厚生省設置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第123号
公布年月日: 昭和37年5月11日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

社会保険及び国民年金に関する事務が保険局・年金局で処理されているが、事務量が膨大で増加傾向にあり、制度整備に伴う企画事務の推進や現業業務の能率的処理が課題となっている。そこで、現業事務を担当する社会保険庁を厚生省の外局として設置し、保険局・年金局は企画立案と行政監督事務に専念させる機構改革を行う。また、未帰還調査部の廃止と医療制度調査会の設置期間延長も含まれており、これらの改革により医療保険及び年金制度の整備と推進を図ることを目的とする。

参照した発言:
第40回国会 衆議院 内閣委員会 第5号

審議経過

第40回国会

衆議院
(昭和37年2月8日)
参議院
(昭和37年2月8日)
衆議院
(昭和37年4月19日)
(昭和37年4月20日)
(昭和37年4月24日)
参議院
(昭和37年5月2日)
(昭和37年5月7日)
(昭和37年5月7日)
(昭和37年5月7日)
厚生省設置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年五月十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十三号
厚生省設置法の一部を改正する法律
厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 職員(第三十七条・第三十八条)」を
第三章
社会保険庁
第一節
総則(第三十六条の二―第三十六条の四)
第二節
内部部局(第三十六条の五―第三十六条の八)
第三節
附属機関(第三十六条の九)
第四章
職員(第三十七条・第三十八条)
に改める。
第五条第六十二号中「保険料を徴収する」を「保険給付を受ける権利を裁定し、保険給付の決定を行ない、及び保険料を徴収する」に改める。
第六条第二項中「、援護局に未帰還調査部を」を削る。
第七条第三項中「、保険局」を削る。
第十四条及び第十四条の二を次のように改める。
(保険局の事務)
第十四条 保険局においては、次の事務をつかさどる。
一 健康保険、日雇労働者健康保険、船員保険及び国民健康保険に関し、企画及び立案を行なうこと。
二 医療保険制度の調整を図ること。
三 医療保険制度の向上に関し、調査研究を行なうこと。
四 社会保険診療報酬に関する事務を行なうこと。
五 医療保険の医療に関する指導及び監督に関すること。
六 社会保険審査官及び社会保険審査会に関すること。
七 社会保険審議会及び中央社会保険医療協議会に関すること。
八 健康保険組合及び健康保険組合連合会を指導監督すること。
九 社会保険診療報酬支払基金を指導監督すること。
十 国民健康保険の保険者及び国民健康保険団体連合会を指導監督すること。
十一 国民健康保険再建整備資金貸付法を施行すること。
十二 健康保険、日雇労働者健康保険、船員保険及び国民健康保険の数理に関すること。
(年金局の事務)
第十四条の二 年金局においては、次の事務をつかさどる。
一 厚生年金保険及び国民年金に関し、企画及び立案を行なうこと。
二 厚生省所管の年金制度の調整を図ること。
三 厚生省所管の年金制度の向上に関し、調査研究を行なうこと。
四 国民年金審議会に関すること。
五 年金福祉事業団を指導監督すること。
六 厚生年金保険及び国民年金の数理に関すること。
第十四条の三第二項を削る。
第十五条中「社会保険研修所」を削る。
第十九条第一項第二号中「医薬品」の下に「及び医薬部外品」を加える。
第二十三条の二第二項中「位置」を「名称、位置」に改める。
第二十四条第一項第三項中「検査」の下に「消毒剤、殺虫剤及び殺そ剤の生物学的検査を除く。)」を加え、同項第四号を次のように改める。
四 毒物及び劇物の試験及び検査を行なうこと。
第二十八条の二を削る。
第二十九条第一項の表国民年金審議会の項中「厚生大臣」の下に「又は社会保険庁長官」を加える。
第三章を第四章とし、第二章の次に次の一章を加える。
第三章 社会保険庁
第一節 総則
(設置)
第三十六条の二 国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて、厚生省の外局として、社会保険庁を置く。
(任務及び長)
第三十六条の三 社会保険庁は、政府の管掌する健康保険事業並びに日雇労働者健康保険事業、船員保険事業、厚生年金保険事業及び国民年金事業を運営することを任務とする。
2 社会保険庁の長は、社会保険庁長官とする。
(権限)
第三十六条の四 社会保険庁は、その所掌事務を遂行するため、第五条第一号から第十三号まで、第五十七号の二、第六十二号、第六十二号の三及び第六十七号に掲げる権限を有する。
第二節 内部部局
(内部部局)
第三十六条の五 社会保険庁に、長官官房及び次の二部を置く。
医療保険部
年金保険部
(長官官房の事務)
第三十六条の六 長官官房においては、社会保険庁の所掌事務に関し、次の事務をつかさどる。
一 機密に関すること。
二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
三 長官の官印及び庁印を管守すること。
四 公文書類を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。
五 所掌事務に係る一般会計並びに厚生保険特別会計、船員保険特別会計及び国民年金特別会計についての経費及び収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。
六 行政財産及び物品を管理すること。
七 職員の衛生、区療その他福利厚生に関すること。
八 所掌事務の監察を行なうこと。
九 渉外事務に関すること。
十 広報に関すること。
十一 所掌事務の総合調整を行なうこと。
十二 前各号に掲げるもののほか、社会保険庁の所掌事務で他部及び他の機関の所掌に属さない事務に関すること。
(医療保険部の事務)
第三十六条の七 医療保険部においては、次の事務をつかさどる。
一 政府の管掌する健康保険事業の実施に関すること。
二 日雇労働者健康保険事業の実施に関すること。
三 船員保険事業の実施に関すること。
(年金保険部の事務)
第三十六条の八 年金保険部においては、次の事務をつかさどる。
一 厚生年金保険事業の実施に関すること。
二 国民年金事業の実施に関すること。
第三節 附属機関
(社会保険研修所)
第三十六条の九 社会保険庁に社会保険研修所を置く。
2 社会保険研修所は、社会保険(国民年金を含む。)の事務に従事する者の研修をつかさどる機関とする。
3 社会保険研修所は、東京都に置く。
4 社会保険研修所の内部組織は、厚生省令で定める。
第三十八条中「四万八千九百五十五人」を「次のとおり」に改め、同条に次の表を加える。
区分
定員
本省社会保険庁
四九、〇六四人五六九人
合計
四九、六三三人
附則第四項中「昭和三十七年三月三十一日」を「昭和三十八年三月三十一日」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十九条第一項の改正規定、第二十三条の二第二項の改正規定、第二十四条第一項の改正規定及び附則第四項の改正規定並びに附則第二項及び第十五項の規定は、公布の日から施行し、附則第十五項の規定は、昭和三十七年四月一日から適用する。
(医療制度調査会に係る規定の効力)
2 厚生省設置法第二十九条第一項の規定中医療制度調査会に係る部分は、この法律の施行(前項ただし書の規定による施行をいう。)の日にあらたにその効力を生ずるものとする。
(経過規定)
3 厚生省本省の定員は、この法律による改正後の厚生省設置法第三十八条の規定にかかわらず、昭和三十八年五月十五日までの間は、四万九千八十一人とする。
4 この法律の施行(附則第一項本文の規定による施行をいう。以下同じ。)の際現に存する社会保険研修所及びその職員は、この法律による改正後の厚生省設置法の規定による社会保険研修所及びその職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
(健康保険法の一部改正)
5 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の一部を次のように改正する。
第九条中「厚生大臣」の下に「、社会保険庁長官」を加える。
第二十四条第二項中「前項ノ規定ニ依リ政府ノ管掌スル健康保険ノ事務」を「前項ノ事務」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ政府ノ管掌スル健康保険ノ保険者ノ事務ハ社会保険庁長官之ヲ行フ
第二十四条ノ二中「厚生大臣」の下に「又ハ社会保険庁長官」を加える。
第七十一条ノ四第二項中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
(船員保険法の一部改正)
6 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第二条ノ二中「厚生大臣」の下に「又ハ社会保険庁長官」を加える。
第九条第一項中「主務大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第九条ノ四中「厚生大臣」の下に「又ハ社会保険庁長官」を加える。
第十六条ノ二中「厚生大臣」の下に「、社会保険庁長官」を加える。
第二十一条ノ六、第二十三条ノ四第三項、第三十三条ノ十三第一項及び第三十三条ノ十四第二項中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第四十条第二項中「主務大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第四十五条ノ三、第五十二条ノ二第二項及び第五十二条ノ三第二項中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第六十九条ノ三第一項中「主務大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
(国家行政組織法の一部改正)
7 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
別表第一中
厚生省
厚生省
社会保険庁
に改める。
(社会保険審議会及び社会保険医療協議会法の一部改正)
8 社会保険審議会及び社会保険医療協議会法(昭和二十五年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
第二条中「厚生大臣の諮問に応じて」を「厚生大臣又は社会保険庁長官の諮問に応じて」に、「厚生大臣又は」を「厚生大臣、社会保険庁長官又は」に改める。
第七条中「厚生大臣」の下に「又は社会保険庁長官」を加える。
(社会保険審査官及び社会保険審査会法の一部改正)
9 社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)の一部を次のように改正する。
第三条第三号中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
(日雇労働者健康保険法の一部改正)
10 日雇労働者健康保険法(昭和二十八年法律第二百七号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「日雇労働者健康保険の事務」を「前項の事務」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 日雇労働者健康保険の保険者の事務は、社会保険庁長官が行なう。
第五条中「厚生大臣」の下に「又は社会保険庁長官」を加える。
第七条及び第四十七条第一項中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第四十九条中「厚生大臣」の下に「及び社会保険庁長官」を加える。
(厚生年金保険法の一部改正)
11 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
第四条中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
第五条中「厚生大臣」の下に「又は社会保険庁長官」を加える。
第二十八条、第三十三条、第五十二条第一項から第三項まで、第八十三条第二項及び第三項、第八十六条第一項、第二項及び第五項、第八十七条第一項、第九十五条から第九十七条まで並びに第百条第一項中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
(国民年金法の一部改正)
12 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。
第六条中「厚生大臣」の下に「又は社会保険庁長官」を加える。
第十四条、第十六条、第二十三条、第二十八条第一項、第二十八条の二第一項、第三十四条第一項から第三項まで、第九十六条第一項、第二項及び第四項、第九十七条第一項、第百四条、第百五条第三項及び第四項、第百六条第一項、第百七条第一項及び第二項、第百八条並びに附則第八条中「厚生大臣」を「社会保険庁長官」に改める。
(健康保険法等の一部改正に伴う経過規定)
13 この法律の施行後は社会保険庁長官が行なうこととなる保険給付を受ける権利の裁定その他の処分であつて、この法律の施行前に厚生大臣が行なつたものは、社会保険庁長官が行なつた保険給付を受ける権利の裁定その他の処分とみなす。
14 この法律の施行後は社会保険庁長官に対して行なうこととなる申請、届出その他の行為であつて、この法律の施行の際現に厚生大臣に対して行なわれているものは、社会保険庁長官に対して行なわれている申請、届出その他の行為とみなす。
(国家行政組織法等の一部を改正する法律の一部改正)
15 国家行政組織法等の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。
附則第六項中「昭和三十七年五月十五日までの間は、四万八千九百八十七人とする。」を「昭和三十七年五月十五日までの間は、四万九千六百六十五人とし、昭和三十七年五月十六日から厚生省設置法の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第百二十三号)附則第一項に規定する政令で定める日の前日までの間は、四万九千六百五十人とする。」に改める。
附則第十項中
昭和三十六年五月十五日
一三人
昭和三十七年五月十五日
三二人
昭和三十六年五月十五日
一三人
昭和三十七年五月十五日
一五人
昭和三十八年五月十五日
一七人
に改める。
厚生大臣 灘尾弘吉
内閣総理大臣 池田勇人