議員その他公選による公職の候補者となり、又は積極的に政治活動をすること。
二 内閣総理大臣の許可のある場合を除くほか、報酬のある他の職務に従事すること。
三 営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
(利益を代表する者の指名)
第三十条 厚生大臣は、健康保険、日雇労働者健康保険、船員保険及び厚生年金保険ごとに、被保険者の利益を代表する者及び事業主(船員保険にあつては、船舶所有者)の利益を代表する者各二名を、関係団体の推薦により指名するものとする。
(庶務)
第三十一条 審査会の庶務は、厚生省保険局で処理する。
第二節 審査の手続
(請求の期間等)
第三十二条 健康保険法第八十条第一項、日雇労働者健康保険法第三十九条第一項、船員保険法第六十三条第一項又は厚生年金保険法第六十二条第一項の規定による再審査の請求は、審査官の決定書の謄本が送付された日から六十日以内にしなければならない。
2 健康保険法第八十条第二項、日雇労働者健康保険法第三十九条第二項、船員保険法第六十三条第二項又は厚生年金保険法第六十二条第二項の規定による再審査の請求は、審査の請求をした日から百二十日以内にしなければならない。
3 健康保険法第八十一条、日雇労働者健康保険法第四十条、船員保険法第六十四条又は厚生年金保険法第六十三条の規定による審査の請求は、当該処分があつたことを知つた日から六十日以内にしなければならない。
4 第四条第一項但書の規定は、前三項の期間について準用する。
5 第五条第二項の規定は、第一項及び第二項に規定する再審査に準用する。
6 第一項及び第二項の再審査並びに第三項の審査の請求においては、原処分をした保険者(健康保険法第十一条ノ二第一項、日雇労働者健康保険法第三十四条第三項、船員保険法第十二条ノ二第一項及び厚生年金保険法第十一条ノ二第一項の規定による請求を受けて処分をした者を含む。以下同じ。)をもつて相手方とする。
(保険者等に対する通知)
第三十三条 審査会は、再審査又は審査の請求を受理したときは、政令の定めるところにより、原処分をした保険者及び第三十条の規定により指名された者(以下「利益代表者」という。)に通知しなければならない。
(参加)
第三十四条 審査会は、必要があると認めるときは、申立により又は職権で、利害関係のある第三者を当事者として再審査又は審査の手続に参加させることができる。
2 審査会は、前項の規定により第三者を手続に参加させるときは、あらかじめ当事者及び当該第三者の意見を聞かなければならない。
(原処分の執行の停止等)
第三十五条 審査及び再審査の請求は、原処分の執行を停止しない。但し、審査会は、原処分の執行により生ずることのある償うことの困難な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、職権でその執行を停止することができる。
2 審査会は、いつでも前項の執行の停止を取り消すことができる。
3 執行の停止及び執行の停止の取消は、文書により、且つ、理由を附し、原処分をした保険者に通知することによつて行う。
4 審査会は、執行の停止又は執行の停止の取消をしたときは、原処分をした保険者以外の当事者に通知しなければならない。
(審理の期日及び場所)
第三十六条 審査会は、審理の期日及び場所を定め、当事者及び利益代表者に通知しなければならない。
(審理の公開)
第三十七条 審理は、公開しなければならない。但し、当事者の申立があつたときは、公開しないことができる。
(審理の指揮)
第三十八条 審理期日における審理の指揮は、委員長が行う。
(意見の陳述等)
第三十九条 当事者及びその代理人は、審理期日に出頭し、意見を述べることができる。
2 利益代表者のうち、被保険者の利益を代表する者は、被保険者たる当事者の利益のため、事業主の利益を代表する者は、事業主たる当事者の利益のため、それぞれ審理期日に出頭して意見を述べ、又は意見書を提出することができる。
(審理のための処分)
第四十条 審査会は、審理を行うため必要があるときは、当事者若しくは利益代表者の申立により又は職権で、左の各号に掲げる処分をすることができる。
一 当事者又は参考人の出頭を求めて審問し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。
二 文書その他の物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留め置くこと。
三 鑑定人に鑑定させること。
四 事件に関係のある事業所その他の場所に立ち入つて、事業主、従業員その他の関係人に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査すること。
五 必要な調査を官公署、学校その他の団体に嘱託すること。
2 審査会は、委員長又は委員に、前項第一号又は第四号の処分をさせることができる。
3 前項の規定により立入検査をする委員長又は委員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人から求められたときは、これを呈示しなければならない。
4 審査会は、当事者が、正当な理由がなく、第一項第一号若しくは第二項の規定による処分に違反して出頭せず、陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、第一項第二号の規定による処分に違反して物件を提出せず、又は第一項第四号若しくは第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、その請求を棄却し、又はその意見を採用しないことができる。
5 第十一条第五項の規定は、第一項の規定による処分に準用する。
(調書)
第四十一条 審査会は、審理の期日における経過について、調書を作成しなければならない。
2 利害関係人は、厚生省令の定める手続に従い、前項の調書を閲覧することができる。
(合議)
第四十二条 審査会の合議は、公開しない。
(裁決の方式)
第四十三条 裁決は、文書をもつて行い、且つ、理由を附し、委員長及び合議に関与した委員が、これに署名押印しなければならない。委員長又は合議に関与した委員が署名押印することができないときは、合議に関与した委員又は委員長が、その事由を附記して署名押印しなければならない。
2 審査会は、当事者に裁決書の謄本を送付しなければならない。
(準用規定)
第四十四条 第五条第一項、第六条、第七条、第十二条、第十三条、第十五条及び第十七条の規定は、審査会の行う再審査又は審査の手続に準用する。この場合において、これらの規定中「審査官」とあるのは「審査会」と、「決定」とあるのは「裁決」と、「決定書」とあるのは「裁決書」と、第十二条及び第十五条中「請求人」とあるのは「当事者」と読み替えるものとする。
(政令委任)
第四十五条 この章に定めるもののほか、再審査及び審査に関する手続は、政令で定める。
第三章 罰則
第四十六条 第十一条第一項第四号若しくは第二項又は第四十条第一項第四号若しくは第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。但し、審査官の行う審査の手続における請求人若しくは第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人又は審査会の行う再審査若しくは審査の手続における当事者は、この限りでない。
第四十七条 左の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。但し、審査官の行う審査の手続における請求人若しくは第九条第一項の規定により通知を受けた保険者その他の利害関係人又は審査会の行う再審査若しくは審査の手続における当事者は、この限りでない。
一 第十一条第一項第一号若しくは第二項又は第四十条第一項第一号若しくは第二項の規定による処分に違反して出頭せず、陳述をせず、報告をせず、又は虚偽の陳述若しくは報告をした者
二 第十一条第一項第二号又は第四十条第一項第二号の規定による物件の所有者、所持者又は保管者に対する処分に違反して物件を提出しない者
三 第十一条第一項第三号又は第四十条第一項第三号の規定による鑑定人に対する処分に違反して鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者
第四十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、第四十六条又は前条第一号若しくは第二号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、前二条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和二十八年八月一日から施行する。
(任命のために必要な行為)
2 第二十二条第一項の規定による審査会の委員長及び委員の任命のために必要な行為は、前項の規定にかかわらず、この法律の施行前においても、行うことができる。
(委員長及び委員の任命手続の特例)
3 第二十二条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行後最初に行われる審査会の委員長及び委員の任命について準用する。
(委員の任期の特例)
4 この法律の施行後最初に任命される委員の任期は、第二十三条第一項本文の規定にかかわらず、内閣総理大臣の定めるところにより一人は二年とし、一人は一年とする。
(他の法律の一部改正)
5 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第十五条中「国立教護院」を
国立教護院
社会保険審査会
に改める。
第二十七条の次に次の一条を加える。
(社会保険審査会)
第二十七条の二 社会保険審査会に関しては、社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)の定めるところによる。
第二十九条第一項の表中
社会保険審査会
健康保険、船員保険及び厚生年金保険における保険給付に関する決定及び保険料その他の徴収金等についての処分に関する不服を審査すること。
を削る。
6 社会保険審議会、社会保険医療協議会、社会保険審査官及び社会保険審査会の設置に関する法律(昭和二十五年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
社会保険審議会及び社会保険医療協議会法
目次中
第三章
社会保険審査官及び社会保険審査会
第一節
社会保険審査官(第二十二条)
第二節
社会保険審査会(第二十三条―第三十条)
を削る。
第三章を削る。
7 健康保険法の一部を次のように改正する。
第四十二条ノ二を第四十二条ノ三とし、第四十二条の次に次の一条を加える。
第四十二条ノ二 標準報酬若ハ保険給付ニ関スル処分又ハ保険料其ノ他本法ノ規定ニ依ル徴収金ノ賦課若ハ徴収ノ処分若ハ第十一条ノ二ノ規定ニ依ル処分ノ取消又ハ変更ヲ求ムル訴ニ関シテハ健康保険組合ハ之ヲ行政庁ト看做ス
「第六章 審査ノ請求及訴訟」を「第六章 審査ノ請求」に改める。
第八十条を次のように改める。
第八十条 標準報酬又ハ保険給付ニ関スル処分ニ不服アル者ハ社会保険審査官ノ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アル者ハ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
審査ヲ請求シタル日ヨリ六十日以内ニ決定ナキトキハ請求者ハ社会保険審査官ガ審査ノ請求ヲ棄却シタルモノト看做シ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
第一項ノ審査及前二項ノ再審査ノ請求ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第八十二条から第八十六条ノ二までを次のように改める。
第八十二条乃至第八十六条 削除
8 船員保険法の一部を次のように改正する。
「第五章 審査ノ請求及訴訟」を「第五章 審査ノ請求」に改める。
第六十三条を次のように改める。
第六十三条 標準報酬又ハ保険給付ニ関スル処分ニ不服アル者ハ社会保険審査官ノ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アル者ハ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
審査ヲ請求シタル日ヨリ六十日以内ニ決定ナキトキハ請求者ハ社会保険審査官ガ審査ノ請求ヲ棄却シタルモノト看做シ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
第一項ノ審査及前二項ノ再審査ノ請求ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第六十五条から第六十七条ノ二までを次のように改める。
第六十五条乃至第六十七条 削除
9 厚生年金保険法の一部を次のように改正する。
「第五章 審査ノ請求及訴訟」を「第五章 審査ノ請求」に改める。
第六十二条を次のように改める。
第六十二条 標準報酬又ハ保険給付ニ関スル処分ニ不服アル者ハ社会保険審査官ノ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アル者ハ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
審査ヲ請求シタル日ヨリ六十日以内ニ決定ナキトキハ請求者ハ社会保険審査官ガ審査ノ請求ヲ棄却シタルモノト看做シ社会保険審査会ニ再審査ヲ請求スルコトヲ得
第一項ノ審査及前二項ノ再審査ノ請求ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第六十四条から第六十六条ノ二までを次のように改める。
第六十四条乃至第六十六条 削除
10 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中第十二号の次に次の一号を加える。
十二の二 社会保険審査会の委員長及び委員
別表第一中「土地調整委員会委員」を
土地調整委員会委員
社会保険審査会の委員長及び委員
に改める。
(社会保険審査官)
11 この法律の施行の際、現に社会保険審議会、社会保険医療協議会、社会保険審査官及び社会保険審査会の設置に関する法律による社会保険審査官の職にある者は、この法律による社会保険審査官を命ぜられたものとみなす。
(従前の手続の効力)
12 この法律の施行前に、社会保険審議会、社会保険医療協議会、社会保険審査官及び社会保険審査会の設置に関する法律による社会保険審査官又は社会保険審査会がした請求の受理その他の手続は、この法律による社会保険審査官又は社会保険審査会がした請求の受理その他の手続とみなす。
(従前の訴訟行為の効力)
13 従前の社会保険審査会を被告とする訴訟で、この法律の施行の際裁判所に係属しているものについては、従前の社会保険審査会のした訴訟行為は、この法律による社会保険審査会のした訴訟行為とみなす。
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 小笠原三九郎
厚生大臣 山県勝見