(労働保険料)
第十条 政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収する。
2 前項の規定により徴収する保険料(以下「労働保険料」という。)は、次のとおりとする。
(一般保険料の額)
第十一条 一般保険料の額は、賃金総額に次条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。
2 前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすベての労働者に支払う賃金の総額をいう。
3 前項の規定にかかわらず、労働省令で定める事業については、労働省令で定めるところにより算定した額を当該事業に係る賃金総額とする。
(一般保険料に係る保険料率)
第十二条 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。
一 労災保険及び失業保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去三年間の災害率その他の事情を考慮して労働大臣の定める率(以下「労災保険率」という。)と千分の十三の率とを加えた率
二 労災保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、労災保険率
三 失業保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、千分の十三の率
2 労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付に要する費用の予想額に照らし、将来にわたつて、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならない。
3 労働大臣は、百人以上の労働者を使用する事業その他労働省令で定める規模の事業であつて十二月三十一日において労災保険に係る保険関係が成立した後三年以上経過したものについての同日以前三年間における労災保険法の規定による保険給付の額(年金たる保険給付その他労働省令で定める保険給付については、その額は、労働省令で定めるところにより算定するものとする。第二十条第一項において同じ。)と一般保険料の額(第一項第一号の事業については、労災保険率(その率がこの項の規定により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)に応ずる部分の額)に第一種特別加入保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下である場合には、当該事業についての労災保険率を百分の三十の範囲内において労働省令で定める率だけ引き上げ又は引き下げた率を、当該事業についての次の保険年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の労災保険率とすることができる。
4 労働大臣は、毎会計年度において、徴収した労働保険料の額(第一項第一号の事業に係る一般保険料の額のうち千分の十三の率(その率がこの項の規定により変更されたときは、その変更された率)に応ずる部分の額、同項第三号の事業に係る一般保険料の額及び印紙保険料の額の合計額に限る。)に失業保険法第三十六条第一項の規定により徴収した特別保険料の額を加えた額(以下この項において「徴収合計額」という。)と同法第二十八条第一項から第三項まで及び第二十八条の二の規定による国庫の負担額との合計額と同法の規定による保険給付の額と福祉施設に要した費用の額(翌年度への繰越額を含む。)との合計額との差額を当該会計年度未における失業保険特別会計の積立金に加減した額が、当該会計年度における徴収合計額の二倍に相当する額をこえ、又は当該徴収合計額に相当する額を下るに至つた場合において、必要があると認めるときは、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一項第一号及び第三号の千分の十三の率を千分の十一から千分の十五までの範囲内において変更することができる。
(第一種特別加入保険料の額)
第十三条 第一種特別加入保険料の額は、労災保険法第二十八条第一項の規定により同法の規定による保険給付を受けることができることとされた者について同項第三号の給付基礎日額その他の事情を考慮して労働省令で定める額の総額にこれらの者に係る事業についての労災保険率(その率が前条第三項の規定により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)と同一の率(以下「第一種特別加入保険料率」という。)を乗じて得た額とする。
(第二種特別加入保険料の額)
第十四条 第二種特別加入保険料の額は、労災保険法第二十九条第一項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者について同項第六号の給付基礎日額その他の事情を考慮して労働省令で定める額の総額に同法第二十七条第三号の事業と同種若しくは類似の事業又は同条第五号の作業と同種若しくは類似の作業を行なう事業についての災害率その他の事情を考慮して労働大臣の定める率(以下「第二種特別加入保険料率」という。)を乗じて得た額とする。
2 第十二条第二項の規定は、第二種特別加入保険料率について準用する。
(概算保険料の納付)
第十五条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その保険年度の初日(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日(保険年度の中途に労災保険法第二十八条第一項の承認があつた事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認があつた日))から四十五日以内に納付しなければならない。
一 次号及び第三号の事業以外の事業にあつては、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額)に当該事業についての第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率(以下「一般保険料率」という。)を乗じて算定した一般保険料
二 労災保険法第二十八条第一項の承認に係る事業にあつては、その使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の労働省令で定める額の総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度における同条の労働省令で定める額の総額)に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 労災保険法第二十九条第一項の承認に係る事業にあつては、その保険年度における前条第一項の労働省令で定める額の総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度における同項の労働省令で定める額の総額)に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
2 有期事業については、その事業主は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、保険関係が成立した日(当該保険関係が成立した日の翌日以後に労災保険法第二十八条第一項の承認があつた事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認があつた日)から二十日以内に納付しなければならない。
一 前項第一号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 前項第二号の事業にあつては、その使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額について前号の規定の例により算定した一般保険料及び労災保険法第二十八条第一項の承認に係る全期間における第十三条の労働省令で定める額の総額の見込額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 前項第三号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間における前条第一項の労働省令で定める額の総額の見込額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
3 政府は、事業主が前二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
4 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。
(増加概算保険料の納付)
第十六条 事業主は、前条第一項又は第二項に規定する賃金総額の見込額、第十三条の労働省令で定める額の総額の見込額又は第十四条第一項の労働省令で定める額の総額の見込額が増加した場合において労働省令で定める要件に該当するときは、その日から三十日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。第十二条第一項第二号の事業が同項第一号の事業に該当するに至つたため当該事業に係る一般保険料率が変更した場合において労働省令で定める要件に該当するときにおける当該変更に伴う労働保険料の増加額についても、同様とする。
(概算保険料の追加徴収)
第十七条 政府は、一般保険料率、第一種特別加入保険料率又は第二種特別加入保険料率の引上げを行なつたときは、労働保険料を追加徴収する。
2 政府は、前項の規定により労働保険料を追加徴収する場合には、労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。
(概算保険料の延納)
第十八条 政府は、労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が前三条の規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる。
(確定保険料)
第十九条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の初日(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日(保険年度の中途に労災保険法第二十八条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認が取り消された日)。第三項において同じ。)から四十五日以内に提出しなければならない。
一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、その保険年度に使用したすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立し、又は消滅したものについては、その保険年度において、当該保険関係が成立していた期間に使用したすべての労働者)に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 第十五条第一項第二号の事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 第十五条第一項第三号の事業にあつては、その保険年度における第十四条第一項の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
2 有期事業については、その事業主は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書を、保険関係が消滅した日(当該保険関係が消滅した日前に労災保険法第二十八条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認が取り消された日。次項において同じ。)から四十五日以内に提出しなければならない。
一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 第十五条第一項第二号の事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及び労災保険法第二十八条第一項の承認に係る全期間における第十三条の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 第十五条第一項第三号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間における第十四条第一項の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
3 事業主は、納付した労働保険料の額が前二項の労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは前二項の労働保険料を、前二項の申告書に添えて、有期事業以外の事業にあつては次の保険年度の初日から、有期事業にあつては保険関係が消滅した日から、四十五日以内に納付しなければならない。
4 政府は、事業主が第一項又は第二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
5 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。ただし、労働省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。
6 事業主が納付した労働保険料の額が、第一項又は第二項の労働保険料の額(第四項の規定により政府が労働保険料の額を決定した場合には、その決定した額。以下「確定保険料の額」という。)をこえる場合には、政府は、労働省令で定めるところにより、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。
(確定保険料の特例)
第二十条 労災保険に係る保険関係が成立している有期事業であつて労働省令で定めるものが次の各号のいずれかに該当する場合には、第十一条第一項又は第十三条の規定にかかわらず、政府は、その事業の一般保険料又は第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額をその額(第十二条第一項第一号の事業についての一般保険料に係るものにあつては、当該事業についての労災保険率に応ずる部分の額)に百分の二十の範囲内において労働省令で定める率を乗じて得た額だけ引き上げ又は引き下げて得た額を、その事業についての一般保険料又は第一種特別加入保険料の額とすることができる。
一 事業が終了した日から三箇月を経過した日前における労災保険法の規定による保険給付の額と一般保険料に係る確定保険料の額(第十二条第一項第一号の事業については、労災保険率に応ずる部分の額。次号において同じ。)に第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下であつて、その割合がその日以後において変動せず、又は労働省令で定める範囲をこえて変動しないと認められるとき。
二 前号に該当する場合を除き、事業が終了した日から九箇月を経過した日前における労災保険法の規定による保険給付の額と一般保険料に係る確定保険料の額に第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下であるとき。
2 政府は、前項の規定により労働保険料の額を引き上げ又は引き下げた場合には、労働省令で定めるところにより、その引き上げ又は引き下げられた労働保険料の額と確定保険料の額との差額を徴収し、未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付するものとする。
3 第十七条第二項の規定は、前項の規定により差額を徴収する場合について準用する。
(追徴金)
第二十一条 政府は、事業主が第十九条第五項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、同項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する労働保険料又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金を徴収しない。
3 第十七条第二項の規定は、第一項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する。
(印紙保険料の額)
第二十二条 印紙保険料の額は、失業保険法第三十八条の三第一項各号のいずれかに該当する日雇労働者又は同法第三十八条の四第一項の認可を受けた日雇労働者(以下「日雇労働被保険者」という。)一人につき、一日あたり、次に掲げる額とする。
2 労働大臣は、第十二条第四項の規定により同条第一項第一号及び第三号の千分の十三の率を変更した場合(同条第四項の規定により変更された率が千分の十三の率となつた場合を含む。)には、前項第一号の印紙保険料の額(その額がこの項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下「第一級保険料日額」という。)及び前項第二号の印紙保険料の額(その額がこの項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下「第二級保険料日額」という。)を、次項に定めるところにより、変更するものとする。
3 前項の場合において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、日雇労働被保険者一人につき、これらの保険料日額の変更前と変更後における第三十条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額が均衡するように、労働省令で定める基準により算定した額に変更するものとする。
4 労働大臣は、失業保険法第三十八条の八の二第一項の規定により同項の第一級保険金日額及び第二級保険金日額を変更した場合には、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を、次項に定めるところにより、変更するものとする。
5 前項の場合において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、日雇労働被保険者一人につき、これらの保険料日額の変更後における第三十条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額とこれらの保険料日額の変更前における同条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額に失業保険法第三十八条の八の二第一項の規定により同項の第一級保険金日額又は第二級保険金日額を変更した比率を乗じて得た額とが均衡するように、労働省令で定めるところにより算定した額に変更するものとする。
6 毎月末日において、すでに徴収した印紙保険料の総額に相当する額に労働省令で定める率を乗じて得た額と失業保険法の規定によりすでに支給した日雇労働被保険者に係る保険給付の総額の三分の二に相当する額との差額が、当該月の翌月から六箇月間に同法の規定により支給されるべき日雇労働被保険者に係る保険給付の額の二分の一に相当する額に満たないと認められるに至つた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために、印紙保険料の額の変更の手続をすることができず、かつ、緊急の必要があるときは、労働大臣は、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を変更することができる。
7 前項の場合には、労働大臣は、次の国会において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を変更する手続をとらなければならない。この場合において、同項の規定による変更のあつた日から一年以内に、その変更に関して、国会の議決がなかつたときは、同項の規定によつて変更された第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、その変更のあつた日から一年を経過した日から、同項の規定による変更前の第一級保険料日額及び第二級保険料日額に変更されたものとみなす。
(印紙保険料の納付)
第二十三条 事業主(第八条第一項又は第二項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が使用する労働者以外の日雇労働被保険者に係る印紙保険料については、当該日雇労働被保険者を使用する下請負人。以下この条から第二十五条まで、第三十条、第三十一条、第四十二条、第四十三条及び第四十六条において同じ。)は、日雇労働被保険者に賃金を支払うつどその者に係る印紙保険料を納付しなければならない。
2 前項の規定による印紙保険料の納付は、事業主が、失業保険法第三十八条の三第二項又は第三十八条の四第二項の規定により当該日雇労働被保険者に交付された日雇労働被保険者手帳(以下「日雇労働被保険者手帳」という。)に失業保険印紙をはり、これに消印して行なわなければならない。
3 事業主は、労働省令で定めるところにより、印紙保険料納付計器(印紙保険料の保全上支障がないことにつき、労働省令で定めるところにより、労働大臣の指定を受けた計器で、労働省令で定める形式の印影を生ずべき印(以下「納付印」という。)を付したものをいう。以下同じ。)を、労働大臣の承認を受けて設置した場合には、前項の規定にかかわらず、当該印紙保険料納付計器により、日雇労働被保険者が所持する日雇労働被保険者手帳に納付すべき印紙保険料の額に相当する金額を表示して納付印を押すことによつて印紙保険料を納付することができる。
4 労働大臣は、前項の承認を受けた事業主が、この法律若しくは失業保険法又はこれらの法律に基づく労働省令の規定に違反した場合には、同項の承認を取り消すことができる。
5 第三項の規定による印紙保険料の納付の方法について必要な事項は、労働省令で定める。
6 事業主は、日雇労働被保険者を使用する場合には、その者の日雇労働被保険者手帳を提出させなければならない。その提出を受けた日雇労働被保険者手帳は、その者から請求があつたときは、これを返還しなければならない。
(帳簿の調製及び報告)
第二十四条 事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合には、労働省令で定めるところにより、印紙保険料の納付に関する帳簿を備えて、毎月におけるその納付状況を記載し、かつ、翌月末日までに当該納付状況を政府に報告しなければならない。
(印紙保険料の決定及び追徴金)
第二十五条 事業主が印紙保険料の納付を怠つた場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
2 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠つたときは、政府は、労働省令で定めるところにより、前項の規定により決定された印紙保険料の額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の百分の二十五に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠つた印紙保険料の額が千円未満であるときは、この限りでない。
3 第十七条第二項の規定は、前項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する。
(督促及び滞納処分)
第二十六条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の規定によつて督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。
(延滞金)
第二十七条 政府は、前条第一項の規定により労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額百円につき一日四銭の割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が千円未満であるときは、延滞金を徴収しない。
2 前項の場合において、労働保険料の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる労働保険料の額は、その納付のあつた労働保険料の額を控除した額とする。
3 延滞金の計算において、前二項の労働保険料の額に千円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。
4 前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
一 督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき。
二 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
四 労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
五 労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(先取特権の順位)
第二十八条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(徴収金の徴収手続)
第二十九条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
(労働保険料の負担)
第三十条 第十二条第一項第一号の事業に係る失業保険法第五条に規定する被保険者(以下「被保険者」という。)は、当該事業に係る一般保険料の額のうち千分の十三の率(その率が第十二条第四項の規定により変更されたときは、その変更された率)に応ずる部分の額の二分の一の額を、第十二条第一項第三号の事業に係る被保険者は、当該事業に係る一般保険料の額の二分の一の額を、それぞれ負担するのを原則とする。
2 被保険者の負担すべき一般保険料の額は、労働大臣が中央職業安定審議会の意見をきいて定める一般保険料額表によつて計算する。
3 日雇労働被保険者は、前項の規定によるその者の負担すべき額のほか、印紙保険料の額の二分の一の額(その額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)を負担するものとする。
4 事業主は、当該事業に係る労働保険料の額のうち当該労働保険料の額から前二項の規定による被保険者の負担すべき額を控除した額を負担するものとする。
(賃金からの控除)
第三十一条 事業主は、労働省令で定めるところにより、前条第二項又は第三項の規定による被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除することができる。この場合において、事業主は、労働保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に知らせなければならない。
2 第八条第一項又は第二項の規定により事業主とされる元請負人は、前条第二項の規定によるその使用する労働者以外の被保険者の負担すべき額に相当する額の賃金からの控除を、当該被保険者を使用する下請負人に委託することができる。
3 第一項の規定は、前項の規定により下請負人が委託を受けた場合について準用する。
(労働省令への委任)
第三十二条 この章に定めるもののほか、労働保険料その他この法律の規定による徴収金、労働保険料の負担又は被保険者の負担すべき労働保険料の賃金からの控除に関し必要な事項は、労働省令で定める。