厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第二十八号
公布年月日: 平成22年4月28日
法令の形式: 法律
厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十二年四月二十八日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
法律第二十八号
厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律等の一部を改正する法律
(厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律の一部改正)
第一条 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律(平成二十一年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。
第二条、第三条及び第六条第一項中「社会保険庁長官」を「厚生労働大臣」に改める。
第十三条を第二十条とし、第十二条の次に次の七条を加える。
(機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任)
第十三条 次に掲げる厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする。
一 第六条第二項(附則第二条第一項において準用する場合を含む。以下この項及び第十七条第一項において同じ。)の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十六条第五項及び国民年金法第九十六条第四項の規定による国税滞納処分の例による処分並びにこれらの項の規定による市町村に対する処分の請求
二 第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十九条及び国民年金法第九十五条の規定により国税徴収の例によるものとされる徴収に係る権限(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第三十六条第一項の規定の例による納入の告知、同法第四十二条において準用する民法第四百二十三条第一項の規定の例による納付義務者に属する権利の行使、国税通則法第四十六条の規定の例による納付の猶予その他の厚生労働省令で定める権限並びに次号に掲げる質問及び検査並びに捜索を除く。)
三 第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十九条及び国民年金法第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第百四十一条の規定による質問及び検査並びに同法第百四十二条の規定による捜索
四 附則第二条第一項において読み替えて準用する第二条ただし書の請求及び同項において読み替えて準用する第三条ただし書の請求の受理
五 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める権限
2 機構は、前項第一号に掲げる国税滞納処分の例による処分及び同項第三号に掲げる権限(以下「滞納処分等」という。)その他同項各号に掲げる権限のうち厚生労働省令で定める権限に係る事務を効果的に行うため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に当該権限の行使に必要な情報を提供するとともに、厚生労働大臣自らその権限を行うよう求めることができる。
3 厚生労働大臣は、前項の規定による求めがあった場合において必要があると認めるとき、又は機構が天災その他の事由により第一項各号に掲げる権限に係る事務の全部若しくは一部を行うことが困難若しくは不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。
4 厚生年金保険法第百条の四第四項から第七項までの規定は、機構による第一項各号に掲げる権限に係る事務の実施又は厚生労働大臣による同項各号に掲げる権限の行使について準用する。
(機構が行う滞納処分等に係る認可等)
第十四条 機構は、滞納処分等を行う場合には、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けるとともに、次条第一項に規定する滞納処分等実施規程に従い、徴収職員に行わせなければならない。
2 厚生年金保険法第百条の六第二項及び第三項の規定は、前項の規定による機構が行う滞納処分等について準用する。
(滞納処分等実施規程の認可等)
第十五条 機構は、滞納処分等の実施に関する規程(次項において「滞納処分等実施規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 厚生年金保険法第百条の七第二項及び第三項の規定は、滞納処分等実施規程の認可及び変更について準用する。
(地方厚生局長等への権限の委任)
第十六条 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(機構への事務の委託)
第十七条 厚生労働大臣は、機構に、次に掲げる事務を行わせるものとする。
一 第二条(附則第二条第一項において準用する場合を含む。)の規定による保険給付遅延特別加算金及び第三条(同項において準用する場合を含む。)の規定による給付遅延特別加算金の支給に係る事務(第十三条第一項第四号に掲げる請求の受理を除く。)
二 第六条第一項(附則第二条第一項において準用する場合を含む。次条第一項において同じ。)の規定による不正利得の徴収に係る事務(第十三条第一項第一号から第三号までに掲げる権限を行使する事務並びに次条第一項の規定により機構が行う収納、第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十六条第一項及び国民年金法第九十六条第一項の規定による督促その他の厚生労働省令で定める権限を行使する事務並びに次号及び第五号に掲げる事務を除く。)
三 第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十六条第一項及び第二項並びに国民年金法第九十六条第一項及び第二項の規定による督促に係る事務(当該督促及び督促状を発すること(督促状の発送に係る事務を除く。)を除く。)
四 第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十七条第一項及び第四項並びに国民年金法第九十七条第一項及び第四項の規定による延滞金の徴収に係る事務(第十三条第一項第一号から第三号までに掲げる権限を行使する事務並びに次条第一項の規定により機構が行う収納、第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十六条第一項及び国民年金法第九十六条第一項の規定による督促その他の厚生労働省令で定める権限を行使する事務並びに前号及び次号に掲げる事務を除く。)
五 第十三条第一項第二号に規定する厚生労働省令で定める権限に係る事務(当該権限を行使する事務を除く。)
六 附則第二条第三項の請求及び附則第三条第一項の請求の内容の確認に係る事務
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事務
2 厚生年金保険法第百条の十第二項及び第三項の規定は、前項の規定による機構への事務の委託について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(機構が行う収納)
第十八条 厚生労働大臣は、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第七条第一項の規定にかかわらず、政令で定める場合における第六条第一項の規定による徴収金及び延滞金その他の厚生労働省令で定めるものの収納を、政令で定めるところにより、機構に行わせることができる。
2 厚生年金保険法第百条の十一第二項から第六項までの規定は、前項の規定による機構が行う収納について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(情報の提供等)
第十九条 機構は、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令で定めるところにより、保険給付遅延特別加算金及び給付遅延特別加算金の支給に関する事項その他厚生労働大臣の権限の行使に関して必要な情報の提供を行うものとする。
2 厚生労働大臣及び機構は、保険給付遅延特別加算金及び給付遅延特別加算金の支給が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。
本則に次の見出し及び三条を加える。
(罰則)
第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第二項(附則第二条第一項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十九条又は国民年金法第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による徴収職員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をした者
二 第六条第二項の規定によりその例によるものとされる厚生年金保険法第八十九条又は国民年金法第九十五条の規定によりその例によるものとされる国税徴収法第百四十一条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は当該検査に関し偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類を提示した者
第二十二条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下この条において「人格のない社団等」という。)を含む。以下この項において同じ。)の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の刑を科する。
2 人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第二十三条 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、二十万円以下の過料に処する。
一 第十四条第一項、同条第二項において準用する厚生年金保険法第百条の六第二項、第十五条第一項及び第十八条第二項において準用する同法第百条の十一第二項の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
二 第十五条第二項において準用する厚生年金保険法第百条の七第三項の規定による命令に違反したとき。
附則第五条のうち社会保険審査官及び社会保険審査会法第三条の改正規定中「、同条第三号中「による給付」の下に「並びに年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金(厚生年金保険法附則第二十九条第一項の規定による脱退一時金に係るものを除く。)及び給付遅延特別加算金(国民年金法附則第九条の三の二第一項の規定による脱退一時金に係るものを除く。次号及び次条第一項において同じ。)」を加え」を削り、「徴収又は」を「、徴収又は」に、「「徴収若しくは」を「「若しくは徴収若しくは」に改め、「給付遅延特別加算金」の下に「(国民年金法附則第九条の三の二第一項の規定による脱退一時金に係るものを除く。次条第一項において同じ。)」を加え、「、徴収」を「若しくは徴収」に改める。
附則第五条のうち社会保険審査官及び社会保険審査会法第四条第一項の改正規定中「第四条第一項中」の下に「「国民年金法による給付」の下に「並びに年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金(厚生年金保険法附則第二十九条第一項の規定による脱退一時金に係るものを除く。)及び給付遅延特別加算金」を加え、「同法」を「国民年金法」に改め、」を加え、「加え、「但し」を「ただし」に改める」を「加える」に改める。
附則第五条中社会保険審査官及び社会保険審査会法第九条第一項の改正規定を削る。
附則第七条を削り、附則第八条を附則第七条とする。
(日本年金機構法の一部改正)
第二条 日本年金機構法(平成十九年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第二十七条第二項第四号に次のように加える。
ホ 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律(平成二十一年法律第三十七号)第十三条第一項に規定する権限に係る事務、同法第十七条第一項に規定する事務及び同法第十八条第一項に規定する収納に係る事務
(国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)の一部を次のように改正する。
附則第五十六条第四項の表第百十三条第一項の項中「を除く」を「同じ」に改め、「附則第十四条の二前段」の下に「(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。次条第一項及び第百二十条第二項第一号において同じ。)」を加え、同表第百十三条第二項の項中「第八十条第一項」及び「附則第三十二条の二前段」の下に「(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。第百二十条第二項第二号において同じ。)」を加える。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条及び第三条の規定は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律の施行の日から施行する。
厚生労働大臣 長妻昭
内閣総理大臣 鳩山由紀夫