保健所法
法令番号: 法律第101号
公布年月日: 昭和22年9月5日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

新憲法第25条に基づき、公衆衛生の向上・増進は国の基本的義務とされた。現在、全国675か所の保健所が公衆衛生行政の第一線機関として機能しているが、現行法では十分な目的達成が困難なため、新法案を提出した。改正の要点は、①公衆衛生の向上・増進という目的の明示、②人口動態統計や公共医療事業等の新規業務追加、③結核等の早期・予防的治療の実施、④公衆衛生に必要な試験検査の実施と医療関係者への開放である。これにより医療内容の向上と医療費の軽減を図る。

参照した発言:
第1回国会 衆議院 厚生委員会 第4号

審議経過

第1回国会

衆議院
(昭和22年7月28日)
参議院
(昭和22年7月30日)
衆議院
(昭和22年7月31日)
参議院
(昭和22年8月1日)
衆議院
(昭和22年8月4日)
参議院
(昭和22年8月5日)
(昭和22年8月6日)
衆議院
(昭和22年8月7日)
(昭和22年8月9日)
参議院
(昭和22年8月19日)
(昭和22年8月21日)
保健所法を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年九月五日
内閣総理大臣 片山哲
法律第百一号
保健所法
第一條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため、都道府縣又は政令で定める市が、これを設置する。
第二條 保健所は、左に掲げる事項につき、指導及びこれに必要な事業を行う。
一 衞生思想の普及及び向上に関する事項
二 人口動態統計に関する事項
三 栄養の改善及び飮食物の衞生に関する事項
四 住宅、水道、下水道、汚物掃除その他の環境の衞生に関する事項
五 保健婦に関する事項
六 公共医療事業の向上及び増進に関する事項
七 母性及び乳幼兒の衞生に関する事項
八 歯科衞生に関する事項
九 衞生上の試驗及び檢査に関する事項
十 結核、性病、傳染病その他の疾病の予防に関する事項
十一 その他地方における公衆衞生の向上及び増進に関する事項
第三條 第一條に規定する地方公共團体の長は、その職権に属する前條各号に掲げる事項に関する事務を保健所に委任することができる。
第四條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要があるときは、結核、性病、歯科疾患その他厚生大臣の指定する疾病の治療を行うことができる。
第五條 保健所は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要な試驗及び檢査を行うことができる。
保健所は医師、歯科医師、藥剤師その他の者に、前項の試驗及び檢査に関する施設を利用させることができる。
第六條 厚生大臣は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要と認めるときは、第一條の地方公共團体に対し、保健所の設置及び運営に関して必要な事項を命ずることができる。
第七條 第一條に規定する地方公共團体は、保健所の事業の執行の便を図るため、その支所を設けることができる。
第八條 この法律による保健所でなければ、その名称中に、保健所たることを示すような文字を用いてはならない。但し、厚生大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
第九條 保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴收してはならない。
第十條 國庫は、保健所に関する経費を支出する地方公共團体に対し、政令の定めるところにより、その支出額の二分の一以内を補助する。
附 則
この法律施行の期日は、政令でこれを定める。
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲
保健所法を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十二年九月五日
内閣総理大臣 片山哲
法律第百一号
保健所法
第一条 保健所は、地方における公衆衛生の向上及び増進を図るため、都道府県又は政令で定める市が、これを設置する。
第二条 保健所は、左に掲げる事項につき、指導及びこれに必要な事業を行う。
一 衛生思想の普及及び向上に関する事項
二 人口動態統計に関する事項
三 栄養の改善及び飲食物の衛生に関する事項
四 住宅、水道、下水道、汚物掃除その他の環境の衛生に関する事項
五 保健婦に関する事項
六 公共医療事業の向上及び増進に関する事項
七 母性及び乳幼児の衛生に関する事項
八 歯科衛生に関する事項
九 衛生上の試験及び検査に関する事項
十 結核、性病、伝染病その他の疾病の予防に関する事項
十一 その他地方における公衆衛生の向上及び増進に関する事項
第三条 第一条に規定する地方公共団体の長は、その職権に属する前条各号に掲げる事項に関する事務を保健所に委任することができる。
第四条 保健所は、地方における公衆衛生の向上及び増進を図るため必要があるときは、結核、性病、歯科疾患その他厚生大臣の指定する疾病の治療を行うことができる。
第五条 保健所は、地方における公衆衛生の向上及び増進を図るため必要な試験及び検査を行うことができる。
保健所は医師、歯科医師、薬剤師その他の者に、前項の試験及び検査に関する施設を利用させることができる。
第六条 厚生大臣は、地方における公衆衛生の向上及び増進を図るため必要と認めるときは、第一条の地方公共団体に対し、保健所の設置及び運営に関して必要な事項を命ずることができる。
第七条 第一条に規定する地方公共団体は、保健所の事業の執行の便を図るため、その支所を設けることができる。
第八条 この法律による保健所でなければ、その名称中に、保健所たることを示すような文字を用いてはならない。但し、厚生大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
第九条 保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴収してはならない。
第十条 国庫は、保健所に関する経費を支出する地方公共団体に対し、政令の定めるところにより、その支出額の二分の一以内を補助する。
附 則
この法律施行の期日は、政令でこれを定める。
厚生大臣 一松定吉
内閣総理大臣 片山哲