浄化槽法
法令番号: 法律第四十三号
公布年月日: 昭和58年5月18日
法令の形式: 法律
浄化槽法をここに公布する。
御名御璽
昭和五十八年五月十八日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第四十三号
浄化槽法
目次
第一章
総則(第一条―第四条)
第二章
浄化槽の設置(第五条―第七条)
第三章
浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃(第八条―第十二条)
第四章
浄化槽の型式の認定(第十三条―第二十条)
第五章
浄化槽工事業に係る登録(第二十一条―第三十四条)
第六章
浄化槽清掃業の許可(第三十五条―第四十一条)
第七章
浄化槽設備士(第四十二条―第四十四条)
第八章
浄化槽管理士(第四十五条―第四十七条)
第九章
条例による浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度(第四十八条)
第十章
雑則(第四十九条―第五十八条)
第十一章
罰則(第五十九条―第六十四条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、浄化槽の設置、保守点検、清掃及び製造について規制するとともに、浄化槽工事業者の登録制度及び浄化槽清掃業の許可制度を整備し、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により、浄化槽によるし尿等の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 浄化槽 便所と連結してし尿を又はし尿と併せて雑排水(工場廃水、雨水その他の特殊な排水を除く。)を処理し、下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第六号に規定する終末処理場を有する公共下水道以外に放流するための設備又は施設であつて、同法に規定する公共下水道及び流域下水道並びに廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第六条第一項の規定により定められた計画に従つて市町村が設置したし尿処理施設以外のものをいう。
二 浄化槽工事 浄化槽を設置し、又はその構造若しくは規模の変更をする工事をいう。
三 浄化槽の保守点検 浄化槽の点検、調整又はこれらに伴う修理をする作業をいう。
四 浄化槽の清掃 浄化槽内に生じた汚泥、スカム等の引出し、その引出し後の槽内の汚泥等の調整並びにこれらに伴う単位装置及び附属機器類の洗浄、掃除等を行う作業をいう。
五 浄化槽製造業者 第十三条第一項又は第二項の認定を受けて当該認定に係る型式の浄化槽を製造する事業を営む者をいう。
六 浄化槽工事業 浄化槽工事を行う事業をいう。
七 浄化槽工事業者 第二十一条第一項又は第三項の登録を受けて浄化槽工事業を営む者をいう。
八 浄化槽清掃業 浄化槽の清掃を行う事業をいう。
九 浄化槽清掃業者 第三十五条第一項の許可を受けて浄化槽清掃業を営む者をいう。
十 浄化槽設備士 浄化槽工事を実地に監督する者として第四十二条第一項の浄化槽設備士免状の交付を受けている者をいう。
十一 浄化槽管理士 浄化槽管理士の名称を用いて浄化槽の保守点検の業務に従事する者として第四十五条第一項の浄化槽管理士免状の交付を受けている者をいう。
十二 特定行政庁 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第二十五号本文に規定する特定行政庁をいう。ただし、同法第九十七条の二第一項の市町村又は特別区の区域については、当該浄化槽に係る建築物の審査を行うべき建築主事を置く市町村若しくは特別区の長又は都道府県知事をいう。
(浄化槽によるし尿処理等)
第三条 何人も、下水道法第二条第六号に規定する終末処理場を有する公共下水道及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条に基づくし尿処理施設で処理する場合を除き、浄化槽で処理した後でなければ、し尿を公共用水域等に放流してはならない。
2 浄化槽を使用する者は、浄化槽の機能を正常に維持するための浄化槽の使用に関する厚生省令で定める準則を遵守しなければならない。
(浄化槽に関する基準等)
第四条 浄化槽の構造基準に関しては、建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例で定めるところによる。
2 建設大臣は、浄化槽の構造基準を定め、又は変更しようとする場合には、あらかじめ、厚生大臣に協議しなければならない。
3 浄化槽工事の技術上の基準は、厚生省令・建設省令で定める。
4 都道府県は、地域の特性、水域の状態等により、前項の技術上の基準のみによつては生活環境の保全及び公衆衛生上の支障を防止し難いと認めるときは、条例で、同項の技術上の基準について特別の定めをすることができる。
5 浄化槽の保守点検の技術上の基準は、厚生省令で定める。
6 浄化槽の清掃の技術上の基準は、厚生省令で定める。
第二章 浄化槽の設置
(設置等の届出、勧告及び変更命令)
第五条 浄化槽を設置し、又はその構造若しくは規模の変更(厚生省令・建設省令で定める軽微な変更を除く。第七条において同じ。)をしようとする者は、厚生省令・建設省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長とする。第七条、第五章、第四十八条第三項、第五十三条第五項及び第五十七条を除き、以下同じ。)及び当該都道府県知事を経由して特定行政庁に届け出なければならない。ただし、当該浄化槽に関し、建築基準法第六条第一項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による建築主事の確認を申請すべきとき、又は同法第十八条第二項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定により建築主事に通知すべきときは、この限りでない。
2 都道府県知事は、前項の届出を受理した場合において、当該届出に係る浄化槽の設置又は変更の計画について、その保守点検及び清掃その他生活環境の保全及び公衆衛生上の観点から改善の必要があると認めるときは、同項の届出が受理された日から二十一日(第十三条第一項又は第二項の規定により認定を受けた型式に係る浄化槽にあつては、十日)以内に限り、その届出をした者に対し、必要な勧告をすることができる。ただし、次項の特定行政庁の権限に係るものについては、この限りでない。
3 特定行政庁は、第一項の届出を受理した場合において、当該届出に係る浄化槽の設置又は変更の計画が浄化槽の構造に関する建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合しないと認めるときは、前項の期間内に限り、その届出をした者に対し、当該届出に係る浄化槽の設置又は変更の計画の変更又は廃止を命ずることができる。
4 第一項の届出をした者は、第二項の期間を経過した後でなければ、当該届出に係る浄化槽工事に着手してはならない。ただし、当該届出の内容が相当であると認める旨の都道府県知事及び特定行政庁の通知を受けた後においては、この限りでない。
(浄化槽工事の施工)
第六条 浄化槽工事は、浄化槽工事の技術上の基準に従つて行わなければならない。
(設置後等の水質検査)
第七条 新たに設置され、又はその構造若しくは規模の変更をされた浄化槽については、その使用開始後六月を経過した日から二月間に、厚生省令で定めるところにより、当該浄化槽の所有者、占有者その他の者で当該浄化槽の管理について権原を有するもの(以下「浄化槽管理者」という。)は、厚生大臣又は都道府県知事が第五十七条第一項の規定により指定する者(以下「指定検査機関」という。)の行う水質に関する検査を受けなければならない。
第三章 浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃
(保守点検)
第八条 浄化槽の保守点検は、浄化槽の保守点検の技術上の基準に従つて行わなければならない。
(清掃)
第九条 浄化槽の清掃は、浄化槽の清掃の技術上の基準に従つて行わなければならない。
(浄化槽管理者の義務)
第十条 浄化槽管理者は、厚生省令で定めるところにより、毎年一回(厚生省令で定める場合にあつては、厚生省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。
2 政令で定める規模の浄化槽の浄化槽管理者は、当該浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当させるため、厚生省令で定める資格を有する技術管理者(以下「技術管理者」という。)を置かなければならない。ただし、自ら技術管理者として管理する浄化槽については、この限りでない。
3 浄化槽管理者は、浄化槽の保守点検を、第四十八条第一項の規定により条例で浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度が設けられている場合には当該登録を受けた者に、若しくは当該登録制度が設けられていない場合には浄化槽管理士に、又は浄化槽の清掃を浄化槽清掃業者に委託することができる。
(定期検査)
第十一条 浄化槽管理者は、厚生省令で定めるところにより、毎年一回(厚生省令で定める浄化槽については、厚生省令で定める回数)、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければならない。
(保守点検又は清掃についての改善命令等)
第十二条 都道府県知事は、生活環境の保全及び公衆衛生上必要があると認めるときは、浄化槽管理者、浄化槽管理者から委託を受けた浄化槽の保守点検を業とする者、浄化槽管理士若しくは浄化槽清掃業者又は技術管理者に対し、浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃について、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、浄化槽の保守点検の技術上の基準又は浄化槽の清掃の技術上の基準に従つて浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃が行われていないと認めるときは、当該浄化槽管理者、当該浄化槽管理者から委託を受けた浄化槽の保守点検を業とする者、浄化槽管理士若しくは浄化槽清掃業者又は当該技術管理者に対し、浄化槽の保守点検又は浄化槽の清掃について必要な改善措置を命じ、又は当該浄化槽管理者に対し、十日以内の期間を定めて当該浄化槽の使用の停止を命ずることができる。
第四章 浄化槽の型式の認定
(認定)
第十三条 浄化槽を工場において製造しようとする者は、製造しようとする浄化槽の型式について、建設大臣の認定を受けなければならない。ただし、試験的に製造する場合においては、この限りでない。
2 外国の工場において本邦に輸出される浄化槽を製造しようとする者は、製造しようとする浄化槽の型式について、建設大臣の認定を受けることができる。
(認定の申請)
第十四条 前条第一項又は第二項の認定を受けようとする者は、建設大臣に、次の事項を記載した申請書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 工場の所在地
三 その他建設省令で定める事項
2 前項の申請書には、構造図、仕様書、計算書その他の建設省令で定める図書を添付しなければならない。
3 浄化槽製造業者は、第一項各号の事項を変更したときは、速やかに建設大臣に届け出なければならない。
(認定の基準)
第十五条 建設大臣は、第十三条第一項又は第二項の認定の申請に係る型式の浄化槽が建築基準法及びこれに基づく命令で定める浄化槽の構造基準に適合すると認めるときは、認定をしなければならない。
(認定の更新)
第十六条 第十三条第一項又は第二項の認定は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
(認定の表示等)
第十七条 浄化槽製造業者は、当該認定に係る型式の浄化槽(第十三条第二項の認定に係る型式の浄化槽にあつては、本邦に輸出されるものに限る。)を販売する時までに、これに建設省令で定める方式による表示を付さなければならない。
2 何人も、前項に規定する場合を除くほか、浄化槽に同項の表示又はこれに紛らわしい表示を付してはならない。
3 浄化槽を輸入しようとする者は、第十三条第二項の認定に係る型式の浄化槽であつて第一項の表示を付したものでなければ、輸入してはならない。
(認定の取消し)
第十八条 建設大臣は、第十五条に規定する浄化槽の構造基準が変更され、既に第十三条第一項又は第二項の認定を受けた浄化槽が当該変更後の浄化槽の構造基準に適合しないと認めるときは、当該認定を取り消さなければならない。
2 建設大臣は、第十三条第一項の認定を受けた浄化槽製造業者が、不正の手段により同項の認定を受けたとき、同項の認定を受けた型式と異なる浄化槽を製造したとき(試験的に製造したときを除く。)、又は前条第一項の規定に違反したときは、当該認定を取り消すことができる。
3 建設大臣は、第十三条第二項の認定を受けた浄化槽製造業者が、不正の手段により同項の認定を受けたとき、第十四条第三項の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をしたとき、前条第一項の規定に違反したとき、又は第五十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたときは、当該認定を取り消すことができる。
(厚生大臣に対する通知等)
第十九条 建設大臣は、第十三条第一項若しくは第二項の認定、第十六条の認定の更新又は前条第一項、第二項若しくは第三項の認定の取消しをしたときは、その旨を厚生大臣に通知するとともに、官報に公示しなければならない。
(建設省令への委任)
第二十条 この章に定めるもののほか、認定の更新その他浄化槽の型式の認定に関し必要な事項は、建設省令で定める。
第五章 浄化槽工事業に係る登録
(登録)
第二十一条 浄化槽工事業を営もうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録の有効期間は、五年とする。
3 前項の有効期間の満了後引き続き浄化槽工事業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
4 更新の登録の申請があつた場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請に対する登録又は登録の拒否の処分がなされないときは、従前の登録は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なおその効力を有する。
5 前項の場合において、更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
(登録の申請)
第二十二条 前条第一項又は第三項の登録を受けようとする者(以下「工事業登録申請者」という。)は、次の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 法人にあつては、その役員(業務を執行する社員、取締役又はこれに準ずる者をいう。以下同じ。)の氏名
四 第二十九条第一項に規定する浄化槽設備士の氏名及びその者が交付を受けた浄化槽設備士免状の交付番号
2 前項の申請書には、工事業登録申請者が第二十四条第一項各号に該当しない者であることを誓約する書面その他の建設省令で定める書類を添付しなければならない。
(登録の実施、浄化槽工事業者登録簿の騰本の交付等)
第二十三条 都道府県知事は、前条の規定による申請書の提出があつたときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、遅滞なく、前条第一項各号に掲げる事項並びに登録の年月日及び登録番号を浄化槽工事業者登録簿に登録しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による登録をした場合においては、直ちにその旨を当該工事業登録申請者に通知しなければならない。
3 何人も、都道府県知事に対し、その登録をした浄化槽工事業者に関する浄化槽工事業者登録簿の騰本の交付又は閲覧を請求することができる。
(登録の拒否)
第二十四条 都道府県知事は、工事業登録申請者が次の各号の一に該当する者であるとき、又は申請者若しくはその添付書類の重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第三十二条第二項の規定により登録を取り消され、その処分のあつた日から二年を経過しない者
三 浄化槽工事業者で法人であるものが第三十二条第二項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその浄化槽工事業者の役員であつた者でその処分のあつた日から二年を経過しないもの
四 第三十二条第二項の規定により事業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
五 浄化槽工事業に係る営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号の一に該当するもの
六 法人でその役員のうちに前各号の一に該当する者があるもの
七 第二十九条第一項に規定する要件を欠く者
2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、その理由を示して、直ちにその旨を工事業登録申請者に通知しなければならない。
(変更の届出)
第二十五条 浄化槽工事業者は、第二十二条第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、変更の日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 第二十二条第二項の規定は前項の規定による届出に、第二十三条第一項及び第二項並びに前条の規定は前項の規定による届出があつた場合に準用する。
(廃業等の届出)
第二十六条 浄化槽工事業者が、次の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
一 死亡した場合 その相続人
二 法人が合併により消滅した場合 その役員であつた者
三 法人が破産により解散した場合 その破産管財人
四 法人が合併又は破産以外の事由により解散した場合 その清算人
五 浄化槽工事業を廃止した場合 浄化槽工事業者であつた個人又は浄化槽工事業者であつた法人の役員
(登録の抹消)
第二十七条 都道府県知事は、前条の規定による届出があつた場合(同条の規定による届出がなくて同条各号の一に該当する事実が判明した場合を含む。)又は登録がその効力を失つた場合は、浄化槽工事業者登録簿につき、当該浄化槽工事業者の登録を抹消しなければならない。
2 第二十四条第二項の規定は、前項の規定により登録を抹消した場合に準用する。
(登録の抹消の場合における浄化槽工事の措置)
第二十八条 前条の規定により浄化槽工事業者が登録を抹消された場合においては、浄化槽工事業者であつた者又はその一般承継人は、登録の抹消前に締結された請負契約に係る浄化槽工事を引き続いて施工することができる。この場合において、当該浄化槽工事業者であつた者又はその一般承継人は、登録の抹消の後、遅滞なく、その旨を当該浄化槽工事の注文者に通知しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定にかかわらず、公益上必要があると認めるときは、当該浄化槽工事の施工の差止めを命ずることができる。
3 第一項の規定による浄化槽工事を引き続いて施工する者は、当該浄化槽工事を完成する目的の範囲内においては、なお浄化槽工事業者とみなす。
4 浄化槽工事の注文者は、第一項の規定による通知を受けた日から三十日以内に限り、その浄化槽工事の請負契約を解除することができる。
(浄化槽設備士の設置等)
第二十九条 浄化槽工事業者は、営業所ごとに、浄化槽設備士を置かなければならない。
2 浄化槽工事業者は、前項の規定に抵触する営業所が生じたときは、二週間以内に同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。
3 浄化槽工事業者は、浄化槽工事を行うときは、これを浄化槽設備士に実地に監督させ、又はその資格を有する浄化槽工事業者が自ら実地に監督しなければならない。ただし、これらの者が自ら浄化槽工事を行う場合は、この限りでない。
4 浄化槽設備士は、その職務を行うときは、建設省令で定める浄化槽設備士証を携帯していなければならない。
(標識の掲示)
第三十条 浄化槽工事業者は、建設省令で定めるところにより、その営業所及び浄化槽工事の現場ごとに、その見やすい場所に、氏名又は名称、登録番号その他の建設省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
(帳簿の備付け等)
第三十一条 浄化槽工事業者は、建設省令で定めるところにより、その営業所ごとに帳簿を備え、その業務に関し建設省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(指示、登録の取消し、事業の停止等)
第三十二条 都道府県知事は、浄化槽工事について、生活環境の保全及び公衆衛生上必要があると認めるときは、当該浄化槽工事業者に対し、必要な指示をすることができる。
2 都道府県知事は、浄化槽工事業者が次の各号の一に該当するときは、その登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 不正の手段により第二十一条第一項又は第三項の登録を受けたとき。
二 第二十四条第一項第一号、第三号又は第五号から第七号までのいずれかに該当することとなつたとき。
三 第二十五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
四 前項の指示に従わず、情状特に重いとき。
3 第二十四条第二項の規定は、前項の規定による処分をした場合に準用する。
(建設業者に関する特例)
第三十三条 第二十一条から第二十八条まで及び前条の規定は、建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第三項に規定する建設業者であつて同法別表下欄に掲げる土木工事業、建築工事業又は管工事業の許可を受けているものには、適用しない。
2 前項に規定する者であつて浄化槽工事業を営むものについては、同項に掲げる規定を除き、第二十一条第一項の登録を受けた浄化槽工事業者とみなしてこの法律の規定を適用する。
3 第一項に規定する者は、浄化槽工事業を開始したときは、建設省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届出に係る事項について変更があつたとき又は浄化槽工事業を廃止したときも同様とする。
4 浄化槽工事業者が第一項に規定する建設業者となつたときは、その者に係る第二十一条第一項又は第三項の登録は、その効力を失う。
(建設省令への委任等)
第三十四条 この章に定めるもののほか、浄化槽工事業者登録簿の様式その他浄化槽工事業者の登録に関し必要な事項については、建設省令で定める。
2 建設大臣は、この章の建設省令を定め、又は変更しようとする場合には、あらかじめ、厚生大臣に協議しなければならない。
第六章 浄化槽清掃業の許可
(許可)
第三十五条 浄化槽清掃業を営もうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。
2 前項の許可には、期限を付し、又は生活環境の保全及び公衆衛生上必要な条件を付することができる。
3 第一項の許可を受けようとする者(以下「清掃業許可申請者」という。)は、厚生省令で定める申請書及び添付書類を市町村長に提出しなければならない。
4 市町村長は、第一項の許可又は不許可の処分をした場合には、直ちにその旨(不許可の処分をした場合にはその理由を含む。)を清掃業許可申請者に通知しなければならない。
(許可の基準)
第三十六条 市町村長は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その事業の用に供する施設及び清掃業許可申請者の能力が厚生省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
二 清掃業許可申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
ロ 第四十一条第二項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
ハ 浄化槽清掃業者で法人であるものが第四十一条第二項の規定により許可を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその浄化槽清掃業者の役員であつた者でその処分のあつた日から二年を経過しないもの
ニ 第四十一条第二項の規定により事業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
ホ その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
ヘ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第一項若しくは第八項の規定、同法第十六条第二項第一号若しくは第二号の規定又は同法第七条第十一項の規定による命令に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
ト 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第十一項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
チ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第一項の許可を受けて一般廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行う者(以下「一般廃棄物処理業者」という。)で法人であるものが同法第七条第十一項の規定により許可を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその一般廃棄物処理業者の役員であつた者でその処分のあつた日から二年を経過しないもの
リ 浄化槽清掃業に係る営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人がイからチまでの一に該当するもの
ヌ 法人でその役員のうちにイからリまでの一に該当する者があるもの
(変更の届出)
第三十七条 浄化槽清掃業者は、厚生省令で定めるところにより、第三十五条第三項の申請書及び添付書類の記載事項に変更があつたときは、変更の日から三十日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。
(廃業等の届出)
第三十八条 浄化槽清掃業者が、次の各号の一に該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、三十日以内に、その旨を市町村長に届け出なければならない。
一 死亡した場合 その相続人
二 法人が合併により消滅した場合 その役員であつた者
三 法人が破産により解散した場合 その破産管財人
四 法人が合併又は破産以外の事由により解散した場合 その清算人
五 浄化槽清掃業を廃止した場合 浄化槽清掃業者であつた個人又は浄化槽清掃業者であつた法人の役員
(標識の掲示)
第三十九条 浄化槽清掃業者は、厚生省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その見やすい場所に、氏名又は名称その他の厚生省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。
(帳簿の備付け等)
第四十条 浄化槽清掃業者は、厚生省令で定めるところにより、その営業所ごとに帳簿を備え、その業務に関し厚生省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(指示、許可の取消し、事業の停止等)
第四十一条 市町村長は、浄化槽の清掃について、生活環境の保全及び公衆衛生上必要があると認めるときは、当該浄化槽清掃業者に対し、必要な指示をすることができる。
2 市町村長は、浄化槽清掃業者の事業の用に供する施設若しくは浄化槽清掃業者の能力が第三十六条第一号の基準に適合しなくなつたとき、又は浄化槽清掃業者が次の各号の一に該当するときは、その許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十二条第二項の命令に違反したとき。
二 不正の手段により第三十五条第一項の許可を受けたとき。
三 第三十六条第二号イ、ハ又はホからヌまでのいずれかに該当することとなつたとき。
四 第三十七条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 前項の指示に従わず、情状特に重いとき。
3 第三十五条第四項の規定は、前項の規定による処分をした場合に準用する。
第七章 浄化槽設備士
(浄化槽設備士免状)
第四十二条 浄化槽設備士免状は、次の各号の一に該当する者に対し、建設大臣が交付する。
一 浄化槽設備士試験に合格した者
二 建設業法第二十七条に基づく管工事施工管理に係る技術検定に合格した後、厚生省令で定めるところにより厚生大臣及び建設大臣が認定した講習会の課程を修了した者
2 建設大臣は、次の各号の一に該当する者に対しては、浄化槽設備士免状の交付を行わないことができる。
一 次項の規定により浄化槽設備士免状の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者
二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
3 建設大臣は、浄化槽設備士がこの法律又はこの法律に基づく処分に違反したときは、その浄化槽設備士免状の返納を命ずることができる。
4 浄化槽設備士免状の交付、再交付、書換え及び返納に関し必要な事項は、建設省令で定める。
5 厚生大臣は、第一項第二号の厚生省令を定め、又は変更しようとする場合には、あらかじめ、建設大臣に協議しなければならない。
(浄化槽設備士試験)
第四十三条 浄化槽設備士試験は、浄化槽工事に関して必要な知識及び技能について行う。
2 浄化槽設備士試験は、建設大臣が行う。
3 浄化槽設備士試験の実施に関する事務を行わせるため、建設省に浄化槽設備士試験委員を置く。ただし、次項の規定により指定された者に当該事務の全部を行わせることとした場合は、この限りでない。
4 建設大臣は、厚生大臣及び建設大臣の指定する者に浄化槽設備士試験の実施に関する事務の全部又は一部を行わせることができる。
5 浄化槽設備士試験の試験科目、受験手続その他浄化槽設備士試験の実施に関し必要な事項及び浄化槽設備士試験委員に関し必要な事項は、建設省令で定める。
6 建設大臣は、前項の建設省令を定め、又は変更しようとする場合には、あらかじめ、厚生大臣に協議しなければならない。
7 浄化槽設備士試験委員その他浄化槽設備士試験の実施に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為がないようにしなければならない。
(名称の使用制限)
第四十四条 浄化槽設備士でなければ、浄化槽設備士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
第八章 浄化槽管理士
(浄化槽管理士免状)
第四十五条 浄化槽管理士免状は、次の各号の一に該当する者に対し、厚生大臣が交付する。
一 浄化槽管理士試験に合格した者
二 厚生省令で定めるところにより厚生大臣が認定した講習会の課程を修了した者
2 厚生大臣は、次の各号の一に該当する者に対しては、浄化槽管理士免状の交付を行わないことができる。
一 次項の規定により浄化槽管理士免状の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者
二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
3 厚生大臣は、浄化槽管理士がこの法律又はこの法律に基づく処分に違反したときは、その浄化槽管理士免状の返納を命ずることができる。
4 浄化槽管理士免状の交付、再交付、書換え及び返納に関し必要な事項は、厚生省令で定める。
(浄化槽管理士試験)
第四十六条 浄化槽管理士試験は、浄化槽の保守点検に関して必要な知識及び技能について行う。
2 浄化槽管理士試験は、厚生大臣が行う。
3 浄化槽管理士試験の実施に関する事務を行わせるため、厚生省に浄化槽管理士試験委員を置く。ただし、次項の規定により指定された者に当該事務の全部を行わせることとした場合は、この限りでない。
4 厚生大臣は、その指定する者に浄化槽管理士試験の実施に関する事務の全部又は一部を行わせることができる。
5 浄化槽管理士試験の試験科目、受験手続その他浄化槽管理士試験の実施に関し必要な事項及び浄化槽管理士試験委員に関し必要な事項は、厚生省令で定める。
6 浄化槽管理士試験委員その他浄化槽管理士試験の実施に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為がないようにしなければならない。
(名称の使用制限)
第四十七条 浄化槽管理士でなければ、浄化槽管理士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
第九章 条例による浄化槽の保守点検を業とする者の登録制度
第四十八条 都道府県(保健所を設置する市にあつては、市とする。)は、条例で、浄化槽の保守点検を業とする者について、都道府県知事の登録を受けなければ浄化槽の保守点検を業としてはならないとする制度を設けることができる。
2 前項の条例には、登録の要件、登録の取消し等登録制度を設ける上で必要とされる事項を定めるほか、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。
一 五年以内の登録の有効期間に関する事項
二 備えるべき器具に関する事項
三 浄化槽管理士の設置に関する事項
四 浄化槽清掃業者との連絡に関する事項
五 保守点検の業務を行おうとする区域を記載した書面の提出等に関する事項
3 市町村長(保健所を設置する市の長を除く。)は、第一項の登録を受けた浄化槽の保守点検を業とする者の業務に関し、違法又は不適正な事実があると認めるときは、都道府県知事に対し、必要な措置をとるべきことを申し出ることができる。
第十章 雑則
(環境庁長官の意見)
第四十九条 環境庁長官は、必要があると認めるときは、浄化槽の構造基準又は浄化槽工事、浄化槽の保守点検若しくは浄化槽の清掃の技術上の基準に関し、厚生大臣又は建設大臣に対し、意見を述べることができる。
(手数料)
第五十条 次の各号に掲げる者は、政令で定めるところにより、手数料を国(第四十三条第四項又は第四十六条第四項の規定により、厚生大臣及び建設大臣又は厚生大臣の指定する者に試験の実施に関する事務の全部を行わせる場合にあつては、当該指定された者。次項において「指定された者」という。)に納付しなければならない。
一 第十三条第一項若しくは第二項の認定又は第十六条の認定の更新を受けようとする者
二 浄化槽設備士免状の交付、再交付又は書換えを受けようとする者
三 浄化槽設備士試験を受けようとする者
四 浄化槽管理士免状の交付、再交付又は書換えを受けようとする者
五 浄化槽管理士試験を受けようとする者
2 前項の規定により指定された者に納付された手数料は、指定された者の収入とする。
(浄化槽の設置の援助)
第五十一条 国又は地方公共団体は、浄化槽の設置について、必要があると認める場合には、所要の援助その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(市町村し尿処理施設の利用)
第五十二条 市町村は、当該市町村の区域内で収集された浄化槽内に生じた汚泥、スカム等について、当該市町村のし尿処理施設で処理するように努めなければならない。
(報告徴収、立入検査等)
第五十三条 当該行政庁は、この法律の施行に必要な限度において、次の各号に掲げる者に、その管理する浄化槽の保守点検若しくは浄化槽の清掃又は業務に関し報告させることができる。
一 浄化槽管理者
二 浄化槽製造業者
三 浄化槽工事業者
四 浄化槽清掃業者
五 指定検査機関
六 第四十二条第一項第二号に規定する厚生大臣及び建設大臣の認定する講習会を行う者
七 第四十三条第四項の規定により厚生大臣及び建設大臣の指定する者
八 第四十五条第一項第二号に規定する厚生大臣の認定する講習会を行う者
九 第四十六条第四項の規定により厚生大臣の指定する者
2 当該行政庁は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、その職員に、前項第一号又は第三号から第九号までに掲げる者の事務所若しくは事業場又は浄化槽のある土地若しくは建物に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
3 前項の場合には、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 第二項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
5 第一項及び第二項に規定する厚生大臣又は建設大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。
(聴聞)
第五十四条 当該行政庁は、次の各号に掲げる処分を行う場合には、あらかじめ、期日、場所及び事案の内容を示して、当事者又はその代理人の出頭を求めて、公開による聴聞を行わなければならない。ただし、これらの者が正当な理由がなくて聴聞に応じないときは、聴聞を行わないで処分をすることができる。
一 第十八条第一項、第二項又は第三項の規定による認定の取消し
二 第三十二条第二項の規定による浄化槽工事業者の登録の取消し又はその事業の停止命令
三 第四十一条第二項の規定による浄化槽清掃業者の許可の取消し又はその事業の停止命令
四 第四十二条第三項の規定による浄化槽設備士免状の返納命令
五 第四十五条第三項の規定による浄化槽管理士免状の返納命令
(特別区に関する特例)
第五十五条 特別区の存する区域にこの法律の規定を適用する場合には、この法律(第二条第十二号及び第四十八条第三項を除く。)の規定中「市町村」とあるのは「都」と、「市町村長」とあるのは「都知事」とする。
(再審査請求)
第五十六条 この法律の規定により保健所を設置する市の長がした処分についての審査請求の裁決に不服のある者は、厚生大臣に対して再審査請求をすることができる。
2 この法律の規定により建築主事を置く市町村又は特別区の長がした処分についての審査請求の裁決に不服のある者は、建設大臣に対して再審査請求をすることができる。
(指定検査機関)
第五十七条 厚生大臣は、二以上の都道府県の区域において第七条及び第十一条の水質に関する検査の業務を行う者を、都道府県知事は、一の都道府県の区域において当該業務を行う者を指定する。
2 前項の指定の手続その他指定検査機関に関し必要な事項は、厚生省令で定める。
(経過措置)
第五十八条 この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第十一章 罰則
第五十九条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条第一項の規定に違反して認定を受けた型式の浄化槽以外の浄化槽を製造した者
二 第十七条第三項の規定に違反して浄化槽を輸入した者
三 第二十一条第一項又は第三項の登録を受けないで浄化槽工事業を営んだ者
四 不正の手段により第二十一条第一項又は第三項の登録を受けた者
五 第三十二条第二項又は第四十一条第二項の規定による命令に違反した者
六 第三十五条第一項の許可を受けないで浄化槽清掃業を営んだ者
七 不正の手段により第三十五条第一項の許可を受けた者
第六十条 第十二条第二項の規定による命令に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第六十一条 次の各号の一に該当する者は、三月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第五条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第五条第三項の規定による命令に違反した者
第六十二条 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第五条第四項の規定に違反して浄化槽工事を施工した者
二 第十条第二項の規定に違反して技術管理者を置かなかつた者
三 第十七条第一項の規定に違反して表示を付さなかつた者
四 第十七条第二項の規定に違反して表示を付した者
五 第二十九条第二項の規定に違反して措置をとらなかつた者
六 第二十九条第三項の規定に違反して浄化槽工事を行つた者
七 第三十一条又は第四十条の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
八 第四十三条第七項又は第四十六条第六項の規定に違反して故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者
九 第四十四条又は第四十七条の規定に違反した者
十 第五十三条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
十一 第五十三条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第六十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第五十九条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第六十四条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の過料に処する。
一 第十四条第三項、第二十五条第一項、第二十六条、第三十三条第三項、第三十七条又は第三十八条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十八条第一項後段の規定による通知をしなかつた者
三 第三十条又は第三十九条の規定に違反して標識を掲げない者
四 正当な理由がないのに、第四十二条第三項又は第四十五条第三項の規定による命令に違反して浄化槽設備士免状又は浄化槽管理士免状を返納しなかつた者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十年十月一日から施行する。ただし、第四十二条、第四十三条、第四十五条、第四十六条、第五十条(同条第一項第一号を除く。)、第五十三条(同条第一項第六号から第九号までに掲げる者に係る部分に限る。)、第六十二条第八号及び第六十三条の規定並びに附則第七条、附則第八条及び附則第十条第一項から第四項までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(浄化槽の設置等の届出及び水質検査に係る経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に附則第十二条の規定による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「旧廃掃法」という。)第八条第一項の規定により届出がされている浄化槽の設置又はその構造若しくは規模の変更については、第五条の規定は、適用しない。
2 前項の浄化槽又はこの法律の施行の際現に、浄化槽の設置若しくはその構造若しくは規模の変更につき、建築基準法第六条第一項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による建築主事の確認若しくは同法第十八条第四項(同法第八十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による建築主事の通知を受けている浄化槽で、これらの浄化槽工事がこの法律の施行後六月以内に完了したものについては、第七条の規定は、適用しない。
(浄化槽工事業に係る経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に浄化槽工事業を営んでいる者は、この法律の施行の日から三月間は、第二十一条第一項の登録を受けないでも引き続き浄化槽工事業を営むことができる。
(建設業者に関する特例に係る経過措置)
第四条 この法律の施行の際第三十三条第一項に規定する者で現に浄化槽工事業を行つているものに係る同条第三項の規定の適用については、同項中「浄化槽工事業を開始したときは」とあるのは「この法律の施行の日から起算して六十日以内に」と、「その旨を」とあるのは「浄化槽工事業を行つている旨を」とする。
(従前のし尿浄化槽清掃業の許可の効力等)
第五条 この法律の施行前に旧廃掃法の規定によつてなされたし尿浄化槽清掃業の許可又は許可の申請は、この法律の相当規定によつてなされた浄化槽清掃業の許可又は許可の申請とみなす。
第六条 前条に規定する場合のほか、この法律の施行前に旧廃掃法の規定によつてした処分、手続その他の行為は、この法律中にこれに相当する規定があるときは、この法律の相当規定によつてしたものとみなす。
(浄化槽設備士免状の特例)
第七条 建設大臣は、この法律の施行の際厚生大臣及び建設大臣が定める者の行う浄化槽の工事に関する講習会等の課程を修了している者で、現に浄化槽工事の業務に従事しており、かつ、建設省令で定めるところにより厚生大臣及び建設大臣が指定する浄化槽工事に関する講習会の課程を昭和六十二年六月三十日までに修了したものに対して、浄化槽設備士免状を交付することができる。
(浄化槽管理士免状の特例)
第八条 厚生大臣は、この法律の施行の際厚生大臣が定める者の行う浄化槽の管理技術に関する講習会等の課程を修了している者で、現に浄化槽の保守点検の業務に従事しており、かつ、厚生大臣が指定する浄化槽の保守点検に関する講習会の課程を昭和六十二年六月三十日までに修了したものに対して、浄化槽管理士免状を交付することができる。
(浄化槽設備士又は浄化槽管理士の名称使用に関する経過措置)
第九条 この法律の施行の際現に浄化槽設備士若しくは浄化槽管理士又はこれらに紛らわしい名称を用いている者については、第四十四条又は第四十七条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(浄化槽の型式の認定の特例)
第十条 浄化槽を工場において製造しようとする者又は外国の工場において本邦に輸出される浄化槽を製造しようとする者は、昭和六十年九月三十日までに申請して、製造しようとする浄化槽の型式について、建設大臣の認定を受けることができる。
2 建設大臣は、前項の認定の申請に係る型式の浄化槽が建築基準法及びこれに基づく命令で定める浄化槽の構造基準に適合すると認めるときは、同項の期日まで認定をすることができる。
3 前二項に定めるもののほか、認定の申請、認定の表示、認定の取消し、厚生大臣に対する通知その他浄化槽の型式の認定に関し必要な事項は、建設省令で定める。
4 第一項の認定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を国に納付しなければならない。
5 第一項の期日までに前各項の規定によつてした認定、手続その他の行為は、この法律(この条を除く。)の相当規定によつてしたものとみなす。
(建築基準法の一部改正)
第十一条 建築基準法の一部を次のように改正する。
第九条の三第一項中「又は当該建築物について宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者」を「若しくは当該建築物について宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者又は当該命令に係る浄化槽の製造業者」に改め、「建設業法(昭和二十四年法律第百号)」の下に「、浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)」を、同条第二項中「建設業法」の下に「、浄化槽法」を加える。
(廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正)
第十二条 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を次のように改正する。
第七条第二項第四号中「第九条第二項第二号及び」及び「第九条第五項及び」を削り、同号に次のように加える。
ニ 浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)第五十九条第四号(第四十一条第二項の規定による命令に違反した場合に限る。)から第六号までに該当し、又は同法第十二条第二項の規定による命令(浄化槽清掃業者に対する浄化槽の清掃についてのものに限る。)に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
ホ 浄化槽法第四十一条第二項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
第八条第一項中「し尿処理施設」の下に「(浄化槽法第二条第一号に規定する浄化槽を除く。以下同じ。)」を加え、同項ただし書を削り、同条第二項及び第三項中「(し尿浄化槽についての届出を除く。)」を削り、同条第五項中「(し尿浄化槽の構造を除く。)」を削る。
第九条を次のように改める。
第九条 削除
第十八条中「、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の設置者若しくは管理者又はし尿浄化槽の清掃を業とする者」を「又は一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の設置者若しくは管理者」に、「、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理又はし尿浄化槽の清掃」を「又は一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理」に改める。
第十九条第一項中「、一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集、運搬若しくは処分を業とする者若しくはし尿浄化槽の清掃を業とする者」を「若しくは一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集、運搬若しくは処分を業とする者」に、「、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理又はし尿浄化槽の清掃」を「又は一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理」に改める。
第二十条第一項中「第十九条第一項」の下に「及び浄化槽法第五十三条第二項」を加え、「立入検査及び」を「立入検査並びに」に改める。
第二十五条第一号中「、第九条第一項」を削り、同条第二号中「第九条第五項及び」を削る。
第二十八条第一号中「第九条第五項、」を削る。
第三十条中「第九条第五項及び」を削る。
(廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十三条 昭和六十二年九月三十日までの間は、前条の規定による改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第二項の規定の適用については、同項第四号ロ中「準用する場合」とあるのは、「準用する場合及び浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)附則第十二条の規定による改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律第九条第五項において準用した場合」とする。
(罰則に関する経過措置)
第十四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(建設省設置法の一部改正)
第十五条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。
第三条第二十号の次に次の一号を加える。
二十の二 浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)の施行に関する事務を管理すること。
第四条第三項中「、第十七号から第十八号の四まで及び第二十二号の三」を「及び第十七号から第十八号の四までに規定する事務、同条第二十号の二に規定する事務のうち浄化槽工事業及び浄化槽設備士に関するもの、同条第二十二号の三」に改め、同条第七項中「同条第十九号から第二十二号の二」を「同条第十九号及び第二十号に規定する事務、同条第二十号の二に規定する事務(計画局の所掌に属するものを除く。)、同条第二十一号から第二十二号の二」に改める。
(厚生省設置法の一部改正)
第十六条 厚生省設置法(昭和二十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項第三十六号の二の次に次の一号を加える。
三十六の三 浄化槽管理士試験を行い、並びに浄化槽管理士免状を交付し、及びその返納を命ずること。
第九条の二第一項第十一号の二を同項第十一号の三とし、同項第十一号の次に次の一号を加える。
十一の二 浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)を施行すること。
内閣総理大臣 中曽根康弘
厚生大臣 林義郎
建設大臣 内海英男