廃棄物の処理及び清掃に関する法律
法令番号: 法律第137号
公布年月日: 昭和45年12月25日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

産業活動の拡大や国民生活の向上に伴い、廃棄物の排出量が膨大になり、その質も変化している。特に産業廃棄物には有害物質や処理困難物質が含まれ、公害の原因となっている。このような状況を踏まえ、産業廃棄物に関する事業者の処理責任を明確化し、処理体系を整備するとともに、市町村が行う一般廃棄物の処理区域を市町村全域に拡大するなど、現行の清掃法を全面的に改め、廃棄物処理に遺漏がないよう期するため、本法律案を提案した。

参照した発言:
第64回国会 衆議院 社会労働委員会 第1号

審議経過

第64回国会

衆議院
(昭和45年12月3日)
(昭和45年12月7日)
(昭和45年12月8日)
(昭和45年12月10日)
(昭和45年12月10日)
参議院
(昭和45年12月10日)
(昭和45年12月15日)
(昭和45年12月17日)
(昭和45年12月18日)
(昭和45年12月18日)
(昭和45年12月18日)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十五年十二月二十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百三十七号
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
清掃法(昭和二十九年法律第七十二号)の全部を改正する。
目次
第一章
総則(第一条―第五条)
第二章
一般廃棄物(第六条―第九条)
第三章
産業廃棄物(第十条―第十五条)
第四章
雑則(第十六条―第二十四条)
第五章
罰則(第二十五条―第三十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚でい、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
2 この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
3 この法律において「産業廃棄物」とは、事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物をいう。
(事業者の責務)
第三条 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 市町村は、つねに清掃思想の普及を図るとともに、廃棄物の処理に関する事業の実施にあたつては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。
2 都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
3 国は、廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図るとともに、市町村及び都道府県に対し、前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えることに努めなければならない。
(清潔の保持)
第五条 土地又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。
2 建物の占有者は、建物内を全般にわたつて清潔にするため、市町村長が定める計画に従い、大掃除を実施しなければならない。
3 何人も、公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾その他の公共の場合を汚さないようにしなければならない。
4 前項に規定する場所の管理者は、当該管理する場所の清潔を保つように努めなければならない。
5 市町村は、必要と認める場所に、公衆便所及び公衆用ごみ容器を設け、これを衛生的に維持管理しなければならない。
6 便所が設けられている車両、船舶又は航空機を運行する者は、当該便所に係るし尿を環境衛生上支障が生じないように処理することに努めなければならない。
第二章 一般廃棄物
(市町村の処理)
第六条 市町村は、その区域(市町村長が政令で定める基準に従い指定する区域を除く。)内における一般廃棄物の処理について、一定の計画を定めなければならない。
2 市町村は、前項の規定により定められた計画に従つて、同項に規定する一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分しなければならない。
3 市町村が行なうべき一般廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(海洋を投入処分の場所とすることができるものと定めた一般廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染防止法(昭和四十五年法律第百三十六号)に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。)並びに市町村が一般廃棄物の収集、運搬又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準は、政令で定める。
4 第一項に規定する区域内の土地又は建物の占有者は、その土地又は建物内の一般廃棄物のうち、生活環境の保全上支障のない方法で容易に処分することができる一般廃棄物は、なるべく自ら処分するように努めるとともに、自ら処分しない一般廃棄物については、可燃物と不燃物を各別の容器に収納し、粗大ごみを所定の場所に集める等市町村が行なう一般廃棄物の収集、運搬及び処分に協力しなければならない。
5 市町村長は、第一項に規定する区域内において事業活動に伴い多量の一般廃棄物を生ずる土地又は建物の占有者に対し、当該一般廃棄物を運搬すべき場所及び方法を指示することができる。
6 市町村は、当該市町村が行なう一般廃棄物の収集、運搬及び処分に関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる。
(一般廃棄物処理業)
第七条 前条第一項に規定する区域内においては、その区域を管轄する市町村長の許可を受けなければ、一般廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行なつてはならない。ただし、事業者がその一般廃棄物を自ら運搬し、又は処分する場合、もつぱら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集、運搬又は処分を業として行なう場合その他厚生省令で定める場合は、この限りでない。
2 市町村長は、前条第一項の規定により定められた計画に適合するものであり、当該市町村による一般廃棄物の収集、運搬及び処分が困難であり、かつ、環境衛生上の支障が生ずるおそれがないと認められるときでなければ、前項の許可をしてはならない。
3 第一項の許可には、期限を附し、一般廃棄物の収集を行なうことができる区域を定め、又は環境衛生上必要な条件を附することができる。
4 第一項の許可を受けた者は、一般廃棄物の収集、運搬及び処分につき、当該市町村が前条第六項の規定により条例で定める収集、運搬及び処分に関する手数料の額に相当する額をこえる料金を受けてはならない。
5 第一項の許可を受けた者は、前条第一項に規定する区域内においては、同条第三項の政令で定める基準に従い、一般廃棄物の収集、運搬又は処分を行なわなければならない。
6 市町村長は、第一項の許可を受けた者がこの法律又はこの法律に基づく処分に違反する行為をしたときは、この許可を取り消し、又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
7 市町村長は、前項の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、当該処分を受けるべき者にその処分の理由を通知し、弁明及び有利な証拠の堤出の機会を与えなければならない。
(一般廃棄物処理施設)
第八条 し尿処理施設又はごみ処理施設(政令で定めるごみ処理施設を除く。以下同じ。)を設置しようとする者は、その工事に着手する前に、厚生省令で定めるところにより、都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長とする。第十一条及び第二十条第二項を除き、以下同じ。)に届け出なければならない。ただし、当該し尿処理施設がし尿浄化槽である場合であつて、当該し尿浄化槽に関し、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による建築主事の確認を申請すべきとき、又は同法第十八条第二項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定により建築主事に通知すべきときは、この限りでない。
2 し尿処理施設及びごみ処理施設(以下「一般廃棄物処理施設」という。)は、厚生省令で定める基準に従つて維持管理しなければならない。
3 都道府県知事は、一般廃棄物処理施設の維持管理が前項の厚生省令で定める基準に適合していないと認めるときは、その管理者に対し、当該一般廃棄物処理施設につき必要な改善を命じ、又は期間を定めて当該一般廃棄物処理施設の使用の停止を命ずることができる。
(し尿浄化槽清掃業)
第九条 し尿浄化槽の清掃を業として行なおうとする者は、当該業を行なおうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。
2 市町村長は、前項の許可を受けようとする者が厚生省令で定める技術上の基準に適合する設備、器材及び能力を有すると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
3 第一項の許可を受けた者は、厚生省令で定める基準に従い、し尿浄化槽の清掃を行なわなければならない。
4 第七条第六項及び第七項の規定は、第一項の許可を受けた者について準用する。
第三章 産業廃棄物
(事業者及び地方公共団体の処理)
第十条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
3 都道府県は、主として広域的に処理することが適当であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
(処理計画)
第十一条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の産業廃棄物の適正な処理を図るため、産業廃棄物に関する処理計画を定めなければならない。
2 前項の処理計画には、産業廃棄物の処理施設の設置、産業廃棄物の運搬、産業廃棄物の処分の場所その他産業廃棄物の処理に関する基本的事項を定めなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の処理計画を定める場合には、あらかじめ、公害対策基本法(昭和四十二年法律第百三十二号)第二十九条の規定による都道府県公害対策審議会の意見をきかなければならない。
(事業者の処理)
第十二条 事業者は、その産業廃棄物を自ら運搬し、若しくは処分し、又は産業廃棄物の処理を業として行なうことのできる者に運搬させ、若しくは処分させなければならない。ただし、都道府県又は市町村が行なう産業廃棄物の収集、運搬又は処分に関する業務の提供を受ける場合は、この限りでない。
2 事業者は、自らその産業廃棄物の運搬又は処分を行なう場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(海洋を投入処分の場所とすることができるものと定めた産業廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染防止法に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。)に従わなければならない。
3 事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、厚生省令で定める基準に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。
4 都道府県知事は、事業者の産業廃棄物の運搬若しくは処分が第二項の政令で定める基準に適合していないと認めるとき、又は事業者の産業廃棄物の保管が前項の厚生省令で定める基準に適合していないと認めるときは、当該事業者に対し、その産業廃棄物の運搬若しくは処分又は保管の方法の変更その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(地方公共団体の処理)
第十三条 都道府県及び市町村が行なう産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準は、前条第二項の政令で定める基準とする。
2 都道府県又は市町村は、産業廃棄物の処理施設の設置その他当該都道府県又は市町村が行なう産業廃棄物の収集、運搬及び処分に要する費用を、条例で定めるところにより、徴収するものとする。
(産業廃棄物処理業)
第十四条 産業廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行なおうとする者は、当該業を行なおうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者がその産業廃棄物を自ら運搬し、又は処分する場合、もつぱら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集、運搬又は処分を業として行なう場合その他厚生省令で定める場合は、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項の許可を受けようとする者が厚生省令で定める技術上の基準に適合する設備、器材及び能力を有すると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
3 第一項の許可を受けた者は、第十二条第二項の政令で定める基準に従い、産業廃棄物の収集、運搬又は処分を行なわなければならない。
4 第七条第六項及び第七項の規定は、第一項の許可を受けた者について準用する。この場合において、第七条第六項及び第七項中「市町村長」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
(産業廃棄物処理施設)
第十五条 廃プラスチック類処理施設その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるもの(以下「産業廃棄物処理施設」という。)を設置しようとする者は、その工事に着手する前に、厚生省令で定めるところにより、都道府県知事に届け出なければならない。
2 産業廃棄物処理施設は、厚生省令で定める基準に従つて維持管理しなければならない。
3 都道府県知事は、産業廃棄物処理施設の維持管理が前項の厚生省令で定める基準に適合していないと認めるときは、その管理者に対し、当該産業廃棄物処理施設につき必要な改善を命じ、又は期間を定めて当該産業廃棄物処理施設の使用の停止を命ずることができる。
第四章 雑則
(投棄禁止)
第十六条 何人も、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
一 第六条第一項に規定する区域内又はその地先海面において廃棄物を捨てること。
二 第六条第一項に規定する区域以外の区域内における下水道又は河川、運河、湖沼その他の公共の水域に一般廃棄物を捨てること。
三 第六条第一項に規定する区域以外の区域内又はその地先海面において産業廃棄物を捨てること。
(ふん尿の使用方法の制限)
第十七条 ふん尿は、厚生省令で定める基準に適合した方法によるのでなければ、肥料として使用してはならない。
(報告の徴収)
第十八条 都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、事業者、一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集、運搬若しくは処分を業とする者、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の管理者又はし尿浄化槽の清掃を業とする者に対し、廃棄物の保管、収集、運搬若しくは処分、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の維持管理又はし尿浄化槽の清掃に関し、必要な報告を求めることができる。
(立入検査)
第十九条 都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、事業者の産業廃棄物の保管若しくは処分の場所、一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集、運搬若しくは処分を業とする者若しくはし尿浄化槽の清掃を業とする者の事務所若しくは事業場又は一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設のある土地若しくは建物に立ち入り、廃棄物の保管、収集、運搬若しくは処分、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の維持管理又はし尿浄化槽の清掃に関し、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(環境衛生指導員)
第二十条 前条第一項の規定による立入検査及び廃棄物の処理に関する指導の職務を行なわせるため、都道府県及び保健所を設置する市に、環境衛生指導員を置く。
2 環境衛生指導員は、都道府県又は保健所を設置する市の職員であつて、厚生省令で定める資格を有するもののうちから、都道府県知事又は市長が任命する。
(技術管理者)
第二十一条 一般廃棄物処理施設(政令で定めるし尿処理施設を除く。)又は産業廃棄物処理施設の管理者は、当該一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設の維持管理に関する技術上の業務を担当させるため、技術管理者を置かなければならない。ただし、自ら技術管理者として管理する一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設については、この限りでない。
2 技術管理者は、厚生省令で定める資格を有する者でなければならない。
(国庫補助)
第二十二条 国は、政令で定めるところにより、市町村に対し、次に掲げる費用の一部を補助することができる。
一 一般廃棄物処理施設の設置に要する費用
二 災害その他の事由により特に必要となつた廃棄物の処理を行なうために要する費用
(特別な助成)
第二十三条 国は、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るため、一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設の設置に必要な資金の融通又はそのあつせんに努めるものとする。
(不服申立て)
第二十四条 第八条第三項又は第十五条第三項の規定により保健所を設置する市の市長が行なう処分についての審査請求の裁決に不服のある者は、厚生大臣に対して再審査請求をすることができる。
2 第十二条第四項の規定による命令についての異議申立ては、当該命令を受けた日の翌日から起算して十日以内にしなければならない。
第五章 罰則
第二十五条 第七条第一項、第九条第一項若しくは第十四条第一項の規定に違反し、又は第七条第六項(第九条第四項及び第十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第二十六条 第八条第三項若しくは第十五条第三項の規定による命令に違反した者又は第二十四条第二項に規定する期間を経過した後(この期間内に異議申立てがあつた場合においては、その異議申立てに対する決定があつた後)において、第十二条第四項の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
第二十七条 第十六条の規定に違反した者は、五万円以下の罰金に処する。
第二十八条 第十八条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは第十九条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者又は第二十一条第一項の規定に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。
第二十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十五条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第三十条 第八条第一項又は第十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、五千円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行前に改正前の清掃法第十五条第一項の規定によつてなされた汚物取扱業の許可又は許可の申請は、改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第一項の規定によつてなされた一般廃棄物処理業の許可又は許可の申請とみなす。
2 前項に規定する場合のほか、この法律の施行前に改正前の清掃法の規定によつてした処分、手続その他の行為は、改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律中にこれに相当する規定があるときは、改正後の同法によつてしたものとみなす。
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(保健所法の一部改正)
第四条 保健所法(昭和二十二年法律第百一号)の一部を次のように改正する。
第二条第四号中「下水道」の下に「、廃棄物の処理」を加える。
(ヘい獣処理場等に関する法律の一部改正)
第五条 へい獣処理場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)の一部を次のように改正する。
第九条第一項中「清掃法(昭和二十九年法律第七十二号)第四条に規定する特別清掃地域のうち」を削る。
(建築基準法の一部改正)
第六条 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。
第五十一条中「と畜場、火葬場」を「火葬場又はと畜場」に、「又はごみ焼却場」を「、ごみ焼却場その他の処理施設」に改める。
(土地収用法の一部改正)
第七条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十七号を次のように改める。
二十七 地方公共団体が設置する廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)による一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設(廃棄物の最終処分の場所に係るものに限る。)及び公衆便所
(清掃施設整備緊急措置法の一部改正)
第八条 清掃施設整備緊急措置法(昭和四十三年法律第五十八号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号中「清掃法(昭和二十九年法律第七十二号)第四条に規定する特別清掃地域」を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第六条第一項に規定する区域」に改める。
(新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正)
第九条 新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十五年法律第七号)の一部を次のように改正する。
別表中
清掃法(昭和二十九年法律第七十二号)第十八条第一号に規定するごみ又は糞尿を処理するための施設の設置
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二十二条第一号に規定する一般廃棄物処理施設の設置
に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第十条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第九条の二第一項第十二号の次に次の一号を加える。
十二の二 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)を施行すること。
(通商産業省設置法の一部改正)
第十一条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第九条の二第三号の次に次の一号を加える。
三の二 通商産業省の所掌に係る事業の産業廃棄物の処理に関すること。
(海洋汚染防止法の一部改正)
第十二条 海洋汚染防止法の一部を次のように改正する。
第十条第二項第三号中「廃棄物処理法」を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に、「第五条第三項又は第十一条第二項」を「第六条第三項又は第十二条第二項」に改める。
附則第五条中「廃棄物処理法」を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に改める。
法務大臣 小林武治
厚生大臣 内田常雄
内閣総理大臣 佐藤栄作