判任官俸給令
法令番号: 勅令第百三十五號
公布年月日: 明治43年3月28日
法令の形式: 勅令
朕判任官俸給令改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十六日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
勅令第百三十五號
判任官俸給令
第一條 判任官ノ月俸ハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外別表ニ依ル
第二條 陸海軍准士官及下士ハ判任トシ其ノ月俸ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三條 判任文官ハ每級在職一年以上ニ至ラサレハ增給スルコトヲ得ス但シ六級俸以下ノ者ハ此ノ限ニ在ラス
第四條 判任文官ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ハ特ニ百二十圓迄ヲ給スルコトヲ得
第五條 判任文官ノ俸給ハ月俸四十圓未滿ノ者ニ限リ級俸ニ拘ラス適宜ノ金額ヲ定メ之ヲ支給スルコトヲ得但シ各所定ノ最低俸給額ヲ下ルコトヲ得ス
第六條 各廳技手ハ判任トシ各廳事務ノ繁閑ニ依リ別表最低額以下ヲ給スルコトヲ得
第七條 警視廳、北海道廳、府縣及監獄判任官竝稅務監督局屬、稅務署屬及專賣局書記ニハ別表最低額以下八圓迄ノ月俸ヲ給スルコトヲ得但シ港吏、港務醫官補、港務獸醫官補、港務調劑手及府縣通譯ハ此ノ限ニ在ラス
道廳及府縣視學ノ月俸ハ別表九級俸以上トス
第八條 稅關監吏、臺灣總督府稅關監吏及臺灣總督府稅務吏ノ月俸ハ十二圓以上四十圓以下トス
第九條 警部補、臺灣總督府警部補、關東都督府警部補及樺太廳警部補ノ月俸ハ十五圓以上三十圓以下トス
第十條 望樓手、森林主事ノ月俸ハ十二圓以上三十圓以下トス
第十一條 左ニ揭クル者ノ月俸ハ十圓以上三十圓以下トス
郵便貯金局書記補
遞信管理局書記補
通信書記補
統監府通信手
臺灣總督府通信手
關東都督府通信書記補
第十二條 前四條ノ判任文官最上級俸ヲ受ケ三年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ハ特ニ月額五圓以內ヲ加給スルコトヲ得
第十三條 判任官死亡シタルトキハ在職最終月俸三月分ヲ其ノ遺族ニ給ス
前項遺族ト稱スルハ官吏遺族扶助法ノ定ムル所ニ依ル
第十四條 月俸ハ每月下旬之ヲ支給ス
前項ノ外俸給ノ支給ニ關シテハ高等官官等俸給令ノ例ニ依ル
第十五條 俸給支給ニ關スル細則ハ大藏大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ明治四十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廢止ス
明治二十六年勅令第百八十二號
明治三十一年勅令第三百十五號
明治三十二年勅令第百六十四號
明治三十二年勅令第二百五十七號
明治三十二年勅令第三百七十二號
臺灣總督府警部補俸給令
明治三十六年勅令第二百六十三號
明治三十九年勅令第二百十六號
明治三十九年勅令第二百三十號
明治四十年勅令第百六十二號
本令施行ノ際現ニ左表上欄ノ級俸又ハ俸給額ヲ受クル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ各其ノ相當下欄ノ級俸又ハ俸給額ヲ給スルモノトス
現行俸給
改正俸給
一級俸
一級俸
二級俸
二級俸
三級俸
三級俸
四級俸
四級俸
五級俸
五級俸
六級俸又ハ三十五圓
四十三圓
三十圓以下
現俸ニ七圓ヲ加ヘタル額
二十七圓以下
現俸ニ六圓ヲ加ヘタル額
二十三圓以下
現俸ニ五圓ヲ加ヘタル額
十九圓以下
現俸ニ四圓ヲ加ヘタル額
十五圓以下
現俸ニ三圓ヲ加ヘタル額
十一圓以下六圓以上
現俸ニ二圓ヲ加ヘタル額
在勤加俸、在勤俸ハ前項上欄ノ額ニ算入セス
舊俸給令ニ依リ一級俸ヲ受ケタル年數ハ第四條ノ年數ニ通算ス
本令施行ノ際舊俸給令ニ依リ特別俸ヲ受クル者別ニ辭令書ヲ交付セラレサルトキハ月額百圓ヲ受クルモノトス
舊俸給令ニ依リ五級俸以上ノ各級ニ於テ經過シタル年數ハ第三條ノ年數ニ通算ス
本令施行ノ際舊俸給令ノ五級俸以上ヲ受クル者第三項ノ對當級俸以下ノ級俸ヲ給セラレタル場合ニ於テモ亦前項ノ規定ヲ準用ス
現ニ最低額以下ノ俸給ヲ受クル各廳技手及休職中ノ者ノ俸給額ハ從前ノ額ニ依ル
地方稅ノ支辨ニ屬スル判任文官ノ俸給ハ從前ノ例ニ依ル但シ臺灣總督府小學校敎諭及臺灣總督府公學校敎諭ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
(別表)
級俸
月額
一級俸
九十五圓
二級俸
七十五圓
三級俸
六十五圓
四級俸
五十五圓
五級俸
五十圓
六級俸
四十五圓
七級俸
四十圓
八級俸
三十五圓
九級俸
三十圓
十級俸
二十五圓
十一級俸
二十圓
朕判任官俸給令改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十六日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
勅令第百三十五号
判任官俸給令
第一条 判任官ノ月俸ハ別ニ定ムルモノヲ除クノ外別表ニ依ル
第二条 陸海軍准士官及下士ハ判任トシ其ノ月俸ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三条 判任文官ハ毎級在職一年以上ニ至ラサレハ増給スルコトヲ得ス但シ六級俸以下ノ者ハ此ノ限ニ在ラス
第四条 判任文官ニシテ一級俸ヲ受ケ五年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ハ特ニ百二十円迄ヲ給スルコトヲ得
第五条 判任文官ノ俸給ハ月俸四十円未満ノ者ニ限リ級俸ニ拘ラス適宜ノ金額ヲ定メ之ヲ支給スルコトヲ得但シ各所定ノ最低俸給額ヲ下ルコトヲ得ス
第六条 各庁技手ハ判任トシ各庁事務ノ繁閑ニ依リ別表最低額以下ヲ給スルコトヲ得
第七条 警視庁、北海道庁、府県及監獄判任官並税務監督局属、税務署属及専売局書記ニハ別表最低額以下八円迄ノ月俸ヲ給スルコトヲ得但シ港吏、港務医官補、港務獣医官補、港務調剤手及府県通訳ハ此ノ限ニ在ラス
道庁及府県視学ノ月俸ハ別表九級俸以上トス
第八条 税関監吏、台湾総督府税関監吏及台湾総督府税務吏ノ月俸ハ十二円以上四十円以下トス
第九条 警部補、台湾総督府警部補、関東都督府警部補及樺太庁警部補ノ月俸ハ十五円以上三十円以下トス
第十条 望楼手、森林主事ノ月俸ハ十二円以上三十円以下トス
第十一条 左ニ掲クル者ノ月俸ハ十円以上三十円以下トス
郵便貯金局書記補
逓信管理局書記補
通信書記補
統監府通信手
台湾総督府通信手
関東都督府通信書記補
第十二条 前四条ノ判任文官最上級俸ヲ受ケ三年ヲ超エ事務練熟優等ナル者ハ特ニ月額五円以内ヲ加給スルコトヲ得
第十三条 判任官死亡シタルトキハ在職最終月俸三月分ヲ其ノ遺族ニ給ス
前項遺族ト称スルハ官吏遺族扶助法ノ定ムル所ニ依ル
第十四条 月俸ハ毎月下旬之ヲ支給ス
前項ノ外俸給ノ支給ニ関シテハ高等官官等俸給令ノ例ニ依ル
第十五条 俸給支給ニ関スル細則ハ大蔵大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ明治四十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
左ノ勅令ハ之ヲ廃止ス
明治二十六年勅令第百八十二号
明治三十一年勅令第三百十五号
明治三十二年勅令第百六十四号
明治三十二年勅令第二百五十七号
明治三十二年勅令第三百七十二号
台湾総督府警部補俸給令
明治三十六年勅令第二百六十三号
明治三十九年勅令第二百十六号
明治三十九年勅令第二百三十号
明治四十年勅令第百六十二号
本令施行ノ際現ニ左表上欄ノ級俸又ハ俸給額ヲ受クル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ各其ノ相当下欄ノ級俸又ハ俸給額ヲ給スルモノトス
現行俸給
改正俸給
一級俸
一級俸
二級俸
二級俸
三級俸
三級俸
四級俸
四級俸
五級俸
五級俸
六級俸又ハ三十五円
四十三円
三十円以下
現俸ニ七円ヲ加ヘタル額
二十七円以下
現俸ニ六円ヲ加ヘタル額
二十三円以下
現俸ニ五円ヲ加ヘタル額
十九円以下
現俸ニ四円ヲ加ヘタル額
十五円以下
現俸ニ三円ヲ加ヘタル額
十一円以下六円以上
現俸ニ二円ヲ加ヘタル額
在勤加俸、在勤俸ハ前項上欄ノ額ニ算入セス
旧俸給令ニ依リ一級俸ヲ受ケタル年数ハ第四条ノ年数ニ通算ス
本令施行ノ際旧俸給令ニ依リ特別俸ヲ受クル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ月額百円ヲ受クルモノトス
旧俸給令ニ依リ五級俸以上ノ各級ニ於テ経過シタル年数ハ第三条ノ年数ニ通算ス
本令施行ノ際旧俸給令ノ五級俸以上ヲ受クル者第三項ノ対当級俸以下ノ級俸ヲ給セラレタル場合ニ於テモ亦前項ノ規定ヲ準用ス
現ニ最低額以下ノ俸給ヲ受クル各庁技手及休職中ノ者ノ俸給額ハ従前ノ額ニ依ル
地方税ノ支弁ニ属スル判任文官ノ俸給ハ従前ノ例ニ依ル但シ台湾総督府小学校教諭及台湾総督府公学校教諭ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
(別表)
級俸
月額
一級俸
九十五円
二級俸
七十五円
三級俸
六十五円
四級俸
五十五円
五級俸
五十円
六級俸
四十五円
七級俸
四十円
八級俸
三十五円
九級俸
三十円
十級俸
二十五円
十一級俸
二十円