(登録)
第四條 港湾運送事業を営もうとする者は、港湾ごとに前條各号の種別について、運輸大臣の登録を受けなければならない。
(登録の申請)
第五條 港湾運送事業の登録を受けようとする者は、左に掲げる事項を記載した申請書を運輸大臣に提出しなければならない。
2 前項の申請書には、申請者が雇用する労働者及び事業の施設に関する事項その他運輸省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。
(登録の実施及び登録の通知)
第六條 運輸大臣は、前條の規定により登録の申請があつた場合においては、次條の規定により登録を拒否する場合を除くの外、遅滯なく、前條第一項各号に掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を港湾運送事業者登録簿に登録しなければならない。
2 運輸大臣は、前項の規定による登録をした場合においては、遅滯なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
(登録の拒否)
第七條 運輸大臣は、登録の申請者が左の各号の一に該当するときは、その登録を拒否しなければならない。
一 この法律又は職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四十四條の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第二十二條の規定により港湾運送事業の登録を取り消され、その取消の日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
四 当該港湾運送事業に必要な労働者及び施設を有しないため、第十六條の規定の違反を生ずると認められる者
2 運輸大臣は、前項の規定による登録の拒否をした場合においては、遅滯なく、理由を附してその旨を登録の申請者に通知しなければならない。
(登録手数料)
第八條 登録の申請者は、三千円以下の範囲内において、政令で定める額の手数料を納めなければならない。
(運賃及び料金)
第九條 港湾運送事業の登録を受けた者(以下「港湾運送事業者」という。)は、運輸省令で定める手続に従い港湾ごとに運賃及び料金を定め、これを実施しようとする日の少くとも三十日前までに、運輸大臣に届け出るとともに、営業所において利用者の見易いようにこれを掲示しなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
2 利害関係人は、前項の規定により港湾運送事業者が定めた運賃及び料金が不当であると認めるときは、同項の期間内に、運輸大臣に対し、その理由を具して運賃及び料金の変更を港湾運送事業者に命ずべきことを請求することができる。
3 運輸大臣は、前項の請求があつたとき、又は自ら第一項の規定により港湾運送事業者が定めた運賃及び料金が次項各号の基準に適合しないと認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、運賃及び料金の実施を延期すべきことを命ずることができる。
4 運輸大臣は、前項の命令をした場合には、運輸審議会が当該港湾運送事業者に対し、当該港湾で開催する公聽会において、運賃及び料金が左の各号の基準に適合する旨を述べる十分な機会を與えた後、提出する答申を得て、当該運賃及び料金が左の各号の基準に適合するかどうかを審査して運賃及び料金の変更の要否を決定し、変更すべきものと決定したときは、当該港湾運送事業者に対し、理由を示して、運賃及び料金を変更すべきことを命ずることができる。但し、第一項の規定による実施の予定の日から三十日を経過したときは、この限りでない。
一 能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。
二 特定の利用者に対し不当な差別的取扱をするものでないこと。
5 第三項の規定による命令があつた場合において、第一項の規定による実施の予定の日から三十日を経過したとき、又は前項の規定による運輸大臣の決定があつたときは、港湾運送事業者は、その日から当該運賃及び料金(同項の規定により変更の命令があつた場合には、その変更に係る運賃及び料金)を実施することができる。
(運賃及び料金の遵守)
第十條 港湾運送事業者は、前條の規定により実施することとなつた運賃及び料金よりも高額若しくは低額の運賃及び料金を收受してはならず、又は收受した運賃及び料金の拂戻をしてはならない。
(港湾運送約款)
第十一條 一般港湾運送事業の登録を受けた者(以下「一般港湾運送事業者」という。)は、運輸省令で定める手続に従い港湾ごとに港湾運送約款を定め、これを実施しようとする日の三十日前までに運輸大臣に届け出るとともに、営業所において利用者の見易いようにこれを掲示しなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
2 利害関係人は、前項の規定により一般港湾運送事業者が定めた港湾運送約款が不当であると認めるときは、同項の期間内に、運輸大臣に対し、その理由を具して港湾運送約款の変更を一般港湾運送事業者に命ずべきことを請求することができる。
3 運輸大臣は、前項の請求があつたとき、又は自ら第一項の規定により一般港湾運送事業者が定めた港湾運送約款が次項各号の基準に適合しないと認めるときは、当該一般港湾運送事業者に対し、港湾運送約款の実施を延期すべきことを命ずることができる。
4 運輸大臣は、前項の命令をした場合には、運輸審議会が当該一般港湾運送事業者に対し、当該港湾で開催する公聽会において、港湾運送約款が左の各号の基準に適合する旨を述べる十分な機会を與えた後、提出する答申を得て、当該港湾運送約款が左の各号の基準に適合するかどうかを審査して港湾運送約款の変更の要否を決定し、変更すべきものと決定したときは、当該一般港湾運送事業者に対し、理由を示して、港湾運送約款を変更すべきことを命ずることができる。但し、第一項の規定による実施の予定の日から三十日を経過したときは、この限りでない。
一 利用者の正当な利益を害するおそれがないものであること。
二 少くとも貨物の受取及び引渡並びに一般港湾運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。
5 第三項の規定による命令があつた場合において、第一項の規定による実施の予定の日から三十日を経過したとき、又は前項の規定による運輸大臣の決定があつたときは、一般港湾運送事業者は、その日から当該港湾運送約款(同項の規定により変更の命令があつた場合には、その変更に係る港湾運送約款)を実施することができる。
(運賃、料金及び港湾運送約款の掲示)
第十二條 港湾運送事業者は、第九條及び前條の規定により実施することとなつた運賃、料金及び港湾運送約款を営業所において利用者の見易いように掲示しなければならない。
(引渡不能貨物の寄託)
第十三條 一般港湾運送事業者は、その責に帰すべからざる事由により貨物の引渡をすることができないときは、荷受人の費用をもつてこれを倉庫営業者に寄託することができる。
2 一般港湾運送事業者は、前項の規定により貨物を寄託したときは、遅滯なく、その旨を荷受人に通知しなければならない。
(名義利用の禁止)
第十四條 港湾運送事業者は、その名義を他人に港湾運送事業のため利用させてはならない。
(差別取扱等の禁止)
第十五條 港湾運送事業者は、特定の利用者に対し貨物の多寡その他の理由により不当な差別的取扱をしてはならない。
(全部下請の禁止)
第十六條 港湾運送事業者は、港湾運送を引き受けた場合には、第二條第二号、第三号又は第四号の行為の少くとも一部を自ら行わなければならない。
(変更等の届出)
第十七條 港湾運送事業者は、第五條第一項各号に掲げる事項に変更があつたときは、その事由が生じた日から三十日以内にその旨を運輸大臣に届け出なければならない。
2 第六條及び第七條の規定は、前項の規定による変更の届出があつた場合に準用する。
3 港湾運送事業者は、その雇用する労働者及び事業の施設で、運輸省令で定めるものを変更したときは、三十日以内にその旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(相続及び合併)
第十八條 港湾運送事業者について相続又は合併があつたときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その協議により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、港湾運送事業者のこの法律の規定による地位を承継する。
2 前項の規定により港湾運送事業者の地位を承継した者は、その事由が生じた日から三十日以内にその旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(事業の讓渡)
第十九條 港湾運送事業者が港湾運送事業を讓渡したときは、讓受人は、讓渡人のこの法律の規定による地位を承継する。
2 前條第二項の規定は、前項の讓渡があつた場合に準用する。
(事業の廃止)
第二十條 港湾運送事業者は、その事業を廃止したときは、三十日以内にその旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(登録のまつ消)
第二十一條 運輸大臣は、左の各号に掲げる場合においては、当該港湾運送事業者の登録をまつ消しなければならない。
二 次條の規定により港湾運送事業の登録を取り消した場合
(事業の停止及び登録の取消)
第二十二條 運輸大臣は、港湾運送事業者が左の各号の一に該当するときは、三箇月以内において当該事業の停止を命じ、又は当該港湾運送事業の登録を取り消すことができる。
二 第七條第一項第一号又は第三号の規定に該当するに至つたとき。
2 第七條第二項の規定は前項の処分をする場合に準用する。