住宅金融公庫法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第25号
公布年月日: 昭和31年3月23日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

住宅金融公庫の役職員は、設立当初の業務体制整備の必要性から国家公務員とされていたが、設立から5年以上が経過し、現在はその必要性が認められない。そのため、役職員の地位を国家公務員でないものとし、それに伴う恩給・退職手当等の措置を講ずることとした。また、貸付対象となる簡易耐火構造住宅の構造を合理化するための改正も併せて行うこととした。

参照した発言:
第24回国会 衆議院 建設委員会 第13号

審議経過

第24回国会

衆議院
(昭和31年3月5日)
参議院
(昭和31年3月6日)
衆議院
(昭和31年3月8日)
(昭和31年3月9日)
(昭和31年3月9日)
参議院
(昭和31年3月13日)
(昭和31年3月15日)
(昭和31年3月16日)
(昭和31年3月28日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
住宅金融公庫法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年三月二十三日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第二十五号
住宅金融公庫法の一部を改正する法律
住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十六条」を「第十六条の二」に改める。
第二条に次の二号を加える。
五 耐火構造の住宅 主要構造部を耐火構造とした住宅をいう。
六 簡易耐火溝造の住宅 耐火構造の住宅以外の住宅で、外壁を耐火構造とし、屋根を不燃材料(建築基準法第二条第九号に規定するものをいう。以下本号において同じ。)でふいたもの又は主要構造部を不燃材料その他の不燃性の建築材料で造つたものをいう。
第十二条の次に次の二条を加える。
(役員の欠格条項)
第十二条の二 左の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
一 国務大臣、国会議員、政府職員(人事院が指定する非常勤の者を除く。)、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員
二 政党の役員
(役員の兼職禁止)
第十二条の三 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
第十六条を次のように改める。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第十六条 公庫の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第二章中第十六条の次に次の一条を加える。
(退職手当の支給の基準)
第十六条の二 公庫は、役員及び職員に対する退職手当の支給の基準を設けようとするときは、あらかじめ主務大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、また同様とする。
第二十条第一項の表区分の欄中「木造の住宅(防火構造、簡易耐火構造及び耐火構造の住宅以外の住宅をいう。以下同じ。)又は防火構造の住宅(外壁及び軒裏を建築基準法第二条第八号に規定する防火構造とした住宅をいう。以下同じ。)の建設及びこれらに附随する土地」を「耐火構造の住宅及び簡易耐火構造の住宅以外の住宅の建設並びにこれに附随する土地」に改め、「(外壁を耐火構造とした住宅をいう。以下同じ。)」及び「(主要構造部を耐火構造とした住宅をいう。以下同じ。)」を削る。
第二十一条第一項の表区分の欄中「木造の住宅又は防火構造の住宅の建設及びこれらに附随する土地」を「耐火構造の住宅及び簡易耐火構造の住宅以外の住宅の建設並びにこれに附随する土地」に改める。
第二十三条第六項中「(明治四十年法律第四十五号)」を削る。
第二十五条第二項を削る。
第三十二条中第二項を第三項とし、第一項を第二項とし、同条に第一項として次のように加える。
主務大臣は、公庫の役員が第十二条の二各号の一に該当するに至つたときは、これを解任しなければならない。
第三十八条の三及び第三十九条を削り、第三十八条の二を第三十九条とする。
第四十条から第四十四条までを次のように改める。
第四十条から第四十四条まで 削除
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十一年六月一日から施行する。
(恩給法の準用等)
2 この法律の施行の際現に住宅金融公庫の役員又は職員(改正前の住宅金融公庫法第十六条第一項に規定するものをいう。以下附則第八項、第十項及び第十一項において同じ。)で改正前の住宅金融公庫法第三十八条の三の規定により恩給法(大正十二年法律第四十八号)の規定の準用を受けていた者については、その者が引き続いて住宅金融公庫の役員又は職員として在職する間に限りその者を恩給法第二十条第一項に規定する文官で国庫から俸給を受ける者として勤続するものとみなし、当分の間、これに恩給法の規定を準用する。
3 前項の規定により恩給法の規定を準用する場合においては、恩給の給与等については、住宅金融公庫を行政庁とみなす。
4 附則第二項の規定により恩給法第二十条第一項に規定する文官で国庫から俸給を受ける者として勤続するものとみなされる者が附則第二項において準用する恩給法第五十九条の規定により国庫に納付すべき金額は、俸給の支払をする際その支払をする住宅金融公庫の職員が俸給からこれを控除し、その計算を明らかにする仕訳書を添附してその翌月十日までに、歳入徴収官に納付しなければならない。
(退職手当の期間通算等)
5 この法律の施行の際現に住宅金融公庫の役員又は職員として在職する者が、引き続いて住宅金融公庫の役員又は職員として在職し、更に引き続いて国家公務員となつて退職したときは、国家公務員等退職手当暫定措置法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基いて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者がこの法律の施行後引き続いて住宅金融公庫の役員又は職員として在職した期間を同法第二条第一項に規定する職員として在職した期間とみなす。
6 この法律の施行の際現に住宅金融公庫の役員又は職員として在職する者が、引き続いて住宅金融公庫の役員又は職員として在職する場合においては、その者に対する国家公務員等退職手当暫定措置法に基く退職手当は、支給しない。
7 住宅金融公庫は、改正後の住宅金融公庫法第十六条の二に規定する退職手当の支給の基準を設けようとするときは、前項に規定する者が国家公務員等退職手当暫定措置法第二条第一項に規定する職員としてこの法律の施行の際まで引き続いて在職した期間をこの法律の施行後における住宅金融公庫の役員又は職員として在職した期間とみなして退職手当を支給するように定めなければならない。
(国家公務員共済組合法の適用)
8 昭和三十一年五月三十一日現に国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)第二条第一項の規定に基いて建設省に設けられた共済組合の組合員で住宅金融公庫の役員又は職員である者については、同日に退職したものとみなして同法の規定を適用する。
(国家公務員等の旅費に関する法律の適用)
9 この法律の施行前になされた旅行命令等(国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)第四条第一項に規定する旅行命令等をいう。)により旅行する者に対し住宅金融公庫が支給する旅費については、なお従前の例による。
(国家公務員災害補償法の適用)
10 この法律の施行前に生じた事故に基く住宅金融公庫の役員又は職員の職務上の災害に対する補償については、なお従前の例による。
(国家公務員法の適用)
11 この法律の施行前に住宅金融公庫の役員及び職員がその職務上知ることができた秘密については、住宅金融公庫の役員及び職員は、一般職の職員たる国家公務員とみなして国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項及び第百九条第十二号の規定を適用する。
(国家公務員等退職手当暫定措置法の改正)
12 国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「、日本電信電話公社及び住宅金融公庫」を「及び日本電信電話公社」に改める。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の改正)
13 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第二条中「、住宅金融公庫」を削る。
(国家公務員等の旅費に関する法律の改正)
14 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を次のように改正する。
第一条第二項中「住宅金融公庫及び」を削る。
第二条第一項第一号中「、住宅金融公庫総裁」を削る。
(産業労働者住宅資金融通法の改正)
15 産業労働者住宅資金融通法(昭和二十八年法律第六十三号)の一部を次のように改正する。
第九条第一項の表区分の欄中「主要構造部を建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第七号に規定する耐火構造とした住宅をいう。」を「公庫法第二条第五号に規定するものをいう。」に、「外壁を建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造とした住宅をいう。」を「公庫法第二条第六号に規定するものをいう。」に改める。
(北海道防寒住宅建設等促進法の改正)
16 北海道防寒住宅建設等促進法(昭和二十八年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「且つ、公庫法第十九条(貸付をすることができる住宅)及び第二十条(貸付金額の限度)第一項に規定する簡易耐火構造の住宅又は耐火構造の住宅」を「公庫法第二条(定義)第五号に規定する耐火構造の住宅(以下「耐火構造の住宅」という。)又は同条第六号に規定する簡易耐火構造の住宅(以下「簡易耐火構造の住宅」という。)であり、且つ、同法第十九条(貸付をすることができる住宅)に規定する住宅」に、「公庫法第二十条第一項に規定する木造の住宅又は防火構造の住宅(以下本条において「木造の住宅又は防火構造の住宅」という。)の床面積を増加するための建設に係る場合においては、簡易耐火構造の住宅又は耐火構造の住宅」を「耐火構造の住宅及び簡易耐火構造の住宅以外の住宅の床面積を増加するための建設に係る場合においては、耐火構造の住宅又は簡易耐火構造の住宅」に改める。
第八条第二項の表区分の欄中「前項に規定する」を削り、「木造の住宅又は防火構造の住宅であるものの建設及び」を「耐火構造の住宅及び簡易耐火構造の住宅以外の住宅であるものの建設並びに」に改める。
第九条第一項中「且つ、融通法第七条第三項において準用する公庫法第十九条及び融通法第九条(貸付の条件)第一項に規定する耐火構造の住宅」を「融通法第七条第三項において準用する公庫法第十九条に規定する住宅であり、且つ、耐火構造の住宅」に改め、同条第二項の表区分の欄中「前項に規定する」を削る。
(日本住宅公団法の改正)
17 日本住宅公団法(昭和三十年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第五十九条第一項を次のように改める。
恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十九条に規定する公務員(以下本条において「公務員」という。)又は同条に規定する公務員とみなされる者(以下本条において「公務員とみなされる者」という。)が引き続いて公団の役員又は職員となつたときは、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第七十七号。以下「法律第七十七号」という。)附則第十条の規定の適用については、法律第七十七号附則第十条第一項中「引き続いて公務員又は公務員とみなされる者として在職し」とあるのは、「引き続いて公務員若しくは公務員とみなされる者又は日本住宅公団の役員若しくは職員として在職し」と読み替えるものとする。
内閣総理大臣 鳩山一郎
大蔵大臣 一万田尚登
建設大臣 馬場元治