暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「使用制限等(第十五条―第十五条の三)」を「使用制限(第十五条)」に、「第二節 事務所等における禁止行為等(第二十九条・第三十条)」を
「
第二節 |
事務所等における禁止行為等(第二十九条・第三十条) |
第三節 |
損害賠償請求等の妨害の規制(第三十条の二―第三十条の四) |
」に、「第五章 暴力追放運動推進センター(第三十一条・第三十二条)」を
「
第五章 |
指定暴力団の代表者等の損害賠償責任(第三十一条―第三十一条の三) |
第六章 |
暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる不当な影響の排除のための民間活動の促進(第三十二条―第三十二条の三) |
」に、「第六章」を「第七章」に、「第七章」を「第八章」に改める。
第三条第二号中「第七章」を「第八章」に改め、同条第三号中「次条、第九条、第十二条の二第一号、第十五条の二第一項及び第十五条の三において」を「以下」に改める。
第九条に次の六号を加える。
十五 行政庁に対し、自己若しくは次に掲げる者(以下この条において「自己の関係者」という。)がした許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下この号及び次号において同じ。)に係る申請(同条第三号に規定する申請をいう。次号において同じ。)が法令(同条第一号に規定する法令をいう。以下この号及び次号において同じ。)に定められた許認可等の要件に該当しないにもかかわらず、当該許認可等をすることを要求し、又は自己若しくは自己の関係者について法令に定められた不利益処分(行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。以下この号及び次号において同じ。)の要件に該当する事由があるにもかかわらず、当該不利益処分をしないことを要求すること。
イ 自己と生計を一にする配偶者その他の親族(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者及び当該事情にある者の親族を含む。)
ロ 法人その他の団体であって、自己がその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該団体に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)となっているもの
ハ 自己が出資、融資、取引その他の関係を通じてその事業活動に支配的な影響力を有する者(ロに該当するものを除く。)
十六 行政庁に対し、特定の者がした許認可等に係る申請が法令に定められた許認可等の要件に該当するにもかかわらず、当該許認可等をしないことを要求し、又は特定の者について法令に定められた不利益処分の要件に該当する事由がないにもかかわらず、当該不利益処分をすることを要求すること。
十七 国、特殊法人等(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成十二年法律第百二十七号)第二条第一項に規定する特殊法人等をいう。)又は地方公共団体(以下この条において「国等」という。)に対し、当該国等が行う公共工事(同法第二条第二項に規定する公共工事をいう。以下この条において同じ。)の入札について、自己若しくは自己の関係者が入札参加資格(入札の参加者の資格をいう。以下この号及び次号において同じ。)を有する者でなく、又は自己若しくは自己の関係者が指名基準(入札参加資格を有する者のうちから入札に参加する者を指名する場合の基準をいう。同号において同じ。)に適合する者でないにもかかわらず、当該自己又は自己の関係者を当該入札に参加させることを要求すること。
十八 国等に対し、当該国等が行う公共工事の入札について、特定の者が入札参加資格を有する者(指名基準に適合しない者を除く。)であり、又は特定の者が指名基準に適合する者であるにもかかわらず、当該特定の者を当該入札に参加させないことを要求すること。
十九 国等に対し、特定の者を当該国等が行う公共工事の契約の相手方としないことをみだりに要求すること(前号に該当するものを除く。)。
二十 国等に対し、当該国等が行う公共工事の契約の相手方に対して自己又は自己の関係者から当該契約に係る役務の提供の業務の全部若しくは一部の受注又は当該業務に関連する資材その他の物品の納入若しくは役務の提供の受入れをすることを求める指導、助言その他の行為をすることをみだりに要求すること。
第十二条の五第二項第一号中「第七章」を「第八章」に改める。
第十四条第一項中「この条及び第三十一条第二項において」を削り、「この項及び第三十一条第二項」を「この項及び第三十二条の二第二項第七号」に改める。
第三章の章名中「使用制限等」を「使用制限」に改める。
第十五条の見出しを削り、同条第一項中「この条において」を削る。
第十五条の二の前の見出し、同条及び第十五条の三を削る。
第二十八条第三項中「第三十一条第一項」を「第三十二条の二第一項」に改める。
第四章に次の二節を加える。
第三節 損害賠償請求等の妨害の規制
(損害賠償請求等の妨害の禁止)
第三十条の二 指定暴力団員は、次に掲げる請求を、当該請求をし、又はしようとする者(以下この条において「請求者」という。)を威迫し、請求者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他の請求者と社会生活において密接な関係を有する者として国家公安委員会規則で定める者(第三十条の四並びに第三十条の五第一項第三号及び第四号において「配偶者等」という。)につきまとい、その他請求者に不安を覚えさせるような方法で、妨害してはならない。
一 当該指定暴力団員その他の当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の指定暴力団員がした不法行為により被害を受けた者が当該不法行為をした指定暴力団員その他の当該被害の回復について責任を負うべき当該指定暴力団等の指定暴力団員に対してする損害賠償請求その他の当該被害を回復するための請求
二 当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の事務所(事務所とするために整備中の施設又は施設の区画された部分を含む。以下この号において同じ。)の付近の住民その他の者で当該事務所若しくはその周辺における当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為によりその生活の平穏若しくは業務の遂行の平穏が害されているもの又は当該事務所の用に供されている建物若しくは土地(以下この号において「建物等」という。)の所有権その他当該建物等につき使用若しくは収益をする権利若しくは当該建物等に係る担保権を有する者で当該指定暴力団等の指定暴力団員の行為により当該権利を害されているものが当該事務所に係る管理者に対してする当該行為の停止又は当該事務所の使用の差止めの請求その他当該事務所を当該指定暴力団等の指定暴力団員に使用させないこととするための請求
(損害賠償請求等の妨害に対する措置)
第三十条の三 公安委員会は、指定暴力団員が前条の規定に違反する行為をしている場合には、当該指定暴力団員に対し、当該行為を中止することを命じ、又は当該行為が中止されることを確保するために必要な事項を命ずることができる。
(損害賠償請求等の妨害を防止するための措置)
第三十条の四 公安委員会は、第三十条の二各号に掲げる請求が行われた場合において、当該請求の相手方である指定暴力団員が当該請求に係る請求者又はその配偶者等の生命、身体又は財産に危害を加える方法で同条の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、当該指定暴力団員に対し、一年を超えない範囲内で期間を定めて、同条の規定に違反する行為を防止するために必要な事項を命ずることができる。
第四節 暴力行為の賞揚等の規制
第三十条の五 公安委員会は、指定暴力団員が次の各号のいずれかに該当する暴力行為を敢行し、刑に処せられた場合において、当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の他の指定暴力団員が、当該暴力行為の敢行を賞揚し、又は慰労する目的で、当該指定暴力団員に対し金品等の供与をするおそれがあると認めるときは、当該他の指定暴力団員又は当該指定暴力団員に対し、期間を定めて、当該金品等の供与をしてはならず、又はこれを受けてはならない旨を命ずることができる。ただし、当該命令の期間の終期は、当該刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過する日を超えてはならない。
一 当該指定暴力団等と他の指定暴力団等との間に対立が生じ、これにより当該他の指定暴力団等の事務所又は指定暴力団員若しくはその居宅に対する凶器を使用しての暴力行為が発生した場合における当該暴力行為
二 当該指定暴力団等に所属する指定暴力団員の集団の相互間に対立が生じ、これにより当該対立に係る指定暴力団等の事務所(その管理者が当該対立に係る集団に所属しているものに限る。)又は当該対立に係る集団に所属する指定暴力団員若しくはその居宅に対する凶器を使用しての暴力行為が発生した場合における当該暴力行為
三 当該指定暴力団等の指定暴力団員がした暴力的要求行為をその相手方が拒絶した場合において、これに報復し、又は当該相手方を当該暴力的要求行為に応じさせる目的で、当該相手方又はその配偶者等に対してする暴力行為
四 第三十条の二各号に掲げる請求を妨害する目的又は当該請求がされたことに報復する目的で、当該請求をし、若しくはしようとする者又はその配偶者等に対してする暴力行為
2 公安委員会は、前項の規定による命令をした場合において、当該命令の期間を経過する前に同項に規定するおそれがないと認められるに至ったときは、速やかに、当該命令を取り消さなければならない。
第四十七条中第九号を第十二号とし、第二号から第八号までを三号ずつ繰り下げ、第一号の四を第四号とし、第一号の三を第三号とし、第一号の二を第二号とし、同条に次の三号を加える。
十五 第三十条の五第一項の規定による命令に違反した者
第四十八条中「第三十一条第七項」を「第三十二条の二第七項」に改める。
第三十四条第一項中「又は第二十七条」を「、第二十七条、第三十条の四又は第三十条の五第一項」に改め、同項ただし書中「又は第十六条」を「、第十六条」に、「の相手方」を「若しくは第三十条の五第一項に規定する暴力行為の相手方又は第三十条の四に規定する請求者若しくはその配偶者等」に改める。
第三十五条第一項中「又は第二十七条」を「、第二十七条、第三十条の四又は第三十条の五第一項」に改め、同条第四項中「第十五条第一項」の下に「、第三十条の四及び第三十条の五第一項」を加え、同条第九項中「当該仮の命令に係る違反行為に関して第十一条第二項等の規定(第十五条第一項の規定を除く。)による命令をするため又は当該仮の命令に係る指定暴力団等の事務所に関して第十五条第一項の規定による」を「次に掲げる」に、「前条第一項」を「同条第一項」に改め、同項に次の各号を加える。
一 当該仮の命令に係る違反行為に関する第十一条第二項等の規定(第十五条第一項、第三十条の四及び第三十条の五第一項の規定を除く。)による命令
二 当該仮の命令に係る指定暴力団等の事務所に関する第十五条第一項の規定による命令
三 当該仮の命令に係る請求に関する第三十条の四の規定による命令
四 当該仮の命令に係る暴力行為に関する第三十条の五第一項の規定による命令
第三十九条第十号中「第三十一条第一項」を「第三十二条の二第一項」に改め、同号を同条第十三号とし、同条第九号を同条第十号とし、同号の次に次の二号を加える。
十一 第三十条の四の規定による命令(同条の規定に係る仮の命令を含む。)又は当該命令に係る第三十四条第一項の意見聴取 当該命令又は意見聴取に係る第三十条の二各号に掲げる請求が行われた時における当該請求の相手方である指定暴力団員の住所地(当該指定暴力団員の住所が明らかでない場合にあっては、当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の主たる事務所の所在地)を管轄する公安委員会
十二 第三十条の五第一項の規定による命令(同項の規定に係る仮の命令を含む。)又は当該命令に係る第三十四条第一項の意見聴取 当該命令又は意見聴取に係る暴力行為が行われた時における当該暴力行為を行った指定暴力団員の住所地(当該指定暴力団員の住所が明らかでない場合にあっては、当該指定暴力団員の所属する指定暴力団等の主たる事務所の所在地)を管轄する公安委員会
第三十九条中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、同条第六号中「若しくは第三十条」を「、第三十条若しくは第三十条の三」に改め、「第十五条第一項」の下に「、第三十条の四及び第三十条の五第一項」を加え、同号を同条第七号とし、同条第五号の二を同条第六号とする。
第四十二条第三項中「又は第三十条」を「、第三十条又は第三十条の三」に改める。
第四十三条中「第六章」を「この章」に改め、「(平成五年法律第八十八号)」を削る。
第五章の章名を次のように改める。
第五章 暴力団員による不当な行為の防止及びこれによる不当な影響の排除のための民間活動の促進
第五章中第三十二条を第三十二条の三とし、第三十一条を第三十二条の二とし、同条の前に次の一条を加える。
(国及び地方公共団体の責務)
第三十二条 国及び地方公共団体は、事業者、国民又はこれらの者が組織する民間の団体(次項において「事業者等」という。)が自発的に行う暴力排除活動(暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより事業活動又は市民生活に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。同項において同じ。)の促進を図るため、情報の提供、助言、指導その他必要な措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、事業者等が安心して暴力排除活動の実施に取り組むことができるよう、その安全の確保に配慮しなければならない。
第五章を第六章とし、第四章の次に次の一章を加える。
第五章 指定暴力団の代表者等の損害賠償責任
(対立抗争等に係る損害賠償責任)
第三十一条 指定暴力団の代表者等は、当該指定暴力団と他の指定暴力団との間に対立が生じ、これにより当該指定暴力団の指定暴力団員による暴力行為(凶器を使用するものに限る。以下この条において同じ。)が発生した場合において、当該暴力行為により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2 一の指定暴力団に所属する指定暴力団員の集団の相互間に対立が生じ、これにより当該対立に係る集団に所属する指定暴力団員による暴力行為が発生した場合において、当該暴力行為により他人の生命、身体又は財産を侵害したときも、前項と同様とする。
(威力利用資金獲得行為に係る損害賠償責任)
第三十一条の二 指定暴力団の代表者等は、当該指定暴力団の指定暴力団員が威力利用資金獲得行為(当該指定暴力団の威力を利用して生計の維持、財産の形成若しくは事業の遂行のための資金を得、又は当該資金を得るために必要な地位を得る行為をいう。以下この条において同じ。)を行うについて他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 当該代表者等が当該代表者等以外の当該指定暴力団の指定暴力団員が行う威力利用資金獲得行為により直接又は間接にその生計の維持、財産の形成若しくは事業の遂行のための資金を得、又は当該資金を得るために必要な地位を得ることがないとき。
二 当該威力利用資金獲得行為が、当該指定暴力団の指定暴力団員以外の者が専ら自己の利益を図る目的で当該指定暴力団員に対し強要したことによって行われたものであり、かつ、当該威力利用資金獲得行為が行われたことにつき当該代表者等に過失がないとき。
(民法の適用)
第三十一条の三 指定暴力団の代表者等の損害賠償の責任については、前二条の規定によるほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による。
別表中第四十六号を第五十一号とし、第四十五号を第五十号とし、第四十四号を第四十八号とし、同号の次に次の一号を加える。
四十九 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第五章に規定する罪
別表中第四十三号を第四十七号とし、第三十九号から第四十二号までを四号ずつ繰り下げ、第三十八号を第四十一号とし、同号の次に次の一号を加える。
四十二 保険業法(平成七年法律第百五号)第五編に規定する罪
別表中第三十七号を第四十号とし、第三十三号から第三十六号までを三号ずつ繰り下げ、第三十二号を第三十四号とし、同号の次に次の一号を加える。
三十五 建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)第八章に規定する罪
別表中第三十一号を第三十三号とし、第三十号を第三十一号とし、同号の次に次の一号を加える。
三十二 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第八章に規定する罪
別表中第二十九号を第三十号とし、第十一号から第二十八号までを一号ずつ繰り下げ、第十号の次に次の一号を加える。
十一 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六章に規定する罪
別表に次の二号を加える。
五十二 探偵業の業務の適正化に関する法律(平成十八年法律第六十号)に規定する罪
五十三 電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第五章に規定する罪