労働保険の保険料の徴収等に関する法律
法令番号: 法律第84号
公布年月日: 昭和44年12月9日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行の失業保険及び労働者災害補償保険における適用・徴収事務について、これまで個別に行われていた両保険の事務手続きを、各事業ごとに労働保険という一つの保険関係として一元化し、効率的な事務処理を実現することを目的としている。これにより、保険料の徴収等に関する手続きが簡素化され、事業主の事務負担が軽減されるとともに、行政側の事務処理の効率化が図られる。

参照した発言:
第62回国会 衆議院 本会議 第2号

審議経過

第62回国会

衆議院
(昭和44年12月1日)
(昭和44年12月1日)
参議院
(昭和44年12月2日)
(昭和44年12月2日)
(昭和44年12月2日)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十四年十二月九日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第八十四号
労働保険の保険料の徴収等に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
保険関係の成立及び消滅(第三条―第九条)
第三章
労働保険料の納付の手続等(第十条―第三十二条)
第四章
労働保険事務組合(第三十三条―第三十六条)
第五章
不服申立て及び訴訟(第三十七条・第三十八条)
第六章
雑則(第三十九条―第四十五条)
第七章
罰則(第四十六条―第四十八条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、労働保険の事業の効率的な運営を図るため、労働保険の保険関係の成立及び消滅、労働保険料の納付の手続、労働保険事務組合等に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において「労働保険」とは、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災保険法」という。)による労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)及び失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)による失業保険(以下「失業保険」という。)を総称する。
2 この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。
3 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第二章 保険関係の成立及び消滅
(保険関係の成立)
第三条 労災保険法第三条第一項の適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係(以下「保険関係」という。)が成立する。
第四条 失業保険法第六条第一項の当然適用事業の事業主については、その事業が開始された日に、その事業につき失業保険に係る保険関係が成立する。
2 失業保険法第六条第二項の任意適用事業の事業主については、その者が失業保険の加入の申請をし、労働大臣の認可があった日に、その事業につき失業保険に係る保険関係が成立する。
3 前項の申請は、その事業に使用される労働者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第十七条の規定による船員保険の被保険者を除く。以下同じ。)の二分の一以上の同意を得なければ行なうことができない。
4 第二項に規定する事業の事業主は、その事業に使用される労働者の二分の一以上が希望するときは、同項の申請をしなければならない。
(保険関係の消滅)
第五条 保険関係が成立している事業が廃止され、又は終了したときは、その事業についての保険関係は、その翌日に消滅する。
第六条 第四条第二項の規定により失業保険に係る保険関係が成立している事業の事業主については、前条の規定によるほか、その者が当該保険関係の消滅の申請をし、労働大臣の認可があつた日の翌日に、その事業についての当該保険関係が消滅する。
2 前項の申請は、その事業に使用される労働者の四分の三以上の同意を得なければ行なうことができない。
(有期事業の一括)
第七条 二以上の事業が次の要件に該当する場合には、この法律の規定の適用については、その全部を一の事業とみなす。
一 事業主が同一人であること。
二 それぞれの事業が、事業の期間が予定される事業(以下「有期事業」という。)であること。
三 それぞれの事業の規模が、労働省令で定める規模以下であること。
四 それぞれの事業が、他のいずれかの事業の全部又は一部と同時に行なわれること。
五 前各号に掲げるもののほか、労働省令で定める要件に該当すること。
(請負事業の一括)
第八条 労働省令で定める事業が数次の請負によつて行なわれる場合には、この法律の規定の適用については、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを当該事業の事業主とする。
2 前項に規定する場合において、元請負人及び下請負人が、当該下請負人の請負に係る事業に関して同項の規定の適用を受けることにつき申請をし、労働大臣の認可があつたときは、当該請負に係る事業については、当該下請負人を元請負人とみなして同項の規定を適用する。
(継続事業の一括)
第九条 事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であつて、労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、労働大臣の認可があつたときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
第三章 労働保険料の納付の手続等
(労働保険料)
第十条 政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収する。
2 前項の規定により徴収する保険料(以下「労働保険料」という。)は、次のとおりとする。
一 一般保険料
二 第一種特別加入保険料
三 第二種特別加入保険料
四 印紙保険料
(一般保険料の額)
第十一条 一般保険料の額は、賃金総額に次条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。
2 前項の「賃金総額」とは、事業主がその事業に使用するすベての労働者に支払う賃金の総額をいう。
3 前項の規定にかかわらず、労働省令で定める事業については、労働省令で定めるところにより算定した額を当該事業に係る賃金総額とする。
(一般保険料に係る保険料率)
第十二条 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。
一 労災保険及び失業保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去三年間の災害率その他の事情を考慮して労働大臣の定める率(以下「労災保険率」という。)と千分の十三の率とを加えた率
二 労災保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、労災保険率
三 失業保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、千分の十三の率
2 労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付に要する費用の予想額に照らし、将来にわたつて、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならない。
3 労働大臣は、百人以上の労働者を使用する事業その他労働省令で定める規模の事業であつて十二月三十一日において労災保険に係る保険関係が成立した後三年以上経過したものについての同日以前三年間における労災保険法の規定による保険給付の額(年金たる保険給付その他労働省令で定める保険給付については、その額は、労働省令で定めるところにより算定するものとする。第二十条第一項において同じ。)と一般保険料の額(第一項第一号の事業については、労災保険率(その率がこの項の規定により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)に応ずる部分の額)に第一種特別加入保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下である場合には、当該事業についての労災保険率を百分の三十の範囲内において労働省令で定める率だけ引き上げ又は引き下げた率を、当該事業についての次の保険年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の労災保険率とすることができる。
4 労働大臣は、毎会計年度において、徴収した労働保険料の額(第一項第一号の事業に係る一般保険料の額のうち千分の十三の率(その率がこの項の規定により変更されたときは、その変更された率)に応ずる部分の額、同項第三号の事業に係る一般保険料の額及び印紙保険料の額の合計額に限る。)に失業保険法第三十六条第一項の規定により徴収した特別保険料の額を加えた額(以下この項において「徴収合計額」という。)と同法第二十八条第一項から第三項まで及び第二十八条の二の規定による国庫の負担額との合計額と同法の規定による保険給付の額と福祉施設に要した費用の額(翌年度への繰越額を含む。)との合計額との差額を当該会計年度未における失業保険特別会計の積立金に加減した額が、当該会計年度における徴収合計額の二倍に相当する額をこえ、又は当該徴収合計額に相当する額を下るに至つた場合において、必要があると認めるときは、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一項第一号及び第三号の千分の十三の率を千分の十一から千分の十五までの範囲内において変更することができる。
(第一種特別加入保険料の額)
第十三条 第一種特別加入保険料の額は、労災保険法第二十八条第一項の規定により同法の規定による保険給付を受けることができることとされた者について同項第三号の給付基礎日額その他の事情を考慮して労働省令で定める額の総額にこれらの者に係る事業についての労災保険率(その率が前条第三項の規定により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)と同一の率(以下「第一種特別加入保険料率」という。)を乗じて得た額とする。
(第二種特別加入保険料の額)
第十四条 第二種特別加入保険料の額は、労災保険法第二十九条第一項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者について同項第六号の給付基礎日額その他の事情を考慮して労働省令で定める額の総額に同法第二十七条第三号の事業と同種若しくは類似の事業又は同条第五号の作業と同種若しくは類似の作業を行なう事業についての災害率その他の事情を考慮して労働大臣の定める率(以下「第二種特別加入保険料率」という。)を乗じて得た額とする。
2 第十二条第二項の規定は、第二種特別加入保険料率について準用する。
(概算保険料の納付)
第十五条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その保険年度の初日(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日(保険年度の中途に労災保険法第二十八条第一項の承認があつた事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認があつた日))から四十五日以内に納付しなければならない。
一 次号及び第三号の事業以外の事業にあつては、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額)に当該事業についての第十二条の規定による一般保険料に係る保険料率(以下「一般保険料率」という。)を乗じて算定した一般保険料
二 労災保険法第二十八条第一項の承認に係る事業にあつては、その使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の労働省令で定める額の総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度における同条の労働省令で定める額の総額)に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 労災保険法第二十九条第一項の承認に係る事業にあつては、その保険年度における前条第一項の労働省令で定める額の総額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下同じ。)の見込額(労働省令で定める場合にあつては、直前の保険年度における同項の労働省令で定める額の総額)に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
2 有期事業については、その事業主は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる労働保険料を、その労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて、保険関係が成立した日(当該保険関係が成立した日の翌日以後に労災保険法第二十八条第一項の承認があつた事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認があつた日)から二十日以内に納付しなければならない。
一 前項第一号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 前項第二号の事業にあつては、その使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額について前号の規定の例により算定した一般保険料及び労災保険法第二十八条第一項の承認に係る全期間における第十三条の労働省令で定める額の総額の見込額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 前項第三号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間における前条第一項の労働省令で定める額の総額の見込額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
3 政府は、事業主が前二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
4 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。
(増加概算保険料の納付)
第十六条 事業主は、前条第一項又は第二項に規定する賃金総額の見込額、第十三条の労働省令で定める額の総額の見込額又は第十四条第一項の労働省令で定める額の総額の見込額が増加した場合において労働省令で定める要件に該当するときは、その日から三十日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と納付した労働保険料の額との差額を、その額その他労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならない。第十二条第一項第二号の事業が同項第一号の事業に該当するに至つたため当該事業に係る一般保険料率が変更した場合において労働省令で定める要件に該当するときにおける当該変更に伴う労働保険料の増加額についても、同様とする。
(概算保険料の追加徴収)
第十七条 政府は、一般保険料率、第一種特別加入保険料率又は第二種特別加入保険料率の引上げを行なつたときは、労働保険料を追加徴収する。
2 政府は、前項の規定により労働保険料を追加徴収する場合には、労働省令で定めるところにより、事業主に対して、期限を指定して、その納付すべき労働保険料の額を通知しなければならない。
(概算保険料の延納)
第十八条 政府は、労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が前三条の規定により納付すべき労働保険料を延納させることができる。
(確定保険料)
第十九条 事業主は、保険年度ごとに、次に掲げる労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書を、次の保険年度の初日(保険年度の中途に保険関係が消滅したものについては、当該保険関係が消滅した日(保険年度の中途に労災保険法第二十八条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認が取り消された日)。第三項において同じ。)から四十五日以内に提出しなければならない。
一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、その保険年度に使用したすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立し、又は消滅したものについては、その保険年度において、当該保険関係が成立していた期間に使用したすべての労働者)に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 第十五条第一項第二号の事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及びその保険年度における第十三条の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 第十五条第一項第三号の事業にあつては、その保険年度における第十四条第一項の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
2 有期事業については、その事業主は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる労働保険料の額その他労働省令で定める事項を記載した申告書を、保険関係が消滅した日(当該保険関係が消滅した日前に労災保険法第二十八条第一項の承認が取り消された事業に係る第一種特別加入保険料に関しては、当該承認が取り消された日。次項において同じ。)から四十五日以内に提出しなければならない。
一 第十五条第一項第一号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した一般保険料
二 第十五条第一項第二号の事業にあつては、その使用したすべての労働者に係る賃金総額について前号の規定の例により算定した一般保険料及び労災保険法第二十八条第一項の承認に係る全期間における第十三条の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第一種特別加入保険料率を乗じて算定した第一種特別加入保険料
三 第十五条第一項第三号の事業にあつては、当該保険関係に係る全期間における第十四条第一項の労働省令で定める額の総額に当該事業についての第二種特別加入保険料率を乗じて算定した第二種特別加入保険料
3 事業主は、納付した労働保険料の額が前二項の労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは前二項の労働保険料を、前二項の申告書に添えて、有期事業以外の事業にあつては次の保険年度の初日から、有期事業にあつては保険関係が消滅した日から、四十五日以内に納付しなければならない。
4 政府は、事業主が第一項又は第二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
5 前項の規定による通知を受けた事業主は、納付した労働保険料の額が同項の規定により政府の決定した労働保険料の額に足りないときはその不足額を、納付した労働保険料がないときは同項の規定により政府の決定した労働保険料を、その通知を受けた日から十五日以内に納付しなければならない。ただし、労働省令で定める要件に該当する場合は、この限りでない。
6 事業主が納付した労働保険料の額が、第一項又は第二項の労働保険料の額(第四項の規定により政府が労働保険料の額を決定した場合には、その決定した額。以下「確定保険料の額」という。)をこえる場合には、政府は、労働省令で定めるところにより、そのこえる額を次の保険年度の労働保険料若しくは未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付する。
(確定保険料の特例)
第二十条 労災保険に係る保険関係が成立している有期事業であつて労働省令で定めるものが次の各号のいずれかに該当する場合には、第十一条第一項又は第十三条の規定にかかわらず、政府は、その事業の一般保険料又は第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額をその額(第十二条第一項第一号の事業についての一般保険料に係るものにあつては、当該事業についての労災保険率に応ずる部分の額)に百分の二十の範囲内において労働省令で定める率を乗じて得た額だけ引き上げ又は引き下げて得た額を、その事業についての一般保険料又は第一種特別加入保険料の額とすることができる。
一 事業が終了した日から三箇月を経過した日前における労災保険法の規定による保険給付の額と一般保険料に係る確定保険料の額(第十二条第一項第一号の事業については、労災保険率に応ずる部分の額。次号において同じ。)に第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下であつて、その割合がその日以後において変動せず、又は労働省令で定める範囲をこえて変動しないと認められるとき。
二 前号に該当する場合を除き、事業が終了した日から九箇月を経過した日前における労災保険法の規定による保険給付の額と一般保険料に係る確定保険料の額に第一種特別加入保険料に係る確定保険料の額を加えた額との割合が百分の八十五をこえ、又は百分の七十五以下であるとき。
2 政府は、前項の規定により労働保険料の額を引き上げ又は引き下げた場合には、労働省令で定めるところにより、その引き上げ又は引き下げられた労働保険料の額と確定保険料の額との差額を徴収し、未納の労働保険料その他この法律の規定による徴収金に充当し、又は還付するものとする。
3 第十七条第二項の規定は、前項の規定により差額を徴収する場合について準用する。
(追徴金)
第二十一条 政府は、事業主が第十九条第五項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、同項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する労働保険料又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金を徴収しない。
3 第十七条第二項の規定は、第一項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する。
(印紙保険料の額)
第二十二条 印紙保険料の額は、失業保険法第三十八条の三第一項各号のいずれかに該当する日雇労働者又は同法第三十八条の四第一項の認可を受けた日雇労働者(以下「日雇労働被保険者」という。)一人につき、一日あたり、次に掲げる額とする。
一 賃金の日額が千円以上の者については、十八円
二 賃金の日額が千円未満の者については、十二円
2 労働大臣は、第十二条第四項の規定により同条第一項第一号及び第三号の千分の十三の率を変更した場合(同条第四項の規定により変更された率が千分の十三の率となつた場合を含む。)には、前項第一号の印紙保険料の額(その額がこの項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下「第一級保険料日額」という。)及び前項第二号の印紙保険料の額(その額がこの項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下「第二級保険料日額」という。)を、次項に定めるところにより、変更するものとする。
3 前項の場合において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、日雇労働被保険者一人につき、これらの保険料日額の変更前と変更後における第三十条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額が均衡するように、労働省令で定める基準により算定した額に変更するものとする。
4 労働大臣は、失業保険法第三十八条の八の二第一項の規定により同項の第一級保険金日額及び第二級保険金日額を変更した場合には、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を、次項に定めるところにより、変更するものとする。
5 前項の場合において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、日雇労働被保険者一人につき、これらの保険料日額の変更後における第三十条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額とこれらの保険料日額の変更前における同条第二項及び第三項の規定による労働保険料の負担額に失業保険法第三十八条の八の二第一項の規定により同項の第一級保険金日額又は第二級保険金日額を変更した比率を乗じて得た額とが均衡するように、労働省令で定めるところにより算定した額に変更するものとする。
6 毎月末日において、すでに徴収した印紙保険料の総額に相当する額に労働省令で定める率を乗じて得た額と失業保険法の規定によりすでに支給した日雇労働被保険者に係る保険給付の総額の三分の二に相当する額との差額が、当該月の翌月から六箇月間に同法の規定により支給されるべき日雇労働被保険者に係る保険給付の額の二分の一に相当する額に満たないと認められるに至つた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために、印紙保険料の額の変更の手続をすることができず、かつ、緊急の必要があるときは、労働大臣は、中央職業安定審議会の意見をきいて、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を変更することができる。
7 前項の場合には、労働大臣は、次の国会において、第一級保険料日額及び第二級保険料日額を変更する手続をとらなければならない。この場合において、同項の規定による変更のあつた日から一年以内に、その変更に関して、国会の議決がなかつたときは、同項の規定によつて変更された第一級保険料日額及び第二級保険料日額は、その変更のあつた日から一年を経過した日から、同項の規定による変更前の第一級保険料日額及び第二級保険料日額に変更されたものとみなす。
(印紙保険料の納付)
第二十三条 事業主(第八条第一項又は第二項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が使用する労働者以外の日雇労働被保険者に係る印紙保険料については、当該日雇労働被保険者を使用する下請負人。以下この条から第二十五条まで、第三十条、第三十一条、第四十二条、第四十三条及び第四十六条において同じ。)は、日雇労働被保険者に賃金を支払うつどその者に係る印紙保険料を納付しなければならない。
2 前項の規定による印紙保険料の納付は、事業主が、失業保険法第三十八条の三第二項又は第三十八条の四第二項の規定により当該日雇労働被保険者に交付された日雇労働被保険者手帳(以下「日雇労働被保険者手帳」という。)に失業保険印紙をはり、これに消印して行なわなければならない。
3 事業主は、労働省令で定めるところにより、印紙保険料納付計器(印紙保険料の保全上支障がないことにつき、労働省令で定めるところにより、労働大臣の指定を受けた計器で、労働省令で定める形式の印影を生ずべき印(以下「納付印」という。)を付したものをいう。以下同じ。)を、労働大臣の承認を受けて設置した場合には、前項の規定にかかわらず、当該印紙保険料納付計器により、日雇労働被保険者が所持する日雇労働被保険者手帳に納付すべき印紙保険料の額に相当する金額を表示して納付印を押すことによつて印紙保険料を納付することができる。
4 労働大臣は、前項の承認を受けた事業主が、この法律若しくは失業保険法又はこれらの法律に基づく労働省令の規定に違反した場合には、同項の承認を取り消すことができる。
5 第三項の規定による印紙保険料の納付の方法について必要な事項は、労働省令で定める。
6 事業主は、日雇労働被保険者を使用する場合には、その者の日雇労働被保険者手帳を提出させなければならない。その提出を受けた日雇労働被保険者手帳は、その者から請求があつたときは、これを返還しなければならない。
(帳簿の調製及び報告)
第二十四条 事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合には、労働省令で定めるところにより、印紙保険料の納付に関する帳簿を備えて、毎月におけるその納付状況を記載し、かつ、翌月末日までに当該納付状況を政府に報告しなければならない。
(印紙保険料の決定及び追徴金)
第二十五条 事業主が印紙保険料の納付を怠つた場合には、政府は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。
2 事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、印紙保険料の納付を怠つたときは、政府は、労働省令で定めるところにより、前項の規定により決定された印紙保険料の額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)の百分の二十五に相当する額の追徴金を徴収する。ただし、納付を怠つた印紙保険料の額が千円未満であるときは、この限りでない。
3 第十七条第二項の規定は、前項の規定により追徴金を徴収する場合について準用する。
(督促及び滞納処分)
第二十六条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。
2 前項の規定によつて督促するときは、政府は、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
3 第一項の規定による督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。
(延滞金)
第二十七条 政府は、前条第一項の規定により労働保険料の納付を督促したときは、労働保険料の額百円につき一日四銭の割合で、納期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、労働保険料の額が千円未満であるときは、延滞金を徴収しない。
2 前項の場合において、労働保険料の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる労働保険料の額は、その納付のあつた労働保険料の額を控除した額とする。
3 延滞金の計算において、前二項の労働保険料の額に千円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。
4 前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5 延滞金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、徴収しない。ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
一 督促状に指定した期限までに労働保険料その他この法律の規定による徴収金を完納したとき。
二 納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
三 延滞金の額が百円未満であるとき。
四 労働保険料について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
五 労働保険料を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
(先取特権の順位)
第二十八条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
(徴収金の徴収手続)
第二十九条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
(労働保険料の負担)
第三十条 第十二条第一項第一号の事業に係る失業保険法第五条に規定する被保険者(以下「被保険者」という。)は、当該事業に係る一般保険料の額のうち千分の十三の率(その率が第十二条第四項の規定により変更されたときは、その変更された率)に応ずる部分の額の二分の一の額を、第十二条第一項第三号の事業に係る被保険者は、当該事業に係る一般保険料の額の二分の一の額を、それぞれ負担するのを原則とする。
2 被保険者の負担すべき一般保険料の額は、労働大臣が中央職業安定審議会の意見をきいて定める一般保険料額表によつて計算する。
3 日雇労働被保険者は、前項の規定によるその者の負担すべき額のほか、印紙保険料の額の二分の一の額(その額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)を負担するものとする。
4 事業主は、当該事業に係る労働保険料の額のうち当該労働保険料の額から前二項の規定による被保険者の負担すべき額を控除した額を負担するものとする。
(賃金からの控除)
第三十一条 事業主は、労働省令で定めるところにより、前条第二項又は第三項の規定による被保険者の負担すべき額に相当する額を当該被保険者に支払う賃金から控除することができる。この場合において、事業主は、労働保険料控除に関する計算書を作成し、その控除額を当該被保険者に知らせなければならない。
2 第八条第一項又は第二項の規定により事業主とされる元請負人は、前条第二項の規定によるその使用する労働者以外の被保険者の負担すべき額に相当する額の賃金からの控除を、当該被保険者を使用する下請負人に委託することができる。
3 第一項の規定は、前項の規定により下請負人が委託を受けた場合について準用する。
(労働省令への委任)
第三十二条 この章に定めるもののほか、労働保険料その他この法律の規定による徴収金、労働保険料の負担又は被保険者の負担すべき労働保険料の賃金からの控除に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第四章 労働保険事務組合
(労働保険事務組合)
第三十三条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三条の事業協同組合又は協同組合連合会その他の事業主の団体又はその連合団体(法人でない団体又は連合団体であつて代表者の定めがないものを除く。以下同じ。)は、団体の構成員又は連合団体を構成する団体の構成員である事業主(労働省令で定める数をこえる数の労働者を使用する事業主を除く。)の委託を受けて、この章の定めるところにより、これらの者が行なうべき労働保険料の納付その他の労働保険に関する事項(印紙保険料に関する事項を除く。以下「労働保険事務」という。)を処理することができる。
2 事業主の団体又はその連合団体は、前項に規定する業務を行なおうとするときは、労働大臣の認可を受けなければならない。
3 前項の認可を受けた事業主の団体又はその連合団体(以下「労働保険事務組合」という。)は、第一項に規定する業務を廃止しようとするときは、六十日前までに、その旨を労働大臣に届け出なければならない。
4 労働大臣は、労働保険事務組合がこの法律、労災保険法若しくは失業保険法若しくはこれらの法律に基づく労働省令(以下「労働保険関係法令」という。)の規定に違反したとき、又はその行なうべき労働保険事務の処理を怠り、若しくはその処理が著しく不当であると認めるときは、第二項の認可を取り消すことができる。
(労働保険事務組合に対する通知等)
第三十四条 政府は、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき労働保険関係法令の規定による労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付については、これを労働保険事務組合に対してすることができる。この場合において、労働保険事務組合に対してした労働保険料の納入の告知その他の通知及び還付金の還付は、当該事業主に対してしたものとみなす。
(労働保険事務組合の責任等)
第三十五条 第三十三条第一項の委託に基づき、事業主が労働保険関係法令の規定による労働保険料その他の徴収金の納付のため、金銭を労働保険事務組合に交付したときは、その金額の限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。
2 労働保険関係法令の規定により政府が追徴金又は延滞金を徴収する場合において、その徴収について労働保険事務組合の責めに帰すべき理由があるときは、その限度で、労働保険事務組合は、政府に対して当該徴収金の納付の責めに任ずるものとする。
3 政府は、前二項の規定により労働保険事務組合が納付すべき徴収金については、当該労働保険事務組合に対して第二十六条第三項(労災保険法第十九条の二第三項及び第二十五条第二項並びに失業保険法第二十三条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分をしてもなお徴収すべき残余がある場合に限り、その残余の額を当該事業主から徴収することができる。
4 労働保険事務組合は、労災保険法第十九条の二第二項の規定及び失業保険法第二十三条の二第二項(同法第二十五条第四項、第二十六条第十一項、第二十七条第五項、第二十七条の三第五項及び第二十七条の四第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、事業主とみなす。
(帳簿の備付け)
第三十六条 労働保険事務組合は、労働省令で定めるところにより、その処理する労働保険事務に関する事項を記載した帳簿を事務所に備えておかなければならない。
第五章 不服申立て及び訴訟
(不服申立て)
第三十七条 事業主は、第十五条第三項又は第十九条第四項の規定による処分について不服があるときは、異議申立てをすることができる。
(不服申立てと訴訟との関係)
第三十八条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する労働大臣の裁決又は当該処分についての異議申立てに対する労働大臣の決定を経た後でなければ、提起することができない。
第六章 雑則
(適用の特例)
第三十九条 都道府県及び市町村の行なう事業その他労働省令で定める事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び失業保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてこの法律を適用する。
2 国の行なう事業及び前項に規定する事業については、労働者の範囲(同項に規定する事業のうち労働省令で定める事業については、労働者の範囲及び一般保険料の納付)に関し、労働省令で別段の定めをすることができる。
(不利益取扱いの禁止)
第四十条 事業主は、労働者が第四条第二項の規定による保険関係の成立を希望したことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
(時効)
第四十一条 労働保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
2 政府が行なう労働保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を生ずる。
(報告等)
第四十二条 行政庁は、労働省令で定めるところにより、保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体に対して、この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
(立入検査)
第四十三条 行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類の検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(経過措置の命令への委任)
第四十四条 この法律に基づき政令又は労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。この法律に基づき、労働大臣が労災保険率その他の事項を定め、又はこれを改廃する場合においても、同様とする。
(権限の委任)
第四十五条 この法律に定める労働大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を行政庁に委任することができる。
2 この法律に定める政府の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。
第七章 罰則
第四十六条 事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。労災保険法第二十九条第一項に規定する団体が第五号又は第六号に該当する場合におけるその違反行為をした当該団体の代表者又は代理人、使用人その他の従業者も、同様とする。
一 第四条第四項の規定に違反した場合
二 第二十三条第二項の規定に違反して失業保険印紙をはらず、又は消印しなかつた場合
三 第二十四条の規定に違反して帳簿を備えておかず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は報告をせず、若しくは虚偽の報告をした場合
四 第四十条の規定に違反した場合
五 第四十二条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
六 第四十三条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
第四十七条 労働保険事務組合が次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした労働保険事務組合の代表者又は代理人、使用人その他の従業者は、六箇月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第三十六条の規定に違反して帳簿を備えておかず、又は帳簿に労働保険事務に関する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした場合
二 第四十二条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合
三 第四十三条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
第四十八条 法人(法人でない労働保険事務組合及び労災保険法第二十九条第一項に規定する団体を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により法人でない労働保険事務組合又は労災保険法第二十九条第一項に規定する団体を処罰する場合においては、その代表者が訴訟行為につきその労働保険事務組合又は団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
附 則
この法律は、別に法律で定める日から施行する。
労働大臣 原健三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作