政治資金規正法
法令番号: 法律第百九十四号
公布年月日: 昭和23年7月29日
法令の形式: 法律
政治資金規正法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二十九日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百九十四号
政治資金規正法目次
第一章
総則
第二章
政党、協会その他の團体
第三章
公職の候補者
第四章
政党、協会その他の團体及び公職の候補者以外の者
第五章
報告書の公開
第六章
寄附に関する制限
第七章
罰則
第八章
補則
附則
政治資金規正法
第一章 総則
第一條 この法律は、政党、協会その他の團体及び公職の候補者等の政治活動の公明を図り、選挙の公正を確保し、以て民主政治の健全な発達に寄與することを目的とする。
第二條 この法律において選挙とは、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法及び地方自治法による選挙をいう。
第三條 この法律において政党とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本來の目的とする團体をいう。
この法律において協会その他の團体とは、政党以外の團体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するものをいう。
第四條 この法律において公職の候補者とは、第二條の規定による選挙において、それぞれの法律の定めるところにより、候補者として届出をし、又は推薦届出をされた者をいう。
第五條 この法律において收入とは、金銭、物品その他の財産上の利益の收受、その收受の承諾又は約束をいう。
この法律において寄附とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供與又は交付、その供與又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。
この法律において支出とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供與又は交付、その供與又は交付の約束をいう。
第二章 政党、協会その他の團体
第六條 政党、協会その他の團体は、代表者又は主幹者及び会計責任者各々一人を選任し、その組織の日又は第三條に規定する目的を有するに至つた日から七日以内に、これらの者の氏名、住所、生年月日及び選任年月日並びに当該政党、協会その他の團体の主たる事務所の所在地を左の区分に從い、文書でそれぞれ当該選挙管理委員会に届け出なければならない。
一 市町村の区域において第三條に規定する目的を有する政党、協会その他の團体にあつては、主たる事務所の所在地の市町村の選挙管理委員会
二 同一の都道府縣の区域内で、二以上の市町村の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の市町村の区域外の地域において第三條に規定する目的を有する政党、協会その他の團体にあつては、主たる事務所の所在地の市町村の選挙管理委員会を経て都道府縣の選挙管理委員会
三 二以上の都道府縣の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府縣の区域外の地域において第三條に規定する目的を有する政党、協会その他の團体にあつては、主たる事務所の所在地の都道府縣の選挙管理委員会を経て全國選挙管理委員会
政党、協会その他の團体は、会計責任者に事故があるとき、又は会計責任者が欠けたときその職務を行うべきものを予め定め、前項の届出と同時にこれを同項の例により届け出なければならない。
第七條 政党、協会その他の團体は、前條の規定により届け出た事項に異動があつたときは、その異動の日から七日以内に、前條の例により届け出なければならない。
第八條 政党、協会その他の團体は、第六條又は前條の規定による届出がなされた後でなければ、公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の政治活動のために、いかなる名義を以てするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない。但し、会計責任者が欠けた場合において、第六條第二項又は前條の規定による届出のあつた会計責任者の職務を行う者があるときは、この限りでない。
第九條 政党、協会その他の團体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 政党にあつてはすべての寄附及びその他の收入、協会その他の團体にあつてはすべての寄附(当該政党、協会その他の團体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業(團体にあつては名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名、住所。以下これに同じ。)並びに寄附の金額(金銭以外の財産上の利益については、これを時價に見積つた金額。以下これに同じ。)及び年月日
三 政党、協会その他の團体のすべての支出(当該政党、協会その他の團体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
全國選挙管理委員会は、前項の会計帳簿の種類及び樣式を定め、これを官報に告示しなければならない。
第十條 何人も、政党、協会その他の團体の代表者、主幹者若しくは会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の團体のために寄附を受け、又は支出をした者は、寄附を受け又は支出をした日から七日以内に、寄附をし、又は支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに寄附又は支出の金額、支出の目的及び年月日を記載した明細書を会計責任者に提出しなければならない。但し、会計責任者の請求があるときは、直ちにこれを提出しなければならない。
第十一條 政党、協会その他の團体の会計責任者又は政党、協会その他の團体の代表者、主幹者若しくは会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の團体のために支出をした者は、一件千圓以上のすべての支出について、領收書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。但し、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。
政党、協会その他の團体の代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の團体のために一件千圓以上の支出をした者は、前項の書面を直ちに会計責任者に送付しなければならない。
第十二條 政党、協会その他の團体の会計責任者は、毎年四月三十日、八月三十一日及び十二月三十一日現在で、左の各号に掲げる事項を記載した報告書を、各々その日の翌日から十日以内に、第六條第一項各号に定める区分に從い、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
一 政党にあつてはすべての寄附及びその他の收入、協会その他の團体にあつてはすべての寄附(当該政党、協会その他の團体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附の中政党、協会その他の團体によつてなされたもので一件千圓以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)、政党、協会その他の團体以外の者によつてなされたもので一件五百圓以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)のものについては、寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日
三 政党、協会その他の團体のすべての支出(当該政党、協会その他の團体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出の中政党、協会その他の團体によつてなされたもので一件千圓以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)、政党、協会その他の團体以外の者によつてなされたもので一件五百圓以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)のものについては、支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
前項の報告書には、それぞれ一月一日からの寄附及びその他の收入並びに支出を累計して記載しなければならない。
全國選挙管理委員会は、第一項の報告書の樣式を定め、これを官報に告示しなければならない。
第十三條 政党、協会その他の團体の会計責任者は、選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出について、左の各号の定めるところにより前條第一項各号に掲げる事項を記載した報告書を、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
一 公職の候補者の選挙期日以前における当該選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出に関するものは、選挙期日の公示又は告示の日前のものと選挙期日の公示又は告示の日以後選挙期日前七日までのものとを併せて、選挙期日前五日まで
二 公職の候補者の選挙期日前六日から選挙期日まで及び選挙期日経過後における当該選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出については、その寄附及びその他の收入並びに支出を選挙期日前七日までの寄附及びその他の收入並びに支出と併せて精算し、選挙期日から十五日以内
三 前号の精算届出後当該選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出については、その寄附及びその他の收入並びに支出がなされた日から七日以内
地方自治法第六十五條第一項の規定による選挙を行う場合においては、その選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出は、これをその選挙を必要とするに至つた地方公共團体の長の選挙の選挙期日経過後における運動に関する寄附及びその他の收入並びに支出とみなし、前項第二号及び第三号の規定を適用する。但し、同條の規定による選挙期日から十五日以内に、報告書を提出しなければならない。
第十四條 二以上の選挙を同時に又は引き続き行う場合において、いずれの選挙に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出であるかを区分し難いときは、前條第一項の報告書にはその寄附及びその他の收入並びに支出を併せて記載しなければならない。
前項の場合における報告書の提出については、最初に選挙期日の公示又は告示のあつた日から最後の選挙期日までの間を選挙の期間とするものとする。
第十五條 政党、協会その他の團体の会計責任者の更迭があつた場合においては、前任者は、退職の日から十五日以内に、その担任する事務を後任者に引き継がなければならない。
前項の場合において、前任者が引継をし、又は後任者が引継を受けることができないときは、第六條第二項の規定により会計責任者の職務を行う者において引継をし、又は引継を受けなければならない。会計責任者の職務を行う者が事務の引継を受けた後後任者に引継をすることができるようになつたときは、直ちにこれに引継をしなければならない。
前二項の規定により引継をする場合においては、引継をする者において第十二條及び第十三條の例により引継書を作成し、引継の旨及び引継の年月日を記載し、引継をする者及び引継を受ける者においてともに署名捺印し、現金及び帳簿その他の書類とともに引継をしなければならない。
第十六條 政党、協会その他の團体の会計責任者は、会計帳簿、明細書及び領收書その他の支出を証すべき書面を、第十二條又は第十三條の規定による報告書提出の日から二年間保存しなければならない。
第十七條 政党が解散したとき、又は政党、協会その他の團体が第三條に規定する目的を有しなくなつたときは、その代表者又は主幹者及び会計責任者は、その日から十五日以内に、その旨及び年月日とともに、第十二條の例により解散の日又は第三條に規定する目的を有しなくなつた日の現在で、寄附及びその他の收入並びに支出に関する事項を記載した報告書を、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
第十八條 本章の規定中政党に関するものはその支部に、協会その他の團体に関するものはその支部にこれを準用する。
第三章 公職の候補者
第十九條 公職の候補者は、その選挙運動に関する收入及び支出の責任者(以下出納責任者という。)一人を選任しなければならない。但し、公職の候補者が自ら出納責任者となり、又は推薦届出者(推薦届出者が数人あるときはその代表者)が当該候補者の承諾を得て出納責任者を選任し、若しくは自ら出納責任者となることを妨げない。
出納責任者の選任者は、文書で出納責任者の支出することのできる金額の最高額を定め、出納責任者とともにこれに署名捺印しなければならない。
出納責任者の選任者(自ら出納責任者となつた者を含む。)は、直ちに出納責任者の氏名、住所、職業、生年月日及び選任年月日並びに公職の候補者の氏名を、文書で当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない。
推薦届出者が出納責任者を選任した場合においては、前項の届出には、その選任につき公職の候補者の承諾を得たことを証すべき書面(推薦届出者が数人あるときは併せてその代表者たることを証すべき書面)を添えなければならない。
第二十條 公職の候補者は、文書で通知することにより出納責任者を解任することができる。出納責任者を選任した推薦届出者において、当該候補者の承諾を得たときも、また同樣とする。
出納責任者は、文書で公職の候補者及び選任者に通知することにより辞任することができる。
第二十一條 出納責任者に異動があつたときは、出納責任者の選任者は、直ちに第十九條第三項及び第四項の例により届け出なければならない。
前項の届出で解任又は辞任による異動に関するものには、前條の規定による通知のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。推薦届出者が出納責任者を解任した場合においては、併せて、その解任につき公職の候補者の承諾のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。
第二十二條 出納責任者に事故があるとき、又は出納責任者が欠けたときは、選任者が代つてその職務を行う。推薦届出者たる選任者(自ら出納責任者となつた者を含む。)にも事故があるとき、又はその者も欠けたときは、公職の候補者が代つて出納責任者の職務を行う。
前項の規定により出納責任者に代つてその職務を行う者は、第十九條第三項及び第四項の例により届け出なければならない。
前項の届出には、出納責任者の氏名(出納責任者の選任をした推薦届出者にも事故があるとき、又はその者も欠けたときは併せてその氏名)、事故又は欠けたことの事実及びその職務代行を始めた年月日を記載しなければならない。出納責任者に代つてその職務を行う者がこれをやめたときは、その事由及びその職務代行をやめた年月日を記載しなければならない。
第二十三條 出納責任者(その職務を代行する者を含む。)は、第十九條第三項及び第四項、第二十一條又は前條第二項及び第三項の規定による届出がなされた後でなければ、公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の運動のために、いかなる名義を以てするを問わず、公職の候補者のために寄附を受け、又は支出をすることができない。公職の候補者又は推薦届出者が寄附を受けるについても、また同樣とする。
第二十四條 出納責任者は、会計帳簿を備え、これに左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 選挙運動に関するすべての寄附及びその他の收入(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日
三 選挙運動に関するすべての支出(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
第九條第二項の規定は、前項の会計帳簿について、これを準用する。
第二十五條 出納責任者以外の者で公職の候補者のために選挙運動に関する寄附を受けたものは、寄附を受けた日から七日以内に、寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日を記載した明細書を出納責任者に提出しなければならない。但し、出納責任者の請求があるときは、直ちにこれを提出しなければならない。
前項の寄附で当該候補者が立候補の届出前に受けたものについては、立候補の届出後直ちに出納責任者にその明細書を提出しなければならない。
第二十六條 立候補準備のために要する支出並びに公職の候補者又は出納責任者と意思を通じないでする自筆の推薦状及び電話による選挙運動のために要する支出を除く外、選挙運動に関する支出は、出納責任者(出納責任者に代つてその職務を行う者を含む。)でなければこれをすることができない。但し、出納責任者の文書による承諾を得た者は、この限りでない。
立候補準備のために要した支出で公職の候補者若しくは出納責任者となつた者が支出し、又は他の者がその者と意思を通じて支出したものについては、出納責任者は、その就任後直ちに当該候補者又は支出者につきその精算をしなければならない。
第二十七條 出納責任者又は公職の候補者若しくは出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、選挙運動に関するすべての支出について、領收書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。但し、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。
公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、前項の書面を直ちに出納責任者に送付しなければならない。
第二十八條 出納責任者は、公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出について、第二十四條第一項各号に掲げる事項を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第十三條の規定は、前項の報告書について、これを準用する。
第二十九條 出納責任者が辞任し、又は解任せられた場合においては、直ちに公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の收入並びに支出の計算をし、あらたに出納責任者となつた者に対し、あらたに出納責任者となつた者がないときは出納責任者に代つてその職務を行う者に対し、引継をしなければならない。出納責任者に代つてその職務を行う者が事務の引継を受けた後、あらたに出納責任者が定つたときも、また同樣とする。
前項の規定により引継をする場合においては、引継をする者において前條の例により引継書を作成し、引継の旨及び引継の年月日を記載し、引継をする者及び引継を受ける者においてともに署名捺印し、現金及び帳簿その他の書類とともに引継をしなければならない。
第三十條 出納責任者は、会計帳簿、明細書及び領收書その他の支出を証すべき書面を、第二十八條の規定による報告書提出の日から二年間保存しなければならない。
第四章 政党、協会その他の團体及び公職の候補者以外の者
第三十一條 政党、協会その他の團体及びその支部並びに公職の候補者以外の者で政党、協会その他の團体又はその支部のために、公職の候補者の選挙に関し、直接に又は本人の名義以外の名義を用いて間接に一件二千五百圓以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)の支出をしたものは、支出の日から十日以内に、左の各号に掲げる事項を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。但し、第十三條の規定により会計責任者において報告書を提出すべきものについては、この限りでない。
一 すべての支出
二 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
第三十二條 公職に在る者(公選による公職に在る者を含む。)が、公職の候補者の選挙に関し寄附をしたときは、前條の規定にかかわらず、寄附の日から十日以内に、その氏名、職業及び勤務先並びに寄附の金額、年月日及び寄附を受けた者の氏名(團体にあつては名称)を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
前項の場合において、寄附が政党、協会その他の團体のためになされたものであるときはその会計責任者、公職の候補者のためになされたものであるときはその出納責任者において、同項に掲げる事項を、その金額にかかわらず、第十三條又は第二十八條の規定により提出する報告書に併せて記載し、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第五章 報告書の公開
第三十三條 第十二條乃至第十四條、第十七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十八條、第三十一條、前條若しくは第三十五條第二項の規定による報告書を受理したときは、当該選挙管理委員会は、全國選挙管理委員会の定めるところにより、その要旨を公表しなければならない。
前項の規定による公表は、全國選挙管理委員会及び参議院全國選出議員選挙管理委員会にあつては官報により、都道府縣の選挙管理委員会にあつては都道府縣の公報により、市町村の選挙管理委員会にあつてはその予め告示を以て定めたところの周知させ易い方法によつて、これを行う。
第三十四條 第十二條乃至第十四條、第十七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十八條、第三十一條、第三十二條若しくは第三十五條第二項の規定による報告書は、これを受理した選挙管理委員会において、受理した日から二年間これを保存しなければならない。
何人も、前項の期間内においては、全國選挙管理委員会、参議院全國選出議員選挙管理委員会又は都道府縣若しくは市町村の選挙管理委員会の定めるところにより、報告書の閲覽を請求することができる。
第六章 寄附に関する制限
第三十五條 左の各号に掲げる者は、選挙に関し、寄附をしてはならない。但し、第一号に掲げる者がその属する政党、協会その他の團体に対し寄附をする場合及び当該選挙の関係区域外に在る者に対し寄附をする場合は、この限りでない。
一 当該選挙の公職の候補者
二 衆議院議員選挙法又は参議院議員選挙法による選挙に関しては國、地方自治法による選挙に関しては当該地方公共團体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者
三 昭和二十二年勅令第一号第三條にいう覚書該当者
前項第一号の候補者は、選挙期日の公示又は告示の日前一年間にしたすべての寄附について、寄附を受けた者の氏名(團体にあつては名称)、寄附の金額及び年月日を記載した報告書を、立候補の届出後七日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第三十六條 何人も、選挙に関し、前條第一項各号に掲げる者に対して寄附を勧誘し又は要求してはならない。
何人も、選挙に関し、前條第一項各号に掲げる者並びに外國人、外國法人及び外國の團体から寄附を受けてはならない。
第三十七條 何人も、選挙に関し、本人の名義以外の名義を用いた寄附及び匿名の寄附をしてはならない。
何人も、前項の寄附を受けてはならない。
第一項の規定に違反して寄附がなされたときは、その寄附にかかる金銭又は物品の所有権は國庫に帰属するものとし、これが保管者において、國庫に納付の手続をとらなければならない。
第七章 罰則
第三十八條 政党、協会その他の團体又はその支部が第八條又はこれを準用する第十八條の規定に違反して寄附を受け又は支出をしたときは、当該政党、協会その他の團体又はその支部は、これを五千圓以上十萬圓以下の罰金に処する。
前項の場合においては、併せて、同項の團体又はその支部の代表者若しくは主幹者その他の責任者を五年以下の禁錮又は五千圓以上十萬圓以下の罰金に処することができる。
第三十九條 左の各号に掲げる行爲をした者は、これを三年以下の禁錮又は千圓以上五萬圓以下の罰金に処する。但し、第一号乃至第三号、第五号若しくは第九号に掲げる虚僞の記入をした者又は第十号に掲げる虚僞の報告若しくは資料を提出した者に科する罰金は、五千圓以上五萬圓以下とする。
一 第九條若しくはこれを準用する第十八條又は第二十四條の規定に違反して会計帳簿を備えず、又は会計帳簿に記載をせず、若しくはこれに虚僞の記入をしたとき。
二 第十條若しくはこれを準用する第十八條又は第二十五條の規定に違反して明細書の提出を怠り、又はこれに虚僞の記入をしたとき。
三 第十一條又はこれを準用する第十八條若しくは第二十七條の規定に違反して領收書その他の支出を証すべき書面を徴せず、若しくはこれを送付せず、又はこれに虚僞の記入をしたとき。
四 第十六條若しくはこれを準用する第十八條又は第三十條の規定に違反して会計帳簿、明細書又は領收書その他の支出を証すべき書面を保存しないとき。
五 第十六條若しくはこれを準用する第十八條又は第三十條の規定により保存すべき会計帳簿、明細書又は領收書その他の支出を証すべき書面に虚僞の記入をしたとき。
六 第十五條又は第二十九條の規定による引継をしないとき。
七 第二十三條の規定に違反して寄附を受け、又は支出をしたとき。
八 第二十六條第一項の規定に違反して支出をしたとき。
九 第三十一條、第三十二條第一項又は第三十五條第二項の規定に違反して報告書の提出を怠り、又はこれに虚僞の記入をしたとき。
十 第五十二條の規定による報告若しくは資料の提出を拒み、又は虚僞の報告若しくは資料を提出したとき。
第四十條 第十二條乃至第十四條、第十七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十八條若しくは第三十二條第二項の規定に違反して報告書の提出を怠り、又はこれに虚僞の記入をした者は、これを五年以下の禁錮又は五千圓以上十萬圓以下の罰金に処する。
前項の場合において、政党、協会その他の團体又はその支部の代表者若しくは主幹者が当該政党、協会その他の團体又はその支部の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、これを千圓以上五萬圓以下の罰金に処することができる。
第四十一條 第三十五條第一項第一号及び第二号に掲げる者が同條の規定に違反して寄附をしたときは、これを三年以下の禁錮又は五千圓以上五萬圓以下の罰金に処する。第三十七條第一項の規定に違反して寄附をした者も、また同樣とする。
第三十五條第一項第三号に掲げる者が同條の規定に違反して寄附をしたときは、これを六箇月以上三年以下の禁錮に処する。
第四十二條 第三十六條第一項の規定に違反して寄附を勧誘し、若しくは要求し、又は同條第二項若しくは第三十七條第二項の規定に違反して寄附を受けた者は、これを三年以下の禁錮又は五千圓以上五萬圓以下の罰金に処する。
政党、協会その他の團体又はその支部が第三十六條第二項又は第三十七條第二項の規定に違反して寄附を受けたときは、当該政党、協会その他の團体又はその支部は、五千圓以上五萬圓以下の罰金に処する。
前項の場合においては、併せて、同項の團体又はその支部の代表者若しくは主幹者その他の責任者を三年以下の禁錮又は五千圓以上五萬圓以下の罰金に処することができる。
第四十三條 第三十九條、第四十條第一項、第四十一條第一項及び前條第一項の罪を犯した者には、情状に因り、禁錮及び罰金を併科することができる。
重大な過失に因り、第三十九條、第四十條第一項、第四十一條第一項及び前條第一項の罪を犯した者も、これを処罰するものとする。但し、裁判所は、情状に因り、その刑を減軽することができる。
第四十四條 当選人がその選挙に関し第八條、第十三條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十三條若しくは第二十八條の規定の違反に関し第三十八條第二項、第三十九條又は第四十條の規定により刑に処せられたときは、その当選を無効とする。
第四十五條 公職の候補者を当選させる目的を以て、政党、協会その他の團体若しくはその支部の会計責任者又は公職の候補者の出納責任者が、第十三條若しくはこれを準用する第十八條又は第二十八條の規定による報告書の提出を怠り、又はこれらの規定により提出する報告書に虚僞の記入をしたため、第四十條の規定により刑に処せられたときは、当該候補者の当選は、これを無効とする。
檢察官は、第四十條の罪に該る事件が前項の規定に該当すると認めるときは、公訴に附帶し、当該当選人を被告として訴訟を提起しなければならない。
第四十六條 衆議院議員選挙法第八十六條第二項及び第三項並びに第百四十一條ノ二の規定は、前條第二項の訴訟に、同法第百四十三條の規定は、第四十四條又は前條第一項に掲げる者が刑に処せられた場合に、これを準用する。但し、同法第八十六條第二項若しくは第三項又は第百四十三條の規定による通知又は送付は、参議院全國選出議員にあつては全國選挙管理委員会及び参議院全國選出議員選挙管理委員会又は全國選挙管理委員会及び参議院議長に、参議院地方選出議員にあつては全國選挙管理委員会及び参議院議長に、これをしなければならない。
第四十七條 第三十九條乃至第四十二條の罪を犯した者で、罰金の刑に処せられたものはその裁判が確定した日から五年間、禁錮以上の刑に処せられたものはその裁判が確定した日から刑の執行を終るまでの間又は刑の時効に因る場合を除く外刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間、この法律の規定を適用する選挙における選挙権及び被選挙権を有しない。但し、刑の執行猶予の言渡を受けた者については、その期間は、その裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間とする。
裁判所は、情状に因り、刑の言渡と同時に前項に規定する者に対し、同項の選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用せず、又は同項の期間を短縮する旨を宣告することができる。
第四十八條 本章の罪の時効は、二年を経過することに因り完成する。
第八章 補則
第四十九條 政党、協会その他の團体の会計責任者、公職の候補者の出納責任者又はその他の者が、第十二條乃至第十四條、第十七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十八條、第三十一條、第三十二條若しくは第三十五條第二項の規定により提出する報告書には、それぞれ眞実の記載がなされていることを誓う旨の文書を添えなければならない。
第五十條 第六條、第七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第十九條第三項及び第四項、第二十一條若しくは第二十二條第二項及び第三項の規定による届出書類並びに第十二條乃至第十四條、第十七條若しくはこれらを準用する第十八條又は第二十八條、第三十一條、第三十二條若しくは第三十五條第二項の規定による報告書は、書留の取扱でこれを逓信官署に托したときは、その時を以て届出又は提出があつたものとみなす。
第五十一條 この法律の執行に関し必要があると認めるときは、全國選挙管理委員会は参議院全國選出議員選挙管理委員会及び都道府縣の選挙管理委員会を、参議院全國選出議員選挙管理委員会は都道府縣の選挙管理委員会を、都道府縣の選挙管理委員会は市町村の選挙管理委員会を、それぞれ指揮監督することができる。この法律の定めるところにより届出又は提出があつた届出書類又は報告書に関し、調査上必要があると認めるときも、また同樣とする。
第五十二條 全國選挙管理委員会、参議院全國選出議員選挙管理委員会又は都道府縣若しくは市町村の選挙管理委員会は、この法律の執行に関し必要があると認めるときは、政党、協会その他の團体又は公職の候補者その他関係人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
第五十三條 町村の全部事務組合は、この法律の適用については、これを一町村とみなす。
第五十四條 左の各号に掲げる経費は、國庫の負担とする。
一 第三十三條の規定による公表に要する費用
二 第三十四條第一項の規定による報告書の保存に要する費用
三 第三十四條第二項の規定による報告書の閲覽の施設のために要する費用
附 則
第五十五條 この法律は、公布の日から、これを施行する。
第五十六條 この法律施行の際現に存する政党、協会その他の團体及びその支部で第三條の規定に該当するものは、この法律施行の日から三十日以内に、第六條又はこれを準用する第十八條の規定による届出をしなければならない。
前項の期間内に届出をしたときは、当該政党、協会その他の團体及びその支部の寄附又は支出でこの法律施行の日から同項の届出までの間になされたものは、これを第八條又はこれを準用する第十八條の規定による届出後なされたものとみなす。
第五十七條 衆議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
第百一條 削除
第百一條ノ二乃至第百一條ノ四を削る。
第百四條に次のように加える。
五 選挙運動ニ関シ支拂フ國又ハ地方公共團体ノ租税又ハ手数料
第百五條乃至第百九條 削除
第百十一條中「千圓」を「二千五百圓」に改める。
第百十二條第一項中「二萬圓」を「五萬圓」に改め、同條第二項中「三萬圓」を「七萬五千圓」に改める。
第百十三條第一項中「三萬圓」を「七萬五千圓」に改め、同條第二項中「四萬圓」を「十萬圓」に改める。
第百十五條中「三萬圓」を「七萬五千圓」に改める。
第百十六條第二項中「三千圓」を「七千五百圓」に改める。
第百十七條中「一萬圓」を「二萬五千圓」に改める。
第百十八條第一項中「五千圓」を「一萬五千圓」に改め、同條第二項中「二萬圓」を「五萬圓」に改める。
第百二十條中「千圓」を「二千五百圓」に改める。
第百二十一條第一項中「一萬圓」を「二萬五千圓」に改める。
第百二十二條中「二萬圓」を「五萬圓」に改める。
第百二十四條中「三千圓」を「七千五百圓」に改める。
第百二十五條中「五千圓」を「一萬五千圓」に改める。
第百二十六條中「一萬圓」を「二萬五千圓」に改める。
第百二十七條第一項中「五千圓」を「一萬五千圓」に改め、同條第二項中「一萬圓」を「二萬五千圓」に改め、同條第三項及び第四項中「二萬圓」を「五萬圓」に改める。
第百二十八條中「千圓」を「二千五百圓」に改める。
第百二十九條中「五千圓」を「一萬五千圓」に改める。
第百三十條中「三千圓」を「七千五百圓」に改める。
第百三十一條中「、第九十九條、第百一條ノ四、第百五條、第百六條又ハ第百九條」を「又ハ第九十九條」に、「三千圓」を「七千五百圓」に改める。
第百三十二條第一項中「又ハ第百一條第四項若ハ第五項」を削り、「千圓」を「二千五百圓」に改め、同條第二項を削る。
第百三十四條及第百三十五條 削除
第五十八條 参議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
第七十七條第二項及び第三項を削る。
第七十八條及び第八十條乃至第八十二條 削除
第八十四條第一項中「三千圓」を「七千五百圓」に改め、同條第二項中「五千圓」を「一萬五千圓」に改める。
第八十五條及び第八十六條 削除
第八十七條中「前三條」を「第八十四條」に改める。
第五十九條 この法律施行の際從前の衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法若しくは地方自治法によりすでに行い、又はこれらの法律の規定によりその期日を公示若しくは告示した選挙に関しては、前二條の改正規定にかかわらず、なお、從前の規定を適用する。
前項の規定は、同項に掲げる選挙以外のもので衆議院議員選挙法第十二章の規定を準用する選挙について、これを準用する。
内閣総理大臣 芦田均
政治資金規正法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年七月二十九日
内閣総理大臣 芦田均
法律第百九十四号
政治資金規正法目次
第一章
総則
第二章
政党、協会その他の団体
第三章
公職の候補者
第四章
政党、協会その他の団体及び公職の候補者以外の者
第五章
報告書の公開
第六章
寄附に関する制限
第七章
罰則
第八章
補則
附則
政治資金規正法
第一章 総則
第一条 この法律は、政党、協会その他の団体及び公職の候補者等の政治活動の公明を図り、選挙の公正を確保し、以て民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。
第二条 この法律において選挙とは、衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法及び地方自治法による選挙をいう。
第三条 この法律において政党とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本来の目的とする団体をいう。
この法律において協会その他の団体とは、政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対する目的を有するものをいう。
第四条 この法律において公職の候補者とは、第二条の規定による選挙において、それぞれの法律の定めるところにより、候補者として届出をし、又は推薦届出をされた者をいう。
第五条 この法律において収入とは、金銭、物品その他の財産上の利益の収受、その収受の承諾又は約束をいう。
この法律において寄附とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。
この法律において支出とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束をいう。
第二章 政党、協会その他の団体
第六条 政党、協会その他の団体は、代表者又は主幹者及び会計責任者各々一人を選任し、その組織の日又は第三条に規定する目的を有するに至つた日から七日以内に、これらの者の氏名、住所、生年月日及び選任年月日並びに当該政党、協会その他の団体の主たる事務所の所在地を左の区分に従い、文書でそれぞれ当該選挙管理委員会に届け出なければならない。
一 市町村の区域において第三条に規定する目的を有する政党、協会その他の団体にあつては、主たる事務所の所在地の市町村の選挙管理委員会
二 同一の都道府県の区域内で、二以上の市町村の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の市町村の区域外の地域において第三条に規定する目的を有する政党、協会その他の団体にあつては、主たる事務所の所在地の市町村の選挙管理委員会を経て都道府県の選挙管理委員会
三 二以上の都道府県の区域にわたり、又は主たる事務所の所在地の都道府県の区域外の地域において第三条に規定する目的を有する政党、協会その他の団体にあつては、主たる事務所の所在地の都道府県の選挙管理委員会を経て全国選挙管理委員会
政党、協会その他の団体は、会計責任者に事故があるとき、又は会計責任者が欠けたときその職務を行うべきものを予め定め、前項の届出と同時にこれを同項の例により届け出なければならない。
第七条 政党、協会その他の団体は、前条の規定により届け出た事項に異動があつたときは、その異動の日から七日以内に、前条の例により届け出なければならない。
第八条 政党、協会その他の団体は、第六条又は前条の規定による届出がなされた後でなければ、公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の政治活動のために、いかなる名義を以てするを問わず、寄附を受け、又は支出をすることができない。但し、会計責任者が欠けた場合において、第六条第二項又は前条の規定による届出のあつた会計責任者の職務を行う者があるときは、この限りでない。
第九条 政党、協会その他の団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 政党にあつてはすべての寄附及びその他の収入、協会その他の団体にあつてはすべての寄附(当該政党、協会その他の団体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業(団体にあつては名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名、住所。以下これに同じ。)並びに寄附の金額(金銭以外の財産上の利益については、これを時価に見積つた金額。以下これに同じ。)及び年月日
三 政党、協会その他の団体のすべての支出(当該政党、協会その他の団体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
全国選挙管理委員会は、前項の会計帳簿の種類及び様式を定め、これを官報に告示しなければならない。
第十条 何人も、政党、協会その他の団体の代表者、主幹者若しくは会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の団体のために寄附を受け、又は支出をした者は、寄附を受け又は支出をした日から七日以内に、寄附をし、又は支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに寄附又は支出の金額、支出の目的及び年月日を記載した明細書を会計責任者に提出しなければならない。但し、会計責任者の請求があるときは、直ちにこれを提出しなければならない。
第十一条 政党、協会その他の団体の会計責任者又は政党、協会その他の団体の代表者、主幹者若しくは会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の団体のために支出をした者は、一件千円以上のすべての支出について、領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。但し、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。
政党、協会その他の団体の代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じて当該政党、協会その他の団体のために一件千円以上の支出をした者は、前項の書面を直ちに会計責任者に送付しなければならない。
第十二条 政党、協会その他の団体の会計責任者は、毎年四月三十日、八月三十一日及び十二月三十一日現在で、左の各号に掲げる事項を記載した報告書を、各々その日の翌日から十日以内に、第六条第一項各号に定める区分に従い、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
一 政党にあつてはすべての寄附及びその他の収入、協会その他の団体にあつてはすべての寄附(当該政党、協会その他の団体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附の中政党、協会その他の団体によつてなされたもので一件千円以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)、政党、協会その他の団体以外の者によつてなされたもので一件五百円以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)のものについては、寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日
三 政党、協会その他の団体のすべての支出(当該政党、協会その他の団体のためにその代表者、主幹者又は会計責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出の中政党、協会その他の団体によつてなされたもので一件千円以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)、政党、協会その他の団体以外の者によつてなされたもので一件五百円以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)のものについては、支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
前項の報告書には、それぞれ一月一日からの寄附及びその他の収入並びに支出を累計して記載しなければならない。
全国選挙管理委員会は、第一項の報告書の様式を定め、これを官報に告示しなければならない。
第十三条 政党、協会その他の団体の会計責任者は、選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出について、左の各号の定めるところにより前条第一項各号に掲げる事項を記載した報告書を、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
一 公職の候補者の選挙期日以前における当該選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出に関するものは、選挙期日の公示又は告示の日前のものと選挙期日の公示又は告示の日以後選挙期日前七日までのものとを併せて、選挙期日前五日まで
二 公職の候補者の選挙期日前六日から選挙期日まで及び選挙期日経過後における当該選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出については、その寄附及びその他の収入並びに支出を選挙期日前七日までの寄附及びその他の収入並びに支出と併せて精算し、選挙期日から十五日以内
三 前号の精算届出後当該選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出については、その寄附及びその他の収入並びに支出がなされた日から七日以内
地方自治法第六十五条第一項の規定による選挙を行う場合においては、その選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出は、これをその選挙を必要とするに至つた地方公共団体の長の選挙の選挙期日経過後における運動に関する寄附及びその他の収入並びに支出とみなし、前項第二号及び第三号の規定を適用する。但し、同条の規定による選挙期日から十五日以内に、報告書を提出しなければならない。
第十四条 二以上の選挙を同時に又は引き続き行う場合において、いずれの選挙に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出であるかを区分し難いときは、前条第一項の報告書にはその寄附及びその他の収入並びに支出を併せて記載しなければならない。
前項の場合における報告書の提出については、最初に選挙期日の公示又は告示のあつた日から最後の選挙期日までの間を選挙の期間とするものとする。
第十五条 政党、協会その他の団体の会計責任者の更迭があつた場合においては、前任者は、退職の日から十五日以内に、その担任する事務を後任者に引き継がなければならない。
前項の場合において、前任者が引継をし、又は後任者が引継を受けることができないときは、第六条第二項の規定により会計責任者の職務を行う者において引継をし、又は引継を受けなければならない。会計責任者の職務を行う者が事務の引継を受けた後後任者に引継をすることができるようになつたときは、直ちにこれに引継をしなければならない。
前二項の規定により引継をする場合においては、引継をする者において第十二条及び第十三条の例により引継書を作成し、引継の旨及び引継の年月日を記載し、引継をする者及び引継を受ける者においてともに署名捺印し、現金及び帳簿その他の書類とともに引継をしなければならない。
第十六条 政党、協会その他の団体の会計責任者は、会計帳簿、明細書及び領収書その他の支出を証すべき書面を、第十二条又は第十三条の規定による報告書提出の日から二年間保存しなければならない。
第十七条 政党が解散したとき、又は政党、協会その他の団体が第三条に規定する目的を有しなくなつたときは、その代表者又は主幹者及び会計責任者は、その日から十五日以内に、その旨及び年月日とともに、第十二条の例により解散の日又は第三条に規定する目的を有しなくなつた日の現在で、寄附及びその他の収入並びに支出に関する事項を記載した報告書を、それぞれ当該選挙管理委員会に提出しなければならない。
第十八条 本章の規定中政党に関するものはその支部に、協会その他の団体に関するものはその支部にこれを準用する。
第三章 公職の候補者
第十九条 公職の候補者は、その選挙運動に関する収入及び支出の責任者(以下出納責任者という。)一人を選任しなければならない。但し、公職の候補者が自ら出納責任者となり、又は推薦届出者(推薦届出者が数人あるときはその代表者)が当該候補者の承諾を得て出納責任者を選任し、若しくは自ら出納責任者となることを妨げない。
出納責任者の選任者は、文書で出納責任者の支出することのできる金額の最高額を定め、出納責任者とともにこれに署名捺印しなければならない。
出納責任者の選任者(自ら出納責任者となつた者を含む。)は、直ちに出納責任者の氏名、住所、職業、生年月日及び選任年月日並びに公職の候補者の氏名を、文書で当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出なければならない。
推薦届出者が出納責任者を選任した場合においては、前項の届出には、その選任につき公職の候補者の承諾を得たことを証すべき書面(推薦届出者が数人あるときは併せてその代表者たることを証すべき書面)を添えなければならない。
第二十条 公職の候補者は、文書で通知することにより出納責任者を解任することができる。出納責任者を選任した推薦届出者において、当該候補者の承諾を得たときも、また同様とする。
出納責任者は、文書で公職の候補者及び選任者に通知することにより辞任することができる。
第二十一条 出納責任者に異動があつたときは、出納責任者の選任者は、直ちに第十九条第三項及び第四項の例により届け出なければならない。
前項の届出で解任又は辞任による異動に関するものには、前条の規定による通知のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。推薦届出者が出納責任者を解任した場合においては、併せて、その解任につき公職の候補者の承諾のあつたことを証すべき書面を添えなければならない。
第二十二条 出納責任者に事故があるとき、又は出納責任者が欠けたときは、選任者が代つてその職務を行う。推薦届出者たる選任者(自ら出納責任者となつた者を含む。)にも事故があるとき、又はその者も欠けたときは、公職の候補者が代つて出納責任者の職務を行う。
前項の規定により出納責任者に代つてその職務を行う者は、第十九条第三項及び第四項の例により届け出なければならない。
前項の届出には、出納責任者の氏名(出納責任者の選任をした推薦届出者にも事故があるとき、又はその者も欠けたときは併せてその氏名)、事故又は欠けたことの事実及びその職務代行を始めた年月日を記載しなければならない。出納責任者に代つてその職務を行う者がこれをやめたときは、その事由及びその職務代行をやめた年月日を記載しなければならない。
第二十三条 出納責任者(その職務を代行する者を含む。)は、第十九条第三項及び第四項、第二十一条又は前条第二項及び第三項の規定による届出がなされた後でなければ、公職の候補者の推薦、支持又は反対その他の運動のために、いかなる名義を以てするを問わず、公職の候補者のために寄附を受け、又は支出をすることができない。公職の候補者又は推薦届出者が寄附を受けるについても、また同様とする。
第二十四条 出納責任者は、会計帳簿を備え、これに左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 選挙運動に関するすべての寄附及びその他の収入(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
二 前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日
三 選挙運動に関するすべての支出(公職の候補者のために公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてなされた支出を含む。)
四 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
第九条第二項の規定は、前項の会計帳簿について、これを準用する。
第二十五条 出納責任者以外の者で公職の候補者のために選挙運動に関する寄附を受けたものは、寄附を受けた日から七日以内に、寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄附の金額及び年月日を記載した明細書を出納責任者に提出しなければならない。但し、出納責任者の請求があるときは、直ちにこれを提出しなければならない。
前項の寄附で当該候補者が立候補の届出前に受けたものについては、立候補の届出後直ちに出納責任者にその明細書を提出しなければならない。
第二十六条 立候補準備のために要する支出並びに公職の候補者又は出納責任者と意思を通じないでする自筆の推薦状及び電話による選挙運動のために要する支出を除く外、選挙運動に関する支出は、出納責任者(出納責任者に代つてその職務を行う者を含む。)でなければこれをすることができない。但し、出納責任者の文書による承諾を得た者は、この限りでない。
立候補準備のために要した支出で公職の候補者若しくは出納責任者となつた者が支出し、又は他の者がその者と意思を通じて支出したものについては、出納責任者は、その就任後直ちに当該候補者又は支出者につきその精算をしなければならない。
第二十七条 出納責任者又は公職の候補者若しくは出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、選挙運動に関するすべての支出について、領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならない。但し、これを徴し難い事情があるときは、この限りでない。
公職の候補者又は出納責任者と意思を通じてそのために支出をした者は、前項の書面を直ちに出納責任者に送付しなければならない。
第二十八条 出納責任者は、公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出について、第二十四条第一項各号に掲げる事項を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第十三条の規定は、前項の報告書について、これを準用する。
第二十九条 出納責任者が辞任し、又は解任せられた場合においては、直ちに公職の候補者の選挙運動に関しなされた寄附及びその他の収入並びに支出の計算をし、あらたに出納責任者となつた者に対し、あらたに出納責任者となつた者がないときは出納責任者に代つてその職務を行う者に対し、引継をしなければならない。出納責任者に代つてその職務を行う者が事務の引継を受けた後、あらたに出納責任者が定つたときも、また同様とする。
前項の規定により引継をする場合においては、引継をする者において前条の例により引継書を作成し、引継の旨及び引継の年月日を記載し、引継をする者及び引継を受ける者においてともに署名捺印し、現金及び帳簿その他の書類とともに引継をしなければならない。
第三十条 出納責任者は、会計帳簿、明細書及び領収書その他の支出を証すべき書面を、第二十八条の規定による報告書提出の日から二年間保存しなければならない。
第四章 政党、協会その他の団体及び公職の候補者以外の者
第三十一条 政党、協会その他の団体及びその支部並びに公職の候補者以外の者で政党、協会その他の団体又はその支部のために、公職の候補者の選挙に関し、直接に又は本人の名義以外の名義を用いて間接に一件二千五百円以上(数回にわたりなされたときはその合計額による。)の支出をしたものは、支出の日から十日以内に、左の各号に掲げる事項を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。但し、第十三条の規定により会計責任者において報告書を提出すべきものについては、この限りでない。
一 すべての支出
二 前号の支出を受けた者の氏名、住所及び職業並びに支出の目的、金額及び年月日
第三十二条 公職に在る者(公選による公職に在る者を含む。)が、公職の候補者の選挙に関し寄附をしたときは、前条の規定にかかわらず、寄附の日から十日以内に、その氏名、職業及び勤務先並びに寄附の金額、年月日及び寄附を受けた者の氏名(団体にあつては名称)を記載した報告書を、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
前項の場合において、寄附が政党、協会その他の団体のためになされたものであるときはその会計責任者、公職の候補者のためになされたものであるときはその出納責任者において、同項に掲げる事項を、その金額にかかわらず、第十三条又は第二十八条の規定により提出する報告書に併せて記載し、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第五章 報告書の公開
第三十三条 第十二条乃至第十四条、第十七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十八条、第三十一条、前条若しくは第三十五条第二項の規定による報告書を受理したときは、当該選挙管理委員会は、全国選挙管理委員会の定めるところにより、その要旨を公表しなければならない。
前項の規定による公表は、全国選挙管理委員会及び参議院全国選出議員選挙管理委員会にあつては官報により、都道府県の選挙管理委員会にあつては都道府県の公報により、市町村の選挙管理委員会にあつてはその予め告示を以て定めたところの周知させ易い方法によつて、これを行う。
第三十四条 第十二条乃至第十四条、第十七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十八条、第三十一条、第三十二条若しくは第三十五条第二項の規定による報告書は、これを受理した選挙管理委員会において、受理した日から二年間これを保存しなければならない。
何人も、前項の期間内においては、全国選挙管理委員会、参議院全国選出議員選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の選挙管理委員会の定めるところにより、報告書の閲覧を請求することができる。
第六章 寄附に関する制限
第三十五条 左の各号に掲げる者は、選挙に関し、寄附をしてはならない。但し、第一号に掲げる者がその属する政党、協会その他の団体に対し寄附をする場合及び当該選挙の関係区域外に在る者に対し寄附をする場合は、この限りでない。
一 当該選挙の公職の候補者
二 衆議院議員選挙法又は参議院議員選挙法による選挙に関しては国、地方自治法による選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者
三 昭和二十二年勅令第一号第三条にいう覚書該当者
前項第一号の候補者は、選挙期日の公示又は告示の日前一年間にしたすべての寄附について、寄附を受けた者の氏名(団体にあつては名称)、寄附の金額及び年月日を記載した報告書を、立候補の届出後七日以内に、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。
第三十六条 何人も、選挙に関し、前条第一項各号に掲げる者に対して寄附を勧誘し又は要求してはならない。
何人も、選挙に関し、前条第一項各号に掲げる者並びに外国人、外国法人及び外国の団体から寄附を受けてはならない。
第三十七条 何人も、選挙に関し、本人の名義以外の名義を用いた寄附及び匿名の寄附をしてはならない。
何人も、前項の寄附を受けてはならない。
第一項の規定に違反して寄附がなされたときは、その寄附にかかる金銭又は物品の所有権は国庫に帰属するものとし、これが保管者において、国庫に納付の手続をとらなければならない。
第七章 罰則
第三十八条 政党、協会その他の団体又はその支部が第八条又はこれを準用する第十八条の規定に違反して寄附を受け又は支出をしたときは、当該政党、協会その他の団体又はその支部は、これを五千円以上十万円以下の罰金に処する。
前項の場合においては、併せて、同項の団体又はその支部の代表者若しくは主幹者その他の責任者を五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金に処することができる。
第三十九条 左の各号に掲げる行為をした者は、これを三年以下の禁錮又は千円以上五万円以下の罰金に処する。但し、第一号乃至第三号、第五号若しくは第九号に掲げる虚偽の記入をした者又は第十号に掲げる虚偽の報告若しくは資料を提出した者に科する罰金は、五千円以上五万円以下とする。
一 第九条若しくはこれを準用する第十八条又は第二十四条の規定に違反して会計帳簿を備えず、又は会計帳簿に記載をせず、若しくはこれに虚偽の記入をしたとき。
二 第十条若しくはこれを準用する第十八条又は第二十五条の規定に違反して明細書の提出を怠り、又はこれに虚偽の記入をしたとき。
三 第十一条又はこれを準用する第十八条若しくは第二十七条の規定に違反して領収書その他の支出を証すべき書面を徴せず、若しくはこれを送付せず、又はこれに虚偽の記入をしたとき。
四 第十六条若しくはこれを準用する第十八条又は第三十条の規定に違反して会計帳簿、明細書又は領収書その他の支出を証すべき書面を保存しないとき。
五 第十六条若しくはこれを準用する第十八条又は第三十条の規定により保存すべき会計帳簿、明細書又は領収書その他の支出を証すべき書面に虚偽の記入をしたとき。
六 第十五条又は第二十九条の規定による引継をしないとき。
七 第二十三条の規定に違反して寄附を受け、又は支出をしたとき。
八 第二十六条第一項の規定に違反して支出をしたとき。
九 第三十一条、第三十二条第一項又は第三十五条第二項の規定に違反して報告書の提出を怠り、又はこれに虚偽の記入をしたとき。
十 第五十二条の規定による報告若しくは資料の提出を拒み、又は虚偽の報告若しくは資料を提出したとき。
第四十条 第十二条乃至第十四条、第十七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十八条若しくは第三十二条第二項の規定に違反して報告書の提出を怠り、又はこれに虚偽の記入をした者は、これを五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金に処する。
前項の場合において、政党、協会その他の団体又はその支部の代表者若しくは主幹者が当該政党、協会その他の団体又はその支部の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、これを千円以上五万円以下の罰金に処することができる。
第四十一条 第三十五条第一項第一号及び第二号に掲げる者が同条の規定に違反して寄附をしたときは、これを三年以下の禁錮又は五千円以上五万円以下の罰金に処する。第三十七条第一項の規定に違反して寄附をした者も、また同様とする。
第三十五条第一項第三号に掲げる者が同条の規定に違反して寄附をしたときは、これを六箇月以上三年以下の禁錮に処する。
第四十二条 第三十六条第一項の規定に違反して寄附を勧誘し、若しくは要求し、又は同条第二項若しくは第三十七条第二項の規定に違反して寄附を受けた者は、これを三年以下の禁錮又は五千円以上五万円以下の罰金に処する。
政党、協会その他の団体又はその支部が第三十六条第二項又は第三十七条第二項の規定に違反して寄附を受けたときは、当該政党、協会その他の団体又はその支部は、五千円以上五万円以下の罰金に処する。
前項の場合においては、併せて、同項の団体又はその支部の代表者若しくは主幹者その他の責任者を三年以下の禁錮又は五千円以上五万円以下の罰金に処することができる。
第四十三条 第三十九条、第四十条第一項、第四十一条第一項及び前条第一項の罪を犯した者には、情状に因り、禁錮及び罰金を併科することができる。
重大な過失に因り、第三十九条、第四十条第一項、第四十一条第一項及び前条第一項の罪を犯した者も、これを処罰するものとする。但し、裁判所は、情状に因り、その刑を減軽することができる。
第四十四条 当選人がその選挙に関し第八条、第十三条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十三条若しくは第二十八条の規定の違反に関し第三十八条第二項、第三十九条又は第四十条の規定により刑に処せられたときは、その当選を無効とする。
第四十五条 公職の候補者を当選させる目的を以て、政党、協会その他の団体若しくはその支部の会計責任者又は公職の候補者の出納責任者が、第十三条若しくはこれを準用する第十八条又は第二十八条の規定による報告書の提出を怠り、又はこれらの規定により提出する報告書に虚偽の記入をしたため、第四十条の規定により刑に処せられたときは、当該候補者の当選は、これを無効とする。
検察官は、第四十条の罪に該る事件が前項の規定に該当すると認めるときは、公訴に附帯し、当該当選人を被告として訴訟を提起しなければならない。
第四十六条 衆議院議員選挙法第八十六条第二項及び第三項並びに第百四十一条ノ二の規定は、前条第二項の訴訟に、同法第百四十三条の規定は、第四十四条又は前条第一項に掲げる者が刑に処せられた場合に、これを準用する。但し、同法第八十六条第二項若しくは第三項又は第百四十三条の規定による通知又は送付は、参議院全国選出議員にあつては全国選挙管理委員会及び参議院全国選出議員選挙管理委員会又は全国選挙管理委員会及び参議院議長に、参議院地方選出議員にあつては全国選挙管理委員会及び参議院議長に、これをしなければならない。
第四十七条 第三十九条乃至第四十二条の罪を犯した者で、罰金の刑に処せられたものはその裁判が確定した日から五年間、禁錮以上の刑に処せられたものはその裁判が確定した日から刑の執行を終るまでの間又は刑の時効に因る場合を除く外刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間、この法律の規定を適用する選挙における選挙権及び被選挙権を有しない。但し、刑の執行猶予の言渡を受けた者については、その期間は、その裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間とする。
裁判所は、情状に因り、刑の言渡と同時に前項に規定する者に対し、同項の選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用せず、又は同項の期間を短縮する旨を宣告することができる。
第四十八条 本章の罪の時効は、二年を経過することに因り完成する。
第八章 補則
第四十九条 政党、協会その他の団体の会計責任者、公職の候補者の出納責任者又はその他の者が、第十二条乃至第十四条、第十七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十八条、第三十一条、第三十二条若しくは第三十五条第二項の規定により提出する報告書には、それぞれ真実の記載がなされていることを誓う旨の文書を添えなければならない。
第五十条 第六条、第七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第十九条第三項及び第四項、第二十一条若しくは第二十二条第二項及び第三項の規定による届出書類並びに第十二条乃至第十四条、第十七条若しくはこれらを準用する第十八条又は第二十八条、第三十一条、第三十二条若しくは第三十五条第二項の規定による報告書は、書留の取扱でこれを逓信官署に托したときは、その時を以て届出又は提出があつたものとみなす。
第五十一条 この法律の執行に関し必要があると認めるときは、全国選挙管理委員会は参議院全国選出議員選挙管理委員会及び都道府県の選挙管理委員会を、参議院全国選出議員選挙管理委員会は都道府県の選挙管理委員会を、都道府県の選挙管理委員会は市町村の選挙管理委員会を、それぞれ指揮監督することができる。この法律の定めるところにより届出又は提出があつた届出書類又は報告書に関し、調査上必要があると認めるときも、また同様とする。
第五十二条 全国選挙管理委員会、参議院全国選出議員選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の選挙管理委員会は、この法律の執行に関し必要があると認めるときは、政党、協会その他の団体又は公職の候補者その他関係人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
第五十三条 町村の全部事務組合は、この法律の適用については、これを一町村とみなす。
第五十四条 左の各号に掲げる経費は、国庫の負担とする。
一 第三十三条の規定による公表に要する費用
二 第三十四条第一項の規定による報告書の保存に要する費用
三 第三十四条第二項の規定による報告書の閲覧の施設のために要する費用
附 則
第五十五条 この法律は、公布の日から、これを施行する。
第五十六条 この法律施行の際現に存する政党、協会その他の団体及びその支部で第三条の規定に該当するものは、この法律施行の日から三十日以内に、第六条又はこれを準用する第十八条の規定による届出をしなければならない。
前項の期間内に届出をしたときは、当該政党、協会その他の団体及びその支部の寄附又は支出でこの法律施行の日から同項の届出までの間になされたものは、これを第八条又はこれを準用する第十八条の規定による届出後なされたものとみなす。
第五十七条 衆議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
第百一条 削除
第百一条ノ二乃至第百一条ノ四を削る。
第百四条に次のように加える。
五 選挙運動ニ関シ支払フ国又ハ地方公共団体ノ租税又ハ手数料
第百五条乃至第百九条 削除
第百十一条中「千円」を「二千五百円」に改める。
第百十二条第一項中「二万円」を「五万円」に改め、同条第二項中「三万円」を「七万五千円」に改める。
第百十三条第一項中「三万円」を「七万五千円」に改め、同条第二項中「四万円」を「十万円」に改める。
第百十五条中「三万円」を「七万五千円」に改める。
第百十六条第二項中「三千円」を「七千五百円」に改める。
第百十七条中「一万円」を「二万五千円」に改める。
第百十八条第一項中「五千円」を「一万五千円」に改め、同条第二項中「二万円」を「五万円」に改める。
第百二十条中「千円」を「二千五百円」に改める。
第百二十一条第一項中「一万円」を「二万五千円」に改める。
第百二十二条中「二万円」を「五万円」に改める。
第百二十四条中「三千円」を「七千五百円」に改める。
第百二十五条中「五千円」を「一万五千円」に改める。
第百二十六条中「一万円」を「二万五千円」に改める。
第百二十七条第一項中「五千円」を「一万五千円」に改め、同条第二項中「一万円」を「二万五千円」に改め、同条第三項及び第四項中「二万円」を「五万円」に改める。
第百二十八条中「千円」を「二千五百円」に改める。
第百二十九条中「五千円」を「一万五千円」に改める。
第百三十条中「三千円」を「七千五百円」に改める。
第百三十一条中「、第九十九条、第百一条ノ四、第百五条、第百六条又ハ第百九条」を「又ハ第九十九条」に、「三千円」を「七千五百円」に改める。
第百三十二条第一項中「又ハ第百一条第四項若ハ第五項」を削り、「千円」を「二千五百円」に改め、同条第二項を削る。
第百三十四条及第百三十五条 削除
第五十八条 参議院議員選挙法の一部を次のように改正する。
第七十七条第二項及び第三項を削る。
第七十八条及び第八十条乃至第八十二条 削除
第八十四条第一項中「三千円」を「七千五百円」に改め、同条第二項中「五千円」を「一万五千円」に改める。
第八十五条及び第八十六条 削除
第八十七条中「前三条」を「第八十四条」に改める。
第五十九条 この法律施行の際従前の衆議院議員選挙法、参議院議員選挙法若しくは地方自治法によりすでに行い、又はこれらの法律の規定によりその期日を公示若しくは告示した選挙に関しては、前二条の改正規定にかかわらず、なお、従前の規定を適用する。
前項の規定は、同項に掲げる選挙以外のもので衆議院議員選挙法第十二章の規定を準用する選挙について、これを準用する。
内閣総理大臣 芦田均