第一條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため、都道府縣又は政令で定める市が、これを設置する。
第二條 保健所は、左に掲げる事項につき、指導及びこれに必要な事業を行う。
四 住宅、水道、下水道、汚物掃除その他の環境の衞生に関する事項
十 結核、性病、傳染病その他の疾病の予防に関する事項
十一 その他地方における公衆衞生の向上及び増進に関する事項
第三條 第一條に規定する地方公共團体の長は、その職権に属する前條各号に掲げる事項に関する事務を保健所に委任することができる。
第四條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要があるときは、結核、性病、歯科疾患その他厚生大臣の指定する疾病の治療を行うことができる。
第五條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要な試驗及び檢査を行うことができる。
保健所は医師、歯科医師、藥剤師その他の者に、前項の試驗及び檢査に関する施設を利用させることができる。
第六條 厚生大臣は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要と認めるときは、第一條の地方公共團体に対し、保健所の設置及び運営に関して必要な事項を命ずることができる。
第七條 第一條に規定する地方公共團体は、保健所の事業の執行の便を図るため、その支所を設けることができる。
第八條 この法律による保健所でなければ、その名称中に、保健所たることを示すような文字を用いてはならない。但し、厚生大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
第九條 保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴收してはならない。
第十條 國庫は、保健所に関する経費を支出する地方公共團体に対し、政令の定めるところにより、その支出額の二分の一以内を補助する。